エジプトで発掘された一体のミイラ。これは未だ発見されていないエジプト王カーツーベイの従僕であるプレムのものであると分かった。この近くにカーツーベイの墓があると考えた実業家のスタンリー・プレストン(フィリップス)は探検隊を組織し、カーツーベイの墓を探そうとする。幾多の困難を経、ついに墓を発見した探検隊だったが、その墓にはハスミッドという番人がおり、彼らに警告を与えるのだった。それを無視して発掘を敢行する探検隊だったが…
かつてユニヴァーサルでは数々のモンスターをフィーチャーして作り上げた。ドラキュラから始まり、フランケンシュタインの怪物、狼男、そしてミイラ男…それらの資産を見事にパクッて活かして新しい映画を作り出したのがイギリスのハマーフィルム。本作はその中のミイラ男を題材にとって作った作品。
実際これを観ていると、明らかに低予算の割には特撮には力が入っていた。特にミイラ男は既に肉やら血やらが抜けてしまっているので、埃の立ち方なんかが芸細かい。キャラもかなり多く出ていて、物語も二転三転といった感じ。
ただ、設定部分はかなりいい加減で、ご都合主義な部分ばかり。当時パピルスで作られていたはずの古文書が紙としか見えなかったとか、プレストンがミイラにここまでこだわる理由がないとか、ミイラ男がただ暴れるだけだったりと、今ひとつの部分が多く、展開が盛りだくさんの割には退屈な部分が多い。その極めつけは言語学者であるクレアが理由もなく予知能力を持っているという所だろう。ここまでやるか?と言うレベルだ。
もう少し物語や設定を練って作ればもっと面白くなったのではないかな? |