ビリー少年が父親から叱られながら夢中で読んでいるホラー・コミック。その雑誌に載っていた話が次々と映像となって…
父の日:7年前、「ケーキを出せ」と騒ぎ続けた父ネイト(ローマー)を思わず殺してしまった娘ベリンダ(リンドフォース)。今年も父の日に墓参りをするが…
草まみれの男:農家の庭に隕石が落下し、それを見たジョーディ(キング)がそれに水をかけた所…
みち潮:リチャード(ニールセン)は妻ベッキーの浮気現場を押さえ、ベッキーと浮気相手のハリーを海辺に首だけ出して埋める。
開封厳禁:大学教授のヘンリー(ホルブリック)は、大学に届いた荷物に怪物が入っていることを発見する。言葉巧みに悪妻のウィルマをおびき出して怪物に食べさせようとする。
クリープショー:極端な潔癖性の悪徳実業者アプトンは、潔癖性がいきすぎて、ついに無菌室の中で生活するようになったが、そこに一匹のゴキブリを発見する…
かつてアメリカで大人気を呼んだホラー系パルプ雑誌のECコミックを読みふけった世代の面々が(ECコミック自体はPTAの圧力で廃刊に追い込まれたそうだが)集まって、昔を思い出させる作品として作り上げたオムニバス・ホラー。
パルプ雑誌が元と言うだけあって、演出はかなり安っぽく、コミカルに仕上げられているのが特徴で、真剣な怖さというのとは無縁なのだが、一流俳優の熱演もあって妙に楽しい作品に仕上げられている。ショックシーンもほどほどで、ドキドキしながら、同時ににやにやして観ることが出来る作品。第5話だけはちょっと勘弁して欲しいけど。
かつてヒッチコックは「本当の笑いとは恐怖と紙一重のところにある」と常々言っていたそうだが、ホラー映画というのは単に怖く作ればいいと言うものではなく、そこに笑いを入れることで本当に怖さを演出出来るとも言える。そう言う意味ではこれだけ安っぽく作っていながらも、まさにヒッチコック風ホラーの定式に則っているのかも知れない。
数多くのカメオ出演もあるので、それを探してみるのも一興。楽しんで作ったのがよく分かる。
最近又ホラーが復権してきたが、そろそろ飽きられてきた感もある。むしろ活路はこう言う所にあるんじゃないのかな? |