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ウルトラマンタイガ

ウルトラマンタイガ事典
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2019'07'06〜12'28

 「ウルトラマンギンガ」から始まった新シリーズも本作で六作目(ギンガSを一作と考えるなら七作目)。宇宙人と地球人が共存する地球を舞台にした話。マイノリティである宇宙人と地球人との精神的なぶつかり合いも多く、設定はかなり硬質で重いものになった。
 主人公の工藤ヒロユキと契約したウルトラマンタイガはウルトラマンタロウの息子という設定があり、角の形状などもそれを思わせるものとなっているが、劇中で父との絡みはあまりなかった。
 一人の人間が三人のウルトラマンに変身するという変わった変身の仕方が特徴。それぞれに技に特徴があり、独特の戦い方が出来る。その後三人のウルトラマンが同じ肉体を持つトライストリウムという形態を取るようになる。
 ウルトラマンベリアルと同じくM78星雲出身でありながらウルトラ族を裏切ったウルトラマントレギアが登場している。トレギアは先に『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』で登場したウルトラマンだが、ここで本式に参戦。

主な登場人物
工藤ヒロユキ (役)井上祐貴。
 E.G.I.S.(イージス)の新人。心優しい正義漢。幼い頃に友だちだった怪獣チビスケを宇宙人に連れて行かれそうになったところを防ごうとして死にかけ、その際に精神体として漂っていたウルトラマンタイガを受け入れる。その後トライスクワッドの三人のウルトラマンを受け入れ、戦いに応じて三人のウルトラマンに変身するようになった。
ウルトラマンタイガ (声)寺島拓篤。声優としてはヒーロー声を当てることが多い。
 ウルトラマンタロウの息子。12年前トリギアと戦って宇宙に消えてしまったが、その魂は次元を超えてヒロユキの元へやってくる。幼少の頃、子怪獣を助けようとしたヒロユキを見て同一化する。
ウルトラマンタイタス (声)日野聡。ヴェテラン声優で、ガタイの良い男性キャラを演じることが多い。
 トライスクワッドの一員で力の戦士。三人の中では最も落ち着いており、力の賢者を名乗る。ウルトラマンジョーニアスの出身惑星であるU-40出身。事故死した宇宙飛行士九条ナナの思いに惹かれて地球にやってきて、既にタイガが合体していたヒロユキと一体化する。
ウルトラマンフーマ (声)葉山翔太。現時点では新人声優。
 トライスクワッドの一員で風の覇者を名乗るウルトラマン。ウルトラマンオーブやルーブと同じくO-50出身。スピードで敵を翻弄しつつ攻撃を加えるが、性格が軽く無鉄砲なところがある。
佐々木カナ (役)新山千春。
 漢字表記は可奈。イージスの社長。元は警視庁勤めで、今も警視庁からの依頼を受けて業務を行うことが多い。
宗谷ホマレ (役)諒太郎。
 イージスの職員。人並み外れた力と素早さを持ち、ヒロユキの兄貴分の実働部隊として活躍する。その正体は宇宙人で、過去不良でならしたらしい。
旭川ピリカ (役)吉永アユリ。
 イージスのオペレーターをしてる女性。行動班のサポートとセキュリティが主な業務。実はある目的のために宇宙を彷徨っていたアンドロイドで、地上に落ちてきたところを佐々木カナに拾われ、そこで人間の感情を学習したという。今の性格はその教育の賜物。
霧崎
ウルトラマントレギア
(役)七瀬公。
 ウルトラマントレギアの人間体。黒と白のツートンカラーの服を着る、どことなく道化師めいたキャラ。トライスクワッドに対しては直接攻撃するよりも精神的にネチネチ攻撃するのを好む。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 バディゴー!

  監督:市野 龍一
  脚本:林 壮太郎
 光の国の反逆者ウルトラマントレギアは他のウルトラマン達によって追い詰められてしまうが、その前に現れた三人の若きウルトラマンを消し去り逃亡を続ける。それから12年後。宇宙人達と人類が共生している地球の中で、民間警備組織E.G.I.S.(イージス)のメンバーとして働く工藤ヒロユキは、任務中に宇宙人がらみの事件に巻き込まれてしまう。

 敵は時空破壊神ゼガン。地球にいたベビーザンドリアスを襲いにやってきた怪獣で、ベビーザンドリアスを守るために現れたマザーザンドリアスと戦うが、その後やってきたヘルベロスによって急襲されてしまう。そして最凶獣ヘルベロス。宇宙でも有名な凶悪怪獣。時空の狭間から現れ、ゼガンを一撃で倒してしまった。初めて変身したウルトラマンタイガとの初対戦の相手となる。そして雛怪獣ベビーザンドリアス。少年だった頃のヒロユキが助けた怪獣で、ゼガンによって連れ去られかけた。
 オープニングから劇場版の敵トリギアが現れ、三人のウルトラマンを倒してしまうところから始まる。ウルトラマンが謎の強大な戦士だというパターンは多いけど、最初から弱さを強調したウルトラマンというのは新しい。
 今回の地球はこれまで以上に普通に宇宙人がいる世界で、ちょっと隠れているものの、探せばいると言った程度の存在。今回だけでもマグマ星人、マーキンド星人、セミ人間、クカラッチ星人「ウルトラマンジード」で不法滞在していた宇宙人として登場)が出ている。
 ウルトラマンタイガの登場シーンはモロにウルトラマンタロウのものを踏襲。分かってらっしゃる。
<ヒロユキは最初から自分の中に誰かがいるのを知っていたようだが、それがウルトラマンとは知らなかったようだ。先に事情を聞くとかしてなかったのか?
 事情通の河津がタイガについて名指しで説明してるが、そんなに有名なウルトラマンじゃなかったんじゃないか?>
Blu-ray1
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第2話 トレギア

  監督:市野 龍一
  脚本:中野貴雄
 ヒロユキは子どもの頃小さな怪獣に出会っていた。チビスケと名付けたその小怪獣は何者かによって連れ去られてしまうのだが、ヒロユキは意外な形でチビスケと再会する。それは怪獣兵器を売り買いする闇のオークション会場だった。

 敵は海獣キングゲスラ。かつて地球に来ており、ヒロユキに拾われチビスケと名付けられた個体。巨大になった時に兵器のデモンストレーションとして再び地球に連れてこられた。それとヴィラン・ギルドが登場している。
 ヒロユキがウルトラマンの力を得た過去が描かれる。12年前にヒロユキの命を救ったウルトラマンタイガはパワーを回復するまでその身体の中で待っていたのだとか。なるほど第1話で最初から何者かと話をしていたのは、子どもの頃からずっと一緒だったからか。「ウルトラマンジード」のリクとペガの関係にちょっと似てる。
 ストーリーのメインは子どもの頃に友だちだった怪獣との交流の話となってる。近年の作品では比較的よく作られる話だ。
 宇宙人は地球に隠れ住んでいるというが、割と普通に出現してる。こんな世界なんだ。
 明確な敵としてウルトラマントレギアが登場してる。極めて冷酷な性格で、タイガには全く敵わない強力な敵として描かれていた。その姿を見た途端タイガはキレてしまう。これまでのウルトラマンにはあまりなかった若さでもある。
<キングゲスラを見たヒロユキはそれが子どもの頃友だちになったチビスケだと分かる。よくこの状態で分かったもんだな。冷静すぎる。>
第3話 星の復讐者

  監督:市野 龍一
  脚本:林壮太郎
 新進気鋭のベンチャー企業コズモテクニカの社長からイージスに護衛任務の依頼が入る。ヒロユキとホマレが護衛に付くことになったのだが、それは最低の人間だった。

 敵はシビルジャッジメンターギャラクトロンMk2。宇宙で死にかけた宇宙飛行士九条レントにウルトラマントレギアが働きかけ、その精神を宿している。タイタスの登場に合わせてトレギアも登場するが、現時点ではタイタスのすべての攻撃が通用しなかった。
 二人目のウルトラマンであるタイタスが仲間になる話。パワー型の戦士だが、賢者と呼ばれるウルトラマン。仲間とは言うが、実際は変身するのはヒロユキなので、タイガと一緒には出てこない。
 任務とは言え、人間性が最低の存在を護衛しなければならないヒーローたち。人間を守るという任務は何よりも優先させなければならないが、それが辛い。
 ウルトラマントレギアはこれまでの敵以上に個人的なマイナス感情に働きかけているようだ。感情が一つのキーワードになりそうだな。
 スペースデブリを片付けようとしたタイガを止め、地球人が出したゴミは地球人が片付けるべきと言っていた。これまでとウルトラマントの付き合い方がちょっと違う感じだが、それは半人前のウルトラマンという設定からだろう。
<巨大化時にいちいちボディービルダーみたいなポージングするタイタス。実に人間らしいが、なんでわざわざ?
 ポージングしながら「お世話になります」と言うタイタス。一瞬「お世話になりマッスル」と聞こえたような聞こえなかったような?>
第4話 群狼の挽歌

  監督:田口清隆
  脚本:中野貴雄
 ヴィラン・ギルドを名乗る謎の宇宙人から警察に怪獣爆弾を仕掛けたと通報があり、イージスに聞き込みが入った。その映像の姿に心当たりがあったホマレは情報屋を介して犯行グループに向かう。
 敵は奇機械怪獣デアボリック。全身が武器で覆われた球形に近い姿の怪獣。トレギアによって怪獣爆弾として使用されようとした。
 ヒロユキの先輩ホマレの過去が少し語られる話。実はホマレは地球人ではなく、過去街で若い宇宙人達とつるんでギャングの真似事をしていたらしい。その過去が追いかけてきてしまい、尻拭いをするという話になってる。足を洗ったヤクザが過去に振り回されると言った昔の任侠映画っぽい話になってる。短い時間だが、ちゃんとまとまってる。
 トライスクワッドの最後の一人ウルトラマンフーマが登場した。たまたまヴォルクが手にしたアクセサリーがキーだった。高速移動で敵を翻弄しつつ攻撃を加えると言った戦いを得意とする。性格としては三人中最も幼い感じ。
<フーマの戦いは敵の攻撃をすり抜けてピンポイントで攻撃する方法だが、敵の弾をばらまかせる都合上、街は大惨事になる。これが「ウルトラマンメビウス」だったら大目玉だな。
 三人のウルトラマン同士で議論してるシーンがあるが圧が強すぎて画面が顔だらけ。>
第5話 きみの決める未来

  監督:田口清隆
  脚本:皐月 彩
 突如空から落ちてきた怪獣が暴れ回り、迎え撃つタイガだが、その怪獣セグメゲルの吐く毒に攻めあぐねてしまう。一方、葵という少女と出会って意気投合するピリカだが、葵には何か隠し事があるようで…
 敵は毒炎怪獣セグメゲル。全身から毒を持つ怪獣で、セゲル星人が侵略の前に惑星に放つ怪獣。身体をバラバラにされても再生ができる。
 イージスの一員でオペレーターをしてる旭川ピリカを中心にした話。初めて会った女性と意気投合してしまうが、実は彼女は…という話。その女性があっという間にキレてしまうエキセントリックキャラで、こう言うのは今まであんまりいなかった気がする。結構しんみりした話のはずだが、話が短いために話は相当駆け足になってしまった。
 最初のセグメゲルの登場シーンで怪獣の直下からのカメラワークは田口監督お得意のアングル。これをやると「ああ、田口だなあ」と思う。
 トライスクワッドが揃ったため、今回は三人に次々変化して戦っているが、最終的にはタイタスがセグメゲルを倒した。
第6話 円盤が来ない

  監督:田口清隆
  脚本:足木淳一郎
 ウルトラマンタイガを殺すために殺し屋の宇宙人ガピヤ星人アベルが地球にやってきた。だがアベルと最初に接触したのは自ら宇宙人を名乗る不思議な男だった。偶然そこを通りかかったカナは男が宇宙人に襲われていると思い込んで…
 敵は宇宙ヒットマンガピヤ星人。何者からウルトラマンタイガの暗殺を依頼されて地球にやってくる。固体名はアベル。
 タイトルから分かるとおり、「ウルトラセブン」44話の「円盤が来た」の続編となる。ちゃんとペロリンガ星人も登場してる。尤も時空が違うので並行世界の話になるけど。本人は自分が宇宙人だと言っていたが、実は普通の地球人。過去ペロリンガ星人と出会っていた青年らしい。並行世界のフクシンなのかな?
 今回はイージスの所長佐々木カナを中心にした話。元警察だが、任務中に宇宙人がらみで悲しい事件を目撃した過去が描かれる。その記憶の中にはセミ人間の少女が登場してる。
 ガピヤ星人を雇ったのはトレギアだったが、別段タイガを本当に殺そうとは思ってないようで、単純な嫌がらせらしい。追い詰められて力を増させようとしているようでもある。ちなみに性嗜好はノーマルらしいことが分かった(どうでも良い)。
 今回も宇宙人とウルトラマンの戦いの近接での撮影あり。田口監督らしい。
 今回登場した星の世界に行きたい人間は、見覚えあると思ってたら、「超人バロム1」の白鳥健太郎役高野浩幸だった。ちなみに「ウルトラセブン」44話にも小学生として登場する。
<カナの記憶でセミ人間の少女が出てきたが、スカートをはいていた。宇宙共通なのか?
 タイタスは登場時にボディビルのポージングしてる。意外にナルシストなのかな?そもそもウルトラマンに人間と同じ筋肉付いてることがおかしくないか?
 ポージングしながらガピヤ星人の攻撃を受けるタイタス。その筋肉でボウガンをはじき返してるけど、ぷりっと向けた尻ではじき返してる。尻で敵の攻撃を受けてはじき返すなんて前代未聞だ。
 フーマは敢えてガピヤ星人に刺されたと思わせておいて、背後に回って「残像だ」と言っている。既にこれだけでギャグになってる。ちなみに元ネタは「幽遊白書」の飛影。フーマの声が檜山修之だったら完璧だった。>
第7話 魔の山へ!!

  監督:神谷 誠
  脚本:林壮太郎
 ネットアイドルの天王寺藍という女性から地図にも載ってない太古の伝説の眠る九頭竜村を一緒に調べて欲しいという依頼が舞い込んだ。カナは藍とプロデューサー肥後にホマレとヒロユキを護衛につけ、同行するように言うのだが…
 敵は悪夢魔獣ナイトファング。九頭竜村に封印されていた魔獣。皆既日食の日に封印を解くことで復活する。
 タイトルから「ウルトラセブン」11話との関連があるのかないのか微妙な話。出てくるのもワイルド星人ではなく、フック星人とババルウ星人。
 伝奇物っぽく作られた怪奇もので雰囲気としては「怪奇大作戦」っぽい。ヒーローがわがままアイドルに振り回されるという話は昔井上敏樹が得意としてたし、今も戦隊ものでは時々やるがウルトラマンシリーズでは初めてかも。いろいろ詰め込もうとして全部中途半端になってしまった感はあり。更に一話に収まらず、オチは翌週に持ち越し。
 九頭竜村という名前は割と伝奇ものでは定番の名前だが(クトゥルー神話との関連で)、特撮では初めてだったかも。そういえばナイトファングの造形も軟体動物っぽいな。
<心霊系のユーチューバーが登場。よく分からないけど、今はこんなことまでやってるんだろうか?
 ナイトファングって、古代日本で封印されていたくせに随分モダンなネーミングだな。>
第8話 悪魔を討て!

  監督:神谷 誠
  脚本:林壮太郎
 復活した邪神ナイトファングに敗退を余儀なくされたトライスクワッドの面々。九頭竜村を飛び立ったナイトファングはそのまま
 敵は悪夢魔獣ナイトファング。怪音波を出して人を気絶させ、悪夢を見せてマイナスエネルギーを吸い込む。
 伝説の悪霊との戦いを経て新しい力を得るという話。今回の敵は力押しでは倒せない精神体ということもあり、地球の力を得て物理的パワーを超えた力を手にした。
 静止的な危機を乗り越えたことで力を得るという側面もあり、霊媒師である天王寺藍と、トラウマを克服したヒロユキによって一皮むけた力を得る。パターンに則った話だが、そういう定番話が盛り上がる。
 パワーアップした姿でウルトラマントレギアと再戦するが、トレギアはタイガの力をちょっと試してから笑って消え去っている。太我を強くしてるように見えるが、その目的は何だろうか?
<ヒロユキの中で眠り精神体状態のタイタスは常にスクワットをしてる。鍛えることに何か意味があるんだろうか?そもそも精神体で筋トレ効果あるの?
 藍はヒロユキの守護霊としてトライスクワッドを視ることが出来るようだが、タイガを「牛」とか「赤鬼」とか言ってる。間違ってはいない。>
第9話 それぞれの今

  監督:武居正能
  脚本:三浦有為子
 宇宙人に襲われていた女性を助けたヒロユキとホマレ。実は彼女はホマレの過去を知っていた。そんなマイコの警護の任務を仰せつかったヒロユキとホマレ
 敵は水異怪獣マジャッパ。姿形は「ウルトラマンオーブ」に登場したマガジャッパと同じだが、鼻から様々な効果を及ぼす液体を出すことができる。かつて水獣の守り人に封印され、タリスマンに封じられてていた。
 4話に続きホマレの過去について描かれる。ホマレは宇宙人で過去随分荒れていたことが言われていたが、何もかも反抗して虚無的な生き方をしていたと改めて語られる。
 今回は単発話だったが、自分が宇宙人であることを隠している人と、先祖に宇宙人を持ち、自分もその能力を受け継いでいることを隠さないで生きようとする人とも。いろいろ考えさせられる話だった。
 それでマイコの覚悟を知ったホマレも自分が宇宙人であることをイージスのみんなに告白するが、誰もそれを気にしておらず、普通通りに接している。実際
 話自体は悪くないんだが、何故マジャッパを復活させようとして、何に用いようとしたのかの目的とかが全部中途半端なのがちょっと気になる。
<フウマの戦いは敵を挑発してスピードで翻弄するというものだが、お尻ペンペンまでやるのはふざけすぎ。>
キール星人 画像 <A> <楽>
第10話 夕映えの戦士

  監督:武居正能
  脚本:柳井祥緒
 戦いを辞め、小田という名前で地球人として暮らすナックル星人オデッサ。そんな小田と知り合って親しくなったヒロユキだが、その正体を知る霧崎は小田の心の中にある戦いへの渇望を刺激する。その心に反応して、小田が地球に持ち込んだ卵からブラックキングが生まれてしまうのだが…
 敵は暗殺宇宙人ナックル星人オデッサ。かつて暗殺者として宇宙を暴れ回った宇宙人だったが、今では引退して小田という名前で地球に住む。ブラックキングの卵を持ち込んでいた。そして用心棒怪獣ブラックキング。オデッサが持ち込んだ卵から孵った怪獣。卵に封印されていたが、オデッサの戦いたいという心の状態によって生まれてしまう。
 地球人として暮らす宇宙人が再び戦いに赴くという話。これまでのシリーズでも何本か同じパターンの話があった。戦う事が人生の目的だった宇宙人が落ち着いた老後を得ようとしても駄目だったという話になってる。ウルトラマンの姿を見ると戦わずにはいられなくなってしまうという厄介な性格だった。
 タイトルにもあるが、この話は夕焼けが特徴的に使われる。「帰ってきたウルトラマン」の特技監督大木淳が好んで使った手法で、ナックル星人とブラックキングが登場する37話も「ウルトラマン夕陽に死す」というもの。悲しい話だったが、この話は別な意味で悲しい話になっていた。
<小田の描いた絵にはウルトラマンらしい巨人とブラックキングが戦っている光景が描かれていた。「帰ってきたウルトラマン」でのナックル星人は死んでいるはずだから、別な時空で他のウルトラマント戦った記憶だろう。それにしてもなんで戦いはみんな夕陽なんだ?
 相変わらずポージング取りながら敵の攻撃を受けるタイタス。このキャラどこまで筋肉野郎なんだ?>
第11話 星の魔法が消えた午後

  監督:辻本貴則
  脚本:小林弘利
 ヒロユキが任務中のお使い中、ヒロユキの心の声を聴いた麻璃亜という女性がいた。ヒロユキの中にタイガがいることまで見抜いた彼女は実は魔法使いだった。そしてその能力を宇宙人達に狙われていることが分かるのだが、既に彼女は魔法が使えなくなったと言う。
 敵は宇宙怪人ゼラン星人オショロ。地球の魔法使いを使ってパゴスを操ろうとする。そして地底怪獣パゴス。地球の地下で眠っていた怪獣だが、ギマイラによって追い立てられて地上に現れた。背中にタイガの攻撃をはじき返す装甲を持つが、反面腹は弱い。そして吸血怪獣ギマイラ。ゼラン星人オショロの購入した怪獣で宇宙から転送されてきたが、このままではコントロールが利かず、ただ暴れるだけ。コントロールのためには地球人の魔法使いが必要。
 前回と同じくヒロユキが出会った人物と宇宙人との関わりを描く事になる。魔法使いというその女性はもう力を失っているが、怪獣使いとしての力があるらしい。前後編でとりあえず登場しただけといった感じ。
 最初に出てきた怪獣はパゴスで、これを倒せば話は終わるかと思ったら、次に又怪獣が出てきた。こっちの方が本命らしい。その戦いは後編で。
<イメージとして現れるタイガは何故かあぐらをかいている。私が知る限り、ウルトラマンでは初めての姿だ。
 相変わらずポージングしながら攻撃するタイタス。かけ声は「マッスル、マッスル、スーパーマッスル」だった(「スーパー」ではなく「聖マッスル」だと主張する人もいる)。どこまでボディビルにこだわるんだ。
 「ウルトラマジード」でははっきりと一度ウルトラマンに変身したら20時間変身出来ないと言われていたが、ここでは直後に変身が可能のようだ。>
第12話 それでも宇宙は夢を見る

  監督:辻本貴則
  脚本:小林弘利
 地中から伸びる触手はギマイラのものだと分かるが、触手に捕まったヒロユキはウルトラマンになる力を奪われてしまった。
 敵は吸血怪獣ギマイラ。口から多数の触手を出し、生体エネルギーを吸い取る。
 魔法使いとの交流を描く後編。正直前後編でやるには薄すぎる内容だった。信じれば魔法の力は出せるというだけだから。ちょっと演出も下手。
 トレギアの目的はタイガを闇に変えてしまうと言うことらしいことが分かった。具体的にどのようにするかは明らかになってないが、力を得るほどに闇の力が増大するという。
<信じればウルトラマンになれるというが、単純にパワー不足なだけで、パワーが戻れば変身出来るはずだと思うぞ。今じゃないけど。それより無理矢理ウルトラマンになったらヒロユキの体にどんなダメージがくるのやら。
 タイガフォトンアースの必殺技オーラムストリウムを放つ際、ものすごく力を込めたため、「お〜〜〜らむぅ〜すとり〜うんむ」とかえらく伸ばしてる。ウルトラマンの発音器官は人間と同じか。
 最後に倒れたギマイラを処理するために重機が群がってるけど、ミニチュアそのもの。特撮的には正しいけど、今の時代にちょっとわざとらしすぎないか?>
第13話 イージス超会議

  監督:越知 靖
  脚本:足木淳一郎
 イージス所長のカナが突然ウルトラマンをイージスのイメージキャラクターにしたいと言い出す。だが職員の3人はそれぞれ推しのウルトラマンが異なり、いつしかプレゼン大会になってしまう。
 第1クールの最終話となる話で、これまでの戦いを振り返る編集話。
 地球防衛組織イージスでは日々任務をこなしつつ、なんとか会計をやりくりしていた。そんな中でのプレゼン大会で燃え上がっている。尤も目的は社長賞という金一封で、三人のウルトラマンもヒロユキの中で言い合いをしてる。再編集作品にしてはかなり楽しい話になってる。
 ちなみに私自身の押しを言わせてもらえれば間違いなくタイタス。というか、ニュージェネレーションの中では一番好きかもしれない。敵に尻を向けて攻撃を受けるとか、ネタとしても最高なキャラだ。
 タイガが父のタロウを紹介するシーンもあったが、そこに何故か霧崎が現れて会話してる。
<ところでヒロユキはともかく、他のメンバーはウルトラマンたちの名前をどうやって知ったんだろう?>
第14話 護る力と闘う力

  監督:市野龍一
  脚本:勝冶京子
 ヒロユキは最近妙に頭痛を覚えていたが、イルトと名乗る男によって拘束されてしまう。タイガアクセサリーまで奪われてしまったが、
 敵は惑星守護神ギガデロス。かつてイルムという科学者によって作られた強力な防衛機能を持った機械。制御出来ずに暴走してしまい、その内の一体が地球で眠っていた。強さ自体はウルトラマンでも充分戦えるが、光線技を受けて破壊されるほどのダメージを受けると分裂するという厄介な特徴があり、タイガの攻撃で三体に分裂した。実は過去の暴走はトレギアによるものだった。
 ヒロユキと邪悪ではない宇宙人との接触。本作はこのパターンが多いが、今回はウルトラマンという力を持ってしまったヒロユキは、本当にそれを制御出来るのかという疑問が呈されている。本来ウルトラマンは完全なる善として設定されているが、この作品ではその根本的な部分をも疑っているのが特徴。ウルトラマンシリーズにおける脱構築を目指した作品と言えるかもしれない。
 怪獣を倒すために怪獣の力を使うタイガだが、その力を使う度にタイガは少しずつ悪い方向に変化していくようで、それがトレギアの狙いだったことが分かる。今回ナイトファングの力を使ったら怒りが抑えられなくなっていた。徐々に不穏になってきたな。
<霧崎が人を馬鹿にするとき、海老反りになって人を見下ろす。いわゆるシャフ度というやつ。実写に逆輸入かよ。
 ギガデロスの分裂のトリガーは光線技。だったらタイタス出せば良かろうに、なんでフォトンアースになる?>
Blu-ray2
<A> <楽>
第15話 キミの声が聞こえない

  監督:市野 龍一
  脚本:中野貴雄
 イージスにやってきた子どもがモコという怪獣の子どもを探して欲しいと言う。昔の自分を見るような気になったヒロユキは率先してその依頼を受けようとするが、突如ヒロユキの頭の中にタイガの怒る声が響いてくる。少年の友だちを探すことには成功したものの、そこはチブル星人の生命創造のラボだった。
 敵はチブル星人マブゼ。地球で新たな生物を作り出そうとしており、スカルゴモラを完成させる。そしてスカルゴモラ。チブル星人マブゼによってゴモラ、レッドキング、ベリアルの遺伝子情報から新たに作り出した怪獣。
 前回から始まった始まったタイガの不調はヒロユキにも影響を及ぼし、些細な言葉で苛ついたり怒鳴ったりと言った症状を発し、更に頭の中ではタイガの怒る声が鳴り響く。
 そして現れたウルトラマンタイガはどんどん凶悪になっていき、ヒロユキや他のトライスクワッドの二人の声も聞こえなくなっていく。
 そしてまさにそれがトレギアの目的で、怪獣の指輪を使うほどタイガの魂は闇落ちする。麻薬みたいなものだが、それにまんまとはまってしまう未熟なウルトラマンというのが本作の最大の特徴。若すぎるキャラなのだ。それで闇落ちした状態で、闇のエネルギーを得てタイガはヒロユキと分離してしまい、そのまま話は終わる。
<チブル星人の個体名はマブゼ。怪人マブゼ博士(1932)か。分かる人間には分かるネタだ。
 マブゼは新たな怪獣としてスカルゴモラを作ったが、既に「ウルトラマンジード」で作られていた。同じものなの?>
第16話 我らは一つ

  監督:武居正能
  脚本:林壮太郎
 トレギアの罠にはまり闇に取り込まれてしまったタイガ。タイガのみならずタイタス、フーマとの絆も失ってしまった。すべての声が聞こえなくなったヒロユキも又悪夢の中にあった。そんな夢の中で響く声が…
 敵はウルトラマントレギア。そしてヘルベロスとナイトファング。
 試練を経て更なるパワーアップするというパターンに則った話で、特撮では定番話。特にウルトラマンシリーズは「ティガ」以降人間とウルトラマンの絆が起死回生の手がかりになる。割とあっさりと正気を取り戻したが、もうちょっと引っ張っても良かった気がする。
 試練を乗り越えたことで、他の二人のウルトラマンとも合体。ウルトラマンタイガトライストリウムが誕生。姿は変わらないが、タイタスとフーマの力を使うことが出来るようになった。
 ウルトラマン自身に闇の心があるというのがこれまでの作品にはなかった新しさとなるか…あ、劇場版の『ティガ』「ウルトラマンネクサス」があったか。
 面白いのだが、もう一手ひねりを入れてほしかったな。
<ヒロユキがタイガを諭すシーンがあるが、これまでになかった描写。でもやっぱり違和感ある。>
第17話 ガーディアンエンジェル

  監督:武居正能
  脚本:柳井祥緒
 カナの昔からの知り合いの宇宙人セモン星人ミードがヴィラン連合に追われて保護を求めてきた。それを依頼として受け入れるイージスだったが、ヴィラン連合を前にしてミードは…
 敵は溶鉄怪獣デマーガ。トレギアが地底から呼び出した怪獣で全身から炎を吐き、火山弾を連続発射する。
 カナの知り合いという宇宙人にまつわる話。基本的には小悪党の宇宙人にまつわる小話なのだが、トレギアが関わって大事になっていく。トレギアはまだタイガのことを諦めてないようで、ターゲットをタイガではなくヒロユキに取り、仲間と大勢の人間のどちらを救うかを問いかけてきた。いわゆるトロッコ問題と言う奴だ。
 カナの昔からの知り合いという宇宙人ミードはとにかく迷惑なキャラだが、憎まれないのはお笑いの人だからかな?カナもそれでほだされてるようで、どんなに裏切られても彼を守ろうとしてる。そんなお人好しがいてもいい。
<マーレの自称は「俺ちゃん」。どこかで聞いたような?>
第18話 新しき世界のために

  監督:辻本貴則
  脚本:足木淳一郎
 次々に現れる怪獣たちを倒していくトライスクワッドとヒロユキ。そんな活躍の中、イージスでの休暇中のホマレは古くから地球にいるという宇宙人小森セイジと出会う。お互い地球にいる宇宙人として苦労している身で、意気投合するのだが…
 敵は宇宙怪獣ベムラー宇宙恐竜ゼットン。そして触覚宇宙人バット星人、変身怪人ピット星人。
 話自体は宇宙人と主要メンバーの交流という、いつもの話。自らが宇宙人である事を隠して生活しているホムラだけに、話は重め。差別を受けている宇宙人が地球人に自らを認めさせるために過激派に身を投じるとか、70年代のドラマみたいだ。しゃべり方まで当時風だ。
 70年代要素が強いせいか、話も初期ウルトラマンシリーズを相当意識してる感じ。出てくる怪獣も初期シリーズの怪獣たちだし、特にゼットンは「ウルトラマン」に出てきた時と同じ技を使う。パワーアップしたタイガには敵わなかったけど。
 冒頭からいきなりレトロなミニチュア描写。しかも質が高いので、見てるだけで肌がゾクゾクする。序盤の闇の中でベムラーとの戦いや、中盤の新世界よりをBGMに現れるゼットンと、破壊される町並み。これだけでずっと見ていられる。
 ラストは衝撃的展開で、ホマレが霧崎に撃たれてしまう。霧崎はヒロユキに絶望を味合わせたいと思ってることを隠そうともしなくなった。
<セイジがホマレに渡したマンダリンジュースなるものだが、これは「ウルトラマンタロウ」27話に出てきたメフィラス星人が地球攻略に使った毒のある植物。これ相当ヤバイブツなのでは?>
第19話 雷撃を跳ね返せ!

  監督:辻本貴則
  脚本:森江美咲
 ホマレを撃って重傷を負わせた霧崎。自分の責任だと思い込み、イージスに退職届を出して霧崎を探しに出たヒロユキだが、そんなヒロユキを止めるカナ。
 敵は雷撃獣神ゴロサンダー。雷の神で、相撲で勝負を賭けるのが大好き。こう見えても神なので、タイガたちにとっては天敵。
 前回ラストでホマレが撃たれたが、一命を取り留めていた。だがその責任を取ってイージスを退職しようとした。そんなヒロユキに対してイージスの存在意義を語るカナ。ここまでは良かったが、そのカナがゴロサンダーに捕らえられてしまった。カナを殺さずにゴロサンダーをどう倒すかが課題。ゴロサンダーは相撲好きという設定なのでパワーファイターのタイタスの出番かと思ったら、あんまり目立てなかったのが残念。少々お遊び色が強いゴロサンダーがシリアスな世界観に上手くはまれなかった感じだ。
 タイガがゴロサンダーと戦ってる間に何か他の用事に出かけたトレギア。その狙いはピリカに重傷を負わせてヒロユキの絶望を増させることだったが、ピリカには自分でも知らない秘密があるらしいことが分かった。
 前回に続き今回もミニチュア演出が映える。辻本監督の趣味が多量に入っているのだろう。
第20話 砂のお城

  監督:武居正能
  脚本:中野貴雄
 元宮教授によって地球人と宇宙人を判別する装置CQが開発された。外事X課からの依頼で、ヴィラン・ギルドに命を狙われている元宮を護衛することとなったイージス。だがホマレとヒロユキ意外にも教授を守る人物がいた。
 敵は大蟻超獣アリブンタ。バド星人が使役する地底超獣。地中に潜って高速移動ができる。
 地球人と宇宙人を区別する装置にまつわる話。差別を助長しそうな装置だが、ひょっとしたら後半のキーアイテムになるのかもしれない。
 ホマレの親代わりだった先生が実は宇宙人を束ねる親分だったことは先に分かっていたが、金儲けのために破壊活動を命じていたこともわかり、それがホマレにばれてしまう。
 今回の戦いはタイタスにすべて持って行かれてしまった。なんだよウルトラマッスルって。それを連呼するな。楽しいじゃないか。
<今回は最初からタイタスが登場。その時の口上は「たとえ天が許しても私のウルトラマッスルが許さん」だった。別段誰も許してない。
 ウルトラマンは耳が良いはずだが、タイタスは地中を進むアリブンタを探るために横顔を地面に付けていた。やっぱりそこが耳なんだ。
 佐倉の最後の台詞。「CQが静かに眠れるのが一番良い世の中だ」。どこかで聞いた台詞だ。「マッハバロン」は円谷じゃなくて宣弘社だぞ。>
第21話 地球の友人

  監督:武居正能
  脚本:小林弘利
 イージスに入社したいという青年田崎がやってきた。その熱意が買われて試験採用されることになった。指導係としてヒロユキがつくことになったが、田崎の宇宙人に対する憎しみに少々危惧を覚えていた。
 敵は幽霊怪人ゴース星人。地球で細々と生活していた宇宙人だったが、育てていたパンドンが大きくなりすぎたため、そろそろ地球を出ようとしていたところを宇宙人を憎む田崎に見つかってしまう。そして双頭怪獣パンドン。ゴース星人に育てられた怪獣で、親代わりのゴース星人がピンチになった時に救おうとして現れる。
 主人公の後輩が現れる話。過去ゼットンが暴れた際、足下の家に住んでいた人物で、母親が大怪我をしてしまったことから宇宙人に対する憎しみのままイージスに入社した。だが実際には裏で動いた霧崎に操られるまま。
 地球を守るためには宇宙人は抹殺すべきと言う考えは人種差別そのまんま。しかし憎しみのあまり宇宙人を殺すことは、その血族の復讐を呼んでしまうという、ある種当然の帰結となった。“人を呪わば穴二つ”を素でやった話なので大変重めの話に仕上がった。
 今回は親を助けようと奮闘する怪獣を助けようとするヒロユキとタイガだが、その思いが報われることはなかった。
 トレギアの次の目的は、何かを地球に呼び寄せること。今回はそのために必要な地底爆弾を使うための作戦だった。その何かは現時点では不明。今まで登場したものなのか、それとも新しいキャラが登場なのか?
<ゴース星人は良い宇宙人だというオチではあったが、地底爆弾まで用意していたという側面もあった。>
第22話 タッコングは謎だ

  監督:辻本貴則
  脚本:柳井祥緒
 ヒロユキの前に現れた少年が怪獣の出現を予言し、その言葉通り海からタッコングが、地中からギーストロンが現れる。少年は地球に危機が近づいており、そのために怪獣が怒っているとヒロユキに告げる。
 敵はオイル怪獣タッコング。海から合われた怪獣だが、基本的に敵意は全くなく、ただそこに突っ立ってるだけ。全身の吸盤で地面にしがみついたり、ウルトラマンの手を吸着したりする。そして凶猛怪獣ギーストロン。人類が汚した大地の怒りの塊。額の角からレーザーのような光線を出して攻撃する。
 戦う気が全くない怪獣を相手にウルトラマンがどうするかという問題を扱った話。既にこれは「ウルトラマン」34話のスカイドンや35話のシーボーズなどでおなじみ。ただいるだけの怪獣に攻撃するウルトラマンの姿が凶悪なものに見えてしまうのが面白い。結局タッコングと共闘してギーストロンと戦うという話になってる。ただ、ギーストロン自身も決して悪い怪獣という訳ではなく、地球そのものの怒りとみられる。
 海から少年が現れ地球の危機を告げるというパターンは「ノンマルトの使者」っぽくもあり。
 前回霧崎が地中爆弾を使ったのはギーストロンを呼び出すため?とも思われたが、にしては霧崎自身が出てこないし、最後に隕石のような天体が地球に近づいていた。そっちが本命か。
 辻本監督のこだわりか、相変わらず細かいミニチュア描写が映える。特にタイタスがすっころんで周り中の小物が吹っ飛ぶ当たりマニアック。
<妙に事情通なシンジにあっさり自分がタイガである事をばらしてしまうヒロユキ。素直すぎないか?
 最後にタッコングとタイガがハイタッチしてるけど、意味分かってるんだろうか?>
第23話 激突!ウルトラビッグマッチ!

  監督:辻本貴則
  脚本:皐月 彩
 ことごとくウルトラマンタイガに作戦を潰されてしまったヴィラン・ギルドは、ついに最悪の悪魔ウルトラマンベリアルを甦らせてしまう。圧倒的な力の前に押さえ込まれるタイガだが、その時空からもう一人のウルトラマンが降臨する。

 敵はウルトラマンベリアル。チブル星人が保有していたベリアル因子を用いて復活したコピー体。ちなみに本体ではなくコピー体のようで、パワーだけは本体並みだが、理性は失っている模様。
 これまで全く存在感が無かったヴィラン・ギルドがようやく個性を出した。ちなみに地球でのメンバーは、チブル星人、ザラブ星人、ゴドラ星人、スラン星人。彼らがチブル星人の提案に従ってウルトラマンベリアルを甦らせてしまうという話。コピー体とは言え、パワーは圧倒的で、三人のウルトラマンの誰も敵わない。
 ベリアル出現となれば、当然ライバルであるゼロが現れる。ニュージェネレーションの大部分に出演してるためこのキャラは特別のようだ。勿論タイガとは旧知の仲らしいが、立場はちょっとだけゼロの方が上のようだ。ゼロの言葉から、ベリアルはジードによって完全に殺されてしまったことも分かった。
 そしてゼロから受け取ったブレスレットによって又しても新しい力を手に入れたタイガ。ちょっと装甲が青くなったような気がするが、違ったかな?
 ところでベリアルとトレギアの関係はどうなるんだろう。無関係のヴィランウルトラマンなんだろうか?
<直前までカップラーメン食ってたヒロユキは変身時にフォークを出してしまう。当然「ウルトラマン」34話からの引用。
 霧崎はいわゆるシャフ度を多用していたが、ついにトレギアまでその格好をするようになった。
 チブル星人の末期の台詞は「チブルの科学力は宇宙一」だが、これはネタとしてはもう使われすぎてるな。>
第24話 私はピリカ

  監督:市野龍一
  脚本:中野貴雄
 トレギアが宇宙から呼び寄せたものは、この世のあらゆるものを食い尽くす怪獣ウーラだった。その落下と共にイージスのピリカがいなくなってしまう。ホムラとヒロユキに対してピリカについて語り始めたカナだが…
 敵は宇宙爆蝕怪獣ウーラー。宇宙のあらゆるものを食べてしまう怪獣で、惑星に落下した場合、その惑星を食い尽くしてしまう。タイガの攻撃そのものもエネルギーとして食ってしまう。そしてトレギアが呼び出したギャラクトロンMK2。タイガと戦っていつ最中に地中から現れたウーラーに食われてしまった。
 もうすぐ最終回で、最後の戦いに向かうが、その際に現れたのは宇宙人ではなく怪獣だった。最強の敵はやっぱりトレギアの方か?一応最強の怪獣と言うこと。
 これまで過去が分からなかった旭川ピリカだが、実はアンドロイドだったという事実が明らかとなった。そもそもウーラーを止めるために宇宙に派遣されたアンドロイドの一体だったそうだ。前にピリカと接触した霧崎はそれを知って、「面白そうだから」という理由だけでウーラーを呼び寄せた。
 トレギアの目的が明らかになった。自分を含めてあらゆるものの消滅だそうだ。なんだこの中二病設定?
<たとえ負けると分かっていても戦うのがウルトラマン。それは確かに格好良い台詞だし、これまでもそうだった。しかしそれを言葉にするととても軽く感じてしまうのが少々残念。>
第25話 バディ ステディ ゴー

  監督:市野 龍一
  脚本:林 壮太郎
 ウーラーにエネルギーを吸われ、ピリカも失ってしまったタイガ。このままでは地球そのものがウーラーに食い尽くされてしまうことになる。最大の危機に、ヒロユキの取るべき方法とは…
 敵は宇宙爆蝕怪獣ウーラー。宇宙のあらゆるものを食い尽くそうとする生命体だが、悪意はなく、単に空腹を満たすためだけに行動してるだけ。腹を満たせてくれるならそれで満足するらしい。
 最初にウーラーの決着となる。地球人と宇宙人、ウルトラマンと機械生命体が協力して、しかも倒すのではなく説得するというのが面白い設定だった。
 その際、ウルトラマンの協力が必要と言うことで、カナ所長とホマレはヒロユキの肩を叩いて「お願い」と言っていた。分かってたのね。いや、分からないはずはないか。
 そしてトレギアとの決着となるが、ウーラーを説得するためにはトレギアの力も使ったことで、トレギアの中にもまだウルトラマンとしての心が残っていると考えたタイガによって単なる戦いとはならず、戦いながら説得していた。最後に光線技で爆発していたが、この程度で死ぬキャラじゃないだろう。
 そして最後。イージスは宇宙人も積極的に受け入れる政府公認モデル事業として再出発。
 終わってみると、この話は最終回としては少々物足りない感じもある。タイガたち三人は今もヒロユキの中にいるし、トレギアに対しての説得が効いたのかも分からない。それを含めて色々取り残したものが多い。劇場版で締めるのかもしれないけど、むしろもう一期やってほしい感じもする。今度はウルトラマンの客演とかも増やして。
<ブラックホールにホワイトホールをぶつけて中和させる。言葉にすると簡単だが、物理学的にはそれ不可能。まあここの場合、文字通りではなく「ブラックホールに似たもの」に「ホワイトホールに似たもの」をぶつけるという意味だろう。
 タイガのストリウムブラスターを脚で蹴って消し去るトレギア。それ光線技なんだが。>
第26話 そしてタイガがここにいる

  監督:中山剛平
  脚本:池田 遼
 これまでの戦いを振り返る総集編。

1.ウルトラマントレギアとの戦い。
過去。ウルトラの星を裏切ったウルトラマントレギアを追うウルトラマンタロウとニュージェネレーションの面々。
それにタイガ、タイタス、フーマのトライスクワッドが加わったが、トレギアの攻撃が直撃してしまい、一時的に肉体を失ってしまう。
2.幼きヒロユキとの出会い
幼い頃のヒロユキがに友だちだった怪獣チビスケを宇宙人に連れて行かれそうになったところを防ごうとして死にかけたところを
見たタイガが自分から融合した。
3.タイガ覚醒
ベビーサンドリアスを守ろうとして命を落としかけたヒロユキを救うためにタイガが覚醒してヒロユキを救う。(1話)
4.タイタスとフーマが仲間となる
タイガに引き寄せられるように地球にやってきたトライスクワッドのタイタスとフーマがそれぞれヒロユキと融合する
5.トレギアとの邂逅