稲垣浩

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稲垣浩

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 日本の映画監督、脚本家、俳優。本名:稲垣 浩二郎。戦前期に伊丹万作、山中貞雄らと時代劇の傑作を生み出し、日本映画の基礎を作った名監督の一人である。チャンバラに頼らない時代劇を作り「髷をつけた現代劇」と呼ばれた。生涯で100本の映画を撮り、海外での評価も極めて高い。
 …Wikipedia
経歴
1905'12'30 新派俳優・東明二郎の息子として東京で誕生
1922 日活向島撮影所に俳優として入社
1926 俳優兼助監督となる
阪妻プロ入社。
1927 阪妻プロを退社して松竹京都撮影所に入社。
1928 伊丹万作とともに片岡千恵蔵プロダクションの創設に参加
1931 個人の判断だけで『瞼の母』の映像許可を原作者長谷川伸からもらい、
『番場の忠太郎 瞼の母』として首を掛けて監督。大ヒットを記録したことで、監督を中心にする。
1932 トーキー試作品『旅は青空』を監督。
1933 京都の鳴滝に住んでいた若手映画人らと映画会社の垣根を超えた脚本執筆集団鳴滝組を結成する
1935 日活京都撮影所に入社。
1938 山中会を設立する。
1947 東横映画の第1作となった現代劇『こころ月の如く』を監督。
1950 主に東宝を中心に映画作りをはじめ、大作監督になっていく
1980'5'21 死去
5+
4+
3+
2+
個人的感想
1980 5'21 死去
1979 地獄の蟲 監督
1970 待ち伏せ
1969 新選組 製作
風林火山 監督
1968
五人の野武士
<A> <楽> 脚本
1967 佐々木小次郎 監督・脚本
1966 暴れ豪右衛門 監督・脚本
1964 士魂魔道 大龍巻 監督・脚本
1963 秘剣 監督・脚本
1962 忠臣蔵 花の巻 雪の巻 監督
どぶろくの辰 監督
1961 野盗風の中を走る 監督
大坂城物語 監督・脚本
ゲンと不動明王 監督・脚本
お馬は七十七万石 原作
1960 ふんどし医者 脚本
1959 或る剣豪の生涯 監督・脚本
日本誕生 監督
1958 旅姿鼠小僧 監督
無法松の一生 監督・脚本
柳生武芸帳 双竜秘剣 監督・脚本
1957 太夫さんより 女体は哀しく 監督
柳生武芸帳 監督・脚本
1956  監督
囚人船 監督
決闘巌流島 監督・脚本
新諸国物語 オテナの塔 後篇 監督・脚本
1955 続・宮本武蔵 一乗寺の決闘 監督・脚本
新諸国物語 オテナの塔 前篇 監督
1954 宮本武蔵 監督・脚本
1953 お祭り半次郎 監督・脚本
1952 風雲千両船 監督・脚本
上海の女 監督・脚本
戦国無頼 監督
1951 稲妻草紙 監督
完結 佐々木小次郎 巌流島決闘 監督
海賊船 監督
続佐々木小次郎 監督
1950 佐々木小次郎 監督
腰抜け二刀流 原案
1949 忘れられた子等 監督
1948 手をつなぐ子等 監督
1947 壮士劇場 監督
1945 最後の攘夷党 監督・脚本
東海水滸伝 演出
1944 狼火は上海に揚る 春江遺恨 監督
1943 無法松の一生 監督
1942 獨眼龍政宗 監督
宮本武蔵 一乗寺決闘 監督
1941 江戸最後の日 監督
海を渡る祭礼 監督
1940 宮本武蔵 第三部 剣心一路 監督
宮本武蔵 第一部 草分の人々 第二部 栄達の門 監督
1939 続 魔像 茨右近 監督
牢獄の花嫁 解決篇 脚本
牢獄の花嫁 前篇 脚本
1938 大岡政談 魔像 監督
地獄の蟲 監督・原作・脚本
闇の影法師 監督
出世太閤記 監督
1937 血煙高田馬場 監督
飛竜の剣 監督
1932 旅は青空 監督・原作・脚本
1931 番場の忠太郎 瞼の母 監督・脚本
1930 諧謔三浪士 監督・脚本
1928 放浪三昧 監督デビュー
1905 12'30 東京で誕生

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レビュー
待ち伏せ
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藤木弓
小国英雄
高岩肇
宮川一郎(脚)
三船敏郎
石原裕次郎
勝新太郎
中村錦之助
浅丘ルリ子
北川美佳
有島一郎
土屋嘉男
山崎竜之介
戸上城太郎
市川中車
中北千枝子
田中浩
荒木保夫
木村博人
沖田駿一
阿知波信介
沢登護
久野征四郎
佐田豊
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 人里離れた三州峠に集うひと癖もふた癖もある男達がいた。鎬刀三郎(三船敏郎)という用心棒、渡世人の弥太郎(石原裕次郎)、腕は確かだが酒ばかり飲んでる医師玄哲(勝新太郎)、そして狙った獲物は必ず射止めるという追跡役人の伊吹兵馬(中村錦之介)…彼らの狙いは?
 この時代になると、TVの普及によってそれまでエンターテインメントの第一候補としてあげられていた映画にも陰りが見えてきていた。それでそれまでの映画製作会社はそれぞれ資金繰りにも困るようになってきたのだが、それをよく表しているのが本作といえる。ここに登場する俳優陣、三船敏郎、勝新太郎、石原裕次郎、中村錦之助はそれぞれ自分のプロダクションを持ち、これまで数々の作品を作ってきたが、それに危機感を覚え、プロダクションを超えて共演を果たした。更にアクション作には定評のある稲垣浩を監督に据えて製作。誠に豪華すぎる作品に仕上がっていた。
 ただし、その出来は…
 「船頭多くして船山に上る」という言葉を如実に示すような作品となってしまった。日本を代表する主役級のキャラばかりだが、話は全然制御されてない。三船、勝、石原共に自分を押し出そうとし、それぞれが勝手気ままに自分を目立たそうとした結果、アクの強さばかりしか見えない作品になってしまった。唯一脇役に徹した中村錦之介が目立たないながら良い仕事したと思えるくらいか?
 その辺は私が言うまでもなく、興行成績も見事に失敗すしたという事実で明らか。単にスターが出ているだけでは観客が呼べなくなったことの証明ともなった。
 それでも好みのキャラがそれぞれの癖たっぷりに演技してるので、それだけで満足はできた。
製作年 1970
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
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風林火山
1969キネマ旬報日本映画第10位
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橋本忍
国弘威雄(脚)
三船敏郎
佐久間良子
大空真弓
中村錦之助
中村勘九郎
中村翫右衛門
中村賀津雄
田村正和
志村喬
香川良介
中谷一郎
清水将夫
久保明
土屋嘉男
嵯川哲朗
堺左千夫
向井淳一郎
村田吉次郎
山崎竜之介
中村梅之助
緒形拳
久我美子
高瀬一樹
寺田広巳
南原宏治
平田昭彦
東郷晴子
沢井桂子
春川ますみ
月形龍之介
富田仲次郎
戸上城太郎
石原裕次郎
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 甲斐の山を見下ろす村に一人の男がやってきた。山本勘助(三船敏郎)というその男は名君武田晴信(中村錦之助)に仕官して、天下を平定しようという壮大な野望があった。暗殺劇を仕組んで武田の家老板垣に恩を売り、計略通り晴信の家臣になる事が出来た勘助は、古くからの群臣を前に晴信に目的のためには冷酷非情な手段をいとわぬ意見をずけずけと言うが、逆にそれが晴信に気に入られ、更に自分の言った役目を見事果たして見せたため、武田は甲斐を席巻していく。そんな中、焼け落ちる諏訪城から由布姫(佐久間良子)を救った勘助は、由布姫の美しさに惹かれつつも、彼女を晴信の妻とし、ますますの出世を果たしていく。
 戦国の世の中、数多くの武将が群雄割拠する時代に現れた天才軍師山本勘助の半生を描く井上靖の同名小説の映画化作。60年代後半、徐々に衰退の兆しを見せていた邦画をオールキャストと壮大な合戦シーンを駆使して、「映画ならでは」の楽しさを追求した作品と言えよう。1968年邦画興行成績は堂々の1位
 1950年代あたりから邦画の大作というと決まって歴史絵巻になり、金を使うんだったらこれ。といった感じで結構な数の作品が作られてきた。本作はその最たるもので、今だったら予算上不可能な豪華キャストが魅力。実際見応えのみに関して言えば素晴らしい作品だとも言える。
 ただ、これを改めて観て思うことは、戦国絵巻というのは、映画ならではではあるものの、物語を重要視するならば、決して良い作品とは言いがたい。特に本作はそれが顕著。主役の山本勘助は長く武田に仕えた軍師だけに、取り上げるべきエピソードがかなり多く、話の山場が多すぎて、結果物語そのものが散漫になってしまった。エピソードの一つ一つは盛り上がって、演出も良いのだが、それを小出しに何回もやると、やっぱりきついかな?スケールを考えなければテレビシリーズでやった方がかえって見応えがある…というか2007年にNHKの大河ドラマでやってたので(主人公山本勘助役は内野聖陽)、それを観てる最中に本作を観たもので、余計それが目についてしまったというのは事実。
 歴史絵巻は壮大であるが故に映画向きであり、逆に壮大であるが故に映画の時間では描ききれない側面があることを痛感させられた出来事。シリーズ化するか、あるいはスケールを小さくしてテレビにした方がかえって良いのか?
 見事なオールキャストも、実際それを活かし切れたかというと難しいところ。逆に多彩なキャスティングが三船敏郎の存在感を薄めてしまった感じは否めず。由布姫との、戦国時代らしいロマンスも、ドラマ性を深めるよりもかえって浅くしてしまった感じ。何より、やっぱりこの時代の三船敏郎だと山本勘助やるにはちょっと老け過ぎか…内野聖陽の溌剌とした姿を観た後で本作を観ると、いかんせんどうしてもそれを感じてしまう。
製作年 1969
製作会社
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原作
風林火山 <A> <楽>
井上靖 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
暴れ豪右衛門
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井手雅人
稲垣浩(脚)
三船敏郎
乙羽信子
佐藤允
田村亮
大空真弓
天本英世
小杉義男
山本廉
荒木保夫
草川直也
堺左千夫
榊田敬二
田辺和佳子
平田昭彦
星由里子
西村晃
黒部進
田島義文
清水元
塩沢とき
加東大介
富田仲次郎
佐々木孝丸
上田吉二郎
向井淳一郎
沢村いき雄
池田生二
吉頂寺晃
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1966
製作会社
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原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
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士魂魔道 大龍巻
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木村武
稲垣浩(脚)
市川染五郎
佐藤允
夏木陽介
三船敏郎
星由里子
久我美子
水野久美
草笛光子
戸上城太郎
稲葉義男
久保明
平田昭彦
香川良介
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 大坂夏の陣で落城寸前の大阪城。深見重兵衛(市川染五郎)は敗北を悟って切腹しようとするのだが、その時豊臣秀頼の子国松を抱いて落ち延びようとする小里(星由里子)を助け、この子を救うために奥野久之助(夏木陽介)、草薙修理(佐藤允)と共に落ち延びるのだが…
 武士道を失った武士達の流転の運命を描いた南条範夫原作の「士魂魔道」を稲垣浩監督が映画化。
 それなりに原作はきちんと書かれているのだと思うのだが、いざ映画になったら、登場人物が比較的多く、それぞれに見せ場を作ろうとした結果、物語そのものはかなりいい加減なものになってしまった。しかも後半ぐたぐたになった物語を一気に龍巻で強引に終わらせてしまう…冷静に見ると、結構なトンデモ映画に仕上がってしまった。ある意味非情にカルトな作品と言っても良いだろう。これだけのキャラを使っておきながら、それを活かせなかったとは、監督らしくもない。
 でも、それらを全部ひっくるめて、最後の龍巻が物語全てを物語っている。たっぷり時間を遣って、あらゆるものを吹き飛ばす龍巻の大迫力。これこそ円谷英二の面目躍如ってところだろう。物語そのものはどうしようもなくても、それだけで全部許してしまえるのが特撮ファンの性ってやつだろうな。

 特技監督は円谷英二。稲垣監督と円谷監督の打ち合わせは業界最短記録で、円谷のオフィスに来た稲垣は一言「やあ」。それに対し円谷は「おっす」と答え、これで打ち合わせは終了。と、円谷側のスタッフであった中野昭慶が後に述懐している。
製作年
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
士魂魔道 <A> <楽>
南条範夫 (検索) <A> <楽>
歴史地域
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秘剣
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稲垣浩
木村武(脚)
市川染五郎
長門裕之
月形龍之介
池内淳子
中川ゆき
田村奈巳
清水将夫
香川良介
左卜全
三井弘次
中谷一郎
児玉清
山本廉
藤田進
田崎潤
田島義文
土屋嘉男
伊吹徹
天本英世
菅井きん
小杉義男
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1963
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
忠臣蔵 花の巻 雪の巻
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藤本真澄
田中友幸
稲垣浩(製)
八住利雄(脚)
松本幸四郎
原節子
加山雄三
司葉子
三船敏郎
三橋達也
宝田明
夏木陽介
佐藤允
市川団子
中村萬之助
市川染五郎
加東大介
河津清三郎
市川中車
志村喬
小林桂樹
池部良
森繁久彌
フランキー堺
新珠三千代
団令子
星由里子
池内淳子
淡路恵子
沢村貞子
草笛光子
水野久美
北川町子
白川由美
藤山陽子
一の宮あつ子
中島そのみ
中北千枝子
東郷晴子
浜美枝
有島一郎
久保明
江原達怡
太刀川寛
平田昭彦
小泉博
藤木悠
土屋嘉男
高島忠夫
市川段四郎
小杉義男
中村芝鶴
香川良介
清川荘司
ヘンリー大川
中村又五郎
山茶花究
田崎潤
戸上城太郎
中丸忠雄
船戸順
清水元
柳家金語楼
藤原釜足
八波むと志
横山運平
藤田進
三木のり平
由利徹
南利明
市川高麗蔵
千葉一郎
天本英世
伊藤久哉
山本廉
上原謙
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1962
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(史実)
売り上げ
原作
仮名手本忠臣蔵 <A> <楽>
歴史地域 1702 赤穂浪士の吉良邸討ち入り
関連
野盗風の中を走る
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田中友幸(製)
井手雅人
稲垣浩(脚)
夏木陽介
佐藤允
市川染五郎
中村万之助
多々良純
中丸忠雄
谷晃
笠智衆
雪村いづみ
若林映子
田村奈巳
松本幸四郎
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1961
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(活劇)
売り上げ
原作
真山美保 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
ゲンと不動明王
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稲垣浩(製)
井手俊郎
松山善三(脚)
小柳徹
坂部尚子
千秋実
乙羽信子
笠智衆
三船敏郎
高橋とよ
千石規子
浜美枝
夏木陽介
飯田蝶子
東郷晴子
小杉義男
左卜全
田武謙三
香川良介
横山運平
谷晃
音羽久米子
村田嘉久子
菅井きん
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1961
製作会社 東宝
ジャンル こども(人生)
職業(聖職)
売り上げ
原作
ゲンと不動明王 <A> <楽>
宮口しづゑ (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
ふんどし医者
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田中友幸(製)
菊島隆三(脚)
森繁久弥
原節子
山村聡
夏木陽介
江利チエミ
志村喬
田島義文
谷晃
佐田豊
小杉義男
本間文子
田村まゆみ
清水元
八波むと志
村上冬樹
中谷一郎
中北千枝子
沢村いき雄
高原駿雄
十朱久雄
横山運平
馬野都留子
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1960
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(人物)
職業(医者)
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原作
褌医者 <A> <楽>
中野実 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
日本誕生
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藤本真澄
田中友幸(製)
八住利雄
菊島隆三(脚)
三船敏郎
司葉子
中村鴈治郎
宝田明
久保明
平田昭彦
伊豆肇
東野英治郎
伊藤久哉
野村浩三
田崎潤
田中絹代
杉村春子
志村喬
鶴田浩二
香川京子
山田巳之助
原節子
小林桂樹
加東大介
柳家金語楼
左卜全
乙羽信子
上原美佐
脇田博行
村松恵子
瀬良明
中北千枝子
朝汐太郎
藤木悠
小杉義男
向井淳一郎
三島耕
水野久美
村田嘉久子
環三千世
上田吉二郎
榎本健一
有島一郎
三木のり平
沢村いき雄
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1959邦画興行成績2位。
製作年 1959
製作会社 東宝
ジャンル ファンタジー(日本)
売り上げ
原作
古事記 <A> <楽>
歴史地域 出雲(島根)
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無法松の一生
1958ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞(稲垣浩)
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田中友幸(製)
伊丹万作
稲垣浩(脚)
三船敏郎
高峰秀子
芥川比呂志
飯田蝶子
笠智衆
田中春男
多々良純
中村伸郎
中北千枝子
宮口精二
有島一郎
左卜全
高堂国典
土屋嘉男
笠原健司
大村千吉
沢村いき雄
小杉義男
上田吉二郎
山田巳之助
稲葉義男
谷晃
今泉廉
馬野都留子
本間文子
松本薫
平奈淳司
久世竜
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 粗暴だが気っぷの良さと正義感溢れる小倉の町の名物車引き、無法松こと富島松五郎(三船敏郎)はある日木登りをしていて怪我した少年吉岡小太郎を助け、それが縁で軍人の吉岡家に足繁く通うようになった。小太郎の父敏雄は松五郎の侠気を褒め、しかし短慮さをいさめ、そんな敏雄を松五郎も慕っていたが、軍事演習が元で風邪をこじらせた敏雄はあっけなく死んでしまった。そして残された妻良子(高峰秀子)と小太郎を支えていこうとする松五郎。

 『無法松の一生』(1943)のセリフリメイク。かつて阪東妻三郎の復帰作ともなった主役の松五郎に今回は三船敏郎を起用する。
 そもそも1943年の作品は監督にとっては不満の多い作品だったという。「車夫が軍人の妻に恋心を抱くとは不謹慎」とされ、軍部の命令によってその部分が切られてしまった事をいたく気にし続けた監督は、これをリメイクすることをずっと考えていたらしい。そしてこれまた希代の名優三船敏郎という人物を得てついにリメイクと相成った。
 物語そのものは本当にそのまま43年版をトレースした感じ。元が良いので、手を入れる必要は無いと判断したのは正しい。リメイクとはいえ、オリジナルに勝るとも劣らぬ安定した出来は、流石稲垣監督円熟期の作品だと思わせられる。
 稲垣監督がこだわった松五郎の愛の告白も当然本作には入っているが、私個人の意見ではそれは必要ないと思うので、あったからどう。と言う思いもない。
 そうなると取り立ててどちらが良い悪いを言う必要はないので、主役二人のパーソナリティの違いと言うことになるだろうか?
 阪東妻三郎も三船敏郎も活劇も出来る名優ではあるが、この二人は多少役幅が違っている。例えば阪妻の破れ太鼓(1949)と三船の『天国と地獄』(1963)の二作を較べてみると、どちらも功成り名を挙げた大人の役を演じているが、家族の危機に対し、阪妻は意地を張り続けていても、どこかにもろさを感じさせる役柄だったが、三船の方は、徹頭徹尾“強い男”を演じ続けた。どちらも見事なはまり役だったが、やはり役柄のどこかに“弱さ”を感じさせられるかどうか。が松五郎を演じる際の違いになっていたのではなかろうか。
 どこかに弱さが見られる阪妻版に対し、あくまで強い三船版。同じ役をやっていても、たとえ口では同じ台詞を言っても、違いを感じさせられる。役の個性ってのはやっぱりあるものだ。
 こればかりは好みとしか言いようがないのだが、結論から言えば私は阪妻版の方が好き。やはり人間、どこかに隙が欲しいし、ちょっと下品な感じの方が松五郎には似合う気がするよ。そう言う意味での雰囲気作りはやっぱり阪妻がはまってると思われる。
製作年 1958
製作会社 東宝
ジャンル 人生(男の一生)
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原作
無法松の一生 <A> <楽>
岩下俊作 (検索) <A> <楽>
歴史地域 小倉(福岡)
関連 無法松の一生(1943)
柳生武芸帳 双竜秘剣
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稲垣浩
若尾徳平(脚)
鶴田浩二
三船敏郎
乙羽信子
久我美子
岡田茉莉子
松本幸四郎
大河内伝次郎
戸上城太郎
中村扇雀
岩井半四郎
左卜全
小堀明男
東野英治郎
上田吉二郎
村上冬樹
小杉義男
西条悦朗
広瀬正一
大村千吉
佐田豊
沢村いき雄
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1958
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(活劇)
売り上げ
原作
柳生武芸帳 <A> <楽>
五味康祐 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
柳生武芸帳
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田中友幸(製)
稲垣浩
木村武(脚)
三船敏郎
鶴田浩二
久我美子
香川京子
岡田茉莉子
大河内伝次郎
中村扇雀
平田昭彦
戸上城太郎
清水元
西条悦郎
岩井半四郎
左卜全
桜井巨郎
久保賢
上田吉二郎
小堀明男
大友伸
久世竜
香川良介
土屋嘉男
田島義文
向井淳一郎
山本廉
池田兼男
草間璋夫
三田照子
平奈淳司
東野英治郎
大橋史典
大塚国男
谷晃
熊谷一佳
小杉義男
稲葉義男
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1957
製作会社 東宝
ジャンル 時代劇(活劇)
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原作
柳生武芸帳 <A> <楽>
五味康祐 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
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稲垣浩(製)
菊島隆三(脚)
笠智衆
山本廉
大塚国夫
久保明
雪村いづみ
田中絹代
加東大介
東郷晴子
中北千枝子
清水元
山田巳之助
谷晃
松尾文人
稲葉義男
江川宇礼雄
今泉廉
馬野都留子
上野明美
黒岩小枝子
泉千代
武田昭
鈴木映弘
平奈淳司
中村葉子
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1956
製作会社 東宝
ジャンル 人生(小市民)
家族(家族形成)
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原作
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島崎藤村 (検索) <A> <楽>
歴史地域
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決闘巌流島
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滝村和男(製)
稲垣浩
若尾徳平(脚)
三船敏郎
鶴田浩二
岡田茉莉子
桜井将紀
上田吉二郎
高堂国典
八千草薫
岡豊
志村喬
佐々木孝丸
音羽久米子
瑳峨三智子
清川荘司
沢村いき雄
葉山富之輔
田中春男
山田巳之助
本間文子
出雲八重子
勝本圭一郎
登山晴子
富田仲次郎
加東大介
沢村宗之助
千秋実
杉本昭
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 名だたる剣豪を斬り続け、剣豪として有名となった武蔵(三船敏郎)だが、しばし剣を置き、江戸の旅籠で観音像を彫ったり、法典ヵ原に庵を結び、畑を耕したりしていた。そんな生活の中、彼を追うお通(八千草薫)と出会い、心を通わせかかるが、そこに野盗が現れ、その危険を知らせようとした朱美(岡田茉莉子)は殺されてしまう。朱美を葬った武蔵野元に佐々木小次郎(鶴田浩二)からの果たし状が届く…。
 稲垣浩版『宮本武蔵』の完結編。本作の売りはやはり舟島(巌流島)での武蔵と小次郎の決闘だが、そこに至るまでの過程が丁寧に描かれている。まあ、その辺が冗長な部分って確かにあるし、強引に決闘シーンに持ち込んでるような感じも受ける。決闘のシーンはなかなか見栄えがするものの、ちょっと間が悪いんじゃないかな?
 物語自体は決して悪い訳じゃない。むしろこういった静けさは物語上必要なんだ。
 今回は武蔵があくまで静かなので、三船敏郎の出番はあまり多くない。むしろ武蔵よりも純粋に剣にのみ頼って生きようとする鶴田浩二演じる小次郎の方がキャラクターが立ってた感じ。
製作年 1956
製作会社 東宝
ジャンル 伝記時代劇(人物)
売り上げ
原作
宮本武蔵 <A> <楽>
吉川英治 (検索) <A> <楽>
歴史地域 巌流島(山口)
関連 シリーズ第3作
キーワード
続・宮本武蔵 一乗寺の決闘
<A> <楽>
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稲垣浩
若尾徳平(脚)
三船敏郎
鶴田浩二
堺左千夫
平田昭彦
藤木悠
加東大介
東野英治郎
尾上九朗右衛門
御橋公
高堂国典
田武謙三
飯田健人
西条悦郎
田島義文
稲葉義男
鉄一郎
浜田寅彦
山本廉
久世龍
桜井巨郎
松尾文人
緒方燐作
谷晃
牧壮吉
八千草薫
岡田茉莉子
水戸光子
木暮実千代
滝花久子
近藤圭子
北川町子
三好栄子
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 鎖鎌の達人宍戸梅軒(東野英次郎)に打ち勝った宮本武蔵は、京へと向かう。そして彼の後を追うお通(八千草薫)と朱美(岡田茉莉子)。お通を巡り、名門吉岡家と事を構えた武蔵は吉岡清十郎(平田昭彦)を懲らしめ、その弟吉岡伝七郎(藤木悠)を斬った。恨み心髄の清十郎は一乗寺下り松で武蔵に決闘を申し出るが、門下の弟子達が先回りし、武蔵ををだまし討ちにしようとする…。
 『宮本武蔵』(1954)の続編で、1955年邦画興行成績も6位と健闘した作品。一応前作と同様吉川英治の小説をベースとしているが、大分脚色されているのが特徴で、いきなり冒頭で宍戸梅軒と戦ってるのには驚かされる。ちょっと展開が早すぎない?
 今回の特徴としてついに終生のライバル佐々木小次郎(鶴田浩二)が登場した。この時点では余裕をもって武蔵を見守るだけの役。それにしても東野英次郎はいろんな役をやるねえ。
 他の作品もそうなんだが、最初の武蔵開眼までと最後の巌流島の決闘がこの物語のメイン。どうしてもその間は少々だれてしまう。更に大分アレンジされた上に展開がえらく早いので、原作を知ってる身としては最後まで疑問符が消えなかった(内田吐無版はより原作に近く、更に二部に分かれているから、そっちの方が良かったような…)
 キャラクターは相変わらず立っているものの、今回の三船敏郎は今ひとつ乗り切れてないんじゃないか?むしろキャラとして立っていたのはお通訳の八千草薫の方だ。
 オープニングもそうだけど、ラストシーンもちょっと驚かされる。まさか武蔵がお通を襲うシーンが出てくるなんて…三船敏郎の描写は変なストイックさを強調して欲しかったので、あの暴走はいただけない。
 その辺がちょっと引っかかるので、点数はやや低めに。
製作年 1955
製作会社 東宝
ジャンル 伝記
時代劇(人物)
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原作
宮本武蔵 <A> <楽>
吉川英治 (検索) <A> <楽>
歴史地域 京都
関連 シリーズ第2作
キーワード
宮本武蔵
1955アカデミー名誉賞
<A> <楽>
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滝村和男(製)
稲垣浩
若尾徳平(脚)
三船敏郎
尾上九朗右衛門
三国連太郎
八千草薫
水戸光子
岡田茉莉子
三好栄子
平田昭彦
阿部九州男
小杉義男
加東大介
小沢栄
上山草人
谷晃
恩田清二郎
如月寛多
松尾文人
大久保正信
増田正雄
桜井美智夫
山階信弘
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 宮本村の新免武蔵(三船敏郎)と本位田又八(三国連太郎)は出世を夢みて関ケ原の戦さに参加するが、敗れて伊吹山中をさ迷い歩くうち、お甲(水戸光子)と朱実(岡田茉莉子)の母娘に救われた。又八はお甲と所帯を持ち、武蔵の前を去ってしまい、武蔵は一人で故郷宮本村に帰る。だが、又八の母お杉婆(三好栄子)は息子が帰らないのを武蔵のせいだと恨み、役人に彼を追わせる。捕まれば殺されてしまうところをすんでの所で沢庵和尚(尾上九朗右衛門)に辛くも命を助けられた武蔵は三年の間、姫路城の天守閣で書を読み暮らすことに…。
 吉川英治の人気小説の映画化作品。吉川英治版「宮本武蔵」は国民小説とも言われるほどで、現代に至るまで何度も映画化&テレビ化がなされているが、本作は同じ稲垣浩監督による2度目の映画化で、今回の主役の武蔵を旬の三船敏郎という布陣で作られた作品。本作は1954年邦画興行成績では7位の好成績を収め、翌年のアカデミー名誉賞(現在の外国語映画賞)をも受賞した
 一言で言ってしまうと本作はキャラクターを立たせることに特化した作品で、三船敏郎は見事なはまり役だった(同じ年に公開された『七人の侍』での菊千代を彷彿とさせる)。彼が出るだけで画面が締まって見えるのが凄い。やっぱり希有な役者なんだと今更ながら思う。後はお通役の八千草薫が(少々お通のイメージとは違う気もするが)とても綺麗。カメラの使い方の巧さかな?少なくとも、今観て充分に鑑賞に堪えられるどころか、最高の武蔵映画だと言うことは出来るだろう。
 ストーリーに関しては分かってることをなぞってるだけだから、言うべき所は無し。
 ちなみにこのシリーズ、助監督に福田純が参加してる。
製作年 1954
製作会社 東宝
ジャンル 伝記
時代劇(人物)
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原作
宮本武蔵 <A> <楽>
吉川英治 (検索) <A> <楽>
歴史地域 関ヶ原(岐阜)宮本村(岡山)姫路(兵庫)
関連 シリーズ第1作
キーワード
上海の女
<A> <楽>
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田中友幸(製)
棚田吾郎
稲垣浩(脚)
山口淑子
三国連太郎
荒木道子
青山杉作
二本柳寛
佐々木孝丸
加東大介
増田正雄
今泉廉
瀬良明
沢村貞子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1952
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
キーワード
戦国無頼
<A> <楽>
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田中友幸(製)
稲垣浩
黒澤明(脚)
三船敏郎
三國連太郎
市川段四郎
山口淑子
浅茅しのぶ
東野英治郎
志村喬
香川良介
小杉義男
青山杉作
三好栄子
高堂国典
上田吉二郎
田武謙三
谷晃
小宮一晃
杉寛
堀内永三郎
長浜藤夫
広瀬嘉子
北川好子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1952
製作会社 東宝
ジャンル 戦国時代(時代劇)
売り上げ $
原作
戦国無頼 <A> <楽>
井上靖 (検索) <A> <楽>
歴史・地域 近江(滋賀)
関連
狼火は上海に揚る 春江遺恨
<A> <楽>
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八尋不二(脚)
阪東妻三郎
月形龍之介
石黒達也
香川良介
東良之助
中村吉松
梅憙
李麗華
王丹鳳
呂玉埜
厳俊
姜明
韓蘭根
殷秀岑
オルロフ
モスカレンコ
セリバノフ
葛木香一
水野浩
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 日本では幕末。長州の志士高杉晋作(板東妻三郎)が勉学のために上海にやってきた。そこで彼が見たものは、イギリスの支配とそれに反発する太平天国の乱だった。そこで中国人のメイ・シーと出会った高杉は、彼とのいくつもの誤解を解き、やがて同士としてアジアの為に立つことを心に決める…
 太平洋戦争のまっただ中、占領下の上海で“合作”された「民族の歴史」三部作の第一部(第二部以降は製作される前に終戦)で、日本のプロパガンダ映画を代表する一本。
 サイレント時代のヒーローであった板東妻三郎は、映画がトーキーとなってえらい苦労したそうだ。立ち居振る舞いは映画向きだとしても、彼の声は男としては甲高く、そのまま声を当てると大変聞き取りづらい(『雨に唄えば』(1952)を地でやっていたわけだな)。それでも努力家の板東は声を抑える努力をし、前年に傑作『無法松の一生』(1943)の主演を果たした。
 しかし、本作は板東の地が出ていたようで、大変声が聞き取りづらくなっている。更に本作の場合、「言葉」を大変大切にしているのだろうけど、わざわざ通訳を通して中国語で会話をさせているため、聞き取りづらい台詞が延々と続く。はっきり言って、聴いてるこっちはたまったものではない。更に支配者であるイギリス人の英語は片言で、これ又聞きづらい。物語以前にそれでげんなりしてしまう
 舞台を上海に、そして高杉晋作と太平天国の乱を題材にしたことは面白い設定にせよ、所詮はプロパガンダ映画。思った通りの展開が続くばかり。最後は英米の支配を打ち砕くため中国人との握手で終わる展開。
 私自身にこういった国策映画を評価したくないと言う先入観があるのかも知れないが、なんか妙な苛つきを抑えることが出来なかった。アクション映画には定評のある稲垣監督なんだから、もう少し自由に映画作らせてやれば良かったのに…そう思えるのも現代だからこそか
製作年 1944
製作会社 中華電影公司
大映
ジャンル 歴史
国策映画
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原作
歴史地域 上海(中国)
1851 太平天国
関連
無法松の一生
<A> <楽>
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伊丹万作(脚)
阪東妻三郎
月形龍之介
永田靖
園井恵子
川村禾門
沢村晃夫
杉狂児
山口勇
葛木香一
尾上華丈
小宮一晃
香川良介
小林叶江
町田仁
荒木忍
横山文彦
戸上城太郎
水野浩
葉山富之輔
二葉かほる
浮田勝三郎
滝沢静子
春日清
大川原左雁次
志茂山剛
小池柳星
駒井耀
中根正治
阪東実
宗春太郎
杉本潤一
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 粗暴だが気っぷの良さと正義感溢れる小倉の町の名物車引き、無法松こと富島松五郎(阪東妻三郎)はある日木登りをしていて怪我した少年吉岡小太郎を助け、それが縁で軍人の吉岡家に足繁く通うようになった。小太郎の父敏雄は松五郎の侠気を褒め、しかし短慮さをいさめ、そんな敏雄を松五郎も慕っていたが、軍事演習が元で風邪をこじらせた敏雄はあっけなく死んでしまった。そして残された妻良子と小太郎を支えていこうとする松五郎。
 本作は小倉の作家岩下俊作の小説の映画化で、戦前の稲垣監督の、そしてトーキーにおける阪東妻三郎の代表作である。
 サイレント時代の名優と言われた阪東妻三郎はトーキーになって最も苦労した役者と言われる。歌舞伎を思わせる立ち居振る舞いこそきっちりしているが、阪東の声は男にしてはあまりにもキーが高すぎた。落ち着いて喋っている分にはなんとか抑えられても、興奮したり、力が入ると途端に甲高くなってしまう。お陰でトーキーが普通になって以来めっきりと仕事が減ってしまった。この時期の阪妻はサイレント映画を選んで出演していたが、サイレントの駆逐と共に、とうとう仕事が無くなってしまい、本人も相当に悩んだそうだ。そんな彼が復帰できたのは他でもない、本作の主人公松五郎の役に惚れ込んで、何が何でもこれを自分が演じたいと切望し、徹底的にヴォイストレーニングをしたからと言う。本作こそがサイレントとトーキーをつなぐ名優阪東妻三郎の誕生となった作品なのだ。
 実際、ここでの阪妻の演技はほれぼれするほど見事。今から観ると劣化激しい画面ではあるが、その見事さはよく分かる。おそらく稲垣監督から何度も駄目出しをされながら、理想の演技に近づけていったんだろうと思える。実際、1953年版の三船敏郎と較べると、どうしてもこちらの方が面白く感じてしまう。三船は三船という強烈な個性で演技してるが、阪妻の方は、自らを松五郎に近づけようとしているから、とも思う。それに強さと弱さの共存している松五郎は、三船じゃ強さばかりが強調されて弱さが出てこないし、庶民的な部分が薄い。やはり阪妻の方に軍配を上げたい。これまで娯楽一筋のチャンバラ役者と言われた阪妻を抜擢した稲垣監督の眼力は確かなものだ。
 それと特筆すべきは演出。オープニングカットのカメラワークには驚かされた。これがあるからぐいぐいと画面に引き込まれテイク。この時代にこんな完成された撮影が出来たとは。更に場面の転換点に現れる車輪の演出。時代の流れというものを一瞬に封じ込めるこの演出は本当に見事。おそらく当時としてこの撮影は前衛的なものになるんだろうけど、それが巧い具合に画面にはまってる。
 又本作は「車夫が軍人の妻に恋心を抱くとは不謹慎」とされ、軍部の命令によってその部分が切られてしまった作品としても知られている。稲垣監督はよほどそれが悔しかったか、後に三船敏郎を主演に全く同じ作品を『無法松の一生』(1958)として撮影したのだが、実を言うと、私はかえって切られたこちらの方が好きだったりする。この物語では色恋は秘めているからこそ映えるのではないかと思う次第…映画好きに喧嘩売ってるような発言ながら、これが私の本音
 物語、演出、キャラ全てにぴったりとはまった私好みの作品である。
製作年 1943
製作会社 大映
ジャンル 男の一生(人生)
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原作
無法松の一生 <A> <楽>
岩下俊作 (検索) <A> <楽>
歴史地域 小倉(福岡)
関連 無法松の一生(1958)
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
番場の忠太郎 瞼の母
<A> <楽>
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稲垣浩(脚)
片岡千恵蔵
常盤操子
山田五十鈴
浅香新八郎
安川悦子
春日寿々子
瀬川路三郎
沢村春子
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1931
製作会社 日活
片岡千恵蔵プロダクション
ジャンル 時代劇
家族(家族形成)
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瞼の母 <A> <楽>
長谷川信 (検索) <A> <楽>
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