吸血鬼ノスフェラトゥ |
1922年 F=W=ムルナウ(監) マックス=シュレック、アレクサンダー=グラナック、グレタ=シュレーダー、グスタフ=フォン=ワンゲンハイム |
ヴィスボルクに住むフッター(グラナック)は上司ノッカーの命令で家を売るためトランシルヴァニアのオルロック伯爵を訪ねる。だが、村人は恐がり、その屋敷には吸血鬼が住むと言い合っていた。元来陽気なヨナソン=フッターは噂も気にせず、オルロック伯爵の屋敷に行く。そこで体験した恐ろしい体験。一方、首尾良くヴィスボルクに着いたオルロック伯爵はそこで美しいヨナソンの妻ニーナ(シュレーダー)と出会う。 サイレント映画の傑作。子供の頃に何かの機会に観て、その恐ろしさに目が離せなかった記憶がある。故に、本作が私が最も好きな吸血鬼映画となった。 それで、時が流れ、再びテレビで観る機会を得たが、出来は大満足。子供の頃の記憶と相まって、しかも人物の描き方やライティングの方法など、技術的にも素晴らしい作品に仕上がっていた(特に伯爵の描き方は感動もの)。 兎に角鬼気迫るシュレックの演技は素晴らしいの一言。言葉を用いずこれだけの不気味さを演出できたことに喝采を送りたい。 『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(2000)を観て、ますます惚れ直した。 本来本作はオリジナル通り「吸血鬼ドラキュラ」として製作されるはずだったのだが、原作者ブラム=ストーカーの遺族により著作権侵害で訴えられてしまい、仕方なく名前を変えて公開となったが、これはこれで独自の進化を遂げていったところが面白い(『ノスフェラトゥ』(1978)としてリメイクもされている)。ポップ・カルチャーに与えた影響もあり、それも又本作の優れた点として記憶されるべきだろう。 |
オルロック | → | |||
【おるろっく】 | ||||
|
ニーナ | → | |||
【にーな】 | ||||
|
ノスフェラトゥ | → | |||
【のすふぇらとぅ】 | ||||
|
ヨナソン | → | |||
【よなそん】 | ||||
|
レンフィールド | → | |||
【れんふぃーるど】 | ||||
|
ノスフェラトゥ |
1978年 ベルナー=ヘルツォーク(監) クラウス=キンスキー、イザベル=アジャーニ、ブルーノ=ガンツ |
不動産会社に勤めるジョナサンは上司レンフィールドの命令で、妻ルーシーを置いてドラキュラ伯爵に家を売るためトランシルヴァニアに赴く。土地の者が怖がって誰も近寄ろうとしない古城に住むドラキュラと出会ったヨナタンは首尾良く家を売ることに成功するが、同時にそれはヨーロッパにペスト災害を招く事でもあった。ヨナタンのロケットに入っているルーシーの写真に一目惚れした彼女に会いに行く伯爵。 1922年に公開された白黒作品『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)のリメイク。概ね同じストーリー展開だが、別な楽しみかたができた。 静かに、しかし狂気を帯びたシュレックの演じたドラキュラ伯爵(前作ではオルロック伯爵)をキンスキーが演じているが、これは別種の怖さがあった。何せあの真っ白なスキン・ヘッドで特徴的な「赤」を演出した辺り、なかなか美術的センスに溢れていると言えるだろう。ただ、シュレックの演技に衝撃を受けた身としては、 ネズミの蔓延する町の真ん中で食事をしていた人達が次の瞬間消えて、ネズミがテーブルに溢れかえっているとか、頽廃的な雰囲気は出ている。けど、やはり元が良いからこそ、の作品。 原作or前作で異彩を放っていたヘルシング教授も今回は今ひとつ。それも残念。 馬で失踪するヨナタンの姿は格好良いが、その地面に明らかに自動車の轍の跡があるのはご愛敬か。 |
ジョナサン | → | |||
【じょなさん】 | ||||
|
ドラキュラ | → | |||
【どらきゅら】 | ||||
|
ルーシー | → | |||
【るーしー】 | ||||
|
レンフィールド | → | |||
【れんふぃーるど】 | ||||
|