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AVALON

Avalon 灰色の貴婦人

オリジナル版



文庫版


アヴァロン 灰色の貴婦人
完全版
2000
メディアファクトリー
2003
メディアファクトリー
 映画『Avalon』の後日譚で、日本におけるネットゲームAvalon端末で日々戦闘を繰り返す男を主人公に、Avalonを介して知り合った仲間達と共にミッション不能とまで言われるプロジェクトを遂行する面々を描く。
 著者お得意のマニアックな兵器解説と偏愛する犬食いの描写に溢れた作品で、本当に好き放題書いてる感じがするのだが、これが結構完成度が高い。繰り返し読むのに向いてる。特に銃器に関する蘊蓄の量は半端ないので、そちらを楽しめる人にもお勧め。
 『Avalon』の後日譚と言うだけあり、映画の主人公であるアッシュも登場してるが、ストーリー的につながりは希薄。映画を観てから読んでも、こちらを読んでから映画を観ても充分OK。
 実際、ここ近年に購入した小説の中では最もよく繰り返し読んでる作品でもある…他人はともかく、私はもの凄く気に入ってる。

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アサルトガールズ
2009
徳間書店
 停滞した社会の中で大人気を博し続けている全感覚没入ゲームAvalon。そのテストフィールドとして新たに構築された、モンスターハンターの集うAvalon(f)。プレイヤーの数はそれほどではないものの、それぞれAvalonから流れてきた四人のプレイヤーがいた。それぞれが銃器にこだわりを持つグレイ、カーネル、イェーガーと、銃器を持たず、その代わりこのフィールド特有の魔法を使うルシファ。それぞれが単独プレイを好む面々ではあったが、このフィールドの最終目標“マダラ”を仕留めるため、渋々手を組むことに。三人の視点が交錯し、最終目標“マダラ”を倒すまでが描かれる。
 映画『アサルトガールズ』の完全フォロー版のノヴェライズ。劇中ではゲーム内のフィールドのみの描写だが、ここではそれぞれの実生活も描かれており、更に謎のキャラルシファの正体についての考察も互いに行っている事が特徴と言えるか。
 ただ、前作となる「灰色の貴婦人」と較べると、明らかに出来は劣化しており、もう少し話にふくらみが欲しいところ。何故Avalon(f)なる世界が作られたかについても、考察のみであり、そもそも「灰色の貴婦人」で九姉妹が構築しようとしている仮想のリアルな現実世界と大きくかけ離れたフィールドが何故出てきたのか、一切の説明はない。
 とりあえず続編が出るなら、そこに期待したいが…

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