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仮面ライダーキバ

仮面ライダーキバ事典
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2008'1'27〜2009'1'18

 平成ライダーシリーズ第9作。メインライターが再び井上敏樹に戻される。バブル時代と調子の良いキャラを置くことが好きな井上敏樹らしさというのがはっきり出た作品となった。
 本作の最大特徴として、2008年と1986年という二つの時代の親子二代を並行して物語が展開しているということ。設定が大変面白く、そのため共通の敵が出てきたり、2008年の主人公紅渡が、一体紅音也と誰が結ばれて生まれた子供であるのか、という点が話の焦点の一つにされていることなど、謎はかなりあったが、これまでの平成ライダーシリーズと較べると比較的伏線の回収はしっかりしていた。それでもやっぱり取りこぼしが出るのは平成ライダーシリーズの宿命か。
 顔を合わせることのない親子が時を超えてお互いを認識していくと言うのは面白い設定ではあったのだが、その部分でもうちょっと突っ込んだ描写が欲しかったところだ。

主な登場人物
紅渡
仮面ライダーキバ
(役)瀬戸康史。主にテレビで活躍中。
 2008年に生きている青年で、渡の子。父のようなバイオリン職人になることを夢見ている。この世アレルギーという摩訶不思議なアレルギー症状を起こしていたが、ある事件を機会にアレルギー症状は影を潜める。父のパートナーだったキバットバットV世を用いて仮面ライダーキバに変身する。
紅音也 (役)武田航平。舞台俳優だが、幅広くテレビでも活躍中。後に「仮面ライダービルド」で仮面ライダーグリスとなった。
 1986年に生きている青年で、渡の父親。バイオリン職人だが天才バイオリニストでもある。軽い性格で女性を見ると口説かずにはいられない。
野村静香 (役)小池里奈。
 2008年に生きる少女で、いつも渡のそばにいる。渡の保護者を自認し、本人曰く「渡の母」。実際は中学生で渡にヴァイオリンを習っているはずなのだが、練習してる風景は全くなかった。その代わりドラムを叩いてるシーンはあり。ネット版でキバットによれば「魔界城の女王」。
麻生恵 (役)柳沢なな。主にテレビドラマで活躍。
 2008年に生きている女性で、渡と知り合って好意を持つ。実はハンターチームの一員で、一般社会に紛れたファンガイアを狩っている。
麻生ゆり (役)高橋優。本業はファッションモデル。
 1986年に生きている女性でハンターチームの一員。音也をハンターチームにスカウトする。麻生恵の母親。
名護啓介 (役)加藤慶祐。いくつかのドラマに出演しているが、最大のヒットは本作。
 2008年の登場人物。「素晴らしき青空の会」ハンターチームの一員で優秀なバウンティ・ハンター。賞金は寄付してしまうが、犯人のボタンを集めるのが趣味らしい。仮面ライダーイクサへと変身する。ネットでは753という愛称で呼ばれることが多い。
襟立健吾 (役)熊井幸平。舞台を中心に現在も活躍中。
 ロック青年。渡をバンドに誘う。なんちゃって大阪弁を使う。ファンガイアの戦いに巻き込まれ、ギターを弾けなくなってしまうが、その後素晴らしき青空の会に入会し、一旦は仮面ライダーイクサの装着にも選ばれる。
鈴木深央 (役)芳賀優里亜。「仮面ライダー555」の園田真理、「仮面ライダーディケイド」のソーンファンガイア役を演じている。
 2008年の焼き肉屋でアルバイトをしている女性。とにかくすさまじいドジっぷりを見せるが、渡とは気が合い、そのまま恋人関係へ。しかし実はその正体はパールシェルファンガイアで新しいクイーンだった。
登大牙 (役)山本匠馬。舞台俳優とタレントをこなす。「牙狼 GARO」白夜の魔獣で山刀翼役。
 2008年時のキング。D&Eの社長でかつてのキングとクイーンの間の子。渡の幼なじみであり、父違いの兄弟。仮面ライダーサガに変身する。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 ウェイク・アップ

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 1986年のある日。葬儀の最中に、棺に寝かされていた男が突然復活した。そして化け物に変身した男は弔問客に襲いかかる。そこに現れた女性麻生ゆりは化け物と戦い始める。そして2008年。めがねとマスクを片時も離さない青年紅渡はひたすら魚の骨を集めていた。実は彼はこの世アレルギーであり、この世界のあらゆるものにアレルギーを起こすのだ。そんな渡の願いは、父の作った素晴らしいヴァイオリンを越えるものを作ること。1986年と2008年の二つの時代で物語が始まる。
 敵はスパイダーファンガイアホースファンガイア。スパイダーファンガイアの方はバイオリニストを集中して狙うファンガイアで、インセクトクラスに属する蜘蛛型のファンガイア。ホースファンガイアの方はファンガイア族・ビーストクラスに属する馬型のファンガイア。最初に倒されたファンガイアとなった。
 新シリーズの開始となるが、なんと2008年と1986年の二つの時代を行き来するという不思議な構造を持つ作品で、二つの時代で親子が二人でライダーとなって戦う話になるのだろう。現時点では2008年の渡の方だけが変身している。
 それだけでも分からないのに、ライダーは当たり前のように戦ってるわ、怪物は二体も出るわでわちゃくちゃ状態。なんかこの投げ出し方は「仮面ライダー555」の時に似てるかも。
 しかしこの訳の分からなさは、さすがにこの脚本家だけのことはある。
<2008年と1986年を行き来するため、妙に説明口調。1986年で「バブルという言葉を知ってるか?」などと聞くのはナンセンスすぎ。
 ファンガイアが化けてる男を襲ったゆりだが、すぐにその男の部下がやってくる。1986年というと、携帯がないから、そんなに早くやってくるのは無理がないか?
 サービスショットなのかどうか分からないけど渡の入浴シーンあり。毛ずねが…
 キバに変身するにはキバットに右手を噛ませる必要があるのだが、いつの間にかベルトがついてる。
 キバのライダーキックはまず右足を高々と上げ、左足で地面を蹴ってジャンプする。その格好のままで制止してるのは結構間抜けな姿だ。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 組曲・親子のバイオリン

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。いつの日かバイオリン職人の父が作ったようなバイオリンを作ることを夢見ている青年紅渡は、日々バイオリン作りにいそしんでいた。だが思うようなバイオリンを作ることが出来ない。一方20年前の1986年では女性バイオリニストばかりをねらうファンガイアが出現していた。ハンターチームの麻生ゆりはバイオリニストのひとみを警護していた。ファンガイアが誰に化けているのか分からない状態での緊張感の続く中、彼女の前に渡音也という青年が現れる…
 敵はオクトパスファンガイア。アクアクラスに属する蛸型のファンガイア。怪力の持ち主だが、動きも素早い。ヴァイオリニストのライフエナジーを好んで吸収する。狙われているはずのヴァイオリニストのひとみが実はその本体。1986年では生き延び、2008年で渡が変身したキバに倒される。
 とりあえず前回の続きで、話が二重構造を取っている以外はフォーマットに則った話が展開した。ややこしくするよりこうした方がすっきりする感じもある。
 ファンガイアは基本的に年を取らないらしく、22年もの時間を経て同じ姿で登場する。ここでのオクトパスファンガイアは22年間生き続けたと言うことになる。
<前回に続き渡の風呂シーンあり。更に男の頬に顔を寄せる男という構図があったり、セーラー服姿で給仕する男の子がいたりと、変に狙いすぎのショットが多すぎる。例年ライダーシリーズは女性向け同人誌が多数出るらしいが、ここまで狙ったのは珍しい。つか気持ち悪いから止めろよ
 キバのバイクであるマシンキバーが初登場。積み上げた段ボールをぶち抜いて登場するが、車輪の間に段ボールを挟んだままだった。ところでこの世アレルギーだった渡はどうやって免許取ったんだろうね?>
第3話 英雄・パーフェクトハンター

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。静香に急かされ、自分を変えるために人前に出る渡。だがそんな渡の前に弁護士が現れ、父の音也の真実を告げるのだった。1986年。ファンガイアを追うゆりは、行く先々に現れる音也にうんざりしつつも、不思議な縁を感じていた。そんな音也をハンターチームの一員に加えたいと嶋が言うのだが…
 敵はモスファンガイア。インセクトクラスに属する蛾型のファンガイア。発火性を持つ鱗粉を出して攻撃する。
 渡にとって父の音也はヒーローであり、まるで聖人のようにあがめている事が分かるが、それが次々に崩されていく。それにしてもベタベタな話だが、今時バブルの話を持ち出されてもねえ。何というか、流石にこの脚本家らしい。
 今回のモスファンガイアは前回のオクトパスファンガイアと同様に1986年と2008年のどちらにも登場。当然渡の方に倒される。
<この世アレルギーだという渡だが、犬は好きらしい。犬は雑菌を持ってるのでアレルギーの人には駄目なはずなんだが。
 今更になって父の悪行を告げられてショックを受ける渡。今まで知らなかったのが不思議だ。
 モスファンガイアを追い詰めたキバだが、何故か音也の事を思い出してとどめを刺せなかった。なんでいきなり父親なんだろう?>
第4話 夢想・ワイルドブルー

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。憧れていた父音也の真実を突きつけられた渡はすっかり落ち込んでしまう。思いあまった渡は前に華麗に犯人を捕まえてみせた名護に相談を持ちかける。1986年。音也は依頼を受けてヴァイオリンコンサートを開くこととなるが…
 敵は前回に続きモスファンガイア。実は渡に接触してきた女弁護士の綾がその正体だった。
 これまでの理想だった父の姿と現実のギャップに落ち込む渡と、肝心の音也の行動のずれ、そして渡と名護の認識のずれ、いくつもの誤解と真実とが描かれていく。作り方はユニークだが、物語がやや複雑化しつつあるようだ。
 2008年の物語では渡と恵、名護の三人がいがみ合ったり妙に保護者ぶったり、かと思うと協力したりと奇妙なトリオを形成しつつある。一方1986年では空気を全く読まない音也のお陰で混乱しっぱなし。
 今回のキバの変身ではガルルフォームがお目見え。キャッスルドランの中にいる人物が剣のようなアイテムに変身して起こる。
<ガルルフォームの必殺技で音波攻撃するのがあるが、これって「仮面ライダー響鬼」のアームセイバーと全く同じ技。おもちゃのシステム流用か?>
第5話 二重奏・ストーカーパニック

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。渡は“お化け太郎”と呼ばれている我が家の汚名を返上すべく近所の人たちを集めコンサートを開くことにする。だが緊張のために大失敗。ますます嫌われる結果となる。精神を強くしたいと願う渡は名護に助けを乞う。1986年。ゆりの働いている「カフェ・マル・ダムール」に音也がやってきた。客だとは言うが、早速ナンパに精を出す音也に、ゆりは余計不信感を募らせてしまう。
 敵はシープファンガイア。ビーストクラスに属する羊型のファンガイア。俊足で銃も使う。後1話に出てきたスパイダーファンガイアもちょっとだけ登場し、ゆりをさらう。
 だんだん井上脚本の味が出てきた。主人公が妄想しまくって暴走するわ、光をバックに登場する人物が次々登場するわ、まさにそれっぽい感じが出てきてる。今回は結構良い感じ。
 1986年に次狼登場。こいつは2008年でガルルフォームになった奴だよね?元は人間か。ちなみに次狼役は松田賢二。「仮面ライダー響鬼」のザンキである。
 2008年と1986年の切り換えも手慣れてきた感じ。
 今回のキバはガルルフォームへと変身するが、シープファンガイアのスピードについて行けず。それと名護が何故か「変身」と言う言葉を口にする。
<次狼は、まずいコーヒーは金を払わない。と言いつつ「これまで一度も金を払ったことがない」と豪語…って、完全に食い逃げじゃん。
 で、その次狼の行動は明らかに北村一輝を意識したとしか思えないんだが。>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 リプレイ・人間はみんな音楽

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 2008年では恵がシープファンガイアに、1986年ではゆりがスパイダーファンガイアによってさらわれた。渡、そして音也はそれぞれ助けに向かう
 敵は前回に続きシープファンガイアスパイダーファンガイア。2008年のシープファンガイアは生き残っていたスパイダーファンガイアの命令を聞いて恵をさらった。
 二つの時代がシンクロして話が展開。ようやく設定が活かせた感じ。スパイダーファンガイアが両時代に同じような事をやってる。主人公の性格が違うので反応も異なるのだが、助けに行った主人公が捕まってしまうのも同じ。
 戦いでは第三のフォームであるバッシャーフォームが登場。6話で3形態とは随分展開が早い。キャッスルドランの中にいたセーラー服の少年がパワーを送っているが、もちろんこいつも後で音也に関わってくるんだろう。
 1986年で次狼と音也が接触。この二人がどのように契約を果たしていくのかが1986年での物語の焦点となる。次狼自身は狼男に変身してるが、これもファンガイアの一種かな?他のファンガイアと違って複雑な色をしておらず青単色だが。
 最初にキバットバットV世が「みんな知っているか?」と言って蘊蓄を語り出す。「超光戦士シャンゼリオン」の黒岩っぽい。他にもスパイダーファンガイアのフェティ度合いとか、妙に食い物にこだわるとか本当によく似てる。
<キバがいた現場に現れた渡本人が自分をキバだとあっさりばらしてるのに信じようとしない名護。こいつ意外に天然かも?>
第7話 讃歌・三ツ星闇のフルコース

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。レストランの客が次々に行方不明になる事件が発生。恵と名護は嶋の指令でレストランの周辺を調べ始める。1986年。カフェ・マル・ダムールの客の何人かが行方不明となる。嶋の指令でゆりは調査を開始するが、そんな彼女の前に現れるのは相変わらずの音也と次狼で…
 敵はプローンファンガイア。アクアクラスに属する海老に似たファンガイア。非常に長命なファンガイアで、代々彼に仕えてきた執事を生き返らせるためにライフエナジーを集める。
 今回も2008年と1986年で同じような事件が展開。このパターンが定着しつつある。2008年では名護が、1986年では次狼がトリックスター的な役割で登場してる。
 意外に名護の性格は悪く、自分が恵と一緒に捜査するために邪魔な渡を恩に着せて排除してたりする。
 井上脚本の大きな特徴として、おいしいものを食べる描写あるのだが、特に女性が食べるシーンが多いのだが、実はその描写が結構好き。食べ方が汚いのもやっぱりこの脚本家ならでは(笑)
<ゆりを助け出したのは音也ではなく次狼。ゆり自身もそう認めてるが、実は音也もちゃんと参加してたんだよね。その辺嶋は分かってるのやら分かってないのやら。
 相変わらずヴァイオリンの釉薬を求める渡はムカデを捕まえて静香に手渡している。静香の方はそれ捨てればいいのに、いつまでも持ってキャーキャー騒いでる。
 プローンファンガイアの姿はかなり痩身で、青い姿。これって「仮面ライダーカブト」のガタックに結構似てる気がするぞ。
 5話もそうだったが、名護のやってる事って、キバを倒すどころかファンガイアを逃がすことしかやってないような?>
第8話 ソウル・ドラゴン城、怒る

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。カフェ・マル・ダムールでは未だ失踪者が続いていた。その一人は実は次狼がライフエナジーを吸っていたのだが、そんなことを知らないゆりは、何かと次狼を嗅ぎ回る音也から次狼を保護しようと彼をマークする。2008年。名護の指令で謎のレストランにアルバイトとして潜り込んだ渡だが、そこで不思議な光景を目にする…
 敵は前回に続きプローンファンガイア。キバによって倒された後巨大化する。そして今回ガルルに続きバッシャーが登場。
 二つの時代で同じ事件が起こっていたが、今回は犯人が別。2008年ではプローンファイガイアが犯人だったが、1986年ではガルルとバッシャーが人間を襲っていた。
 名護の秘密がちょっとだけ明かされる。彼は正義感の固まりだが、行き過ぎた正義感は自らの父親をも死に追いやったのだという。
 一方1986年ではガルルが人間を襲うシーンが続く。しかし危険な香りのする次狼にゆりは次第に惹かれていく。人間を襲っているのに、バッシャーに言わせれば「人間を守っている」のだとか。なんでだろう?
 それにしても倒されたら巨大化って、ほとんどノリは戦隊ものだな。
<カフェ・マル・ダムールのマスターはジョッキいっぱいのコーヒーを音也に飲ませるが、コーヒーって一種の刺激物だから、飲み過ぎると毒になるよ。
 女性が汚く飯を食べる描写は今回も健在。恵が納豆をたっぷり入れた丼飯をじゅるじゅる音を立てて食べてる。これはちょっと引くぞ。
 静香とキバットは旧知の仲らしいが、普通にどついてるぞ。で、「ぶったね」との発言が…「親父にもぶたれたことが無かったのに」?その後シュードランを呼ぶ時は「カム・ヒーア」って…「ダイターン3」かよ?>
第9話 交響・イクサ・フィストオン

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。どうしても父のようなヴァイオリンを作れず悩む渡を心配した静香は大村というヴァイオリンの修復家を連れてくる。彼から改めてヴァイオリン作りを学ぶことにする渡。1986年。素晴らしき青空の会に正式に入会した次狼に、心中穏やかでない音也。
 敵はフロッグファンガイア。アクアクラスに属するファンガイアでヴァイオリンの修復家大村の正体。
 もう一つのライダーシステムの事が徐々に明らかに。仮面ライダーイクサと呼ばれるそれは1986年では理論段階だが、2008年では完成しているらしい。かつて名護が「変身」と言っていたのはこれで、ついにその姿が見られる。現在のところ名護専用だが、何故か恵はどうしてもイクサをほしがっているようだ。
 ゆりはヴァイオリン演奏が極端なまでに下手なのが分かった。というか、本人はこれで巧いつもりっぽいのが困ったもの。こういう人って現実にも存在する。
 音也は人間にもファンガイアにも殴られて海にたたき落とされるだけの存在。だんだんと情けなくなっていく。
 次狼、ラモンに続き力(リキ)が登場。キャッスル・ドランに住んでる三人はこれで全員登場。
<1986年では丁度おにゃんこクラブの最盛期。それが強調されるのだが、なんか今になると痛々しいだけに見える。
 イクサの変身システムはとにかく時間がかかる。前に名護が変身しようとしていたのは随分素早そうにみえたのだが。>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 剣の舞・硝子のメロディ

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。名護が変身したイクサはフロッグファンガイアを圧倒。だが大村を守りたい渡は間に割って入り、フロッグファンガイアを逃がしてしまった。尊敬する名護と大村の間で悩む渡。1986年。次狼がガルルであることを知った音也だが、それをいくら言っても誰も信じてくれず、孤立を深めていく。
 敵はフロッグファンガイア。22年前、自分が作ったヴァイオリンであるブラックスターを守ろうとして人々を襲っていたが、ブラックスターを手にした音也の腕を知り、人を襲うのをやめる。
 今回の話ではファンガイアが22年前とは関わりを持たないかと思われたが、しっかり関係を持ってることが発覚。ただ少なくともこのフロッグファンガイアはとても良い奴だった。
 前回から登場した仮面ライダーイクサは、初登場時はさすがに強く、フロッグファンガイアを完全に圧倒。これからどうなるかは全く分からないけど、この関係は「仮面ライダー555」っぽく感じる(脚本家が同じだしね)。
 敵と分かりつつ、人間として尊敬してるというのは「超光戦士シャンゼリオン」の速水と黒岩の関係を見てるみたい…というか意識しまくってる気がするんだけど(これも脚本家が同じ)。
<マスターと次狼の間でおにゃんこ論争が勃発。それを見た嶋はぽつりと「おにゃんこ好きに悪い奴はいない」と…どういう論理なんだろう?それ以前に今時分おにゃんこもなかろうに。
 フロッグファンガイアは不協和音を聴き続けると暴れ出すが、よく今まで暴れないでいられたもんだ。
 ファンガイア出現にも関わらず向かおうとしない渡に対し、キバットが言った台詞は「何やってんの」だった。富野?>
第11話 ローリングストーン・夢の扉

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。仮面ライダーイクサシステムを完成させたのはゆりの母だった。ファンガイアに殺されてしまった母の敵を討つためにイクサにこだわるゆり。2008年。ひょんなことからバンドのギターをすることになった渡はリーダーの健吾からすっかり気に入られてしまう。
 敵はイヤーウィッグファンガイア。インセクトクラスに属するハサミムシ型のファンガイアで両手の巨大な鎌を交差させ、ハサミのように用いる。そして又してもスパイダーファンガイアが登場。2008年でイクサと戦う。
 珍しく過去の方に重点が置かれた話で、ゆりがイクサシステムにこだわる理由が描かれていく。この時点で1986年で既にイクサは登場。最初の装着者はなんと次狼だった。
 一方現代では渡のロック演奏が描かれる。これまでクラシック一本でやっていた渡は初めてロックを聴いたらしい。大感動していた。
 現代編でも名護が装着したイクサは活躍しているが、それでスパイダーファンガイアをガン無視してキバに襲いかかってる。そこまでして名護がキバにこだわる理由は今のところ分からない。
 これも前後編の前編だけに、あんまり物語の進展は観られないが、とりあえず又してもライダー同士の戦いがこれから始まるのだろう。このパターンはもう飽きた気もするけど。
<「俺はキバを倒さねばならない」とぐわーっと盛り上がる名護。キバ本人にキバを探すように命令してるのは極めて間が抜けてる。ましてや本人がものすごく熱血だけにますます。
 ところで戦の武器であるイクサリオンだが、銃と剣の併用って、
「仮面ライダー555」のブレガンと同じ?これも流用か。>
第12話 初ライブ・黄金のスピード

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。イクサの攻撃を受けて負傷した渡は肘を痛めてしまったが、ライブを楽しみにしている健吾になかなか言い出せないままだった。1986年。イクサに変身したのが自分ではなく次狼であることに納得のいかないゆりは嶋に詰め寄る。
 敵は前回に続きスパイダーファンガイア。結局今回も生き残ってしまった。
 前回の続きでロックバンドに入った渡の活動と、イクサに思い入れのあるゆりの話が並行して描かれていく。
 名護の野望が明らかに。野望と言っても、ファンガイアを全部倒して自分自身が世界のあり方を管理したい。というもの。どっかの都知事みたいなことを言ってるよな。悪役っぽさがにじみ出てるよ。
 その名護はファンガイアよりもキバの方を倒したがってるみたい。そのためには敢えてスパイダーファンガイアの言うことまで聞いてる。どれだけキバが憎い?
 一方、イクサが自分のものにならないため、自暴自棄になったゆりの姿も描かれていくが、その自暴自棄というのが音也とデートすることだったりする。そんな彼女の思いを知ったのだろう。これまで散々ゆりを口説いていた音也は「今のお前は好きじゃない」と言っている。
 脚本家の趣味として女性にがつがつ飯を食わせる描写が多いけど、今回はゆりにステーキをどか食いさせてる。本当に趣味丸出しだ。
 そう言えば毎回OPに出ているキバットの豆知識(キバットリビア)は今回無かったな。
<イクサに思い入れを持つゆりは「私のイクサ」と叫ぶ。いつお前のものになった?(このネタは結構多いんだよな)
 名護に音楽を聴かせようとしてエレキを弾く健吾。ところでアンプがないようなんだが、どうやって音出してるんだろう?
 最後にキックの応酬でキバに負けてしまったイクサ。それで名護は川の中に倒れ伏してるけど、これって「仮面ライダーアギト」の北条さんと同じだよね?
 恥ずかしくてなかなか歌えなかった渡だが、一旦歌い始めると振り付けまでしてノリノリ。悪のりすぎ?>
第13話 未完成・ダディ・ファイト

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。健吾のお陰でもう一度夢を目指そうとする渡の前に現れた音楽プロデューサの三宅は渡にデビューを持ちかける。1986年。次狼にすっかり心を許したゆりは一緒にイクサを使いこなすための訓練を開始する。だがそれを面白くない音也が割り込んでくる。
 敵はライノセラスファンガイア。ビーストクラスのファンガイアでサイのような姿をしている。姿の通り巨体と怪力が特徴。バッシャーの水鉄砲ではまるで敵わなかった。
 1986年の物語では次狼の野望が明らかになった。ゆりにこどもを生ませ、ウルフェン族の子孫を殖やそうというもの。それを知らずにすっかりゆりは次狼を信用してしまう。それで次狼に突っかかり、無茶苦茶やってる音也ようだけど、その行為は正しい。最後は変身した次狼と戦うのだが、その際次狼からイクサナックルを奪って音也がイクサに変身してる。
 一方2008年の方ではいつもどおり人の良い渡を中心としたゆる〜い物語が展開。あんまり物語の展開が進まないので、珍しく物語の重点が逆転してる。
<キバにあっけなく負けた名護は本来の使命であるバウンティハンター稼業に精を出す。で、やってることは単なる弱いものいじめ。このキャラどんどん香ばしくなってくね。流石井上脚本。
 珍しく渡が静香に対して説教してる。しかし言ってることはやっぱり間違ってる。
 イクサに変身する音也だが、次狼から奪ったのはイクサナックルだけのはずなのに、ちゃんとベルトも付いてる。>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 威風堂々・電撃パープルアイ

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。イクサに変身してガルルを圧倒した音也だが、副作用で激しい痛みを受けてしまう。2008年。プロデビューのために三宅を信じてバイトに汗を流す健吾だが、なかなか三宅はデビューの話をしてくれなかった。
 敵は前回に続きライノセラスファンガイア。情熱を持った若者のライフエナジーを吸収するのが好き。新しく登場したドッガフォームに倒される。
 前回の続きで、やはりイクサを巡っての音也と次狼が戦う1986年の話が中心。ガルルに続き、バッシャーの変身体も登場してる。ただ2008年でもやはりイクサの新システムが登場したり、キバの新フォームであるドッガフォームが登場したりしてるので、この辺はリンクさせようという狙いがあったのかもしれない。
 健吾の夢を利用しようとしたライノセラスファンガイアに対し、渡は珍しく激昂。ここまで感情をあらわにしたのは初めてのことだ。
<健吾は珍しく渡に食事をおごってる…が、食べてるのはカップ麺だった。
 イクサはキバに完敗したが、名護は「俺は負けてない。負けたのはイクサだ」と断言。流石だ。
 イクサを使ってもぴんぴんしてる音也が何故大丈夫なのか。ゆりによれば「ひょっとしたら…馬鹿だからかもしれません」とのこと。裏で凄く苦しんでるんだけどね。
 ピッチャーにプロデビューを勧める三宅は「PLの桑田投手のようだ」と褒めてる…つか2008年時点でそれを知ってる人間どれだけいるの?あるいはそれ、1986年?
 新フォームであるドッガは紫色。「仮面ライダークウガ」に続き、パワー系は紫と言うことか。
 バッシャーは登場時に「僕、参上」と一言。メタなジョーク。>
第15話 復活・チェックメイトフォー

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。ガルルとバッシャーに倒されてしまった音也だが、とどめを刺される前に偶然現れたゆりに救われる。2008年。渡は川でおぼれていた男を助けるが、その男は記憶を失っていた。可哀想に思い、その男を自宅に連れ帰る渡だが…
 敵はライオンファンガイア。ルークという男の本体。ゆりの母を殺し、ウルフェン族を壊滅寸前にしてしまった男である。自ら時間を定めてピンク色の服をした女性のライフエナジーを奪うが、タイムアップすると見境なしにライフエナジーを奪う。ファンガイアの最強の四人の一人であり、1986年でも2008年でも現時点ではその力はライダーシステムさえも凌駕する。
 今回登場したファンガイアのルーク役は高原知秀。「超星神グランセイザー」の松阪の人だな。1986年と2008年では全く演技が違うが、その辺かなり上手く二つの役をこなしていた。
 とんちんかんなことばかりする大ちゃんに対し、珍しく声を荒げる渡。珍しい描写だ。
 キバは今回変身時点からガルルフォームに変身してる。こういう事もあるんだね。しかし、ガルルフォームはどんどん使い勝手が悪くなる一方だ。
<次狼がイクサに変身する時は、まるで土俵入りみたいな姿でシステムを装着する。ただ、よく見るとイクサの形に合わせて自分がポーズを取ってるみたいに見える。>
第16話 プレイヤー・非情のルール

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。渡の家に居候している大ちゃんは前に自転車を修理した少女恵里子の父が経営している定食屋の手伝いをすることになった。1986年。ライオンファンガイアになすすべもなく敗北した次狼は音也の前に現れ、ゆりを救うため力を貸せと申し出る。
 敵はライオンファンガイア。ルークと大ちゃんとして二つの時代にまたがって活躍中。1986年に封印されたことを語っていたが、そちらの方は未だ描写されてない。
 2008年の大ちゃん、1986年のルークという同じライオンファンガイアを巡ってのストーリーが展開。2008年の大ちゃんの方は記憶を失っているので、その記憶を取り戻すのがこの物語となる。
 食べ物にこだわりを持つのが井上脚本の特徴。今回は定食屋が舞台のため、好きなようにやってる感じ。だが、その終わり方は悲劇そのもの。
 一方の1986年はクライマックスっぽい感じで、宿敵同士である音也と次狼が手を組んでライオンファンガイアと戦ってる。こちらの方でシリアスな話が展開中。
 物語としてはファンガイアに大きな怪物が登場。そしてイクサが什器を運転してる姿があった。
<ますます香ばしくなっていく名護さん(以降753)。ちょっと力を手に入れただけであっという間に尊大な態度を取り戻してしまう。こいつはほんとに流石だ。
 ルークを倒すため音也を仲間に引き入れた次狼。だけど自分がイクサに変身してる。本人がウルフェンになって音也をイクサにするのが本来じゃないだろうか?
 母を殺したというライオンファンガイアに怒るゆりだが、ライオンファンガイアの言った台詞は「一々殺した奴など覚えてない」だった…ジョジョ?
 イクサの新しい力って、でっかいパワーショベルなんだが、これってイクサ本人の力じゃないよね?>
第17話 レッスン・マイウェイ

  脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。キャッスルドランに収容され癒された渡は夢うつつの中で「音也との約束」という言葉を聞く。だが現実に戻った渡は大ちゃんがファンガイアだったことがショックで旅に出てしまう。そこでマミという女性と出会う。1986年。音也はゆりからマミという少女にヴァイオリンを教えて欲しいと頼まれていた。
 敵はシースターファンガイア。アクアクラスのヒトデ型のファンガイアで、連続強盗犯の坂口という男の正体。アスリートのライフエナジーを好んで捕食する。
 どっちかというと1986年の方に重点が置かれた話で、音也が生意気なこどもにヴァイオリンを教える話となる。平成ライダーシリーズは生意気なガキがよく登場するが、本作もやっぱり出てきたか。最早伝統だな。ファンガイアと主要メンバー以外で1986年と2008年の両方に登場する人物は初めてかな?当然役は二人だが。
 ちなみにそのマミは麻生家の人々とは相性が悪いらしく、こどもの頃はゆりに、大人になると恵といがみ合っていた。
<「僕がいい人と思う人はみんなファンガイアだ」と呟く渡。そう言えばそうだな。ファンガイアに憑かれる性格だろうか?良太郎?
 初心者の渡にアーチェリーを突然教え始めるマキ。危なすぎないか?
 音也はマミと追いかけっこしながら「学園ドラマみたい」と呟くが、それ1970年代だぞ。>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 カルテット・心の声を聞け

  脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。戦う度に心が傷つけられてしまう渡はもう戦うことを止めたいと願い、ついには父の作ったブラディローズまで壊そうとしてしまう。1986年。マミの演奏会の当日。音也はマミに「自分の弾きたいように弾け」とだけアドバイスをする。
 敵は前回に続きシースターファンガイア
 2008年では度重なるショックにすっかり落ち込んでしまった渡の復活が、1986年では音也の天才ぶりが遺憾なく示されることとなった。渡の方はかなり深刻な話なのだが、一方で音也と次狼が無茶苦茶やってるので、あまり重くならずに済んでる。これはこれで良いんじゃないだろうか?そのキーパーソンとなるのがマミだが、彼女を通し音也の教えは渡へと伝えられていく。
 そしてキバの新フォーム、ガルル、バッシャー、ドッガの全てを合わせたフォームが登場。ちなみにその名前はドガバキフォームだそうだ。ネーミングセンスが凄い。
 確かに実力はあるが、全部幸運だよりのバブリーな音也。本当にこいつ、「超光戦士シャンゼリオン」っぽいぞ。尤もここでの脚本は石田秀範だが。
<最早言うこともないんだけど、ファンガイアを放って置いてキバを攻撃する753。お陰でファンガイアにぼこぼこにされる羽目に…アホかこいつは?
 そんで今度はボタンを取るために坂口をボコボコに。結局捕まったのは名護の方だった。やっぱアホだ。更にボタンを取るためだけに脱走の手助けまでしてる。だんだん狂気じみてきたぞ。
 マミは両親によってヴァイオリンの英才教育を受けさせられてるそうだが、その割に親が全然出てこないね。
 恵はマミのことを徹頭徹尾「オバさん」と呼んでた。それなりに有名な人らしいんだが…>
第19話 フュージョン・オーラの嵐

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。母の敵ルークと戦うゆり。だが実力の差はいかんともしがたく、あっという間に追い詰められてしまう。戦うためになんとか次狼からイクサを奪おうとするゆり。2008年。渡は健吾と再会するが、キバの姿にロックを感じたという健吾の言葉にたじたじとなってしまう。キバを呼び出すために霊能者の元に連れて行かれる渡だが…
 敵はレディバグファンガイア
 二つの時代が一つになってしまった話。なんと霊能者に呼び出された音也の人格に渡が支配されてしまう。音也のノリで行動する渡は「仮面ライダー電王」の良太郎状態。ほとんど悪のりの世界。
 とはいえ、物語としてはキバの存在自体が何であるのか。という重要な問題も語られていく。音也がキバになったのだろうけど、名護と恵の話によれば、その際人類を滅ぼそうとしたとのこと。音也とキバットの関わりはどういうものだったのだろう?
 久々に健吾が登場。登場シーンはまるでヒーローの登場みたいな効果音まで流れる。
 1986年ではおニャンコクラブが、2008年ではメイド喫茶が。なんというかサブカル臭がぷんぷんする話だ。
<キバの戦いに痺れたという健吾。いつ「キバ」って言葉を聞いたんだっけ?
 健吾がみんなを連れて行った霊能者は、その姿はまさにサイババ。
 おニャンコ大好きな次狼とマスター。音也の偽造した山本スーザン久美子のサインに驚喜。懐かしい名前を聞いたぞ。
 キバットは「さっさと決めるぜ」と言ってバッシャーを呼び寄せるのだが、当のバッシャーは余裕を持ってスキップして、ゆっくりと出動。
 健吾に「おっさん」呼ばわりされて不快気な753。本人は22歳だと言ってるが、確かにそうは見えないな。>
第20話 夜想曲・愛の救世主

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。父音也の魂を宿した渡。キバットは音也から父のキバットバットII世の話を聞かされ驚く。恵はレディバグファンガイアに捕らわれた名護と健吾を助け出さねばならないのだが、恐怖感から左足が動かなくなっていた。1986年。ゆりによく似た女性に声をかけた音也だが、実はその女性こそチェックメイトクイーンの真夜だった。
 敵は前回に続きレディバグファンガイア。人間体に変身するわけでなし、余裕こいてる内にあっけなく倒されてしまった。それと変身はしていないが、ルークに続きチェックメイトクイーンが登場。真夜という名前の女性だった。裏切り者のファンガイアを粛正するために登場。
 2008年では音也化した渡が妙な存在感を示しているが、1986年の方では珍しく終始音也は真面目な顔をしっぱなし。初めてのことだな。
 物語そのものはすさまじく単純だが、かなり深い設定が出てきた。渡に付いてるキバットは音也に付いてたキバットとは別人であったこと。チェックメイトフォーの新しいメンバーが出てきたこと。
<左足が動かず、なんとかリハビリを続ける恵。一体どれだけの間名護と健吾は捕まっていたんだろう?
 そんな恵の前にいつでも現れる渡=音也。ほとんどストーカー状態だ。
 753の理想郷は一点の曇りもない善人ばかりの世界だそうだ。どこぞの東京都知事か?
 リハビリを続ける恵は、その度毎にきちんとそれに合わせた服装に着替えてる。まずは格好からか。
 燃えさかる火の中からイクサナックルを拾い上げる恵。熱くないのか?
 今回キャッスルドランは意表を突いて地下から登場。それもそうだが、イクサが呼んだパワードイクサは、呼べば地平の彼方からすぐにやってくる。重機なのに身が軽いな。>
第21話 ラプソディ・指輪の行方

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。ゆりは自分の弱さを受け止めてくれた音也に少しずつ心を許し始めていた。そんな二人の姿に焦りを覚えた次狼は、ゆりに婚約指輪を手渡す。2008年。名護の姿にすっかり痺れてしまった健吾は名護の弟子にして欲しいと頼み込むが、名護は全く相手にしようとしない。そんな名護を健吾は合コンに誘う…
 敵はカメレオンファンガイア。リザードクラスに属するファンガイアで、擬態能力を持つ。
 二つの時代でいきなり合コンが展開する。そう言えば合コンなるものはバブルの時代に始まったんだった。まあバブル時期の合コンにしては地味だが、いかにも浮かれてた時代の合コンらしく、空疎さはある。
 話は動いてるようで停滞中。特に1986年ではゆりをめぐっての音也と次狼の立場が色々と変わってきてる。
 一応これまでほとんど何にもしてなかった力が人間を“食う”シーンもあり。
<今回の753。弟子入りを願った健吾に対し一言「月謝は?」…セコい。合コンに誘われていても、やってることはずれた説教ばかり。相変わらずと言えば相変わらずだったが、特に肉を食ってる時はダジャレを言ったりと、妙なノリも見せてくれる。
 深央は慰めてくれる渡に対し「私、ものすごい人見知りなんです」と告白。人見知りが初対面の人間にそんな打ち明け話をするか?
 久美の髪型とか、確かに80年代風だな。>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 序曲・運命の交差点

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。次狼のプロボーズに心揺れるゆり。だがそれを尻目に音也は幼なじみの久美と良い感じになっていた。久美の言葉にすっかり騙され、慣れないアルバイトまで始める始末。2008年。健吾は焼き肉屋のアルバイト深央に惚れ込んでしまい、強引にデートに誘うが…
 敵は前回に続きカメレオンファンガイア。ブティックの店長で、服を買った女性を物色して捕食していた。
 前回に続いて1986年の方が主体となった話で、音也が幼なじみの久美に振り回され続ける話。だけど、意外なことに音也はあれだけ軽く見えても、どんなに騙されてもそれを平然と受け止めている。本人も人をえらく騙し続けてるけど、騙されてもダメージがないらしい。逆にその馬鹿さ加減にゆりは少しずつ惹かれているらしい。
 一方の2008年は深央が何気なく存在感を増している。自分以上に弱い存在を前に、急に渡が頼れる男っぽくなってしまったのだが、何故か彼女を襲ったカメレオンファンガイアは途中で攻撃を止めてしまった。ちょっと彼女に関わる話が出てくるのかな?(まあ、脚本家が脚本家だけにあんまり期待するものではないが)
 ドッガフォームの能力が又一つ新たになった。ドッガハンマーに付いている目は擬態能力を見抜くらしい。あの目は伊達じゃなかったのね。
<ドジっ子深央はおどおどしてるくせに、強引な性格。空気読めないとか言う以前に造形に無理があるぞ。特に渡と一緒だと、どんどん高飛車になっていくのだが、これって本当に人見知りなのか?
 そういえばバブル時期は「ミツグ君」なる存在がいたんだよね。音也の描写はそれか?
 カメレオンファンガイアをおびき寄せるために音也の女装姿も見られる。しゃべり方まで女っぽくしてるのがなんともはや。>
第23話 変奏曲・永遠の逃亡者

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。カフェ・マル・ダムールのマスターの誕生日が祝われていたが、ここでもやはり音也と次狼のいざこざが起こってしまう。2008年。恵に誘われ、深央がモデルのアルバイトをすることとなった。
 敵はグリズリーファンガイア。ビーストクラスに属するファンガイアで、人間を愛してしまったため、クイーンの処刑を恐れて逃亡を続けている。
 今回はどちらの時代も均等に、話の空きって感じ。音也とゆりの間は微妙に近づいてるし、渡と深央の仲も少しは進展してるみたい。最早次狼と音也の喧嘩はコミュニケーションの手段となってる感じ。あまりに当たり前すぎる。今回は嫉妬に狂った次狼が暴走して半分命を奪ってしまうけど。むしろ今回は“クイーン”真夜の活動が物語の中心となってる。
 1986年時点でマスターは34歳だと分かる。すると2008年は56歳?そうなの?
<カフェ・マル・ダムールでバイトを始めたラモンと力。ラモンはともかく、ごっつい力が白いメイド服姿って…
 今回は妙に力の存在感が高く、メイド服姿ですごんでたりするのだが、結構迫力あるぞ。>
第24話 皇帝・ゴールデンフィーバー

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。ゆりとの関係に業を煮やした次狼は音也に襲いかかり、致命傷を負わせて川に叩き込んだ。そんな事を知らないゆりは消えた音也の行方を追う。その音也は伸二と涼子によって助けられていた。2008年。不治の病に冒された涼子を心配し、次々に高価な宝石を盗む伸二。だがその目立つ行動はクイーンの知るところとなり…
 敵は前回に続きグリズリーファンガイア。クイーンから逃げ回っていたため22年間も妻の涼子を放って置いてしまい、その償いのため高価な宝石を盗んではプレゼントしてる。
 1986年では音也の事を気にするゆりを挟んで次狼と力が対立していたが、その後生きていた音也に驚いた次狼はついにゆりの前で本性を出してしまった。
 今回も力が妙に存在感高く、ゆりに告白をする時、表情を変えないまま拡声器を使って告白し、さらには空まで飛んでる…おいおい。
 ファンガイアのチェックメイトは固有のものではないらしい事が発覚。たとえ真夜が死んだとしても、次のクイーンが現れることと暗示してる。
 2008年でも物語は進行中。伸二がファンガイアであることを知ってちょっかいを出す渡の姿が描かれる。この二人が最も幸せな事をしてやろうと努力する渡だが、やっぱりそれは悲しい結果に終わる。
 それでグリズリーファンガイアが深央を襲うのを見た途端、いきなりではあるが、キバの新フォームエンペラーフォームが登場。必要性が全く感じられない。それで現れたタツロットだが、妙に軽い性格で、キバットも驚いていた。
 今更ながら、深央が現れてから静香が全然でなくなったな。やっぱり降板かな?
<特にライダーシリーズでは傷ついた人間を川に叩き込んだら死んだものとみなすらしい。でも大概の場合は生き残るんだよな。この話でも前にイクサがキバを海に叩き込んで放って置いたことがあった。
 音也の回復能力はもはや超人の域。こいつ人間じゃないんじゃないのか?
 ファンガイアに対して妙に優しい渡は、どうしても放っておけない。放っておけば物語が進行しないとは言え、いつもそれで傷つくのは渡だ。
 伸二がファンガイアであることを知っていたという涼子に対し驚く伸二。だけど、全然歳を食ってないんだから、気づかない方がおかしいだろう?
 イクサとグリズリーファンガイアが戦っていたちょっと離れた場所でキバに変身する渡。気づかれるとは考えなかった?
 今回の753。連続強盗犯として伸二を追いかけるが、いつも間の悪い時に現れ、その度毎にボコボコにされてしまう。何のために出てきたんだか。>
第25話 ファンファーレ・女王の目醒め

  脚本:井上敏樹
  監督:中澤祥次郎
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。音也に告白したゆりはすっかり恋人気分。ゆりからプレゼントされた腕時計を一生大切にすると音也もまんざらでない様子。だがそれと同時に次狼が姿を消してしまい、なし崩しに音也が素晴らしき青空の会に入ることになる。2008年。ようやくバイトも順調だという深央に渡も自分のように喜ぶが、深央の周りで次々と殺人事件が起こるようになる。
 敵はシャークファンガイア。アクアクラスに属するファンガイアで、水中戦を得意とする。深央の眠れるクイーンの力を引き出すために彼女の周りの人間を殺していく。他にクイーンである真夜とルーク、そして新しくビショップが登場。久々にスパイダーファンガイアも出てきた。随分色々と出てくるな。
 音也とゆり、渡と深央の二組のカップルが誕生。オープニング時点では幸せいっぱいという感じだったのだが、どんどん話が深刻になっていく。特に久々に登場した糸矢から“クイーン”と呼ばれる深央は、自分自身その事を知っているらしいが、その運命から逃げようとしているらしい。珍しく二話構成ではなく一話単独の話になってるのも特徴か。ちなみに監督はこれがライダーシリーズでは初めてとなる中澤祥次郎監督。
 イクサに変身した音也だが、相変わらずライオンファンガイアには無力。強さの桁が違うらしい。
 2008年ではイクサのパワーアップが語られるが、嶋は名護が弱さを知らないからという理由でイクサの装着者として下ろそうと考えているらしい…というより、こんな危ない奴をずっと適格者として放って置いてる方がやばいよ。
 久々に静香が登場する。出てきたらなんか無茶苦茶嫌な女になってた。
 タツロットはキバットと同じくそのまま渡の家に居着いてしまっているらしい。キバットは先輩としてそれを苦々しく思ってるようだが…
 劇場版の予告をやってるんだが、何故かそこに登場したのはモモタロスたち。電王続きすぎ。
<今回の753。すっかり恋人気分の渡と深央に「君たちには男女交際は早すぎる。それより世界平和のために何が出来るか考えなさい」とアドバイス。中二病もここまでくると立派だ。それでイクサベルトを糸矢に奪われてしまった。
 スパイダーファンガイアの人間体である糸矢はほとんど音也そっくりの性格。深央を襲ってる最中でも恵みの姿を見たらそっちを追っかけていく。>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 メトロノーム・記憶のキセキ

  脚本:井上敏樹
  監督:中澤祥次郎
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。記憶を失ってしまった音也は目の前の真夜を、唯一記憶の残っているゆりと間違えさせられてしまう。真夜は何故ファンガイアが人間を愛するのかが分からず、それを理解するために音也を利用しようとする。2008年。ビショップによりクイーンとして生きることを強いられる深央だが、どうしても処刑者にはなれない。
 敵はスパイダーファンガイア。1話からずっと生き残ってきたファンガイアだったが、キバとクイーンの攻撃に、あっけなく。
 1986年では記憶喪失になった音也の話が展開。記憶喪失の話が出てくると、一発でこれが井上脚本であることが分かる。本当に好きだよね。必ずそう言うキャラが出てくるか、話で使う。それで2008年の方では深央がクイーンとして覚醒するまでが描かれていく。心優しい深央はなかなか覚醒しなかったが、渡が傷つけられたお陰でついに目覚めた。
 名護から奪ったイクサナックルでなんと糸矢がイクサに変身してしまったり、エンペラーフォームのガルルフォームが展開したりと、見所は多いはずなのだが、今ひとつ地味に思えるのは展開が急すぎるからかな?
 結果として深央のお陰でキバはエンペラーフォームを手に入れ、渡のお陰で深央はクイーンとして覚醒したことになる。なんとも皮肉な話だ。
<今回の753。糸矢にイクサを奪われたのをあくまで自分のせいではないと強調。あまりに痛々しい。そんでイクサを取り戻して圧倒的パワーを得ると、今度は「神」を持ち出してきた。
 今回の糸矢君。いつも通り。「恵、恵」と叫びながらストーキングしてる。この人は毎回同じか。でもこれが最後なのが寂しい。>
第27話 80'怒れるライジングブルー

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。突然恵と嶋が捕まってしまった。素晴らしき青空の会に恨みを持つ者によるものと断定した名護は調査を開始する。だがそんな名護にも警察の手が伸びる。逃げる名護の前に次郎が現れ、「過去を変えるチャンスをやる」と申し出て…
 敵はクラブファンガイア。アクアクラスに属するカニ型のファンガイアで、固い外骨格を持つ。泡を吐いて相手を拘束する。それとシケーダファンガイア。1986年で遭遇したファンガイア。
 今回は完全に名護が主役となった話で、なんと1986年に吹っ飛ばされてしまうという、やや外伝っぽい話になっている。こいつが主役になって、しかも二つの時代にまたがると痛々しさが倍加。ただ、これによって音也と渡を繋ぐ設定ができあがった。
 ここに登場した棚橋は「超光戦士シャンゼリオン」の黒岩役の小川敦史。名護とキャラがかぶってるけど。井上脚本作品には常連だが、気に入られてるのかな?
 イクサの新フォームライジングイクサが登場。今のところ名護はそのパワーをもてあましている。
<22年前にイクサに襲われたという棚橋に対し、「イクサがそんな事をするはずはない」と反駁する753…いや、いくら正義っぽく見せても根本的にあんたならやりかねないんだけど。たとえ時を超えても性格は変わらず。色々助けてくれる音也に対しても殴りかかったりと痛々しい。
 静香に友達がいないことを指摘される渡。「可哀想な人みたいに言わないで」と反発するが、そのまんま可哀想な人だと思う。
 記憶喪失時にゆりと勘違いした真夜をそのまま受け入れてしまう音也。考えなしもここまでくると凄まじい。
 ところで“この世アレルギー”だったはずの渡が子供の頃普通に過ごしてたのはどういう訳だろう?
 劇場版の予告は又モモタロス達によるもの。ゴーオンジャーの真似をしてるが、キンタロスが「スマイル満開」とか言ってるのはすさまじい違和感。>
第28話 リクエストD.C.時を変える戦い

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 1986年にやってきた名護は音也達に自分が未来からやってきたイクサの装着者であることを訴えるが、誰も信用してはくれなかった。その中でイクサの疑いを晴らすため、棚橋に接触する。2008年。留置所に入れられ、名護も失踪してしまった嶋は渡と健吾に素晴らしき青空の会の臨時会員に任命する。
 敵はシケーダファンガイア。“クイーン”真夜を守ろうと何かとちょっかいを出してくる。ちなみに人間体は登場しない。本来1986年にイクサに倒されていたはずだが、名護のために生き残ってしまい、2008年にライジングイクサによって倒される。それと前回に続き登場したクラブファンガイア。今回は完全にやられ役。
 未来を変えようと過去に飛んだ名護の活躍を描く話。この人の場合、活躍と言うよりも中二病っぷりが度を超して痛々しいだけなんだが。お陰で物語の大半は1986年の方で、何故か名護と真夜が微妙な関係へとなっていく。
 いつの間にやら音也とゆりのコンビネーションは見事なものになってる。名護を軽くあしらうほどに。
 ゆりは凄く素直になっていて、現れた真野に対するやっかみを、素直に嫉妬だと認めてる。
 そしてラスト、かなりとんでもない渡の過去が明らかに?なんと渡の母親は真夜だったという…だったら真夜と音也の間の子?まあ、その辺の設定がまともに受け取ってはいけないのが平成ライダーではあるのだが…
<今回の753。直線的に突っかかるだけなので、全部音也に軽くかわされてしまう。その直線ぶりが全部イタいのもこの人っぽい。イクサを手に入れるためには、ついに思いあまってゆりを人質にまでしてしまう。
 棚橋を救うためシケーダファンガイアを逃す753。これは未来を変えるためと説明されるが、そのために犠牲になった人間はどれだけいるんだろう?
 前回キバに倒されたと思ってたクラブファンガイアが生き残っていた。別個体かな?
 2008年に戻りシケーダファンガイアを倒した753は一言。「これが俺の遊び心だ」…なるほど圧倒的力でファンガイアをいたぶることが遊びなんだね。
 エンペラーフォームでガルルセイバーを使うと、炎の剣が二方向に伸びる。「アーク・インパルス」ってか?>
第29話 聖者の行進・我こそキング

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。渡は深央と仲直りして浮かれていた。だがクイーンとして覚醒した深央は、渡と距離を置こうとしていた。一方恵の元に実家から弟がやってきた。1986年。ゆりとのラブラブ生活を堪能している音也だが、久々に次狼に呼び出され、ルークを倒すための共闘を提案される。
 敵はウォートホッグファンガイア。ビーストクラスに属するイボイノシシ型のファンガイアで、阿鐘という大男が変身する。そしてライオンファンガイア。二つの時代でそれぞれ戦っている。
 しばらく1986年の方が中心となっていたが、話は2008年へと戻っていく。渡と深央の関係が深まっていくのだが、それは静香の嫉妬をあおり…という構図。クイーンとしていかに覚醒するのかが見所。
 一方1986年ではゆりにばれないようにルークを倒そうとする音也が描かれる。いつの間にかどんどん音也は格好良くなっていくね。
<今回の753。珍しく冗談を言ってる。光秀が恵のことを「めぐみん」と呼ぶのを真似して口とんがらかして「めぐみん」とか言ってた。過去に行ったことによって、なんか微妙に性格が変わってきてる気がする。
 力とラモンのことを「デブとちび」と称する音也は、その正体を知った途端盛大に吹いてた。それにしても何度も殺されかかってるのに、次狼の呼び出しに応じる音也も音也だ。>
VOL.8
<A> <楽>
第30話 開演vip.キバの正体

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。実家に帰ってもらおうという光秀の誘いに、母が憎んでいたルークを倒すまでは帰らないと宣言する恵。しかしその頃当のルークは自分の一人遊びで「良いことをする」ゲームをしていた。1986年。ルークに憎悪を燃やすゆりを危険から遠ざけようと音也は次狼と組んで芝居を行うことにする。
 敵はウォートホッグファンガイア。キングになろうとする野望を持っている。また1986年時点ではガルル、ドッガ、バッシャー、イクサが四人がかりでルークのライオンファンガイアと戦ってるが、全然歯が立たなかった。
 かなり色々な話が同時並行して行われている。2008年ではギターの弾けなくなった健吾。ぎくしゃくしてる渡と深央。本人によれば「天国に行くため」良いことをしようとしているルーク。1986年ではルークを巡って関係を崩していく音也と次狼とゆり。平成ライダーシリーズの特徴なのかもしれないが、これらがまともに全部収まるとは思えない。
 前回から急に性格が悪くなった静香は、ことごとく渡と深央を遠ざけようとするが、それがものすごく渡を傷つけている事を知り、すぐに心変わり。結構単純な性格してるね。
 2008年時点ではもはやルークはキングではないらしい。そうすると誰かキングがいるはずだが?渡だったりして?
 ラストシーン。ついにキバの正体が名護に知られてしまったが、はてこれが後にどのように関わってくるか。なんか展開が「仮面ライダーアギト」っぽくなってきたぞ。
<今回の753。渡の悩みを聞いてやると言って一緒に風呂に入ってるが、その際きちんとシャンプーハットをかぶって。それで渡の正体を探ろうと体に触ろうとしてるけど…なんだろうねこの人。
 ライオンファンガイアとウォートホッグファンガイアの戦いにライジングイクサで参戦する753。勝負の行方を見守ってから戦えば良かったんじゃ?
 ギターをもう弾けない体になった事を知った健吾は渡に絶交を言い渡す。それ変じゃないの?
 ウォートホッグファンガイアに狙われる手品師の名前は「レッドマン」だった…えーと?
 ルークを捜し求める音也はちょっと歩くだけでルークはおろか真夜まで遭遇する。一体この世界はどれだけ狭いんだ?>
第31話 喝采・母に捧げる変身

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。キバの正体が渡であることを知りショックを受ける名護。だが彼なら人類の敵にはならないと納得もし、逆に鍛えてやろうと申し出る。1986年。四人がかりでもルークに敵わなかった音也たちだが、ゆりには何か策があるようで…
 敵はライオンファンガイアウォートホッグファンガイア。これまで長く二つの時代で登場していたライオンファンガイアもここで退場となる。そして最後に深央が変身しんしたパールシェルファンガイアが登場。
 1986年ではライオンファンガイアを追い詰める面々の姿あり。その作戦とは、ルークにイクサを長時間装着させ、そのパワーで弱らせてというもの。無茶苦茶危険な方法だ。
 イクサに関しては二つの時代で恵とゆりのダブル変身もあり。ルークの右肩の傷はゆりが付けたもので、それを攻撃しての真の勝利は恵が得た。
 そしてついに2008年で現れたチェックメイトフォーのキングの姿。深央もついに自分がクイーンであることを受け入れたようだし、ここで話はいよいよラストへの布石が出来たようだ。
 一方では全てに去られた健吾が絶望しているシーンもあり。この人どうなっていくんだろうね?
<キバが渡であることを知った753は渡に「弟子になれ」と申し出る。今まで散々どつき回しておいてこの発言とは、この人の自意識の高さは芸術的だな。しかも健吾のことはモロ「眼中にない」とまで。人に気を遣うという感覚は無いのか?
 恵みに対し「誰かのために戦士になるのではない」と諭す753。つまりこの人は全部自分のために戦っていたということか。よく分かった。
 1986年時点ではそこら辺歩いてるとルークと出会う。どれだけ狭い世界だ?
 初めてイクサナックルを使ったルークはちゃんと変身ポーズと「変身」のかけ声まであげてる。
 ライオンファンガイアとの戦いが終わった後の753はウォートホッグファンガイアとの戦いは完全に無視。腕組みしてキバと戦ってるのを眺めてる。キバの正体が分かったという事もあるんだろうけど、極端な人だ。>
第32話 新世界・もう一人のキバ

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。互いの正体を知らぬまま戦うキバと、深央が変身したパールシェルファンガイア。傷ついた深央を自宅に連れて介抱する渡。1986年。人間のことをもっと知りたいという真夜に詰め寄られる音也。
 敵はムースファンガイア。ビーストクラスに属するファンガイアで、キングの養育係である黒沢の本体。そして前回に続いてパールシェルファンガイア。1986年では真夜が、2008年では深央が変身するが、双方色が違う。それとクイーンが殺し損ねたトータスファンガイアも登場。リザードクラスに属するファンガイアで、人間体も本体もかなり温厚な性格をしてる。
 2008年ではキングの登場が描かれる。二話ほど前から渡の幼なじみの少年が登場していたが、それがその正体だった。なんかなし崩しだな。そしてキングとクイーンは結ばれる運命にあるという。つまり深央の婚約者というのは彼のことになる。キングとクイーンの役割も語られるが、クイーンが人間を好きになったファンガイアを殺し、キングは人類を進歩させる人物を殺す役割を持つのだとか。
 そして、ラストほんの少しだけ登場した新しいライダーらしい姿も見られる。どうやらキングの変身体らしいが、キバとの関わりは?
 1986年での物語がルークの退場で一段落。だが、そこに真夜が現れたことで新しい物語に入ったようだ。ここでもキングはいるはずだが、果たして誰なのか?ここではキャッスルドランが何故かクイーンとキングの居城として登場してる。これもつながりが分からないな。
<今回の753。渡を教育しようと、敢えて凶悪犯にその身をさらさせる。なんというスパルタ教育だ。
 幸せをかみしめるゆりに対し、「生きていればきっと良いことがある」とすがる音也。死亡フラグかいな?
 ビショップの役割は全ファンガイアを見守ることだとか。一体どれだけファンガイアっているんだ?>
第33話 スーパーソニック・闘いのサガ

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。太牙が変身した仮面ライダーの前でムースファンガイアを逃してしまったキバ。そこに現れた深央は何故か落ち込んでおり、そんな深央を抱きしめる渡。絆は深まったかのように見えたが、その後太牙により紹介された婚約者が深央であることが分かり、激しく動転する。1986年。真夜の正体がパールシェルファンガイアであることを知り、動揺する音也だが、その真夜から自分の力を100%引き出すヴァイオリンを自分で作れ。と言われる。
 敵はムースファンガイア。非常に冷静な闘いを展開し、ノーマル状態のキバでは到底敵わなかった。そしてトータスファンガイア。ムースファンガイアとパールシェルファンガイアにいたぶられ、最後はサガによって殺されてしまった。
 二つの時代で物語は動き出している。特に音也の方ではいよいよヴァイオリン職人としての腕を振るう時が来たらしい。なるほどこういう物語に入っていくのか。
 一方渡の方は、深央との絆が深まっていくような、離れていくような。深央を挟んでの渡と太牙の三角関係が展開していくようだ。それで渡役の瀬戸は一の頃と較べ、随分表情が豊かになったようだ。
 太牙が変身する仮面ライダーはサガという事が判明。エンペラーフォームの必殺技にドッガフィーバーが登場。エネルギーボールを体の前面に出し、それを野球よろしく打ち出して攻撃する。
 今回1986年の描写は妙にオレンジがかってるけど、狙ってのことかな?
<何で俺の周りは化け物ばかりなんだ。とぼやく音也。そういう運命の下に生まれた人間なんだろうね。大体それで全く動揺してないんだが。
 今回の753。渡が入ってる風呂に勝手に入ってくる。しかも「お前とは一心同体」とかすげえ台詞を言ってる。その後、深央を追いかけようとした彌の背後でタオル姿で現れ、「女の尻を追いかけるな」と…狙いすぎだって。
 サガの必殺技は敵に剣を刺した上で、そこから伸びた紐で敵を吊り下げ…って三味線屋勇次かい?>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 ノイズ・破壊の旋律

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。深央が太牙の婚約者であることを知った渡はそのショックから抜け出そうとあがいていた。そんな彼の前にショックから立ち直った健吾が現れる。1986年。真夜のアドバイスで最高のヴァイオリン作りを着々と進める音也。だが仲の良い二人をゆりが寂しく見つめていた。
 敵はホースフライファンガイア。インセクトクラスに属するアブ型のファンガイア。人間体は楓と言い、素晴らしき青空の会の神田博士によって次々と他のファンガイアの能力を加えさせられており、ライジングイクサも圧倒する。それとビショップのスワローテイルファンガイアも登場して、キバと戦った。ノーマル状態のキバはまるで敵わず。
 主に2008年を中心として話が展開。渡と深央の微妙な関係と、健吾の復活が描かれていく。とにかく今回はいろんな意味で痛々しい渡の奮闘が描かれる。
 一方、ビショップによれば、先代のクイーンは悲劇となり、クイーンを降ろされたとのこと。それで深央が真夜に会いに行くと、姿が全く変わっていた。何があったのかは、これからの話になるが、多分これは渡との関連だろうね。それと「闇のキバ」なる言葉が出てきたが、これはファンガイアの王となる存在らしい。そうするとやっぱり渡もファンガイアなのだろうか?
 健吾は元々東京生まれ。関西弁はシャイな自分の防衛策だったとか。
 風呂の中でオールバックにしてる渡の姿あり。こっちの方が結構似合っててヒーローっぽいぞ。
<失恋記念日だと言ってケーキを作る渡。しかし手際が悪い。その割に立派なケーキが出来る辺り、やっぱりテレビだ。
 今回の753。渡の失恋を「こんなに嬉しいのは三年ぶりだ」と言ってのける。なんというか、アブナさ度合いがますます上がってるな。今回に関してはどつかれまくってたので、らしくなかったが。>
第35話 ニューアレンジ・飛翔のバラ

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。立て続けに辛いことが起こり、すっかり落ち込んでしまった渡だが、自分の今できることをしようとブラッディローズの修理を始める。一方、元クイーンの真夜に会いに行った深央だが…1986年。音也は真夜の協力でようやく自分用のヴァイオリンを完成。それをブラッディローズと名付ける。
 敵はホースフライファンガイア。後、太牙が放ったククルカンという蛇型の怪物。
 今回も基本2008年がメインだが、次狼を介し、1986年とのつながりもあり。どうやら渡と次狼は初顔合わせらしい。そのアドバイスを受け、キバは更なる新しい形態である飛翔態に変身する。
 イクサだが、怪我をした名護の代わりに青空の会から健吾に与えられてしまった。
 一方では本当の力に覚醒してしまったホースフライファンガイアの物語も並行。全部2008年の方での物語。
<今回の753。覚醒した健吾から完全に見下しされてしまった。今回の出番はここのみ。
 いつも誰かしら勝手に家に入ってくる渡の家なのだが、次狼に限って見とがめる渡。いつもと反応が違う。
 闘いの最中、タツロットが持ってきたブラッディローズを突然弾き始める渡。その結果飛翔態へと変身したが、一見無意味な行いにしか見えないぞ。>
第36話 革命・ソードレジェンド

  脚本:井上敏樹
  監督:中澤祥次郎
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。突如キャッスルドランに謎の剣が現れた。これはファンガイアのキングが代々受け継いできたというザンバットソードと呼ばれるものだが、誰もそれを手に取ることは出来なかった。一方深央との結婚の用意を着々と進める太牙だが、深央の思いが他の男にあることを知り、怒りを覚える。1986年。完成したブラッディローズを真夜のために演奏する音也。それに我慢できないゆりはその怒りをラットファンガイアに向ける。
 敵はラットファンガイア。ビーストクラスに属するネズミ型のファンガイア。1986年と2008年のどちらにも登場している。当初一体のみかと思われたが、実は三体存在する。
 渡が妙に渋くなってきた。本人が前に失恋で強くなるみたいなことを言っていたが、本当に強くなったみたい。それに合わせるようにキバの闘い方も随分ワイルドになってる。
 ついにキバとサガの直接対決。決着は付かなかったが、又ライダー同士の闘いが展開するのだろう。一方イクサは全然活躍できず。
 更に謎のザンバットソードなる剣が登場。又新しい変身の伏線だろうか?…結局はオモチャを売らんがためだろうけど。
<ファンガイアも結婚式を挙げるらしい。どうもファンガイアの生態ってよく分からないな。人間とつながる部分が多すぎる。
 平成ライダーシリーズはSwordとBladeの違いが無いみたいなんだが、ここでは一応本物のSwordだな。
 今回の753。神社でお参りしてるが、「神よ、あなたは間違っている」とか祈り、更におみくじを引けば必ず凶が当たり、思いっきり動揺してる。
 今回の健吾。深央の「好き」という言葉を自分に対するものと勘違いして深央に抱きつく。徐々に753化してきたぞ。
 どうにもザンバットソードというのはネーミングが良くない。「ザンボット3」思い出させてしまう。>
第37話 トライアングル・キングが斬る

  脚本:井上敏樹
  監督:中澤祥次郎
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。深央が本当に好きなのは渡だった。それを知って喜ぶ渡だが、親友の太牙の手前、やはり悩んでしまう。一方の太牙も又、深央の気持ちを知るが、それはファンガイアとしての破滅を意味する事で悩む。1986年。音也が真夜に惹かれると同時に真夜も又音也に弾かれていく自分に気づく。そんな二人への激しい嫉妬から、闘いに赴くゆり。
 敵はラットファンガイア。都合7体も出てくるが、ザンバットソードにより一網打尽にされる。
 どちらの時代もクイーンを間に挟んでの三角関係が描かれることになるが、問題は人間を好きになったファンガイアは粛正されてしまうと言うこと。太牙の場合、むしろ優しさから深央の恋を思いとどまらせようとしているかのようだ。人間の感情の複雑さを描写する結構ややこしい物語だが、それなりに話がまとまってる。井上脚本のくせに…というのは言い過ぎか?
 そしてついに渡のものとなったザンバットソード。渡の思いの深さとガルル、ドッガ、バッシャーの合体により使いこなせるようになった。次々と新しいアイテムが登場してくるよ。
 それで今回もキバとサガの闘いとなるが、ザンバットソードを手に入れたキバは強すぎた。
 ラストシーンで渡、太牙、深央の三人が互いの正体を知るところで終わり。これからどうなるのやら。
<渡がパスタに入れたのはザリガニのスパイスだとか。ちなみに日本のザリガニは寄生虫がいるため、食用にしてはいけません。
 1986年時点でのイクサは未完成のため、あっという間に活動限界を迎えるが、なんぼなんでも1分も保たないというのは短すぎるんじゃないの?
 今回の753。イクサナックルに画鋲を付けるというせこい方法で健吾に嫌がらせをしようとするが、ばれてぶん殴られて終わり。この人は単なる情けない人間になってはいけないんだが。>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 魔王・母と子の再会

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。互いの正体を知ってしまう渡、太牙、深央。激しく傷ついた渡は次狼により母真夜の元へと連れて行かれる。1986年。真夜に惹かれる音也に耐えられなくなったゆりは真夜との決着を付けるべく、真夜に会いに行く。
 敵はマンティスファンガイア。インセクトクラスに属するファンガイアで、一度死んだファンガイアを甦らせる力を持つ。その姿は死神そのもの。そして再生ファンガイアとしてウォートホッグファンガイア他3体が登場する。
 二つの時代で真夜が中心となった話で、真夜がどうやって渡を産んだのかが描かれていく。結果として渡は人間とファンガイアのハーフであることが発覚する。それはつまり、太牙と渡は兄弟だと言うこと。渡がキバとなるのは、それが原因らしい。
 2008年で初めて健吾がイクサに変身。再生したウォートホッグファンガイアと戦う。
 1986年で登場するダークキバ。キングが変身する。てっきり音也が変身するのかと思ったが、そうじゃなかったのね。
<今回の753。健吾のコーチを申し出るが、その際着ていたトレーナーに書かれていたのは、なんと「753」という数字だった。とうとうここまで来たか。それでイクサとなって戦う健吾をサポートしようとするが、逆に健吾に撃たれてびびってた。会う度に健吾にぶん殴られてる。別な意味で痛々しくなってきた。>
第39話 シャウト・狙われた兄弟

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。母の真夜から自分がファンガイアと人間のハーフであることを知らされる渡は、これからどう生きて良いのか悩む。1986年。ダークキバと接触した次狼はまるで歯が立たない事を知り、今度は真夜を人質に取ろうと考える。
 敵はマンティスファンガイア。今回も何体ものファンガイアを再生させて襲いかかってくる。だが配下のファンガイアを失うとてんで弱い。そしてビショップの本体であるスワローテイルファンガイア
 自分がファンガイアであることを知らされ愕然とする渡の行動が描かれていくが、そこで得た結論は、人間とファンガイアの架け橋になろうとすること。しかしそれはファンガイア絶滅を目指す青空の会と、ファンガイア双方と対立する事となる。これから厳しい闘いが待っていることを思わせる出来事。
 一方1986年ではゆりも真夜がファンガイアであることを知り、しかも音也もその事を知っていたことを知り、大ショックを受けている。
 それで追い詰められたキバは、ビショップの手によってファンガイアとして覚醒。とうとう暴走を始めてしまう。井上脚本ではよくあることで、実際2話前にも同じような事をやってる。
<今回の753。キバであることを明かそうとする渡を、諸手を挙げて賛成。全て私に任せろ。と言いつつ、結局キバを追う立場になってしまう。それで青空の会の決定で、正々堂々渡に挑戦すると宣言する辺りはなかなか良い奴だが。
 渡にファンガイアになれ。と言って抱きついてくる太牙。いらないサービスかい?>
第40話 アンコール・名護イクサ爆現

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。ファンガイアの血の暴走によって恵に襲いかかってしまう渡。名護の捨て身の体当たりで正気を取り戻すが、人間を襲ってしまったという事実に耐えられず、ショックで又引きこもってしまう。1986年。真夜がファンガイアであることを知ったゆりを、音也は命を救ってくれるようにと真夜に頼む。その頃キングは次狼、ラモン、力の三人に、生き残りたければ音也を殺せと命令する。
 敵はビショップの正体であるスワローテイルファンガイア。そしてその部下であるシームーンファンガイア。そしてサガまで登場し、名護のイクサに襲いかかる。
 今回は2008年と1986年どちらも見所満載。ファンガイアと人間の間で揺れ動く渡と音也の二人が描かれている。今回は基本的に二人はあんまり動かず、彼らを巡って周囲が動いている。
 なんと今回は名護さんが格好良い!ここまで数話に渡ってギャグメーカーに徹していたのに、ここでは生身でキバを止めてみせるとか、渡の人間の力を信じ抜くとか、たった一人で圧倒的不利なビショップと渡り合うとか、この人の存在はちょっと侮れないぞ。今回は名言も多い。あっけなく渡の作ったブービートラップに引っかかるとか、いつもの753っぷりも見せるけど。
 嶋と太牙は知り合いだったことが発覚。嶋はこどもの頃の太牙の保護者だったという。
<家の外で渡の名前を呼ぶ753。その声は部屋の中にびんびんに響いているが、どんな音響装置を使っている?
 一度渡の家に踏み込んでおきながら、渡に会いもせずに帰る753。何のためにわざわざ来たんだ?
 恵みにより、「なんで急に渡君をかばうの?」と突っ込まれる753。いやその通りなんだけど。この人の考えって本当に一定しない。>
第41話 ララバイ・心を解き放て

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。引きこもりを続ける渡は名護の危機にも外に出ることはなかった。そして危機を脱した名護に嶋は渡の抹殺を命じる。1986年。キングより音也の抹殺を命じられた次狼、ラモン、力だが、どうしても出来なかった。キングは彼らを次々と彫像に変えてしまう。
 敵はシームーンファンガイアスワローテイルファンガイア。そこにマザーサガーク。サガークベルトが巨大化したような太牙の配下のモンスターでファンガイアではない。
 渡が引きこもっている分、話は名護へと移り、今回も妙に格好良い名護の姿が見られる。今回は健吾も急に素直になってしまってるが、キャラが急に変化してしまった感じがある。
 一方1986年の方でも、ガルル達が何故彫像になったのかが描かれ、こちらも重要な話が展開中。真夜はついに真夜に惚れていると言い放ってしまった。
<音也を殺しに来た次狼はなんと風呂の中に入り込んでくる。「俺にはその趣味はない」…って何の趣味よ?(野暮?)それで何故か腰に巻いたタオルはガルルになってもそのままだった。これまでは服着ていたらそれが消えてたんじゃなかった?
 ラモンと力を彫像に変えてしまうキング。フエッスルは丁度三つあるのが不思議な符号というか、個体と色まで同じなのは出来すぎ。
 引きこもる渡の前に現れた深央はにっこり笑って「いつキングを倒してくれるの?」…性格がすげえ悪くなってる。
 今回の753。前回サガの必殺技まで食らっていたというのに、全くのノーダメージ。ファンガイアよりも頑丈な奴だ。>
VOL.11
<A> <楽>
第42話 パワー・オブ・ラブ・王の怒り

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。真夜の静止をふりきりイクサに変身した音也はダークキバに向かっていくが、キングの力の前になすすべ無く倒されてしまう。音也を処刑すると宣言するキング。2008年。自分の正しいと思った生き方を貫くと太牙に宣言する渡。
 敵はサンゲイザーファンガイア。リザード族に属するヨロイトカゲ型のファンガイア。太牙の手により嶋と融合させられる。
 1986年の方は物語も佳境。いよいよキングと音也の直接対決で始まり、その音也を助けるために真夜とゆりの共闘に至る。
 2008年の方は自分を受け入れた渡に、周囲の人間はみんなして祝福する。それで随分優しい雰囲気に包まれていたと思っていたら、物語は急転直下。ファンガイアを憎んできた嶋がファンガイアに融合させられてしまうなど、人間対ファンガイアの戦いも複雑になってきた。
 深央も又ついにクイーンである自分を受け入れてしまった。彼女の心もやはり闇に閉ざされつつあるようだ。
 なんか随分久々にキャッスルドランが登場。ただし1986年の方で、キングに付き従う存在として。
<すっかり名護がまともになってしまったので、ツッコミどころが少なくなってとても寂しい。
 「僕のものになれ」と渡に迫る太牙。狙いすぎだって。>
第43話 結婚行進曲・別れの時

  脚本:井上敏樹
  監督:舞原賢三
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。嶋の様子が妙におかしい。自主的に嶋の護衛を行う面々だったが、彼らの前で嶋の肉体が変化する。その頃、深央と太牙は二人きりで結婚式を挙げようとしていた。1986年。ライフエナジーを吸い取られ、息も絶え絶えとなった音也はキングに、最後にヴァイオリンを弾かせてくれと頼む。
 敵は嶋と融合したサンゲイザーファンガイア。そしてシルクモスファンガイア。インセクトクラスに属する蚕蛾型のファンガイアで、1986年でキャッスルファンガイアが眠る迷いの森の番人。珍しく1986年で殺されてしまった。
 二つの時代で風雲急を告げる話。いよいよラストに向かって疾走中と言った感じ。太牙を殺そうと計った深央が、その太牙を守るために渡の攻撃を受けてしまう。一方真夜は音也に対する愛をはっきりと口にし、そのためにファンガイアの力を抜かれてしまった。見所は多い話だが、全般的に余裕がないので、ツッコミ所もない。
 今回名護はいきなりライジングイクサに変身してるが、それも可能なの?
第44話 パンク・バック・トゥ・ファーザー

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。自らの手で深央を死に追いやってしまった渡は絶望する。1986年。音也はキングに封印されてしまった次狼たちを助けに行こうとするが、それを妨害する人物が現れる。なんとそれは渡だった…
 敵はポーラーベアーファンガイア。ビーストクラスに属するシロクマ型のファンガイアで、高速移動を得意とする。過去に戻った渡と音也の連係攻撃で倒された。
 いきなり話は1986年が中心となっていくが、渡がなんと1986年にタイムスリップしている。これはかつて名護を過去に送ったように次狼によるもの。
 渡がしようとしていることは、音也とゆりを結婚させるという事だが、それは渡が生まれないことを意味する。一種の自殺じゃないのか?そのためには歯の浮くような台詞も平気で喋るようになるが、ポジティヴなんだかネガティヴなんだかよく分からない。
 それにしても瞬間瞬間に好きな人を変えてしまう音也は、いつも調子良く、ゆりが身を引いたら、すぐに真夜に乗り換えてしまった。良い性格してるよ。
 一方2008年では深央を殺した渡を絶対に許さないと太牙がぐわっと盛り上がってる。
<今回の753。嶋の代わりになろうと、マスターに体脂肪率勝負を挑んでる。なんかようやく名護が753に変わってくれた…と思ったら結構格好良いじゃん。困ったな。
 キバットとタツロットまで渡とは別口で過去へ。都合良すぎるだろ。>
第45話 ウィズユー・最後の変身

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。渡の変身したキバの姿を見たキングはダークキバの装甲を脱ぎ捨て、その正体であるバットファンガイアの姿を現した。2008年。深央を失い悲しみに暮れる太牙に、ビショップは深央を本当に殺したのは自分であることを打ち明けるのだった。
 敵はバットファンガイア。キングの正体で、ダークキバ形態よりもこちらの方が強い。
 物語としては盛り上がるはずなのに、何でか今ひとつボルテージが上がらない。渡がローテンションだからだろうか?
 今回存在感を示しているのがキバットバット2世。キングの僕かとおもったら、そうでもないらしい。何故か音也に力を貸すと言ってくる。人間がキバになることが出来るのか?
 そしてついに登場する音也が変身したダークキバ。今回のみの変身だったが、これによって音也の命は大きく削られてしまい、これが元で命を落とすことになる。
 そして久々にキバの飛翔態も登場。暴走したキャッスルドランを鎮めた。
 一方、深央を殺したのは自分だと告白するビショップ。彼的には良いことをしたと真剣に思っているらしい。随分ずれたキャラだ。
<キバットバット2世の言葉を受け入れ、ダークキバになる決意を固めた音也。「他に手はない」とか言ってるけど、力に対し力で対抗するって構図は単純すぎないか?
 今回の753。無差別に人間のライフエナジーを奪うビショップに対し「この体、その全ての細胞が正義の炎に燃えている」と叫んでる…外してるはずなのに普通に格好良いから困る。
 自分を助けてくれた音也がバットファンガイアと戦っているのを見た次狼ら三人は、「今の内に逃げよう」とか言って本当に逃げてしまった。おいおい。>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 終止符・さらば音也

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 1986年。キングの変身したバットファンガイアに立ち向かう音也のダークキバと渡のキバ。だが実力の差はいかんともしがたく、二人とも変身を解除させられてしまう。それでも諦めずイクサに変身する音也に、渡も又再びキバに変身してバットファンガイアに立ち向かう。2008年。太牙をキングの座から引きずり下ろそうとするビショップと対峙する名護のイクサ。そして帰還した渡は最後の決着を付けるため、太牙に立ち向かう。
 敵はバットファンガイア。キングが変身した姿だけあって、もの凄い力を持っているが、渡と音也の親子によってようやく倒せた。
 親子対面もこれで最後。音也は確実に死んでしまうことになるが、二人が揃ってバットファンガイアを倒すことが出来た。そしてここで音也が次狼に言った「約束」が出てくる。
 そして話は本筋である2008年の方に戻り、今度は渡単独で新しいキング太牙と戦う事になる。話はいよいよ最終章に入ったことになる。
<今回の753。素晴らしき青空の会の会長に立候補するためしつっこく恵みにつきまとって推薦文を書かせようとしてる。更にビショップに対し「俺は世界の希望。輝く太陽のように決して消えることはない」とか言ってた。結構格好良いんだけど。
 2008年時点で、かつてキバは人類の敵として出現した。と繰り返し言われていたが、結局そんな事はなかった。それで良いのか?>
第47話 ブレイク・ザ・チェーン・我に従え

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 2008年。ファンガイアの群れを片付けたキバとサガは再び激突。ついに渡は太牙に勝利する。ファンガイアの王となると宣言する渡だが…
 敵はスワローテイルファンガイアと大挙して復活したファンガイアの群れ。ただし、極端に強くなった渡の前には全くなすすべも無し。
 ラス前。キバとサガとの対決も決着。しかし急に渡は急に態度を変え、ファンガイアの王となってしまう。最終回前の伏線と言ったところ。
 一方前回の戦いで目が見えなくなってしまった名護の苦悩や、いきなりの嶋の人としての復活など、むしろ今回は青空の会の方が話の中心となった感じ。
 太牙をキングの座から引きずり下ろそうとするビショップの狂気に満ちた行動も見所だが、最終回を前にしていきなりトーンダウンしてしまった感は否めず。平成ライダーシリーズの宿命かね?
 渡が王に就任したってパターンは「555」のラストで勇治がスマートブレイン社長になったのと同じ…同じ脚本家か。
<いきなりの嶋の復活。全く意味がないような気がするんだが?これもやっぱ平成ライダーの宿命?
 ラスト、キバットバット2世によりダークキバになる太牙。これは結局サガはキバには敵わないという事実を示すだけでは?サガの存在感ってなに?>
第48話 フィナーレ・キバを継ぐ者

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:竹田道弘
 キャッスルドランの玉座に座る渡の前にダークキバの力を得た太牙が現れる。キバ対ダークキバの戦いが始まるが、その前に多数の再生ファンガイアを引き連れたビショップが立ちふさがる。一方未だ視力の回復しない名護は恵とのコンビネーションに力を注ぐ。
 敵はバットファンガイア。先代キングがビショップの召喚に応えて現れた。人間体とはならず、単なる強力な敵と言うだけ。
 最終回となり、戦いもクライマックス。しかし残念なことに。相変わらず平成ライダーシリーズの中途半端ぶりがここにも出てきてしまった。ほとんどの登場人物が死ぬことなく、変な意味ですっきりさせてしまったため、大変もったいない話。
 何故渡が敢えてキングを名乗ったのか。それは太牙の命を救おうとした渡の思いやりだったというのだが、その理由もよく分からない。
 ガルル以下の三人が久々に活躍もしてるが、これも遅きに失したなあ。全体的に詰めが甘いんだよな。
<ビショップを倒した名護は、あたかも崩れ落ちるようにぶっ倒れたが、それは死んだのではなく目が見えるようになったためだとか…最後までこの人は外さないな。
 バットファンガイアと戦う二人のキバ。ダークキバの紋章で跳ね返ったところを二人でタコ殴り…これってリンチじゃないのか?
 そう言えばゆりはいつ亡くなったのか一切語られてないし、その夫も語られず終い。
 最後に登場する青年は22年後から来た渡の子供は、年齢から言えば今子供を作ってないとおかしいのだが、深央の事実があるのに、誰との子供だ?>

 本作は二つの歴史をまたがっているだけでなく、裏設定においても歴史が重要な意味を持っている。以降に乱暴ながらこの世界観の歴史を書いてみよう。

 有史以前? 進化した生物群は様々な形態へと変化し、最終的に12の魔族(人類含む)へと淘汰された。
 18C頃    人類によって初の人造人間が誕生(後にフランケン族と呼ばれるようになる新しい種族。これによって魔族は13になった)。
 1900年代  魔族の最大種族ファンガイア族がサガーク族、ドラン族を配下に置き、更にキバット族と契約を交わすことで強力な武器と鎧を手に入れる。
 1980年代  キバット族とファンガイア族の共同で最強の鎧“ダークキバ”完成。
         ファンガイア族は他の種族に対する殲滅作戦を開始。ウルフェン族、マーマン族、フランケン族を滅ぼし、人類に対し半ば公然と活動を開始する。
         ファンガイア族の台頭を知った嶋護によって人類の英知を絞り、ファンガイア族に対抗するための“素晴らしき青空の会”結成。
         ファンガイア族と人類との間に戦いが開始。その折、人類側はイクサシステムの基本システムを完成させるが、開発主任の麻生茜が殺される。
 1986年   ファンガイア族が全ての魔族を従えるために活動が活発化。対抗するため人類はイクサシステムを投入。
         ウルフェン族、マーマン族、フランケン族の生き残りが自らの血を残すために街へ降りてくる。
         ファンガイアの王キングとクイーンの間に息子大牙が生まれる。
         時を超えたキバと、キングを裏切ったダークキバによってキング倒される。王の証ザンバット封印。
         紅音也死亡。
 1987年   クイーンと音也の間に息子渡生まれる。
 ?      キバット族とドラン族により紅渡のための鎧キバおよびエンペラーフォーム完成。
         ガルル、バッシャー、ドッガ、キバットバットIII世と契約を結び、キャッスルドラン内に封印される。
         麻生ゆり、恵と光秀を生んだ後死去。
         キングが消えて水面下の活動となったファンガイアと素晴らしき青空の会の戦いも目立たないものとなる。
         渡、仮面ライダーキバとして覚醒。引きこもりのためほとんど戦いはできないまま。
 2008年   新世代キングである大牙の成人に合わせファンガイアの活動再開。人類の駆逐作戦が開始。