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侍戦隊シンケンジャー

侍戦隊シンケンジャー事典
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 2009'2'15〜2010'2'7

 スーパー戦隊シリーズ第33作目。今回のテーマは“侍”。公開当初は海外から見た「サムライ」と言った雰囲気があり、カラフル且つコメディ色満点路線かと思われたが、物語は深まり、良い意味では見応えのある、悪い意味では子供を置き去りにした作品となってしまった。このため賛否両論となったが、ハードな物語展開は本作を戦隊シリーズの最高傑作に推す声もある。テコ入れも入れられず、最後まで一貫して物語が構成されたのは幸運で、良かれ悪かれメインとなった小林靖子の脚本と、本シリーズを牽引した中澤祥次郎監督の二人には惜しみない賛辞を送りたい。
 今回はレッドを「殿様」とし、残りのメンバーを「家臣」としたことが大きな特徴で、メンバー内に明確な身分関係が存在している。そのため、設定上レッドを中心とした一つの家を構成している。又、この「家」の概念は物語にも深く関わり、メンバーそれぞれの家庭の様子も物語の中で丁寧に描かれていた。
 これまでアメリカで「パワーレンジャー」としてリメイクされ続けてきた戦隊シリーズだが、実は本作は契約切れでリメイクされないことが最初から分かっていたため、かなり作り手の自由裁量で作られてきたとも言われる。

主な登場人物
志葉丈瑠
シンケンレッド
(役)松坂桃李。後の日本のトップスターへと成長する。
 シンケンレッドに変身する青年で志葉家十八代当主。火のモヂカラを受け継いでいる。通称“殿様”。実は火のモヂカラが使えるだけの一般人。本物の十八代目当主である志葉薫の影武者であった。最後に薫より正式に養子とされ、志葉家十九代当主に就任する。
池波流之介
シンケンブルー
(役)相葉弘樹。元ストリートミュージシャン。現在は本格的に役者業に取り組んでいる。舞台版「テニヌ」では不二周助役。
 シンケンブルーに変身する青年で歌舞伎役者の後継者。侍とは何であるのかを幼少時から叩き込まれていたため丈瑠に対して常に忠実。しかし一方で結構なボケでもある。ファザコンかつマザコンであるが、それを指摘されると激しいショックを受ける。
谷千明
シンケングリーン
(役)鈴木勝吾。本作がデビュー作。
 シンケングリーンに変身する青年。性格は一見軽い現代っ子で、古い習慣を継承する侍を小馬鹿にした発言も多いが、基本は善人であり、努力を怠ることもない。丈瑠を目標として、いつか越えることを誓う。
白川茉子
シンケンピンク
(役)高梨臨。アイドルユニットであるピンクジャムプリンセスの元メンバー。ドラマやバラエティなど積極的に出演中。
 シンケンピンクに変身する女性で天のモヂカラを受け継いでいる。弱いものを見ると放っておけない面倒見の良さを持つ。幼少から侍として訓練を続けてきたためか、「普通のお嫁さん」になるのが夢だとか。しかし料理は壊滅的。
花織ことは
シンケンイエロー
(役)森田涼花。アイドルデビューの後、積極的にテレビ、映画に出演中。
 土のモヂカラを受け継ぎ、シンケンイエローとなる女戦士。京都弁が特徴の女性戦士。本来姉のみつばが継承者となるはずだったが、病弱な姉に代わってシンケンジャーとなった。そのためか自分の実力の無さを事ある毎に呟くが、打たれ強い一面もあり。
日下部彦馬 (役)伊吹吾郎。古くから時代劇で活躍してきた古参俳優。「水戸黄門」では長く渥美格之進役を演じていた。
 代々志葉家に仕えてきた家臣で、愛称は“ジイ”。口やかましいが、自分の頭の硬さも十分知っている。生身ながら身も軽く、馬やバイクを乗り回し、時には外道衆相手に立ち回りをするほど。実は本当の意味で丈瑠のお目付役であった。
梅盛源太
シンケンゴールド
(役)相馬圭祐。本作が実質的なデビュー作となる。
 6人目の戦士シンケンゴールドに変身する若者。ゴールド寿司なる屋台の寿司屋。侍ではないためモヂカラは使えないのだが、特訓と持ち前の技術力で「電子モヂカラ」を開発して参戦する。
血祭ドウコク (声)西凜太朗。
 外道衆の長で“御大将”と呼ばれている。かつてのシンケンレッドに封印のモヂカラを使われ、今は三途の川から出ることが出来ない。それもあってかとにかくキレやすく怒りっぽい性格をしてるが、その実力は折り紙付き。最後は薄皮太夫を取り込むことによって封印のモヂカラをもはね返す力を得た。
薄皮太夫
薄雪
(声・役)パク・ロミ(朴(王路)美)。「∀ガンダム」のロラン、「鋼の錬金術師」のエドなど、少年役に定評のある声優。今回は太夫の前世薄雪として顔見せもしている。
 外道衆幹部の紅一点。ドウコクの側近で、美しいものを集めることが趣味。前世は薄雪という花魁だったが、自分を裏切った侍の新佐を焼き殺し、自らもその火の中で外道に落ちたという経緯があった。その新佐の魂で作った三味線をつま弾き、その音色だけがドウコクの怒りの衝動を抑えることが出来る。最後は三味線をシンケンピンクに斬らせることでこの世の未練を捨て、ドウコクを復活させ、自らがドウコクに取り込まれた。
腑破十臓 (役)唐橋充。「仮面ライダー555」の海堂直也、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO」のキール星人グランデ。ウルトラ、ライダー、戦隊の3作でレギュラー出演を果たした。
 外道衆の一匹狼で、強い敵だけを斬り続けるためだけに生きている。元は侍だったが、強さと戦いを求めるあまり生きたまま外道に落ちた。用いる両刃の刀裏正は家族の魂を封じたもの。丈瑠との長き戦いを経て、最後に完全消滅する。
骨のシタリ (声)チョー。ベテラン声優長島雄一のもう一つの芸名。
 外道衆の知恵袋。ドウコクの気まぐれに悩まされつつも、知力で外道衆を導こうとする。とりあえずの目的は自分が生き残ることで、そのためには自らの命を削ることも辞さない。あまり戦闘は得意ではないとは言え、シンケンジャー全員に対し対等に渡り合える程の攻撃力はあり。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 伊達姿五侍

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 この世の“隙間”の向こう側にある三途の川から外道衆がやってきた。こども達を襲う戦闘員“ナナシ”の大軍の前に三百年の昔より、外道衆を葬ってきた侍の末裔志葉丈瑠が現れた。シンケンレッドに変身した丈瑠はあっという間にナナシ達を駆逐する。日々力を増す外道衆に危機を覚える志葉家に仕える家臣・彦馬は丈瑠にシンケンジャーの結集を呼びかける。
 敵はカゲカムロ。最初に呼び出されたアヤカシ。下半身にも巨大な顔を持ち、大口を叩いては人間を襲う。
 いきなり冒頭から見せ場全開で始まる本作。えらく又熱い展開だ。そこから仲間捜し…というか、既に定められてる仲間を引っ張り込む訳だが、あっけなく集結。戦隊誕生がこんなに早いのは久々の話。だけど、きちんと見せ場は作られ、それぞれ個性たっぷりな感じをきちんと演出してくれている。
 今回の物語は徹底した個性を見せて欲しいと思うが、果たしてどうか。忠義の青、こどもの緑、クールな桃、熱血の黄と個性が出ており、まだ慣れが無いためにやや演技は固いが、今のところはかなり面白い感じ。
 今回の戦隊は筆で戦う。筆で書いた字が、それに合ったものへと変化するらしい。
<和風テイストたっぷりなんだが、ピンクがいるのはちょっと合わない気がする。今回は黒白にすべきだったんじゃないかな?
 名乗りで全く火薬が使われないのも、考えてみれば不思議と言えば不思議。いかにも出そうな感じだったんだが。
 カゲカムロが放った車を真っ二つにするシンケンレッド。車の横から斬ってるので、放っておけばそのまま脇を通るだけだった。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 極付粋合体

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 丈瑠の元に集結した4人はシンケンジャーとして戦うために“モヂカラ”の鍛錬を開始した。その中で千明は丈瑠が気にくわず、茉子も丈瑠が命を預ける器かどうか分からずにいた。そんな中、ことはが姿を消してしまう。
 敵はオオツムジ。刀を振り回すことで竜巻を巻き起こし、街の住民とビルを襲う。
 とりあえず前回が集結の話で、今回は真の意味で仲間となる話となる。そのため今回は全員均等に見せ場を作っているのだが、その中でことはの純粋さと、丈瑠の器の大きさを示した話となっている。話は単純すぎるが…というか恥ずかしいセリフがぽんぽん出てくるが、見せ場は満載。
 そして登場する巨大メカシンケンオー。その必殺技は昔懐かしい戦隊特有のもので、ポーズを決め、刀を回転させてから唐竹割にするもの。
 この作品の特徴として戦闘員であるナナシも大きいのが登場し、シンケンオーと共に戦ってる。
<シンケンジャーは江戸時代から活躍してるらしいが、既に携帯そのもののショドウホンを使ってる。
 最初にシンケンオー合体のかけ声を上げたのは丈瑠ではなく流ノ助。リーダーを差し置いて…と思ったら、しっかりボケかましてた。>
第3話 腕退治腕比

  脚本:小林靖子
  監督:諸田 敏
 訓練の毎日を送るシンケンジャー。だが気合いが足りない千明は寝坊して稽古に遅れ、更に剣もモヂカラも侍の心得も他の者より一段落ちる事を指摘されてしまう。窮屈な生活に嫌気がさした千明は脱走して学校の友達に会いに行くが…
 敵はロクロネリ。三途の川に住むカエルのようなアヤカシ。巨大な腕を自在に伸ばして攻撃する。地面を潜らせて相手の足下から攻撃することを得意とする。
 千明は「轟轟戦隊ボウケンジャー」における真墨に当たるようなキャラで、主人公以下の面々が硬い分、色々いじられやすいようだ。だがそのためか、今ひとつ全体的な個性が薄い気がする。これからどうやってそれぞれの個性を出す話に持って行くのか。
 シンケンジャーが家族や友人から身を引いて生きねばならないのは、親しい人を巻き込まないためだという。この辺の設定がしっかり描かれるのは大切なこと。そう言う話を入れるのは結構苦労するのだけど。
<ロクロネリに対抗する技を編み出そうとした千明が見ていたのはPSPのパックマン。今時えらいレトロなゲームを。
 ロクロネリの二の目に対し一体のオリガミで戦おうとするグリーン。どう見てもウェイトに差があるな。
 ところで、ロクロネリの攻撃は見えないからよけられないと言うが、腕は二本しかないので、全員で襲いかかれば全く問題ない気がするんだが?>
第4話 夜話情涙川

  脚本:小林靖子
  監督:諸田 敏
 突然流ノ介が、みんなに悩みがないかと聞き始めた。一生懸命なのは分かるが、逆に迷惑している面々。そんな時にアヤカシナミアヤシが現れる。ナミアヤシは何故か良太という少年と友達だという。それが気になった流ノ助は、良太を捜すが…
 敵はナミアヤシ。卑怯な技が大好きで、親切なふりをして人に近づき、それを騙して涙を流させようとする。
 流ノ助が中心となった話で、歌舞伎の跡継ぎを捨ててしまったことでホームシックにかかり、その寂しさを紛らわすために親切を買って出るという話。そんな流ノ助を見かねて茉子も何かと流ノ助の世話を焼いてる。
 なんか料理の出来ない女の子って、記号的なキャラになってるんだけど、キャラの造形がやや定型に沿いすぎてるきらいあり。いい加減じゃないか?
<ホームシックにかかった自分を「殴ってくれ」と茉子に頼む流ノ助。お前は速水克彦か?というか、完全にキャラかぶってるじゃん。
 良太少年が飛び降りる時、ほんの近くにいながら、身を守ることで手一杯で放って置いた流ノ助と茉子。お前ら覚悟が足りんぞ。
 茉子の料理する姿を見てあこがれのまなざしをすることは。お前目が腐ってるぞ。
 少年の名は良太のはずだが、茉子は「キヨト君」とか言ってたような?ひょっとして本名?
 一人のこどもの涙が何よりも重いという外道衆だが、なんかこの設定「兄弟拳バイクロッサー」と同じような気がするぞ。>
第5話 兜折神

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 稽古が休みとなり、丈瑠を除いたシンケンジャーの面々は流ノ助とことはのリクエストで遊園地に行くことに。丈瑠を除いた四人で出かけた遊園地でアヤカシヤナスダレと遭遇する面々。その頃丈瑠は新しい秘伝ディスクを使いこなすための特訓を続けていた…
 敵はヤナスダレ。体中に垂らしたスダレによって攻撃を受け流してしまう。あまりやる気のない性格で、口癖は「無駄だ」。
 一応今回はレッドである丈瑠が中心となる話。明らかな主人公キャラなのだが、ここまで中心の話が出てなかった。殿様として落ち着いたキャラなので、中心にしにくいキャラなのだが、実はそれなりに悩んでいることがここで分かる。
 殿様として生きると言う事は、他の仲間とは一線を画し、仲間の精神的支柱として揺るぎない自分を常に見せていなければならない。そのためかなり窮屈な生き方を自らに強いていることが分かる。これはこれで本物のヒーローっぽくはあるが、これもきっと話が進むに従い変わっていくのだろう。
 強敵の登場に早くも追加装備となる兜ディスクが登場し、シンケンオーがカブトシンケンオーとなった。これはかなりペース速く装備が増えていきそうな感じだ。事実いくつもの秘伝ディスクが存在するとか言ってたし。
 ヤナスダレ役は「忍者戦隊カクレンジャー」サイゾウ役の土田大。
<ヤナスダレの口癖は「無駄だ」だが、時折「無駄無駄無駄…」とか連呼。脚本の小林靖子はジョジョのファンか?…後にアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のメインライターとなったという事実。
 兜折神はカブトムシ型の折神だが、その角はヘラクレスオオカブトのもの。志葉家秘伝とか言っていたけど、いつの時代から?>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 悪口王

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 人の心のツボを突くアヤカシであるズボシメシが現れた。その悪口による精神攻撃によって次々に倒れていくシンケンジャー達。だがただ一人ことはだけはズボシメシの攻撃が通用しなかった…。
 敵はズボシメシ。大きな口を持つアヤカシで、人のツボを突く悪口を言い、図星を疲れた人は精神的ダメージが物理ダメージとなり吹っ飛んでしまう。当然ながら外道衆にも嫌われてしまってる。
 今回はイエローのことはが中心。武芸以外は何をやらかしても駄目で、いつも「鈍くさい」と言われ続けてきたことはにとって、「どじ」「あほ」「鈍くさい」など、大概の悪口は全く動じないという精神力を身につけていたという…なんという設定だ。しかし、それが彼女にとっては、逃げになってしまっており、これを乗り越えることで心の強さを引き出すことになる。
 一方、そんなことはを平気で「鈍くさい」と言ってきた千明が良いパートナーぶりを見せている。
 今回のアヤカシズボシメシは悪口の達人。言葉で人を平気で傷つけて悦に入ると言った設定は、流石小林靖子脚本。妙に笑えてしまう。千明は「落ちこぼれ」、流ノ助は「ファザコン」、茉子は「一生独身」、丈瑠は「大嘘つき」。全員が吹っ飛ばされてしまった。ところで丈瑠の「嘘つき」は、やっぱりこれからの物語の伏線となってるのだろう。
<ことはは関西弁を使ってるが、中心になるとなんちゃってぶりが増幅。ちょっと聞いていてきついものがある。
 ズボシメシの攻撃で最もダメージ受けてるのは流ノ助。ファザコンってのは、男が言われると…やっぱりきついよなあ。
 自分の事をアホ言い続けることはだが、大阪での「アホ」は「おもろい奴」という意味もある。>
第7話 舵木一本釣

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 行方不明となっていた舵木折神が見つかったとの知らせが入る。すぐにモヂカラで封印する必要があるのだが、丁度その時外道衆襲来の知らせが入ってしまう。丈瑠は流ノ助に舵木折神の調査を一任するが…
 敵はヤミオロロ。三途の川のあぶくから生まれたというアヤカシで、全然信用されてないが、たまたまいたのでとりあえず人間世界に放り込まれたという。全身から毒を出し、触れた者を毒に冒す。
 二体目の折神が登場する。前回がカブトムシだったのに対し、今回はカジキだとか。どっちも角を持つ動物だな。今度のは攻撃と言うよりは治癒の能力を持つらしい。
 それで舵木折神を捕獲するのは流ノ助の役割となった。そのため今回は流ノ助がピンで中心となり、他のキャラは全然目立てずに終わる。流ノ助が丈瑠に忠誠を誓っているのを、本当に自分自身の意志で行っていることを再確認する話となった。
 今回妙に存在感のあるキャラ朔太郎が登場。かつて黒子だったそうだが(ラストで復帰)、年齢的にもまだなんとか戦隊戦士として可か?ついでに謎の戦士がちらっと登場。ちょっとパターンとしては早いが、そうなると追加戦士は複数かな?
 話は出来すぎの上に、非常に単純だが、なるほどだんだんこの作品の方向性が見えてきたぞ。
<舵木折神は巨大な上にメカニカルな折神だが、これまで全然目撃例がなかった。しかも「野性に還ってる」そうだが、機械が野性に還れるのか?
 舵木シンケンオーの必殺技は頭の剣で相手を真っ二つにするのだが、直立不動の後、お辞儀をしてるように見える。>
第8話 花嫁神隠

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 結婚式の最中に花嫁がさらわれる事件が続発し、これを外道衆の仕業と見たシンケンジャーは丈瑠と茉子を花婿花嫁として偽装結婚式を行う。だが外道衆に襲われたのは別の結婚式だった。
 敵は薄皮太夫。外道衆の幹部の一人で、今回が初の対決となった。更に謎の敵が登場する。
 茉子が中心となった話で、ピンでは初めての話となる。前にズボシメシから「一生独身」と言われてショックを受けてた茉子だけに、これはこれで彼女の思いが詰まっているように思える。前回に続いて舵木折神が登場するため、流ノ助も結構活躍。
 今回は初の幹部との対決のため、薄皮太夫のエピソードもちょっとだけ出てくる。打ち掛けを作るのは「未練」と言われたり、シンケンジャーのエンブレムを見て動揺するとかがあるが、それはどういうエピソードになるか。
 今回の話はシンケンジャーと外道衆のどちらが相手をだませるかという、化かし合いとなったが、話の常で最終的にはシンケンジャーの方が一枚上手だった。しかし、肝心なところで茉子も流ノ助に見所取られてしまった感じがあるな。
<外道衆を呼び寄せるために偽装結婚式を挙げるシンケンジャー。しかし、日本でどれだけ結婚式やってると?
 流ノ助の花嫁姿も拝めるが、戦隊シリーズではよく女装させるパターンがある。製作の趣味だろうか?>
第9話 虎反抗期

  脚本:小林靖子
  監督:渡辺勝也
 アヤカシのヒトミダマが出現。すぐさま出動するシンケンジャーだが、何故かヒトミダマは折神“虎折神”を操っていた。更にヒトミダマは催眠術によってシンケンブルーを操ってしまうのだった。仲間に対して攻撃できない面々に代わり、シンケンレッドは上に立つものの義務としてシンケンブルーに一対一の戦いを申し出る…
 敵はヒトミダマ。どんなものも操ってしまう催眠術を使い、シンケンブルーを操り、他のシンケンジャーに立ち向かわせる。その術によって虎折神まで使っている。
 戦隊ものは大体一話くらいは仲間同士の戦いが描かれることになるのだが、今回は流ノ助が操られてしまい、仲間達に反抗している。本来忠義に厚く真面目なキャラを敢えてこう言う事態に落とし込むのはなかなか楽しいものがある。
 そう言うことで今回は流ノ助と丈瑠の二人が話の中心となる。大将として、家臣の失敗を全部負う丈瑠の覚悟が描かれることになる。
 それでちょっとついでっぽくなってしまったが、三体目の折神“虎折神”が登場。又しても兜になり、シンケンオーと合体してトラシンケンオーとなる。
 それと謎の男が登場。前回登場した敵だか味方だか分からない外道衆の一員だが、人間の姿で現れた。
<正気に戻った虎折神に対し「裏切り者」と叫ぶヒトミダマ。それはちょっと違うような?>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 大天空合体

  脚本:小林靖子
  監督:渡辺勝也
 三体の秘伝ディスクを手に入れたシンケンジャー。三枚のディスクはそれぞれ、虎折神は丈瑠。舵木折神は流ノ助、そして兜折神は茉子に渡された。だが、その決定に釈然としない千明だが…
 敵はオカクラゲ。降らせた雨に当たった人間を絶望の淵に落とす力を持つ。まさしく外道衆の本来の目的に沿ったアヤカシだろう。最もアヤカシっぽいのだが、何故か幹部連中には「湿っぽい」と嫌われてる。
 なんだかんだ言って唯一の常識人千明が又しても中心に。最初と較べ、随分性格が変わり、努力を知る人物になってきた。まだまだ肝心なところでの逃げ癖は治っておらず、ショックを受けると街に出てしまう。その度毎に成長していく訳だから、一番成長の余地を持った人間であることはある。
 そんな千明にムキになるジイとの二人の話になってる。存在感は大きいけど、彦馬が中心の一角を担うのはこれが初めてか。
 その辺をなんか分かってきた丈瑠自身も結構みんなに目を向けるようになったというか、全般的に成長はしているのが分かる。
 そして戦いでは、空を飛べないというシンケンジャーの弱点を補うため、シンケングリーンのジャンプ力の強化と、ダイテンクウの登場が語られる。千明の成長に上手く結びつけ、レッド、ブルー、グリーンの三人が力を合わせることで誕生する。
 そつなくまとめられているため、逆にあんまりツッコミどころが無いのがちょっと寂しいような?
第11話 三巴大騒動

  脚本:小林靖子
  監督:諸田 敏
 かつて志葉家によって封印された恨みを思い出したドウコクは多数のナナシおよび大ナナシを町に放つ。再びドウコクを封印しなければならないのだが、志葉家当主のみが使える特殊なモヂカラは、未だ丈瑠には使いこなすことが出来ないという事を知らされる仲間達…
 敵はウシロブシ。鎧武者のようなアヤカシで、剣の腕がとても立つ。
 今回は丈瑠が話の中心となるが、他のシンケンジャー達も、何故自分たちが家臣として必要なのかを理解していく話となるため、話は大きく、前後編で展開していくことになる。前編である今回は、自らの力不足に悩む丈瑠が自分一人の力で何とかしようと悩む姿が描かれていくが、仲間の力を信じ切れないという一面が明らかになる。いわばこの話はタメの話となる。
 腑破十臓とシンケンレッドが初めて切り結んだ話でもあり。
<レッドが二刀流を用いる際、イエローのシンケンマルを借りている。自分だけを狙っていることが前提ではあるが、それだとイエローが無防備になるのでは?その後も茉子のシンケンマルを使って再び二刀流となるが、この際は変身を解除していながらシンケンマルだけが残っていた。シンケンマルと変身の関係は?>
第12話 史上初超侍合体

  脚本:小林靖子
  監督:諸田 敏
 ウシロブシとの戦いで丈瑠をかばった流ノ助とことはは重傷を負ってしまう。家臣の命を預かる“殿”の立場の重圧に、屋敷を出てしまう丈瑠。そんな時丈瑠は外道衆に父を殺されたという少年広樹と出会う。
 敵は前回に続きウシロブシ
 前後の後編で、丈瑠は殿という立場を受け入れ、殿のために命を賭けるとはどういう事かを理解する仲間達の姿が描かれており、重い話ながら、きっちり話をまとめている。ちょっと話が急ぎ足になってしまったため、もう一話使っても良かったくらい。
 一方腑破十臓の話も展開中。外道衆の半端物である十臓は、色々思う事があるようだ…まあ、このキャラが後でちゃんと意味を持つことになるんだろうけど。
 上手く仕上げてる分、あんまり言うべき事がないのがちょっと残念か。
<怪我で唸ってたはずの流ノ助がダイテンクウとシンケンオーの合体を考えて出して見せたのは、なんと色つき図解。お前ほんとに怪我してたのか?
 テンクウシンケンオーの誕生で「初めてお前に感心した」とブルーいうレッド。これまで散々尽くしてきたのに、これが初めてとは…>
第13話 重泣声

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 料理の材料を買いに出た茉子はアヤカシナキナミテと遭遇する。子供をすり替えてしまうナキナミテの攻撃で、レッド、ブルー、グリーンが分身の“赤鬼子”に取り憑かれてしまう。泣けば泣くほど重くなると言う赤鬼子をあやさねばならな羽目に陥った茉子とことはだが、一方では親に捨てられてしまった子供の面倒も看ねばならず…
 敵はナキナミテ。赤ん坊を自らの分身“白鬼子”にすり替え、子供の泣き声で三途の川を溢れさせようとする。もう一つの分身“赤鬼子”を取り憑かせることで、時間差の大ダメージを負わせることも可能。
 今回はコミカル編で、茉子とことはが中心になった話となっている。恐怖の茉子の料理と、子供をあやそうと着ぐるみでこども達をあやす姿がかなり面白い話。一方の男連中も赤ん坊を背負わされて四苦八苦。なんか「兄弟拳バイクロッサー」を思わせる話になってる。そもそも子供の泣き声を上げさせることが目的って時点でそれっぽい話なのだが…
 巨大戦でもブルーのミスでダイテンクウをナキナミテに合体させてしまうなど、ここもコミカル。今回は男連中が全然活躍してないのだが、きっちり存在感を見せるので、大分みんな上手くなってきたようだ。
 今回、二つのモヂカラを合わせて新たな技を使う合体技が登場。ピンクの風とイエローの山を合わせて「嵐」の文字を作り上げた。
<ナキナミテは白鬼子で子供をすり替えてしまうが、それは真っ白なタイツ姿の大人…怖えよ。
 赤鬼子に抱きつかれて悶絶する男連中。男に抱きつかれて震える構図がもの凄い。
 泣く子供をあやそうといないいないばあをする黒子達。頭巾を脱いでないので、これも結構怖いんだけど。
 他は完璧な茉子ではあるが、料理だけは壊滅的。ベタだけどこれも面白い。みんな外道衆よりも怖がってるような気がするけど?
 …ツッコミ所がみんな「怖い」になってしまったな。>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 異国侍

  脚本:大和屋暁
  監督:竹本 昇
 志葉家屋敷にブラウンと名乗る外国人がやってくる。前に危険なところをシンケンブルーに助けられた過去があり、侍道を極めるためにシンケンジャーに弟子入りしたいと言う。しかしながら不器用なブラウンに閉口する面々…
 敵はハチョウチン。虚無僧のようなアヤカシ。長く伸びた口からあっちこっちに炎を吐き出して、周囲を燃やして暴れる。短期でいつも苛ついてる。
 このところブルーが中心になるとコメディが多いが、今回も変な外国人が登場し、いきなり弟子入りするというコメディ編。思い込みと勘違いの権化で、よくこれまで生きていたと思えるほどのずれっぷり。7話で舵木折神を呼び出して苦しんでる人を助けた時、その場にいたのだとか。こういう話が自然に出てくるのは、結構こなれてる証拠なのかも。ちょっと苛つかせるブラウンのセリフも狙ってのことだろう。ブラウンにセリフを取られて落ち込むレッドの姿もあり。
 一方、外道衆の方が全然目立てず。今回の敵ハチョウチンはぶすくれ、戦いの最中でも寝転んでいたりする。
<ハチョウチンの登場シーンで「むしゃくしゃしてやった。反省してない」とか…どっかで聞いた台詞だな。
 ハチョウチンは水が苦手だとか言っておきながら、三途の川の水がないと活動不能に。矛盾したキャラだな。
 舵木五輪弾を撃つブルー。他のキャラはいつも通り跪いてるが、レッドだけは腕を組んでふんぞり返ってる。流石殿様。>
第15話 偽物本物大捕物

  脚本:石橋大助
  監督:渡辺勝也
 丈瑠や流ノ助には出来る真剣白刃取りが自分だけ出来ないことに苛つきを覚える千明。一人特訓を始めるが、そこにアヤカシ"ナリスマシ"が出現する。千明そっくりに化けたナリスマシはシンケンジャーの元へ…
 敵はナリスマシ。顔を持たないアヤカシで、他人の顔や姿形を完璧に真似て、誰にでも変身することができる。シンケングリーンになりすまし、シンケンジャーを混乱に陥れる。
 千明が主役になると、真面目な話になることが多いが、なんだかんだ言って、一番の常識人で、修行によって強くなることを自覚しているからだろう。この話はかなり単純化されているが、やっぱりそのフォーマットに則った話になってる。その分物語がストレート過ぎて面白味に欠けるのが難点ではあるが、時折こういうまともな物語がないと話が締まらないからね。
 千明が中心となると、殿として、臣下を信用して黙って見てる丈瑠の度胸も試される話になる。二人の成長物語でもある。ただ、今回はちょっと丈瑠の存在感が薄かったけど。
<大分キャラも練れてきたと思ってたけど、丈瑠はセリフの端々に素人臭いところが垣間見られる。これも味なのかな?
 丈瑠以外が千明を見捨てるのはもの凄く早い。シンケンジャーのチームワークってのはその程度か?
 ナリスマシの剣を真剣白刃取りで受けるのは良いが、なんかそれで死にそうと言う気にはさせられないのがなんとも。>
第16話 黒子力

  脚本:大和屋暁
  監督:渡辺勝也
 モヂカラの訓練中、志葉家家宝の壺を割ってしまった流ノ助、千明、ことは。彦馬に「黒子を見習え」と言われた三人は黒子を観察してみることにしたのだが、思った以上に働き者であることが分かる。そんな時アヤカシ“マリゴモリ”が現れる…
 敵はマリゴモリ。巻き貝とアルマジロが混ざったようなアヤカシで、背中の甲羅にこもるとほとんどの攻撃を防ぐことが出来る。内にこもった性格だが、キレると大暴れする。どこか現代青年の典型のような…
 ブルー、グリーン、イエローの三人が中心となった話。三人というのは結構珍しいが、この話の一番の中心は黒子になるのかも知れない。黒子はモヂカラが使えない代わり、全力でシンケンジャーをサポートしており、そのためにシンケンジャーは安心して戦いに専念できる。まあ、お笑い担当の三人だけに、話そのものは大変コミカルなものに仕上がってるが。
 考えてみると、戦隊シリーズにおいて本作が特異な位置にあるのは黒子の存在が大きい。一話くらいはこういう話があって然りか。登場シーンでも黒子の助けを随分借りているのがよく分かる。今回はさりげなく黒子の存在が戦いの中でもちらほら見えている。
<迷子を警官に預けようとしたことはだが、何故か自分が迷子に間違えられてしまう。狙ったネタだろうが、無理ありまくり。
 黒子のことを丈瑠がよく知っているのはともかく、茉子まで色々知ってるのはなんだか。お姉さん役になるんだろうね。>
第17話 寿司侍

  脚本:小林靖子
  監督:諸田 敏
 隙間センサーが作動し、早速現場に駆けつけるシンケンジャー。だが、何故か外道衆の姿はなく、更に屋敷には矢文と共に何者かの気配が。矢文の主を探しに行った茉子たちは、不思議な寿司屋と遭遇する。
 敵はイサギツネ。妖術使いで千里眼を用いて丈瑠を見張っていた。「百の技を持つ」と豪語し、シンケンジャーの攻撃をことごとく凌ぎきる。シンケンゴールドに技を封じられて倒される。
 6人目の戦士シンケンゴールドの登場の話。伏線全くなしで登場は「獣拳戦隊ゲキレンジャー」でもやってるが、この場合個性が低くなるのが定番。とりあえずやっぱり金は出てくるわけだが、そうすると残りは“海”と“冥”かな?
 新しい戦士となると、当然もう一方の中心は主人公の丈瑠となる。この話の場合、二つの物語が同時進行することで、話は深いが、その分ゴールドの存在感もやや低い。今回は顔見せ程度とは言え、さて、ここからどう個性を見せていくのか?脚本の力量が試されるところだ。
 今回の敵イサギツネも異様に強いのだが、シンケンゴールドの登場のために急遽作られたようなキャラだ。これだったら2〜3話使って倒すべきだったんじゃないのか?
VOL.5
<A> <楽>
第18話 侍襲名

  脚本:小林靖子
  監督:諸田 敏
 突然現れ変身して参戦したシンケンゴールドこと寿司屋の源太。実は源太は丈瑠の幼なじみで、子供の頃の丈瑠との約束で、烏賊折神を使いこなすための修行を積んで侍になるために戻ってきたという。
 敵はヒャクヤッパ
 シンケンゴールド登場編の後編。丈瑠のピンチを見過ごせない源太と、情を前面に出してはいけない丈瑠の覚悟が描かれることになる。
 いつもいかめしい顔を崩さない丈瑠も源太の前では子供の頃の記憶が蘇って優しい表情になってしまう。その辺の描写が楽しい。
 “真面目”の定義が違うため、特に流ノ助と折り合いが悪い源太。こりゃ多分、良いコンビになりそうだ。一方ことはと千明は源太に同情的。これ又良い感じのトリオに仕上がってる。ただし、これで本当に個性が出せるかどうかはこれからの話次第だろう。話自体もかなり都合良く出来ている感じで、ちょっと軽すぎる感じもあり。なんせシンケンゴールドに合わせたかのような敵だったし。
 前回からちょっと気になっていたのだが、源太の屋台には烏賊折神の横にもう一体折神らしいものがいるのだが、これはやっぱり後の伏線だろうか?…と思ったら、予告編でちらっと登場してた。
<戦いの前に軍装束となるのが本作の特徴。ただし、源太だけは職人風の格好…って、いつもと変わらないか。>
第19話 侍心手習中

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 モヂカラの稽古をしている内に折神の構造が分かり、海老折神を作成したという源太。だが、源太は職人に過ぎず、侍ではない。と言う流ノ助とぶつかってしまう。そこで侍らしい生活とは何かと考えた源太は黒子に扮し、流ノ助を見守ることにする。そんな二人の前にアヤカシオイノガレが現れる。
 敵はオイノガレ。全身が油まみれのアヤカシで、あらゆる攻撃を滑らせることが出来る。全身が油だけにシンケンレッドの炎のモヂカラの前には無力。
 まだシンケンゴールドの話は続いており、今度は流ノ助との関係が展開する。水と油の二人だけに、コメディ編には丁度良いコンビだ。今回はコメディではなく、源太の真剣さが流ノ助の心に届いた話になってる。源太はぽっと出だけに、個性を持たせようと一生懸命の脚本が見て取られる。
 一方、この二人だけが突出しているため、他のキャラの個性が薄くなってるね。今回のアヤカシは油まみれなので、シンケンレッドが出ると終わってしまうという事実はあるけど。
 烏賊折神の横にいたのはやっぱり新しい折神だった。まだ変形はしてないが、OPではちゃんと侍巨人になってる姿が現れている。やっぱり単体変身するらしい。
 一方、地上に出城を築こうとする骨のシタリの姿もあり。今のところドウコクとは出会えないので、これが伏線になるかな?
<こう言うのはなんだが、丈瑠役の松坂は、ちょっと肌荒れしてるんじゃないか?撮影が相当大変っぽいぞ。>
第20話 海老折神変化

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 ことはの誕生日を祝うため、他のメンバーはパーティの準備をしていた。そんな時、人の魂を食うウタカサネが現れ、応戦したことはの魂が分離されてしまう。一日の内にウタカサネを倒して魂を取り戻さねばならないのだが、ウタカサネは三途の川に潜んでしまう…
 敵はウタカサネ。全身が多数の球体の顔で出来たアヤカシで、球体を分離する事で敵の攻撃をかわし、そのまま攻撃に転じる。左手に付いてる顔で人の魂を食う。源太に付けられた海老のモヂカラによって現世に呼び出されダイカイオーによって倒される。
 今回もシンケンゴールドが活躍する話で、これまで登場はしていたが、ついに海老折神が変化する話になってる。一方ことはも中心の一人だが、話の半分が寝てるだけ。全てを負おうとする丈瑠と、ことはを助けるためにどんな事でもしようという他のメンバーの心の重さも演出してる。
 初めて三途の川の事が言及され、十臓と源太の初邂逅もあり、話自体もかなり重い。時にこういう話があっても良い。
 そして登場するダイカイオー。四種類のモードに変化しつつ暴れ回ってる。今回あおりが多用され、巨大感をよく出している。
 とは言え、やっぱり30分では話が急展開過ぎるか。三途の川に行くために外道に落ちるというのは伏線になるのかな?
 ところでラストシーン、何故か源太の前に「仮面ライダーディケイド」の海東が現れ、烏賊折神を持ち去ってしまう…は?
<真剣を持って歩いてる十臓を何の疑いもなく受け入れる源太。つか、寿司の屋台を荒れ地で引いてるんだけど。
 ところで海老折神の出す「キュラキュラキュラ」って音はモスラのものと酷似してる気がするな。>
第21話 親子熊

  脚本:小林靖子
  監督:加藤弘之
 仮面ライダーを名乗る泥棒に烏賊折神を盗まれた源太は追跡中。大増殖した一方ナナシ連中と戦うシンケンジャーだが、胸騒ぎを覚えた丈瑠はシンケンジャー達に周囲の調査を命じる。ファミレスに入った千明はそこで父の蔵人と再会するのだが…
 敵はササマタゲ。多量の卵を産み出し、卵を付けられた人間を操る。やや女っぽい言動が特徴は特徴。
 「仮面ライダーディケイド」24話および25話と連動した話で、時折光写真館や士達が出てくる。ただ、「仮面ライダーディケイド」と較べると、直接の話には結びついてない。
 こちらではその脇での話が展開。今回は千明が中心となり、父の蔵人との話となる。その蔵人は千明に輪をかけて調子が良い男なのだが、きっちりなすべき事はやり、それを全く誇らないため、単なる調子の良い人間と思われてしまっているだけ。千明が中心になると、オーソドックスな真面目な話になることが多いが、本作は反発していた父親との和解が描かれることで、やっぱり真面目な内容になってる。茉子によれば、ちゃんと千明は成長していると言っている。
「仮面ライダーディケイド」との連携があるため、今回のササマタゲは完全に外道衆から無視されている。全部勝手にやってるだけというのが哀しい。>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 殿執事

  脚本:小林靖子
  監督:加藤弘之
 源太は屋台の常連客松宮義久から、お見合い話を断るために以前出会ったことはに婚約者のふりをして欲しいと頼まれる。そこで丈瑠が執事役となり、ことはを令嬢に仕立て偽の婚約式を開くことに。そんな時、人を好きな気持ちとなった人間の魂を奪うアヤカシ“ウラワダチ”が現れる。
 敵はウラワダチ。人を好きになり、甘くなった人間の魂を啜るのが大好物で、ことはを本気で好きになった義久の魂を啜ろうとする。
 ことはが中心となった話で、殿である丈瑠が執事役という逆転の発想で展開する話。執事の方がふんぞり返り、お嬢様役のことはの方がぺこぺこしてるのが楽しい。義久に取り憑いたウラワダチを引きはがすため丈瑠を平手打ちするが、その際も顔が泣いてる。結構上手いね。これによって丈瑠に言われた「自分の立ち位置」を会得していく。
 そして今度はダイカイオーと烏賊折神が合体したイカダイカイオーが登場。ダイカイオーはバリエーション豊かだね。
 一話完結のコメディ編以外ではメンバー同士の恋愛話は戦隊ものでは珍しいが、ことはの気持ちは…?と言うところまでが描かれてる。
 一方外道衆ではドウコクのパワーが増大しており、三途の川愚か人間界まで巻き込んで破壊しかねないという。これも伏線の一つかな?
<しかし、そもそも何で丈瑠を執事にしようとしたのか、根本的にその辺がよく分からないのが問題だな。あるいはこんな事でことはが自分の考えを持つと考えたか?結果オーライで成功してるけど。>
第23話 暴走外道衆

  脚本:小林靖子
  監督:渡辺勝也
 三途の川ではドウコクの力があふれかえり、大ナナシ連中が続々と現れていた。シンケンオーとダイカイオーは連戦に告ぐ連戦を強いられていた。外道衆の力がますます大きくなる前に何とかせねばと考える彦馬。そのためには印籠が必要となるのだが…
 敵はゴズナグモ。外道衆の中では叛乱分子で、ドウコクを亡き者にしようと画策している。そして今回は骨のシタリも前線で戦うが、なんだかんだ言ってさすが大幹部。シンケンゴールドの攻撃も全て受け流している。
 話としてはドウコクの苦しみや、十臓の復帰。そしてドウコクを亡き者にしようとする叛乱分子の登場と、かなり深刻なもので、設定上重要な話となった。そのため今回は前後編で展開する。
 ただ、話を進めるために真面目になると今ひとつ面白くなくなるのは近年の戦隊ものの特徴で、この話も特徴は薄い。
 話の都合上、コメディ色は薄いのだが、源太と十臓の再会には結構笑わせようという努力は見られる。
第24話 真侍合体

  脚本:小林靖子
  監督:渡辺勝也
 丈瑠は腑破十臓に連れ去られ、ゴズナグモとの戦いで傷を負った流ノ介たちも動けず、かつてない危機に陥ったシンケンジャー。残った源太に全ての折神の力を一つにする印籠が託される。丈瑠のことを心配しながらも不眠不休で印籠の解析を進める源太。
 敵は前回に続きゴズナグモ。ドウコクの力が注ぎ込まれ、肉体的には暴走寸前。
 前後編の後編で、いよいよシンケンオーとダイカイオーの合体が描かれる。見所も多く、話自体はとても盛り上がるのだが、こういう話は何故か今ひとつに感じるのは最近の戦隊ものの特徴か。
 そしてこれまで謎だった腑破十臓の過去も描かれる。ただ強い奴を斬るためだけに冥府に落ちたとのこと。これっという過去じゃないけど。そしてその十臓は丈瑠のことを「いびつだ」と称する。
 一方、外道衆の方にも不和が生じている。力を増したドウコクは薄皮太夫に十臓を殺すように命じ、それを躊躇する太夫の姿が見える。
<インロウマルを完成させるためにはシンケンジャーのディスクが用いられるが、何故気絶している時に源太はそれを使わなかったんだろう?>
第25話 夢世界

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 腑和十臓と次に会った時には戦う事を約束した丈瑠は一人剣の稽古を続けていた。そんな時、料理の本を買いに出た茉子は薄皮太夫とアヤカシのユメバクラと遭遇する。ユメバクラの力で夢の世界に迷い込んだ茉子が見たものは…
 敵はユメバクラ。人を夢の中に誘い、夢のなかを自由に出入りするという。夢を見せられた人間は幸せな夢を見るが、夢そのものを喰われてしまうと二度と目覚める事はないという。
 前回の話で十臓を殺すことを命じられた薄皮太夫は、その約束を果たすことが出来なかった。それもあって今回は薄皮太夫の過去が描かれる話となった。彼女の過去は、結ばれることがなかった男を恨んで外道に堕ちたという。朝に子供に見せるにはおどろおどろしすぎる感があり。ちなみに薄雪を演じているのは声優のパク・ロミ本人。
 今回も前後編で、話自体はかなり深刻なもの。ただし、何度も書いてるが、この作品は真面目になると面白くなくなる。流ノ助が夢の世界で弾けてるのだけが救いか。
 夢の話は昔の宇宙刑事シリーズの不条理劇の再来っぽくもあるのだが、描写もさほどと言うわけではない。
 茉子の手料理の破壊力はだんだん激しくなっており、前回食べた時は丈瑠は一晩寝込んだのだとか…
<インロウマルの力のお陰でシンケンレッドは一人でもシンケンオーを呼び出せるようになった…なんといい加減な設定だ。
<イカテンクウバスターを撃つのにモヂカラが足りないとゴールドに言うレッド…ゴールドはモヂカラが使えなかったはずなんだけど。海老折神に乗るとモヂカラが変換されるのかな?>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 決戦大一番

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 激しい戦いの末モヂカラを使い果たした丈瑠の前に現れる十臓。ナナシ連中の介入で決闘とはならなかったものの、いよいよ十臓との決戦が近づいていることを考えずにはいられなかった。そんな丈瑠を心配する流ノ助だが、ユメバクラの攻撃も続いていた…
 敵はユメバクラ。人の夢に入る能力を失い、今度は人間を直接喰うことにした。
 丈瑠と十臓の決戦と、流ノ助の覚悟。二つの方面で物語が展開。これまで丈瑠の言うことをただ聞いていた流ノ助が初めて反抗した。
 流ノ助に関しては丈瑠にインロウマルを渡されることで、スーパーシンケンブルーへと変身した。
 一方十臓との決戦に臨む丈瑠は、右手を斬らせる事で十臓を撃破する。ただ、十臓は倒したものの、丈瑠は右手に甚大な被害を受けている。これは次回以降の伏線なのかな?
<甘さを捨てるため、料理の本を捨てた茉子。でもそうしたら相変わらず殺人料理が作られ続ける事になるぞ…最後に彦馬が本を持ってきたのは、その危険を感じたからじゃないのかな?
 あんだけボロボロになっても一日で回復してしまうシンケンジャーの面々の回復力は凄いものだ。>
第27話 入替人生

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
十臓との戦いで右手を負傷してしまった丈瑠。そんなシンケンジャーの前にアヤカシ“アベコンベ”が現れる。無機物と人間の心を入れ替えることが出来るアベコンベは千明とことはを除くメンバーを様々なものと心を入れ替えてしまう…
 敵はアベコンベ。ドウコクではない何者かに仕えるアヤカシで、腕から発射する針に刺された人間の心を任意の物体と入れ替えることが出来る。
 千明が主人公になると真面目な成長物語が展開することが多いのだが、今回はちょっとしたコメディ編。丈瑠が招き猫の姿になっていたり、流ノ助が小便小僧になっていたりと、まるで形態模写の訓練みたい。扇風機に入れ替えられてしまった茉子に至っては、小便小僧になった流ノ助を見て「良かった」とか言う始末。
 それでことはは相変わらずおろおろするだけだが、いつの間にか千明が一人前に成長している。精神的に余裕が出てきたのが大きい。今回インロウマルを使用するのもシンケングリーン。
 一方、十臓がいなくなったためか、新しい敵が匂わされている。更に強大な存在になるのか、それとも数話で消えてしまうかは分からないが。
<丈瑠とかはその姿で何に変化させられたか分かるけど、源太は判断難しいのでは無かろうか?寿司は何貫もあるだろうし。>
第28話 提灯侍

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 突然源太が変身できなくなった。実は前回寿司に変えられ、猫に食べられそうになったことでその恐怖で“寿司恐怖症”になってしまったのだ。スシチェンジャーまで使えなくなってしまう源太。
 敵はアクマロ。新しく外道衆に加わった幹部クラスの敵で、妙な公家言葉を使う敵。シンケンジャーが束になっても全く敵わない実力者。紙を切っての切紙を用いて切神と呼ばれる巨大ロボットに似たものを生み出す。
 前回は単発かと思ったら、こんな引きがあるとは。源太の寿司恐怖症だけでなく、外道衆にも新メンバーが登場している。
 コンプレックスを乗り越えて新しい力を手に入れるってのは定番だが、それで新しい折神ダイゴヨウが誕生する。
 どっちかというとギャグ編なので、こっちの方が面白いのだが、上手く新兵器の開発に絡めてる。久々に良い感じの話じゃないかな?
 それでなんか裏がありそうな敵が新たに外道衆に加わる。
 ちなみにシンケンジャーそれぞれが苦手なのは、丈瑠がお化け屋敷、流ノ助はサボテン、ことはは納豆、茉子は粉ふき芋だそうだ。
 それにしてもこう次々と新しいメカやアイテムが登場すると、オモチャ追うのも大変そうだ。
 やたら強い公家役と言えば、『柳生一族の陰謀』の成田三樹夫を思い出すが、なんか意識してる感じがある。あれも東映だしな。
<ダイゴヨウは結構不細工な感じだが、太股とか腕とかグニャグニャ。これは仕様なのかな?>
第29話 家出提灯

  脚本:大和屋暁
  監督:加藤弘之
 寿司のことに何かと口を出すダイゴヨウに、「出ていけ」とつい言ってしまう源太。ダイゴヨウは、昼間でも役に立つことを証明するため仕事を探すのだが、誰も雇ってくれる人はいなかった。落ち込むダイゴヨウを慰める茉子だが…
 敵はドクロボウ。分身の術を使うアクマロの配下。何事にも一々ポーズをつける癖がある。
 前回登場したダイゴヨウとアクマロの二人(?)に焦点が当てられた話。自律型のダイゴヨウは創造主である源太とどうも折り合いが悪い。お互いに役に立ちたいと思ってるのだが、なかなか素直になれない二人が折り合いを付けるまでが描かれる。
 今回は茉子が話に関わってくるため、スーパーシンケンピンクの誕生となった。ダイゴヨウの光のお陰で夜のシンケンジャーの登場シーンが加わった。
<ダイゴヨウは履歴書を書いてるが、手がないのにどうやって書いたのやら?
 茉子に「私も料理下手」と言われ複雑な表情をする源太…いや、まあ確かに。
 焼鳥屋でアルバイトしているダイゴヨウを観た丈瑠は携帯で源太に「焼き鳥を買ってくれ」と電話する。焼鳥屋って結構あると思うけど?
 ダイゴヨウの秘伝ディスク乱れ撃ちは文字通り乱れ撃ちなのだが、周囲にどれだけ迷惑をかけるんだろう?>
VOL.8
<A> <楽>
第30話 操学園

  脚本:石橋大助
  監督:加藤弘之
 鷹白学園に外道衆がいると睨んだシンケンジャーはことはを学園の生徒として、流ノ助を教育実習生として送り込む。まるで覇気のない学園の生徒に、外道衆の匂いを感じ取る二人だが、…
 敵はクグツツカイ。人間に糸を付けることによって意のままに操ることが出来る。鷹白学園の生徒や先生を次々に操る。
 流ノ助とことはが中心になった話。一応全員登場はしてるけど、今回はほぼこの二人だけで持っていった感じ。そう言えば前に出演者がインフルエンザにかかったというニュースもあり、その影響かも知れない。
 今回は中心だけあって、流ノ助の推理が冴える一本…まあいつも思い込みで行動するだけあって、その推測の大半が外れてしまうわけだが。でも、戦隊ものではこういったコメディ回の方が圧倒的に楽しい。やっぱり流ノ助中心の話が一番好きだ。
 今回はスーパーシンケンブルーが再登場。これでまだ出ていないのはイエローだけになった。
 そして今回間違ってダイゴヨウがシンケンオーと合体し、シンケンダイゴヨウが登場。ただ、獅子ディスクのみが外されてるんだが、殿様をないがしろにして良いのか?
 今回は過去の回想話がいくつか登場。アヤカシが人間に化けるというのは15話、服に化けるのは22話、そして獅子ディスクが余ってしまったというのは2話。
<教育実習生として赴任した流ノ助が黒板に書いた自分の名前は、かなり下手だけど、モヂカラはどうなったんだ?
 出番が少ないだけに、とにかく目立とうとする源太の姿が痛々しい。というか、画面の端で動き回ってる。>
第31話 恐竜折神

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 彩という看護婦がシンケンジャーに助けを求めてくる。実は綾野勤めている病院が外道衆に襲われ、入院している竜太という少年も捕らえられてしまったというのだ。罠である可能性もあったが、敢えてシンケンジャーの面々は彩の導きによって地下道からの突入を試みる。
 敵はアゼミドロ。クサレ外道衆という種族の一体で脂目マンプクの配下。
 劇場版で登場したキョウリュウシンケンオーが登場。脂目マンプクというのも劇場版に登場した外道衆らしい。
 劇場版との共通性を持たせるためか、今回の中心はいない。やや丈瑠と源太が話の中心となっているっぽくはある。多分劇場版と同時に撮影したため、火薬の量とかは結構派手。
 子供を人質に取ったり、責めたりするのは近頃の特撮では珍しい。そのため、昭和臭さが結構出ている話になった。それ以外はさほど特徴のある話じゃない。このところ話がスランプっぽいな。
<等身大では川原(あるいは採石場)で戦っていたのに、巨大戦になると町が舞台になってる。>
第32話 牛折神

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 突然丈瑠達の折神がいなくなった。屋敷の中を捜してみると、折神達は見知らぬ少年榊原ヒロと共にいた。モヂカラ発祥の地と言われる角笛の山から来たというヒロは、角笛の山に祀られている牛折神を戦いに参加させたいと言う。だが、あまりの力のために封印されている牛折神を解き放つことは、あまりに危険だった…
 敵はハッポウズ。アクマロの配下で、かなり強力なアヤカシらしい。全身のフジツボのような突起から火炎弾を出す。
 又しても新しい折神の登場の話。その封印を解くため榊原ヒロという少年が登場している。まだ合体してるわけじゃないけど、今でも充分すぎるほどごてごてしてるのに、これ以上合体させるつもり?
 あと、アクマロと薄皮太夫が十臓の死んだ海岸に行っているけど、やっぱり復活するんだろうか?
 話の前半と言う事で、今回はアクションも控えめ。本気で見所が少なくなってきたな。
<封印の力を解く能力を持つヒロを怒らせたまま放っておく祖父…なんかいかにも「解いてください」と言ってるようなもんじゃないのか?
 牛折神には車輪が付いてたり、ミサイルらしきものを背負ってるが、古代に封印された割には随分新しいな。
 牛折神にはね飛ばされて仰向けに倒れたシンケンオーだが、着地した時はうつぶせになってた。>
第33話 猛牛大王

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 目覚めた牛折神はヒロを乗せたまま暴走し、姿を消した。牛折神の力を得るためアクマロが、ヒロを助けるためにシンケンジャーが必死になりその行方を捜すが…
 敵は前回に続きハッポウズ
 牛折神の力を得たシンケンジャーの姿が描かれる前後編の後編。やっぱり真面目な話になるとさほど面白くない。親子の絆を大切にするのは本作の特徴だけど、突然出てきた少年が突然親子の絆を言っても、なんか陳腐に見えてしまうんだよな。
 一方死んだはずの十臓が復活。こいつが復活するのは大体想像ついていたけど、割と早かった。復活と言うよりも死んでなかったと言うのが正しいか。
 だんだん書くことが無くなってしまうなあ。それなりにバランスも取れてるのでツッコミも少ないし。
<モウギュウダイオーの必殺技はバルカン砲だった。一体この折神はいつ出来たんだろう?>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 親心娘心

  脚本:小林靖子
  監督:長石多可男
 突然茉子の父衛が志葉の家にやってきた。彼によれば、茉子にシンケンジャーを止めさせるのが目的だという。シンケンジャーを止めるつもりの全くない茉子はもちろん突っぱねるが…
 敵はアクマロが作り出した切神。
 大体一話くらいは出てくるヒーローを止めるか否かの決断が描かれる。特に本作は家族のあり方を物語の主題の一つに持ってきているので、当然出てくる物語だろう。
 茉子が妙にしっかりしているのは、祖母に育てられたからで、自分がしっかりしなければならないとこれまで気を抜かずに生きてきたかららしい。
 今回の戦いでは小さな公園が舞台で、遊戯を使ったアクションが見られる。
 一方、外道衆の方は、アクマロが徐々に個性を出し始めている。そろそろ裏切りが見られるかな?
<戦いの最中に親子のドラマが展開。それで何で誰も戦いを挑まない?>
第35話 十一折神全合体

  脚本:小林靖子
  監督:長石多可男
 牛折神の車輪ディスクには全ての折神を集める力があることに気づいた源太は、11体全ての折神の合体を考える。だが、それはあまりに危険な行為だった。そんな時、かつて歌舞伎で良きライバルだった新太郎が歌舞伎の演目を行うと聞き、気が急いていた…
 敵はフタガワラ。鬼瓦のような姿をしたアヤカシ。非常に食い意地が張っており、両手についた口で何でも食べてしまう。流ノ助のショドウフォンまで食べてしまった。喰うだけ喰った上で巨大化すると、何者をも通さぬ盾を持つようになり、ダイカイシンケンオーのパワーでも全く通用しない。
 流ノ助が中心となった話。堅物故にコメディリリーフ的な立場にある流ノ助だが、真面目な話に仕上げているため、やっぱり個性が低くはある。もう一つの流ノ助の側面が見られるので良しとするか。
 戦いでは牛折神を中心に、全折神が合体しサムライハオーが登場。「轟轟戦隊ボウケンジャー」に続き、11体合体が実現した。
 十臓の持つ刀裏正を鍛えたのがアクマロだったことが発覚。太夫の三味線も含め、とりあえず二人はアクマロの配下に甘んじることになる。
<サムライハオーはもの凄くごてごてしたデザインの上に、更に四本足の侍巨人。デザイン的には「ウルトラマンA」の最終回に出てきたジャンボキングみたい。全身から武器を出すその姿は、ほとんど正義の味方には見えない。大体歩くことさえ出来ないデザインは問題ないか?>
第36話 加哩侍

  脚本:大和屋暁
  監督:竹本 昇
 源太のゴールデン寿司へとやってきたシンケンジャー。だが、ことはの注文はなんとカレーライスだった。仕方なくカレーを作る源太だが、これがとんでもなくおいしかったため、カレーを求める客でいっぱいになってしまう。
 敵はソギザライ。体中が棘だらけで、高速回転する事でなんでも粉々にしてしまう。シンケングリーンのシンケンマルまでボロボロにしてしまった。
 源太が中心になった話で、それをサポートすることはの二人で話が展開する。あくまで普通の料理しか出来ない源太が、カレーにもの凄い才能を見せるという変則な話になってる。
 話は単純ながら、本作の持ち味であるコミカルさを前面に押し出した話になった。初期の話に戻った感じだが、これはこれで良しだろう。
 そしてこれまで一度もならなかったシンケンイエローが初めてスーパーシンケンイエローに変身した。
 一方では普通の敵がこれまでのダイカイシンケンオーでは倒せなくなってる。なんか完全にパワーアップしてしまったな。
<源太のカレーがうますぎると言う事で、「悔しいけど負けた」と呟く茉子。えっと、これはツッコムべきところだろうか?>
第37話 接着大作戦

  脚本:石橋大助
  監督:竹本 昇
 屋敷の中のタンスの移動を手伝う流ノ助と千明。いつの間にやら二人の息はぴったりだった。そんな時現れたモチベトリの粘着攻撃を受けたブルーとグリーン。変身を解いても流ノ助と千明は両手が拘束されたままになってしまった。モチベトリを倒さない限りこの拘束は解けないと聞かされ、二人はモチベトリを倒すための特訓を開始するのだが…
 敵はモチベトリ。肩から粘着攻撃を行い、これに当たった者を拘束してしまう。流ノ助と千明の手がこのためにくっついてしまう。何故か大阪弁で喋る。
 後半に入り、そろそろ二人同時の話が出てきた。今回は流ノ助と千明の二人。元々性格的に合わなかった二人が、いつの間にやら息がぴったり合ってきた。更に今回の試練を乗り越え、二人の力が更に増してきた。いかにも後半の話と言った感じ。その分コンビネーション攻撃は大変見応えあり。
 今回はこの二人のみが話の中心のため、他のキャラはみんな背景となっていたが、これは仕方ないところか?
<くっついたままの二人が町に出ると、周囲から「男同士で」とか声が聞こえる。当然ではあるが…これって昔「こち亀」で同じネタがあったような?
 くっついたままのブルーとグリーンの変身には何故かきらきらと光が…狙ったのか?>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 対決鉄砲隊

  脚本:小林靖子
  監督:加藤弘之
 亡き妻の墓参りのため年に一度の休みを取ることとなった彦馬。この日だけは遺された家族と一緒にいさせたいとシンケンジャーは、外道衆の出現を彦馬に黙っていた。だが、現れたアヤカシイクサズレが率いるナナシ鉄砲隊に苦戦することに…
 敵はイクサズレ。ナナシ連中で鉄砲隊を組織し、遠距離から多数のナナシを用いてシンケンジャーを攻撃する。
 彦馬が中心になった話で、彦馬には家族がいることが分かった。いつも忙しい彦馬を助けようと丈瑠を中心となって活躍。でも全部ばれてるあたりは、やっぱりパターンか。家族を描くのが本作の特徴だが、彦馬についてもそういうのがあるのね。
 嘘がつけない丈瑠が彦馬に対し必死に嘘をつこうとしているところが一応見所と言える。
 そしてモウギュウバズーカが登場。相手が飛び道具なので、それに合わせたらしいが、どんどん侍から離れていく気がする。
<今回黒子も少ないため、いつもの変身陣立てが少なすぎる。それでも普通に変身は出来るんだね。
 ナナシ連中に対し、普通に戦ってる彦馬。さすが時代劇で鍛えてるだけあって、身のこなしも良い。
 モウギュウバズーカはバズーカと名付けられてる割に連射が効き、更に片手で操作できる。どこがバズーカだ?
 今回「なんか、よう分かんねえ合体」のかけ声と共にシンケンダイゴヨウが登場。しかし、動かしてるのは全部ダイゴヨウらしい。合体の意味はどこにあるんだろう?>
第39話 救急緊急大至急

  脚本:小林靖子
  監督:加藤弘之
 ある島が突然連絡を絶ち、様子を見に行った人間は島の人間が凶暴化したと報告していた。これが外道衆によるものと直感したシンケンジャーは出動するが…
 敵は腑和十臓薄皮太夫。そしてアクマロの繰り出す切神
 物語の転機となる話で、これまでの戦いを経、逆に弱くなってしまったと指摘された丈瑠の暗黒面が描かれていく。
 これまで仲間を信じて結束の力で戦ってきたのだが、それが十臓によれば「命を惜しむようになった」ために弱くなったのだという。戦隊ものでそれを言うのは卑怯と言えば卑怯。それでたった一人で戦い続けるレッドの姿あり。無茶苦茶強いのだが
 この話が次の話で完結するのか、それともまだ続くのか。まあたいした物語に見えないのがなんだが。
<ショドウフォンでの丈瑠と流ノ助の会話。「黒い灰?」「はい」…まあ、狙ったんじゃないだろうが、ここで一発芸を放ってこそ流ノ助だろ?
 切神をいたぶるサムライハオーの姿は、やっぱり悪者にしか見えない。>
第40話 御大将出陣

  脚本:小林靖子
  監督:渡辺勝也
 十臓から「弱くなった」と指摘された丈瑠は、弱くなったのは家臣達と近づきすぎたためだと思い、再び仲間と距離を置き始める。そんな丈瑠を見守ることしかできない仲間達。一方、苛立ちが極限まで高まったドウコクは薄皮太夫を連れ戻すようにアクマロとシタリに命じる。
 敵は血祭ドウコク。外道衆の親玉で、その強さは折り紙付き。
 前回に続き、丈瑠の苦悩が描かれていく。他のシンケンジャーは、それを知りつつ、ただ見ていることしかできない。唯一空気を読めない源太だけが積極的にアプローチしてるが。
 そんな時にドウコクが出現。ドウコクにとっては太夫の三味線は特別なもので、これが唯一苛立ちを抑えることが出来るものらしい。そして、その三味線はアクマロにとっても重要なもの。それで裏切りを働いていたことが発覚する。
 これまで外に出られなかったドウコクは、出た途端に水切れを起こしてしまうからだという。でもその一瞬でシンケンジャーとアクマロを圧倒してしまう。ただ、これでしばらくは外に出られなくなったようだ。
 今回は牛折神をシンケンゴールドが使用する。こんな事が出来るのか。
<ところで薄皮太夫は水切れを起こさないの?>
第41話 贈言葉

  脚本:小林靖子
  監督:渡辺勝也
 ドウコクの強さを目の当たりにしたシンケンジャーは、ドウコクを倒すためには封印の文字が必要であることを再確認する。そんな中、丈瑠の行動がおかしいことを気づいたことはの元に、本来シンケンイエローになるはずだった姉のみつばから手紙が届く。自分ではなく姉がシンケンイエローになっていれば、もっとみんなの役に立てたのではないかと思うことはだが…
 敵はスナススリ。舌の先から撒く砂を浴びた人間は激しい空腹に襲われる。
 丈瑠の悩みが解決してないうちにことはが話の中心となってしまった。この作品のテーマである家族のつながりが今回も展開してる。同時にシンケンジャーのみそっかすであると自覚してることはが自分を越えることで、丈瑠の悩みも越えさせる。
 丈瑠が自分一人で壁を越えるのではなく、仲間の頑張りで越えるというのは、やっぱり戦隊ものでは重要な点かもしれない。
 父親代わりの彦馬の存在感が高いほか、ドウコクの強さを前にした源太が珍しくシリアス顔してたりもする。
<飢えに苦しんでる人達はいつの間にか戦いのそばに。「ここは?」とか言う台詞もあったけど。
 巨大化したスナススリを攻略できたきっかけはシンケンイエローの猿ディスクだった。つまり、分離してもたいして意味がないと言う事。
 サムライハオーがジャンプする時、ダイカイシンケンオーが屈伸してからジャンプしてるんだけど、台座毎ジャンプしてるぞ。>
VOL.11
<A> <楽>
第42話 二百年野望

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 アクマロが放ってきた外道衆の動きに注目した彦馬は、それが日本を横断する直線上に展開していることに気づく。そこで過去の資料に当たってみることになったシンケンジャー。そんな中、アヤカシのツボトグロが出現した。やはりその出現場所が直線上にあった。
 敵はツボトグロ。人に苦痛を与える絶痛虫という虫を飼っており、それを人間に当てることで激しい苦痛をもたらす。
 話はいきなりの急展開。アクマロのやろうとしていることが発覚。極上の嘆きと苦しみを味わえる地獄を見るためだった。そのために必要とされるのが腑和十臓であり、アクマロは200年の昔からこのために裏正を鍛え上げたことが分かる。完全に狂ってる。
 それも含め、十臓が再登場。裏正が十臓の家族の命によって鍛えられたと言うことが発覚した。
 今回は中心が外道衆の方だったので、シンケンジャーの方はさほど描写が大きくないが、一応侍の教育を受けておらず、そのために多少拗ねている源太が中心と言えるか。
 久々にノーマルのシンケンオー、カブトシンケンオー、カジキシンケンオー、トラシンケンオーが登場。その後テンクウシンケンオー、ダイカイシンケンオーと、次々に変化。
 とりあえずツッコミが全然入らない話だった。
第43話 最後一太刀

  脚本:小林靖子
  監督:竹本 昇
 アクマロによって仕掛けられた術によってこの世に地獄が出現しようとしていた。最後の一太刀を任される十臓。十臓を殺せなかったことを後悔する源太は、自ら責任を感じ十臓の元へと向かうのだった。
 敵はアクマロ。裏見がんどう返しを破られ、巨大化する。恐竜折神を加えたサムライハオーの攻撃で倒される。
 雰囲気と言い、物語と言い、いきなり最終回っぽい話が展開。ただ中心となるのが源太のため、話はやや甘く仕上がってる。最初から侍ではない源太は源太なりに迷っていたが、ここで覚悟が完了したと言う事になるのだろう。
 アクマロの望みを断ったのは十臓だが、現時点では別段侍の仲間になったというのではないらしい。パターンとしてはそっちに走るかと思ったけど。
 そしてサムライハオーが最強形態かと思っていたが、もう一つ恐竜折神を加えることでついに12体合体が果たされる(と言っても恐竜折神は剣なので、持つだけだが)。これで前作「炎神戦隊ゴーオンジャー」と同じ合体数となった。
 最後はクリスマスをみんなで祝って終了。純日本でも子供相手だとやっぱりクリスマスは必要か?
<人でも外道でもない者によって地獄の扉が開かれる。しかし、完全な外道となっていた十臓にはその資格がなかったという…結局アクマロがやったことって無意味ってことだな。こういう物語にしたから最終回には出来ない訳か。
 最後にクリスマスをお祝いする面々の背後で黒子がナンチャッテのポーズを取ってるような?>
第44話 志葉家十八代目当主

  脚本:小林靖子
  監督:加藤弘之
 正月を迎えたシンケンジャーは、丈瑠を中心に楽しむ面々。そんな中、いつもとは違った黒子が現れ、一通の書状を彦馬に手渡す。そんな中、鬼火弾で攻撃するアヤカシ"ヨモツガリ"が出現するが、何故かシンケンレッドにだけ攻撃をかけてくるのだった。
 敵はヨモツガリ。女性型のアヤカシで、火のモヂカラに反応し、燃え上がる鬼火弾を武器として用いる。瞬間移動が可能で、相手を翻弄しつつスピードで勝負する。
 志葉家当主としての丈瑠の存在意義が描かれる話。これまでひたすら志葉家当主として自らを律してきた丈瑠だが、その強い思いには理由があった。これまでの伏線で、シンケンレッドは本来もっと力を持っているはず。と度々語られてきたが、その理由が語られ始めた。もう一人のレッドが現れたのは、その伏線だろう。
 大分仲間に馴染んできたと思ったが、今回は久々にレッドが突出。自分を傷つけるような戦い方をしてる。
 新しく現れたレッドはなんと女性。今まで一度も無かった女性のレッドが誕生したのは特筆すべき事かも。
 外道衆の方では薄皮太夫が屋形船に戻ってきたことはトピックだが、ドウコクは未だ三途の川に沈んだまま。
<ヨモツガリのようなアヤカシがいるんだったら、初期の内に投入すべきだったんじゃないのか?効率悪いぞ外道衆。>
第45話 影武者

  脚本:小林靖子
  監督:加藤弘之
 突如シンケンジャー達の前に現れ、「志葉家十八代当主」を名乗る志葉薫。そして薫に仕える丹波から志葉家の真実が語られる。
 敵はナナシ連中。新しいシンケンレッドの強さを示すためだけに登場した。
 これまでシンケンレッドとして戦ってきた丈瑠がなんと影武者であったというとんでもない真実が語られることになる。完全なちゃぶ台返しとは言え、実はこれまでにも結構伏線が張られていたりもするので、この可能性も当然あった訳だが。
 そして誕生した真のシンケンレッドだが、もちろんのこと、もの凄い力を持つ。戦隊シリーズ初の女性レッドも存在感はきちんとある。フルメンバーとなった時、男性女性の比率が同じになった戦隊も初めて。
 戦いの方も様変わりしていて、名乗り口上も明るさが無くなっている。
 一方、シンケンレッドの任を解かれた丈瑠は、全員の前に頭を下げ、一人放浪の旅へ…まあ、これも後の展開次第だろうけどね。
<先代シンケンジャーの戦いが描かれるが、舞台は現代と何も変わってないな。
 丈瑠を追いシンケンジャーを抜けた源太だが、烏賊折神と海老折神はそのまま残したらしい。引き揚げなかったの?>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 激突大勝負

  脚本:小林靖子
  監督:柴崎貴行
 影武者としての任務を終え、何も残っていないと気づいた丈瑠の前に十臓が現れ戦いを挑む。その挑戦を受ける丈瑠。そんな二人の前に現れたのは彦馬だった。
 敵はオボロジメ。左手に黒い霧を纏い、そこから触手や棘を自在に繰り出す。シタリの力を受けたお陰で二の目撃破の後、三の目にパワーアップする。
 レッドでなくなったレッドの苦悩が描かれる話。39話と40話で一旦苦悩は取り去ったものの、今度は全てを失った自分自身に苦悩することとなる。今回も話自体は続く。
 一方、他のシンケンジャーも今までの価値観を崩されて苦悩している。なまじ本物の姫が出来た人物なため、表だって反抗も出来ない。
 外道衆のアヤカシも更にパワーアップ。ついに三の目まで登場。
 話自体は高水準にまとまっているものの、話が暗くなってしまい、戦隊ものとしては、少々異色の話になっている感じ。
<既にシンケンジャーで無くなったと言う割に、ショドウフォンは持っていて、シンケンレッドにも変身できる。セキュリティがいい加減じゃないのか?>
第47話

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 十臓との戦いに明け暮れる丈瑠。そんな丈瑠の様子を聞いた残りのシンケンジャー達はいてもたってもおられず、丈瑠の元へと駆ける。
 敵は腑和十臓。長きに渡った丈瑠との決着が付く。そして薄皮太夫。こちらも茉子との決着がつく。
 いよいよ話は佳境に。シンケンジャーそれぞれの想いが描かれていく。結局彼らが命を預けたのは、志葉家当主という器ではなく、丈瑠、その人だった事を確認していく。黒子となった朔太郎も久々に登場し、それで唯一立場を決めかねていた流ノ助の決意を促す。そして当の丈瑠も又、自分自身を取り戻していく。最後は千明の鉄拳で。ってのは、昔から
 十臓の覚悟も凄まじいもので、剣を持てる限りは死ねない。完全に滅するまで戦い続ける運命を持っているらしい。そして十臓の持つ裏正は、最後に十臓を滅するために存在していたらしい。かなり凄まじい設定だった。
 これまでの戦隊シリーズでも、おそらく最も重い話がようやく終結。当初は明るい話になると思ってたのだが…
 その分、今回は戦いもかなり抑え気味だが、舞台をわざわざ海岸町にして、町の人々とその被害を描くなど、細かいところに力が入ってる。
 そして薄皮太夫が怨念のこもった三味線を手放すことによって三途の川があふれ出し、ドウコクがついに復活。
第48話 最後大決戦

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 三途の川が溢れかえり、ついに血祭ドウコクがこの世に復活した。薄皮太夫を取り込んだドウコクとシンケンジャーとの決戦の火蓋が開かれる。この時のため覚えた封印のモヂカラを使う薫だったが…
 敵は血祭ドウコク。薄皮太夫を取り込んで半分人間となったため、封印のモヂカラをも跳ね返す力を得た。
 最終決戦の前編。流石にラス前だけあって非常に燃える展開…には違いないのだが、妙なコミカル感が?
 それは結局これまで身を隠してきた本物のシンケンレッドの努力が全部無駄だったと言う、酷いオチの話で、この人の18年は一体何のためにあったのだろう?
 それでどうするのかと言うと、結局力ずく。何のひねりもない話だが、これこそが本道であろう。
 どうやって丈瑠が復帰するのかと思ったら、薫の養子となって志葉家第十九代当主となるという。良く出来た姫だけど、年齢が逆転してる。
<重傷を負った薫の胸に覆い被さり、更に踏んづけておきながら薫の身を案ずる丹波。酷い扱いだ。>
第49話 侍戦隊永遠

  脚本:小林靖子
  監督:中澤祥次郎
 封印のモヂカラすら利かないドウコクに対し、新たに志葉家十九代当主となった丈瑠が下した決断は、力押し。まっすぐ突っ込んでくるシンケンジャーを真っ向から受け止める外道衆。たった一つ勝機があるとすれば、薫から渡された志葉家のディスクをドウコクの傷口に使うことだったが…
 敵は血祭ドウコク
 いよいよ最終回。改めて正式なレッドとなった丈瑠の元、全員でドウコクに当たる。結果として全編がシンプルなアクションシーンに仕上げられている。シンケンジャーのメンバー一人一人がきちんとキャラ立ちしているので、見所は多いし、とにかく熱い。
 巨大戦もサムライハオー→テンクウシンケンオー→シンケンオーと徐々にボロボロになりながら突っ込んでいく姿が妙に格好良い。最後は最もシンプルな姿で戦うのがこの場合正しい。
 もちろんシンケンジャー以外のキャラもきっちりキャラ立ちしてる。彦馬が素で槍持って立ち回りまでしてるし、これまで嫌味キャラとして出ていた丹波も最後はきっちりシンケンジャーのために働いてる。
 ドウコクの末期の台詞は「三途の川の隙間は開いた」だった。続編若しくはスピンオフを目しての台詞だろう…と、裏読みしてみる。
<最終決戦でドウコクはサムライハオーに対し「無駄にでけえ格好しやがって」とか言ってる。多分スタッフの思いがこの言葉には詰まってるようだ。ちなみに血祭りドウコクとサムライハオーはどっちも日下秀昭が演じている。>