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特撮事典

ベラ=ルゴシ映画

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ホワイト・ゾンビ

1932年
ヴィクター=ハルペリン(監) ベラ=ルゴシ、マッジ=ベラミー、ロバート=フレイザー、ブランドン=ハースト
 ハイチに住む叔父の元で結婚式を挙げるため、若い二人ニール(ハロン)とマデリン(ベラミー)はボーマン(フレイザー)邸を訪れた。不気味な人間が徘徊する村に恐れを覚えるマデリンだったが、しかしボーマンは実はゾンビ使いの怪人物(ルゴシ)と結託しており、マデリンを自分のものにしようとしていたのだった。
 日本放映時のタイトルは
『恐怖城』
 死体が動くというのは人間にとって根元的な恐怖を与えるもので、更に造形的に楽なので、特にB級恐怖映画では結構多用される傾向がある。それを確立したのは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)と言うことになるだろうが、それ以前にも、古くは『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)にその片鱗が窺える。だが、「ゾンビ」と言う名前を冠したのは本作が一番最初。「ゾンビ」と言う言葉自体あんまり私は好きじゃないけど、これの場合題そのものが
『White Zonbies』だから仕方ないところがあり。
 物語そのものは至って単純だが、この作品の場合、他の何にも勝ってベラ=ルゴシが格好良い。両手を腹の前でがしっと組み、指を絡める姿(『エド・ウッド』(1994)でランドーがやってた姿ね)は「おお!」ってな感じ。事実かなり格好良く見える。何を考えているんだか、浮世離れしてどこか遠くをうっとりと見つめているような視線もなかなか素敵だ。
 前述したが、ストーリーそのものが破綻していたため、見所と言えばそれしかないというのも事実なのだが、これが世界初の本物のゾンビ映画として、資料的な意味合いでもお薦めできる作品…と言っても観られる人は限られると思うけど。

 

呪術師
【じゅじゅつ-し】
 名前ははっきりしていない。ハイチに住む呪術師で、死体を(時折生者も)ゾンビ化させて自らのために働かせている。 甘崎
ゾンビ
【ぞんび】
 ハイチの土着信仰に登場する。呪術師が死体を蘇らせ、それを使役するというもので、本作はそれに則っている。 甘崎
ニール
【にーる】
 ハイチの富豪ボーマンの甥。叔父の招きで新婚旅行にハイチに行くが、そこでゾンビの群れに襲われることになる。 甘崎
ボーマン
【ぼーまん】
 ハイチに住む富豪で、新婚の甥のニールとマデリンの新婚旅行にハイチに呼ぶ。実はマデリンを狙っており、呪術師にマデリンの誘拐を頼む。しかし、マデリンの美しさに心奪われた呪術師によって、自身がゾンビ化させられてしまう。 甘崎