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動物パニック映画

殺人魚 フライングキラー


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1981
ジェームズ・キャメロン(監) トリシア=オニール、スティヴ=マラチャック、ランス=ヘンリクセン
 リゾート地として開発はされているが未だ古い島の伝承の残るカリブ海の小さな島に住む海洋学者アン=キンブロー(オニール)は、ある日おかしな噂を耳にする。立ち入り禁止となっている2ヶ月前に沈没した海軍の船がある海域で行方不明が続発しているというのだ。更に島の病院には魚に食いちぎられたとおぼしき死体が運び込まれる。彼女の夫で今は別居中のスティーブ保安官(ヘンリクセン)からは何の情報も得られず、アンは好奇心満点で彼女に言い寄るタイラー(マラチャック)と共に調査に乗り出すが…
 
『ピラニア』続編。今や大監督となったジェームズ=キャメロンの初監督作。
 ただ、出来の方はお世辞にも「う〜ん」ってな感じで、なんとも手作りのB級感覚に溢れた作品に仕上がってしまった。特にフライングキラーが空中に飛び上がって人間を襲うシーンなんかは
ほとんど失笑もの。だって明らかに作り物の魚を手で持って騒いでるんだもん。更にフライングキラーが人間の腹の中から出るシーンは明らかに『エイリアン』(1979)そのもの。
 後、物語がちょっと困りもので、簡単に不倫して、夫に悪びれることもない主人公の姿は
ちょっと悲しいものがある。ヘンリクセンが苦悩する夫を好演してるだけに、ストーリーがもう少ししっかりしてたら、それなりに観られるストーリーに仕上がってくれたと思うのだが。主人公が海洋学者というのも、今ひとつ設定的に活かすことも出来なかった。
 それに致命的な部分なのだが、実は本作、全然怖くない。怖くしようと言う努力と、役者の力演は認めるけど、水の中だと演出が間延びしてるし、地上だと「来るぞ来るぞ」と思っていたら、ぽんっと玩具っぽいのが…う〜ん。
 これは友人達とわいわい騒ぎながら観るのには適した作品とは言える。あのキャメロンがねえ。とか言いながら観るならば、きっと楽しめるだろう。
 ただ、本作の出来はキャメロン一人に負わせる訳にはいかないらしい。実はキャメロンはプロデューサと衝突してしまって、映画の内容もずたずたとなったとのこと。

 

アン
【あん】
 アン=キンブロー。カリブの島に住む海洋学者。夫のスティーヴとは別居中で、生活のためスキューバのインストラクターをしている。タイラーと出会い、島に起こる変死事件を調査する。役はトリシア=オニール。 甘崎
スティーヴ
【すてぃーう゛】
 スティーヴ=キンブロー。アンの夫で保安官。とても堅い性格で、今はアンとは別居中。 甘崎
タイラー
【たいらー】
 スキューバの客としてアンの前に現れた男。実は海軍の生物兵器研究者で、自分の作り出したフライングキラーが島民を襲っていることに良心の呵責を覚え、なんとかそれを抹殺しようとしている。ラスト、フィンが船室に引っかかって爆死。 甘崎
フライングキラー
【ふらいんぐ-きらー】
 海軍がピラニアと飛び魚とトウゴロイワシ科のある種をかけあわして育成された殺人魚。トビウオのように空を飛び、人間を襲う。 甘崎