この地球とは次元を隔てて存在する並行世界。ここでの人間はその魂をダイモンという守護精霊が持っており、一蓮托生の関係にあった。この世界に住む少女ライラ(リチャーズ)は、両親が事故で死んでしまい、今は伯父であるアスリエル卿(クレイグ)が後継人となり、学生寮に住んでいた。ある日コールター夫人(キッドマン)という女性が現れた時から彼女の運命は大きく変わっていく。彼女にしか使えないという黄金の羅針盤を託されたライラの冒険の旅が始まる。
私は読んでないのだが、世界的ベストセラーの児童小説の映画化作。原作は三部作なので、これが第一部となる。
『ハリー・ポッター』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ナルニア国物語』と、このところ長編の児童文学の映画化が結構多い(特殊な例の『ゲド戦記』もあるが)。こどもの頃にお世話になった人達も多いことから、幅広く視聴者を得られることと、CGの発達に従って見所をしっかり作れるようになったことが最大の要因だろう。その最新大作が本作となるのだが、他のファンタジー作品と較べると、多少執筆年代が遅いのが特徴(1990年代に入って)。
本作は結構前からネットでキャンペーンが張られていて、随分力が入った映像なので、とりあえず押さえておこう。という気持ちで拝見。
とりあえずキャラに関しては問題ないと思う。実物でもキッドマンやクレイグといった旬の役者が出ているほか、声の出演がイアン=マッケラン、フレディ=ハイモア、キャシー=ベイツとなかなか豪華。そしてそれらに一歩も引かずに堂々と演じたライラ役新人のリチャーズもたいしたものだ。
だけど、褒めるところはそこしかなかった。
まさに息も継がせぬスピード感と見所感に溢れた作品なのだが、それが私には苦痛。
これだけ冒険一杯で見所満載。画面映えする作品というのに、はっきり言って退屈でたまらない。実はものの30分程度で飽きてしまった。これは前に『シン・シティ』でも感じたことなのだが、たとえ見所が連発されようと、一本調子でただ派手にするだけではアクションは映えない。物語も次に来る展開が事前に分かるようになっていて、驚きがないので、ただ淡々とやかましい音を聞かされてるだけの気分。正直音響の良さを雑音としか感じられなかった。
結局それは演出のチープさ。と言うことだろう。見所は詰まっているとはいえ、基本的に話は一本調子。ライラは「はい」と「いいえ」の選択肢を選んでいくだけで物語が展開していく感じだし、都合の良い時に都合の良いキャラが次々に登場。ちょっと画面に違和感がある登場人物が出れば必ずそれが伏線となってる。などなど、意外性どころか一貫した物語性を全く顧慮しない展開。しかも物語を詰めすぎたために緩急もない。アクションも一本調子が続くと、観てる側は無関心になってしまう。たとえ同じ物語であっても、見所をちゃんと押さえて作ってくれれば、そんな感覚に陥ることもないはずなのだが、どうにもこの息継ぐ暇のないアクションというのは、さほど楽しいものではなくなってしまった。
総じて言えば、まるで他人がやってるゲームのRPGを眺めてる感じ。
単に私が歳食ったからそう言うのに耐えられなくなったのかも知れないが、だったらこどもを連れてくるお父さんお母さんにもっと優しい作品に仕上げて欲しかったもんだ。 |