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神話

SF超人ヘラクレス


アドヴェンチャー・オブ・ヒーロー
1970年
アーサー・A・シーデルマン(監)
 2000年に渡るオリュンポスでの起伏のない生活に飽き飽きしていた半神ヘラクレス(アーノルド・ストロング。シュワルツェネッガーの変名)は、父ゼウス(グレイブス)に無断で地上界に降りることにした。落下した海で泳いでいた所を漂流と間違えられて輸送船に拾われ、二等航海士としてニューヨークに上陸する。そこでトラブルを起こしたヘラクレスの強さを見たプレッツェル売りのプレッツィー(スタング)は彼を自分の家に連れ帰りるのだが…
 本作こそがシュワルツェネッガーデビュー作であり、ボディビルダーとしてではなく、俳優として世界の目にとまった最初の作品である。
 本作の場合、最初にキャラクタありの作品で、ムキムキの(死語?)筋肉を持つシュワちゃんをどうフィーチャーするか?→そうだ。人間を超える存在、神サマにすればいい→だったらヘラクレスにしよう。という割と安易な企画が成されたのではないか?と言う具合に思われる。
 物語は当然シュワルツェネッガーの筋肉を見せれば良い作品なので、演技などそっちのけ。ただシュワが暴れまくるだけの作品で、徹底的な低予算で作られており、物語自体もかなりいい加減なものだけど、この低予算で頑張ってはいるのは認めよう。このグダグダな感覚がB級好きにとってはたまらない魅力でもあるのだから。特に熊と戦うシーンは必見。歓声を上げること確実である。
 それでも天上界を庭園に限定し、フォーカスを付けて演出するなんてアイディア勝負の部分は悪くなく、低予算なりに頑張っていることが見えている時点で暖かく見守ってやりたくなる作品だ。
 本作で本格デビューのシュワルツェネッガーはオーストラリア訛りが抜けず、彼自身が恥に思っているらしい。しかし、この作品合ったからこそ、彼なりに英語と演技力に磨きをかけることが出来たのだし、彼のフィルモグラフィとしてもふさわしい作品ではなかっただろうか?(あの熊との格闘を含めて)
 こういう作品にはむしろ経緯を込めて最低点を付けて差し上げたくなる。私にとっての最低点とは、少なくとも見るべきところが多い作品なんだから。

 

オリュンポス
【おりゅんぽす】
 ギリシアの神々が集う天上界。実際はどこぞの庭園。 甘崎
ジュノー
【じゅのー】
 ゼウスの正妻。庶子であるヘラクレスを憎んでおり、地上に降りたヘラクレスの能力を制限してしまう。しかし、ギリシア神話だったらジュノーではなくヘラのはずなんだけど。 甘崎
ゼウス
【ぜうす】
 ヘラクレスの父親でオリュンポスの最高神。しかし、妻のジュノーには頭が上がらない恐妻家でもある。地上に降りてしまったヘラクレスを何かと助けようとするのだが… 甘崎
ヒグマ
【ひぐま】
 地上でヘラクレスとほぼ互角に戦ったという地上最強の生物。その凛々しい姿は必見…嘘。 甘崎
プレッツィー
【ぷれっつぃー】
 地上におけるヘラクレスの保護者。ヘラクレスの強さに感動し、半ば強引に家に連れ帰る。プレッツェル売りだからプレッツィーだそうで本名は不明。役はアーノルド・スタング。 甘崎
ヘラクレス
【へらくれす】
 オリュンポスの半神。二千年にわたり平和が続いているオリュンポスに飽き飽きしており、地上に降りてくる。役はアーノルド・ストロング。これはシュワルツェネッガーのデビュー時の名前。 甘崎
ヘレン
【へれん】
 地上におけるヘラクレスの恋人。ジュノーの奸計により、危機に陥り、ヘラクレスに助けられるが、結局結ばれることなくヘラクレスはオリュンポスに帰ってしまった。 甘崎
ロッド
【ろっど】
 ロッド・ネルソン。地上でヘラクレスと関わる人物。 甘崎
名称
【】
  甘崎