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超星艦隊セイザーX

超星艦隊セイザーX事典
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2005'10'1〜2006'6'24

 「超星神」シリーズの3作目。今までの二作も比較的陽性の話だったが、本作はそれを更に推し進め、大変明るい話となっている。
 本作は、未来の地球が支配された状態で始まる。これまでの過去の超文明から「伝説の戦士」が現れるパターンだったが、今度は設定を逆転させて過去を変えるために未来からやってきたという設定がユニーク。
 前半部分で敵だった三人が、話が進むに従いどんどん良い奴であることが分かってきて、後半になると完全に味方になってしまうと言う構造も面白い。
 出来れば続けて欲しかったシリーズだが、本作で一応の完結。それがちょっと残念だった。

主な登場人物
ライオセイザー
安藤拓人
(役)高橋良輔。同じ名前を持つアニメの監督とは無関係。
 F1レーサーを目指す現代の青年。祖父の宗二郎を尊敬をしているが、なかなか素直にはなれない。常にバイトしてる。宗二郎の計らいでセイザーXの一人、ライオセイザーに装着する。
イーグルセイザー
アド
(役)進藤学。
 本名アドルナリーミンマーノサンノルディクオプクナールエンダ…。地球の未来を救うため未来からやってきた戦艦アドイーグルのパイロット。優秀なパイロットで、自分の能力と使命に誇りを持っているが、情緒面が堅すぎるくせにドジな所も多い。
ビートルセイザー
ケイン
(役)三浦涼介。3年B組金八先生(6th)でデビュー。後に「仮面ライダーOOO」でのアンク役。
 地球の未来を救うため未来からやってきた戦艦ビートバイザーのパイロット。飄々として朗らかな性格をしている。
レミー (役)松山まみ
 戦艦ライオキャリアの副長で、拓人の教育係的な存在。ルーエ星出身。
シャークセイザー
シャーク
(役)松永博史
 セイザーX隊長。レミー達を2005年に送る際、自らは未来に残るっていたが、ネオデスカルが過去にさかのぼったことを受け、自らシャークセイザーとして参戦する。昔、拓人の祖父宗二郎と関わりを持っていたらしい。
安藤宗二郎 (役)宗方勝巳
 革新的なメカニズムを多く開発してきた人物で日本経済の復興と発展に大いなる貢献をしてきた人物。拓人の祖父で、拓人の目標とする人物。表面的には二人は喧嘩ばかりだが、誰よりもお互いを認め合っている関係。
話数 タイトル 脚本など コメント DVD
第1話 拓人は燃えているか!

  監督:米田興弘
  脚本:林 民夫
 西暦2500年。宇宙海賊により支配される地球から、海賊がやってきた2005年に向け、海賊に対抗する力を持ったセイザーXがタイムスリップを敢行する。そして西暦2005年。平和な時代の地球に宇宙海賊デスカルが襲来!そして幼き頃より祖父から宇宙か遺族の襲来を聞かされてきた安藤拓人は、デスカルと共に現れたセイザーXのクルーの一人レミーと出会う…
 敵の将軍が勢揃いしているが、実質的に戦うのは
ライデッグ。拓人が初めてライオセイザーとして戦った相手。雷の属性を持ち、武器の剣に電撃エネルギーを貯めて発射することが出来る。
 シリーズ開始となる本作は敵味方の紹介となる。主人公は最初から戦士となるべく決められた存在だったため、話はスピーディに展開される。しかも主人公が最後の戦士なので、最初から飛ばしてる。どうやら本作も熱い
(暑い?)物語が展開していきそうだ。
<幼稚園児と思われる子供が崖から滑落しようとした時、助けようとした拓人を「最近の大人は」などとひねた発言してる。
 赤、青、黄色の原色ヒーローが勢揃い。主人公が黄色ってのは珍しいんじゃないかな?
 「超星神グランセイザー」に登場していた戦闘員ギグファイターをデスカルも使用しているらしい。ウォル・マナフと何らかの関係があるのか。ギグファイターは宇宙人の通常装備なのか、それとも単なるコスト削減か?>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 燃えろ!グレートライオ

  監督:米田興弘
  脚本:林 民夫
 セイザーXが2005年にやってきた理由は、地球の命運を決定する12個のコスモカプセルを宇宙海賊よりも早く集めることだった。レミーより事情を聞かされた拓人は協力を約束する。だが、祖父の宗二郎は生半可な気持ちなら止めろと止めるのだった。
 敵は宇宙恐竜
レイザース。多くの角を持つ恐竜型の怪獣で、角に熱エネルギーをため、口から熱線を吐く。両手はハサミ状になっており、それによる攻撃も強力。
 ここで巨大ロボットの戦いとなり、初めてグレートライオの戦いが描かれる。この辺の兼ね合いをどうするかはこれから次第。
 セイザーXおよび宇宙海賊の狙いがはっきりとした。コスモカプセルは12個集めると何でも願いが叶うとか…ドラゴンボールか?
 味方も敵もキャラがよく立っているが、なんだか全部牧歌的な演出ばかりだ。
<それにしても戦いの初心者にここまでやらせるとは、セイザーXの面々も相当に常識がないようだ。>
第3話 白い旋風!ウインドイーグル

  監督:市野龍一
  脚本:林 民夫
 出現した恐獣ウィンミラーに対し、町を守ろうとする拓人。それに対しあくまでカプセルの回収を目的とするアドは対立する。次々に出現するウィンミラーをアドは陽動と見抜くのだが…
 敵は水海賊の
アグラーグ。水の属性を持つ海賊で、水圧を高め、弾丸化したものを肩付けしたバズーカで撃ち出す。イーグルセイザーにより倒される。そして宇宙恐獣ウィンミラー。顔に付いた部分から自らの姿を投影し、同時に何箇所かに出現することが出来る。ウインドイーグルにより倒される。
 アドが中心となった話。今は堅い性格してるが、きっとその内ギャグに走るようになるんだろう。遊ばれやすそうな性格してる。最後に仲間に対する配慮がある辺り、性格の良さをかいま見せてる。今回はあくまでアドの性格描写と強さに終始した感じで、話としてはまだまだ。
 過去に来た者は二度と未来には戻れないと言うことがここで判明。設定上の解明点はそれ位かな?
VOL.2
<A> <楽>
第4話 青い稲妻!マグナビート

  監督:市野龍一
  脚本:林 民夫
 宗二郎の助手として拓人の家に居候を決め込むケイン。家族達にすっかりとけこむケインにちょっとしたジェラシーを覚える拓人。丁度その時、恐獣バードレスが現れ、迎撃するアドと拓人は苦戦の後、撤退を余儀なくされる。一緒に出てこなかったケインに怒りを覚える拓人だったが…
 敵は
バードレス。大きな一本角を持つ恐獣で、アーストロンに似ている。両肩や腹から破壊光線を発射する。
 三番目の戦士ケインとビートルセイザーを中心とした話。天然な性格をしたケインも色々と背負っているものがあることが分かる。天然なだけではやってられないと言うことだけど。結構味はあるね。
 真剣に戦ってる割りに足の踏み合いなど、戦いはここでも結構コミカル。これも味なのだろう。
 とりあえずこれで自己紹介は終了。紹介編ということで、他に言うことはあんまりなし。
第5話 隠されたシャーク4

  監督:米田興弘
  脚本:河田秀二
 古物巡りをしていたケインは古文書を発見。その古文書にはコスモカプセルらしいことが書かれていた。半信半疑ながらカプセルを捜索する拓人達だが、
 敵はこれまでに出てきたデスカルの三将軍が全員登場。
 これまでサポートだけだったレミーが中心となる話で、最初にちょっとだけ出てきたシャーク隊長についても少々語られる。
 なんかことわざのパズルが展開。
 アドに「リーダーを決めよう」と提案する拓人にあっさり「リーダーはお前で良いよ」と答えるが、「だが指示は俺が出す」と続ける。名より実を取ると言うことか。結局リーダーを先に立たせてちゃっかりと安全な後ろからついていく。これは冷静と言うべきかな?
<敵味方共単純馬鹿がいるので、二人とも猪突猛進で、張られた罠全部に引っかかってる。>
第6話 ぼくたちのヒーロー

  監督:米田興弘
  脚本:河田秀二
 サイクリードは手に入れたコスモカプセルの力を用いてクワガタを怪獣化させる。一方アドにレゼッカーを向かわせ、戦力の分断を図るのだった。アドを助けてレゼッカーを倒すことには成功したものの…
 敵は
ビッグスタッグ。コスモカプセルにより恐獣化したクワガタ。全身が固い外殻に覆われ、更に触角からはビームを出す。パワーはあるものの初めての合成恐獣だけに不安定で、最初の内は起動時間は結構短い。マグナビートの一斉射撃の後グレートライオにより倒される。それとレゼッカー。蛾のような姿をしている。風の属性を持つ海賊で、動きが非情に速い。同じ風の属性を持つイーグルセイザーとはほぼ互角に戦ったが、相性の悪いビートルセイザーの参戦によってあっけなく倒されてしまう。
 正義のヒーローも実際は町を破壊してるわけだから、市民に恨まれて当然。それを通常は見ないようにしているのだが、時にこういう話を持ってくるのは大切なこと。自分の思いが世間の評価と乖離していることを知った時、どのような反応を示すか。ただ、子供の話に単純に納得させる辺りは、この作品の対象年齢を考えさせる…まあ、これ突き詰めると「シルバー仮面」になってしまうから、これで良いんだろう。
<冒頭で目覚めたブレアードは全身が鎖でつながれてしまっており、「なんじゃあ。こりゃあ」発言。やっぱり意外なことが起こったらこの台詞だよね。>
第7話 追憶・1960

  監督:市野龍一
  脚本:林 民夫
 セイザーXと更新中のシャーク隊長が何者かに襲われて通信不能となってしまう。そんな時にコスモカプセルの反応があるのだが、レミーはシャーク隊長の事が心配で身が入らない。一人泣き濡れるレミーに宗二郎はシャークとのいきさつを話し始めるのだった。
 敵はアクアルだが、将軍だけに戦いは痛み分けに終わる。
 何故宗二郎がシャーク隊長を知っているのか、これまでの設定の謎が明らかにされる話で、話は1960年に戻る。シャーク隊長自身2500年の海賊に支配された地球でワームホールの研究を行っていたらしい。更にこれまで不可逆と言われていた過去から未来へのワープが唯一可能の方法が示される…要はコスモカプセルを12個全部集めると願いがなんでも叶うからだとか…ドラゴンボールかいな。えらく簡単な話だ。
 そしてレミーの過去や、宗二郎にもいくつかの謎が出てくる。
 それとコスモカプセルのピジョン10が登場するが、アクアルに奪われてしまう。
VOL.3
<A> <楽>
第8話 由衣の休日

  監督:池田敏春
  脚本:古怒田建志
 宗二郎とケインが組み上げたカプセルソナーが反応していることに気づいた由衣は、自分も役に立ちたいとカプセルを探しに行く。同じくカプセルの反応を知ってやってきたアドと共にカプセル探しが始まった。
 敵は
サンドストーム。サメのような顔を持った宇宙海賊。サイクリードの部下で風の属性を持つ海賊。砂を弾丸化して撃ち出したり砂嵐を起こしたりする。
 今回はこれまでマスコット的な存在だった由衣が中心となった話で、アドとの凸凹コンビぶりが描かれる。アドは真面目で固いが、どこか抜けた所があるので良いコンビぶりを見せてる。なんだかんだ言って今回のコスモカプセルは由衣の機転で手に入れたようなものだ。
<発見されたコスモカプセルを何も知らない子供がキャッチボールしてるんだが、どう見てもやる気なさそう。
 ガダル星人の写真を見た由衣はそこに映ってる三人のガダル星人を見て、「お父さん、お母さん、お兄ちゃんがいる」とか言ってるようだけど、よく性別や家族構成まで分かるな。>
第9話 史上最悪の三日間

  監督:市野龍一
  脚本:林 民夫
 デスカル三将軍の中で一人だけコスモカプセルを手に入れることが出来ないブレアードはバーダー船長に叱責されてしまう。それでサイクリードが得たカプセルを勝手に持ち出し拓人を呼び寄せるのだが…
 敵は将軍の一人ブレアード。今回は三日間拓人と一緒にダストシュートに閉じこめられてしまう。
 これまで何かと個性を出していたブレアードが直接出張ってきたが、拓人同様火の属性を持つためか、
基本的に馬鹿で、ライオセイザーとはなんだか良いコンビぶりを見せる。二人の会話はほとんど漫才で、更に周りを取り巻くキャラも良いとぼけぷりを見せてくれて、なんだか妙に笑える作品に仕上がってくれた。なんかほのぼのした作品。特にお爺ちゃんが良い味出してた。
 これまでの話で、無難な作品としてしか思ってなかったけど
(ツッコミ所も少ないし)、本話のお陰で評価が跳ね上がった。
<拓人はエレベーターの中でライオセイザーに変身。しかし、誰もそれに気づいてくれない。この“気づかない”というのが今回のキーワードとなってる。ツッコミと言うよりはネタか。>
第10話 船長の正体

  監督:池田敏春
  脚本:古怒田建志
 コスモカプセルを求めて現れたブレアードとライオセイザーとの戦いから女の子をかばった宗二郎は怪我を負い入院してしまう。慌てて病院に向かった拓人だが、宗二郎はすげなく追い返してしまうのだった。一方、デスカルではサイクリードが鳥の化石にコスモカプセルのパワーを与え、合成巨獣グラプターを作るのだが、同時に船長の身体にも異変が…
 敵は
合成怪獣グラプター。コスモカプセルのパワーと落雷のエネルギーを鳥の化石に与えることによって誕生した合成怪獣。その通り、鳥の姿をしてるのだが、何故か戦いは直接攻撃が主体。
 これまで謎のままだったバーダー艦長の正体が明らかにされる。それは実はロボットだったというオチが付いた。オチを付けるには少々早かった気がするけど、それで話が新展開ってことだな。
 ブレアードがコスモカプセルのオックス9を発見するのだが、船長を失ったショックであっさりと拓人に渡してしまってる。
<どんどん情けなくなるブレアードは、今度はコスモカプセルを探すため、ほとんど四つんばいになって草むらを徘徊してる。更にライオセイザーとの戦いでも、危うく股間をライオブレイカーでぶたれる所だった。
 そんで父とも神とも崇めていたバーター船長がロボットだと分かってうらぶれた感じで歩き回るブレアードの姿も見られる。なかなか良いキャラだ。
 グラプターは鳥型の巨獣なのに、近接戦闘ばかりしてる。>
第11話 父、帰る

  監督:米田興弘
  脚本:林 民夫
 拓人の父俊作がイギリスから一時帰国した。俊作は身体の弱さ故にセイザーXにはなれなかったという過去を持っており、セイザーXとなった拓人を複雑な目で見つめる。
 敵は
火海賊バンケーン。接近戦のエキスパートで重厚な鎧と剣を武器としている。
 バーダー艦長亡き後のデスカルの大攻勢(と言ってもさほどの規模ではないけど)が描かれる。セイザーX側も全員集合。その中で特に拓人をライバルとして執拗に向かっていくブレアードと、それに関係なく痴話げんかを始める拓人とレミーの姿などが見られる。それはそうと、拓人の両親のラブラブぶりが妙な味を出してて、その辺バランスの取れた話になってる。他に謎の女性グローザが登場や、レミーの故郷ルーエ星が消滅など、なかなか盛りだくさんの内容となっている。
 宗二郎が言っていた、子供は傷つくことで大きくなるという言葉は、今こそ大切な事なんだろう。他に「お母さんの時代に遊びすぎたから今が苦労する」ってのも…まあ、その通りなんだけど。
VOL.4
<A> <楽>
第12話 決戦は空の彼方で

  監督:米田興弘
  脚本:林 民夫
 セイザーXにレミーの故郷ルーエ星が消滅する姿をわざわざ見せつけた謎の女グローザ。アドとケインは彼女はネオデスカルではないかと推測するのだった。一方、グローザの助言を受けたデスカルはブレアードにコスモカプセルのエネルギーを照射して巨大化させるのだった。
 これまで散々セイザーXを苦しめてきた火将軍のブレアードが恐獣化。極端な強さを見せつけている。
 それと前回から登場したグローザがどうやら未来からやってきた宇宙海賊らしいことが分かる。
 今回はマグナビート、グレートライオが地上で戦うが、それだけでなくセイザーXの三戦艦が敵戦艦バルガレオンと戦っている。
<ツッコミ部分を狙っているとしか思えないのだが、三将軍の誰が恐獣化するかを決める際、ジャンケンで「最初はグー」をやってる。
 コアブレイバーと巨大ブレアードとの戦いで、コアブレイバーの蹴りが見事ブレアードの股間にヒット。股間を押さえて飛び回るブレアードの姿があまりにも…
 ライオキャリアーの必殺武器セイザー砲をバルガレオンに向かって撃つシーンがあったが、この時「エネルギー充填100%」。受け狙いだったら「120%」にすべきかな?>
第13話 聖なる夜に

  監督:米田興弘
  脚本:関根智彦
      今井 聡
 宇宙海賊デスカルを撃破した。ささやかなお祝いが開かれる中、これまでの戦いを振り返る総集編。用語解説が主な話。
 一応クリスマス特集(私の地方では遅れて放映されるが)で、最後はきよしこの夜を歌って終了。
<別段ツッコむところではないけど、クリスマスってサンタさんが願いを叶えてくれる日だっけ?>
第14話 未来からの敵、ネオデスカル

  監督:市野龍一
  脚本:林 民夫
 宇宙海賊を倒し、未来を変えることができたと喜ぶセイザーXの面々だったが、未来からのワームホールにより何者かが現代にやってくる。シャーク隊長が来たのでは?と喜ぶレミーだったのだが…
 敵は
未来恐獣デスバー。未来からやってきた恐獣で、これまでの恐獣よりも遥かに強力。姿はどことなくヘドラに似ており、口からヘドロのようなものを出すのも同じ。グレートライオに斬りつけられるも、その剣自体を腐食させてしまう。
 新章突入で未来からネオデスカルがやってきた。その隊長としてガレイドが登場。
 これまでのデスカルとの戦いは割とコメディ色が強かったが、ネオデスカル登場と共にかなりハードへと変わりつつある。まあ、デスカルの面々がまだ残ってるので、おちゃらけ部分は残しているみたいだけど。
第15話 危機一髪!シャークセイザー登場

  監督:市野龍一
  脚本:林 民夫
 未来からやってきたネオデスカルのグローザによりシャーク4を除く全てのコスモカプセルを奪われてしまった。その時新たにワームホールを進艦が…
 敵は
ドルピック。ガレイド率いる特別派遣部隊の一人。火の属性を持ち、スピード、パワーともこれまでの敵とは桁違い。ただし、ライオセイザーとブレアードの連携でいたぶられ、シャークセイザーにあっけなく倒される。
 味方としてシャーク隊長が登場する。都合良くシャーク隊長の専用であるシャーク4だけ残ってるのが都合良いというか…
 結局今回もおきまりのデウス・エクス・マキナで話が終了。まあ。これが一番燃える展開だから。
 デスカルおよびネオデスカルはますます仲が悪くなってるのも特徴か。
<ますますブレアードと拓人の漫才は加速。ブレンダーって…どことなく新造人間キャシャーンを思い出させるような…なんだかむしろ味方っぽくなってるんだけど。>
VOL.5
<A> <楽>
第16話 超流!シャークリーガー

  監督:市野龍一
  脚本:河田秀二
 危機一髪のところを未来からやってきたシャーク隊長により助けられるセイザーX。だが、これまでの戦いにねぎらいの言葉をかけることもなくあまりにもクールすぎるシャークに反感を隠せない拓人。一方、ネオデスカルに反発するブレアードは再びコスモカプセルを用いて拓人をおびき寄せようとする。
 敵は
宇宙恐獣デスバー。コスモカプセルを塚ってパワーアップし、再生機能を有するようになった。ますますヘドラっぽい。グレートライオを圧倒するものの、登場したシャークリーガーにより一撃で倒されてしまう。
 シャーク隊長が登場したが、なんかアドとキャラがかぶってる感じだが、やはり大人だけあって、懐は深いようだ。
 それと、ジャッカルという謎の名前が登場。はてさて、どのように仕上げていくやら。
<「素っ気ない」という拓人の言葉に反応し、「素っ気って?」と聞き返すレミー。確かにどういう意味なのか…調べてみたら「相手への思いやり・好意」と言う意味らしい。
 ブレアードの剣は大地に炎を出すことが出来るが、地面に油が撒かれているのがモロ分かり。これはちょっと演出上のミスだね。
 相変わらずどじっぷりを見せつけるブレアード。今回は拉致されてしまった。>
第17話 追跡者、名はジャッカル

  監督:市野龍一
  脚本:河田秀二
 コスモカプセルごと安藤家に連れてこられるブレアード。どうしてもコスモカプセルを渡そうとしないブレアードに苛立ちを隠せないアドはシャーク隊長ともぶつかり合う。一方、ワームホールを通り現代に来ようとしている艦が…
 敵はピアース。水の属性を持った忍者のような存在で、神出鬼没に現れて暗殺を得意とする。
 ラストで謎の存在
ジャッカルが登場。
 結局今回はブレアードが中心の話となった。行動のことごとくがお笑いになってしまうのがこのキャラらしくはあるけど。
<ブレアードと拓人の漫才は更にエスカレートしてる。それにしても名前くらい覚えてやれよ。「ブレーメン」「ブレスレット」「ブーメラン」で、ちゃんと反応してる。
 ピアースは暗殺者という割りに隙だらけで、あんなにオーバーアクションで忍び寄っちゃ、誰でも分かるよ。
 毒を喰らったアドの体に毒が回るまで時間がかかりすぎ。解毒剤での回復も早すぎる。>
第18話 激震!ドリルアングラー

  監督:舞原賢三
  脚本:林 民夫
 2500年の世界ではアドの故郷ビオード星がネオデスカルの攻撃を受けていた。焦ったアドは安藤家に拉致されているブレアードを説得し、歴史を変えようとするが…
 敵は
宇宙恐獣ネオデスパー。デスパーの残留物にコスモカプセルのエネルギーを照射して再生した恐獣。攻撃の威力は上がっており、アドのウインドイーグルを圧倒するがシャークリーガーに倒される。それとジャッカルの宇宙船ドリルアングラーが登場している。
 ブレアードから古代の地球の話が聞かされる。なんとデスカルが地球の先住民族であり、アドの故郷ビオード星が地球を攻撃することで地上にいられなくなったデスカルはやがて宇宙海賊になってしまったのだとか。
<ついに安藤家のペットにまで格下げされてしまったブレアード。「俺はポチか!」だそうだ。
 ガレイドが相当乗せられやすくなってる。敵の組織内部に必ずお笑い担当を入れるのが本作の特徴なのかな?>
第19話 装着アド!未来に向かって

  監督:舞原賢三
  脚本:林 民夫
  故郷であるビオード星が星間戦争を起こすきっかけを作ったと知り、動揺したアドは戦闘でミスをし、シャーク隊長から謹慎を受けてしまう。一方のガレイドはコスモカプセルを囮にブレアード奪還作戦を開始するが…
 敵は
リーボルト。雷の属性を持つ戦闘員で、体内に超高電圧の電気エネルギーを蓄えている。なんかゴリラみたいなキャラで、うなり声あげてるうちにライオブレイカーで一刀両断にされてしまう。
 今回はアドが中心の話となっているが、これまで決してうち解けようとしなかったアドが少しずつこの時代に慣れていく過程を色彩を用いて描いているのが特徴。モノクロームの景色が一気に色づく辺り、アニメ的とはいえ、なかなか良い演出だ。
 このシリーズの特徴として家族の大切さを強調する事があるが、ここではなんとブレアードに諭されている。
<回を負う毎に情けなくなるブレアード。納豆ご飯をもりもり食べ、自分のことを「ポチでいいよ!」とにこやかに答える。更にネオデスカルのガレイドまでもがどんどん情けなくなっていく。「偉大なるガレイド」と呼ばれると機嫌を直すあたり、根が単純な訳だ。
 レミーとサイクリードの会話。「ブレアードはどうした」「庭で洗濯物干してる」「そうか。良かった」…なんだその会話は?>
VOL.6
<A> <楽>
第20話 ケイン、裏切りの刻!

  監督:舞原賢三
  脚本:林 民夫
 宗二郎がネオデスカルに捕まってしまった。ジャッカルと交戦中のシャーク隊長は合流することが出来ず、アドと拓人は自分たちだけで宗二郎を助けに行くことを決意する。だが、そんな中、ケインだけが浮かぬ顔をしていた…
 敵は
ゼオリア。風の属性を持ち、カマイタチを作り出して攻撃する。宗二郎とブレアードの捕虜交換に立ち会っていたが、ビートルセイザーのビートスラッシュに倒される。
 かなり重い内容になったが、結果で言えば、めでたしめでたし…かな?
 本人は至って暢気ながら、ネオデスカルにとってはブレアードは大変重要な存在らしい。折角の安らぎの日々が無くなってしまうのを寂しがるブレアードの姿が見られる。
 アドやケインなど、性格が少しずつ変わっていくのも特徴か。今回は特にケインが未来の自分の故郷ラディ星がネオデスカルに襲われると聞いて、仲間達を裏切ろうとしている姿が見られる。お調子者だけじゃなかったのね。結果として仲間を裏切ることが出来ず、グローザを撃つことになったが。
<捕虜交換でネオデスカルに連れて行かれるブレアード自身が「悪かった。俺のせいで」とか言ってるが、実際は彼自身には何の罪もなかったりする。>
第21話 勝利へのフリーキック

  監督:池田敏春
  脚本:宮川洋紀
 シャーク隊長により強引に一日の休暇を取らされることになった面々。そんな中、レミーは休暇前に一人のサッカー少年と出会った。彼は負け続きのチームを元気づけようとうっかり嘘をついてしまい、悩んでいたのだ。
 新しい敵は登場しないが、それ以前に敵の登場人物が多いため、その整理のための話となっている。番外編のような、そうでないような…
 レミーが中心となり、少年との交流が描かれるが、一方ではブレアードとジャッカルの奇妙な友情がはぐくまれることも特徴だろう。組織の中では外れ者同士だから丁度良い感じ。
 子供達に夢を。というのは昔からの特撮作品が持っていたテーマだったはずだが、それを端的に示した話となっている。30年前にやっていても不思議ではない話になってるが、これはこれでオールドファンにとっては結構嬉しかったりして。
<休暇で全然違う星に来てるセイザーXの面々がブレアードとジャッカルの戦いを目撃。確率的に言えば天文学的な低さのはずだが、全く違和感なく見ていたりする。>
第22話 脅威の変形!ドリルアングラー

  監督:池田敏春
  脚本:稲葉一広
 残り二つのコスモカプセルの内、一つの反応が生じた。そのコスモカプセルを求め、セイザーX、ネオデスカル、ジャッカルの三者が入り乱れる。最初にカプセルを発見したのは拓人だったが、そこに現れたジャッカルに襲われ、カプセルを奪われてしまう…
 敵は
アリゴード。アリに似た派遣部隊の一人。薙刀状の武器を用いるが、これは武器としてだけでなく、地面に突き刺して白煙を巻き起こしたりもする。そしてジャッカルのドリルアングラー。
 ジャッカルの乗機ドリルアングラーが人間型に変形。ここではマグナビートと戦うが、マグナビートの重火器を全く問題にしてなかった。
 ジャッカルは極めて冷静な戦士であり、シャーク以外の敵は変身させる以前に攻撃しようと全く気にかけてない。一方、シャークに対してだけは含む所があるのか、正々堂々と戦おうとしている辺り複雑…負けそうになったらドリルアングラー出したりもするが。
 安藤家に居候していたお陰か、チームワークの大切さをジャッカルに説くまでになったブレアード。最も成長しているキャラクタだね。それになんだかんだでセイザーX側はチームワークの良さを再確認してる。
<卑怯な行動を取るジャッカルに「お前友達いないだろ」とツッコンだブレアード。そこで絶句する辺りが彼の複雑さをよく表しているのではないだろうか?しかし実際ブレアードの方も似たようなキャラではないか?>
第23話 ミッションX!艦長を救え 監督:池田敏春
脚本:稲葉一広
 ジャッカルとの戦いで傷つき、治療を余儀なくされたシャークをカバーしようと奮闘する三人だが、アクアルの開発した時空シールダーの発動によって、三人は装着出来なくされてしまった。まんまと三人を捕らえたガレイドは残ったクルーにコスモカプセルとの交換を持ちかけるのだった。
 敵は前回からの続きで
アリゴード。それと初めてガレイドとの直接対決が描かれる。実はそれほど強くなかったりして。
 三人のセイザーXが装着出来無くされたため、残ったクルーが活躍する話。それに相変わらず妙に良い奴のブレアードの描写が映える。
 設定的には、アインとツバインの真の姿がようやくお目見え。実は彼らの本体は意志を持つガスで、アインは赤、ツバインは青色。
<アクアルが新開発したという時空シールダー。これもっと早く開発していたら、ネオデスカルを待つことなく話は終わってたな。
 突然意味もなく踊り始めるゴルド。
 ネオデスカルの基地には何故か漢字で「火薬庫」と書かれた部屋がある。ネオデスカルって日本語使ってるのか?>
VOL.7
<A> <楽>
第24話 第四の将軍 監督:米田興弘
脚本:林 民夫
 かつての歴史で宇宙海賊が12個のコスモカプセルを集めたというXデーが刻一刻と迫っていた。そしてその前に100万年に一度開くという地下の扉から第4の将軍サンダーラが姿を現す。
 
雷将軍サンダーラが登場。雷の属性を持つ将軍で、古い時代に地球にやってきたビオード星人の子孫。そもそもかつての歴史では出現時にブレアードと出会って恋に落ち、その結果ネオデスカルを担う海賊達が出てくるはずだったが…
 物語のキー・ポイントとなる話で、本来ブレアードとくっつくはずのサンダーラが惚れてしまったのが拓人になってしまった。かなり妙な話になってしまった。このままでは歴史は変わってしまうことになるが、それは本来セイザーXが求めていたことだったはず。しかしここに恋愛感情が入り込むことで、話は随分とややこしいことに…本当にまとまるのか?
 なるほど、この話をしたかったからブレアードと拓人の関係をこんな風にした訳か。使命とか自分の欲望とかじゃなく、恋敵としてねえ。特撮では結構珍しい話なんだけど、色々ネタを考えていたって事ね。それにしても事情が分からないとは言え、歴史の分岐点であっさりサンダーラを振ってしまう拓人の性格もなかなか素敵だ。
<サンダーラは微妙な訛りがあるが、訛りとしてはちょっとおかしい。何でも語尾に「〜だ」を付ければ良いって訳じゃない。
 ガレイドの食事係を巡ってアクアルとグローザーの女の戦いが描かれる。アクアルっていつの間にかガレイドを想うようになったのね。これ後で何らかの影響があるのか?で、ガレイドが食ってるのがサイクリードの作った豚の丸焼きだった。>
第25話 変わり始めた歴史 監督:米田興弘
脚本:林 民夫
 拓人にすっかり惚れ込んでしまったサンダーラは一緒に暮らしてくれるなら最後のコスモカプセルの在処を教えるという。覚悟を決め待ち合わせ場所に向かった拓人だったが、その嘘をサンダーラは見抜いていた。
 敵は
雷神ゴード。雷一族が暮らす地下の扉の守護神。その強さは圧倒的で、グレートライオ、シャークリーガー、ドリルアングラーの三体が束になって全く通用せず。拓人の本当の気持ちを知ったサンダーラが湖に返した。
 久々の巨大戦で、なんと四体ものロボットが登場。ごちゃごちゃに絡み合った戦いになってるが、更にここに戦艦からの援護射撃が加わり、戦いは極端に派手になってる。
 しかし、その一方でサンダーラが戦いを冷ややかに見ていて、戦うことで何にも生み出さないことを口にしてる。この辺りが大変バランス取れているところだ。
 又、最後のコスモカプセル・マンティス11の出現や、ブレアードの子孫であったグローザの消滅など、物語のターニング・ポイントとしては上手くできている。
<ゴードの出現シーンは完全に『大魔神怒る』
 ガレイドの単純さはここにも現れてる。目的以前に目の前の敵を倒すことしか考えてないらしいらしい。こんなのがよくリーダーになれたな。
 前回ガレイドに媚びていたアクアルは今回ガレイドを殺そうとしてた。要するに自分が権力を欲しかっただけか。>
第26話 レミーの涙、G2の心 監督:舞原賢三
脚本:河田秀二
 Xデーまで後一日。焦ったガレイドは偽のコスモカプセルをセイザーXに転送させ、カプセイザーG2を故障させてしまった。コスモカプセルを取り出すことの出来ないセイザーXに対し猛攻をかけるネオデスカルだったが…
 ネオデスカルはついに
ガレイド本人も戦いに参加。三体に分離して同時攻撃を行っている。
 中盤の山場。コスモカプセルを巡る争いが表面化。偽のコスモカプセルを収納したG2が故障してしまった。そのG2が今回の主役とも言えるが、ほぼ全般にわたってガレイドとの戦いが延々と描かれるだけとも言える。
 同時にシャークとジャッカルの因縁の戦いもついに決着。二人はお互いを信頼していた。だからこそ裏切りが許せなかったという。
 あれだけ好戦的だったブレアードがシャークとジャッカルの戦いを必死で止めさせようとしているのも特徴的。
 ツッコミどころのない話だった。
第27話 Xデー・戦いの果て 監督:舞原賢三
脚本:河田秀二
 ついにXデー当日がやってきた。歴史が変わることを恐れたネオデスカルは大船団を現代に送り込もうとする。それを防ぐため、未来のトビーはワームホールそのものを閉じてしまうのだが、旗艦一艦のみが現代へ送り込まれてしまった…
 敵はロボット形態となった
未来暴艦ガレオキング。戦艦ガレオローグが変形したものだが、強力な圧縮で装甲は更に増しており、流星神の攻撃も全く受け付けない。ただ、操縦する肝心のガレイドが慣れていないため、パワーで押しつぶすだけしかしてなかった。ガレイド自身は新しくやってきたネオデスカルその人に粛正されてしまう。
 第二部の最終回。ガレイド率いるネオデスカルとの決着が付き、されにシャークとジャッカルの因縁の対決もジャッカルの死で終わる。
 ネオデスカル編になってからロボット戦は控えめだったが、今回はいよいよ総力戦で、出し惜しみ無くロボットが出てきている。ここのところ何かの研究に没頭していた宗二郎が作っていたのはなんとコアキャリバーで、これによって三体の流星神が同時に出撃出来るようになった。
<ツッコミという訳ではないが、シャークのライバルとして華々しく登場したジャッカルは何もすることなく退場してしまう。存在感薄かったな。>
VOL.8
<A> <楽>
第28話 侵入!新たなる戦力?』 監督:舞原賢三
脚本:林 民夫
 ワームホールに飲み込まれてしまったアドルイーグルに必死に呼びかける拓人達。そんな彼らの前に突然現れたのはネオデスカルの戦艦に潜入してやってきたゴルドの妻パトラだった。通信だけはなんとか回復し、救出作戦が始まる。一方、新たに現代にやってきたネオデスカルはサイクリードとアクアルに忠誠を誓うが、それを面白くないブレアードは又安藤家にやってきてしまった。
 敵は
ゴードス。ネオデスカルの新しい戦士で水の属性持ち素早い移動が可能。シャーククラッシュによって倒された。
 第三部の開始の話。ゴルドの妻というパトラが登場。強烈なキャラクタで、好戦的で声も大きい。旦那であるゴルドやシャークを含めて周囲の人間はみんな引きまくってた。隠密行動を得意と本人は言っていたが、その割には目立ちすぎ。
 そんで何故かブレアードまでもがやってきたが、パトラと妙に仲良くなったようだ。
 同時に拓人の成長も描かれていく。前と較べ、チームワークが取れるようになった分、昔の闇雲さが無くなっていて、それをブレアードに指摘されて悩んでる。
 話自体はコメディ調で展開するが、最終章の始まりだけに色々盛りだくさんで、戦闘も盛り上がってる。バランスは大変良い話に仕上がってた。
<拓人が変わったと嘆いているブレアードだったが、前回とのジャッカルとの関わりを見れば分かるとおり、彼自身が随分変わっている。今回だってデスカルを説得しようと言うのはブレアード自身のアイディアだった。
 パトラのバトルスーツは黄色の体操着…これってやっぱり『燃えよ!ドラゴン』(1973)か?>
第29話 異空間からの脱出 監督:市野龍一
脚本:林 民夫
 アドとゴルドの救出作戦は展開中。コスモカプセル同士を共鳴させ、アドルイーグルを通常空間に引っ張り出そうとし、セイザーXとブレアードは宇宙へ向かう。一方、すっかり人が変わって攻撃的になったサイクリードはネオデスカルの恐獣ディロスを送り込んでくるのだった。
 敵は
未来恐獣ディロス。小型円盤が集結して合体した巨大円盤が変形して誕生する。恐獣って言うよりはロボットだな。
 前回ラストで人が変わってしまったサイクリードはネオデスカルの洗脳装置によるもの。なるほどだからこれまで気弱な性格を強調していた訳か。それに対し、これまで攻撃的だったアクアルが今度は引くようになってしまった。
 それ以外にもアドの性格が随分円くなったこととか、ネオデスカルの目的がコスモカプセルではなかったとか、設定的にもいくつか展開して行ってる。
 ようやくロボット同士の戦いも本格化してきた感じ。
<奥さんのパトラの呼びかけに応じ、ゴルドは…「私、帰りたくありません」とか言ってた。よっぽど怖いんだろうな。
 シャークが前面に出て戦えるようになったことをレミーは笑顔で「ジャッカルという足枷があったから」と言ってた。このキャラ、死んでも報われないんだな。>
第30話 受け継がれる想い 監督:市野龍一
脚本:瀧田哲郎
 無事アドルイーグルを異空間から救出する事に成功したが、セイザーXも大きなダメージを受けてしまった。シャーク隊長はセイザーXの面々に特別任務を与えるのだが、なんとそれは旅館で働くことだった…
 敵は
グルナーダ。火の属性を持つネオデスカル親衛隊。大きな甲羅を持つ亀のような姿をしており、シャークセイザーとも互角以上に戦っている。確か火の属性は水の属性に弱いはずだけど、あんまり関係ないのか?背中の甲羅はほとんどの攻撃をはじき返す。
 突然話は旅館が舞台。息抜きに近い話だったが(温泉のサービスもあり)、物語はちゃんと進行しているし、かなり激しい戦いもあり。バランスの良く取れた話だった。
 サイクリードの過激化によってアクアルまでもが居場所を無くしてしまった。温泉場にやってきたのをてっきり飯食いに来たのだと勘違いした拓人とブレアードにからかわれてる。
<冒頭トビーは時空の彼方から、パトラがこの時空にやってきていることを告げるのだが、いつものように一生懸命騙そうとしてるけど、聞いてるのはカプセイザーG2だけだった。結構可哀想。
 どこにでも現れるブレアードは温泉場にまで出てくる。サンダーラの声だと思ったらアクアルで、「まさか…り担いだ金太郎」と…
 温泉場に現れたシャークは海の中から、しかも空中に浮かんで登場。性格は渋いくせにやってることは派手すぎ。>
第31話 対決!ブレアードVSサイクリード 監督:池田敏春
脚本:瀧田哲郎
 サイクリードの作り出した合体恐獣レイミラードが複数の場所に現れた。分散して出撃するセイザーXだが、サイクリードと融合したレイミラードは素早い動きを見せ、グレートライオを苦しめるのだった。そんな拓人をサポートするブレアードだったが…
 敵は
合体恐獣レイミラード。これまで倒した宇宙恐獣のレイザース、ウィンミラー、バードレスの三体の恐獣をがったいさせた恐獣。更にサイクリード自らがシンクロすることで恐獣とは思えないほどのスピードも有する。最後はドリルアングラーを含めた四体の攻撃で撃破。
 サイクリードとブレアードの関係が描かれる話。古い仲間と新しい仲間の間で悩むブレアードが主役とも言える話で、なかなか興味深い。いつの間にやらブレアードも本当に仲間になってるよ。
 全ての戦いが巨大戦のため、非情に見応えのある話に仕上がっていた。
<ブレアードはサイクリードを称して「発明オタク」と断言。彼なりにサイクリードを思っての事だが、あんまり嬉しくなかろう。
 戦艦のダメージにより変形出来るのはグレートライオのみという。前半あれだけ散々やられていて一番ダメージ大きそうなんだけどね。>
VOL.9
<A> <楽>
第32話 激闘!トリプル・コアブレイバー 監督:池田敏春
脚本:河田秀二
 シャーク隊長の命令でセイザーXの面々はアルバイトを始める。一方サイクリードは究極の怪人アルティメットを完成させていた。相手の属性を吸い取って属性を変化させるアルティメットに苦戦するセイザーXだが…
 敵は
アルティメット。無属性だが、相手から属性のエネルギーを吸い取ることで属性を変化させる。その際、頭部の色が変化するのが特徴。だが、属性を変えられると言うことは弱点も変化すると言うことで、火属性になったところをシャークに倒されてしまった。それとメカ巨獣メガリオン。両手にドリル背中に電ノコを装着したメカ巨獣で月のダークアルマを守っていた。三体のコアキャリバーのコアバスターによって倒される。
 敵が出てきて倒す。というパターンではあるのだが、流石に後半になってきて、話の切実度が上がってる。謎も数多い。
 セイザーXの面々がそれぞれ固有の戦艦ロボに搭乗せず、コアブレイバーで戦っているのも特徴だろう。
 久々にパトラが登場。勝手にライオキャリアーを動かして月の異変を調べに行った。それを観たブレアードは拓人に対し「見習え」と…
 そう言えば今回妙に拓人の勘が鋭いようだ。ストーリーがシリアスになったので、それに対応したか。
<冒頭アルバイトをする面々が描かれるのだが、レミーはハンバーガーショップ。客がちゃんと「モ○バーガー」と名前まで言ってるけど良いのか?
 月に行った時の描写は重力も考えられていて、なかなか描写力も良いんだが、真空中で喋ってるのは?>
第33話 信じあう仲間 監督:米田興弘
脚本:河田秀二
 未来が変わり始めた兆候としてコスモカプセルが意志を持ち始めた。戦い以外に自分に出来ることはないかと考えた拓人は三将軍に宇宙に帰ってもらうことは出来ないかと考え、ブレアードと共にアクアルの説得を開始するのだが、そのアクアルをサイクリードが攻撃してくる。
 話はいよいよクライマックスに向けて疾走中。サイクリードの変貌とダークアルマーの完成が目前となり、話自体が盛り上がっているが、それは決して戦うだけじゃない。人間的な言葉による説得も含まれている。仲間を大切にする気持ちと使命の両天秤。これは味方だけでなく敵のデスカルも同じ。この辺が面白いな。
 前回から拓人は色々考えるようになったようだが、三将軍を宇宙に帰そうと考えてきたあたり、本当に成長しているようだ。でも挑発を受けるとすぐに熱くなるのは相変わらずだけど。
 で、とうとうネオデスカル本人が戦いに参戦。とりあえず出てきただけだけど。
<考え事をしてる拓人を「変」と断定するレミー。本当に即答だった。
 サイクリードとライオセイザーの戦いは高速の中で行われるが、やってることはどつき漫才っぽい。
 そう言えばサイクリードやアクアルはコウモリになって消える事がなくなったな。今更だけど。>
第34話 12個集結?コスモカプセル 監督:米田興弘
脚本:河田秀二
 アクアルを説得しようとして逆にネオデスカルに捕まってしまった拓人とブレアード。アクアルの機転とシャーク隊長の命令に逆らったセイザーXの助けにより救われる。アクアルの情報を信じ、サイクリードの企みを暴こうとするセイザーXの面々であったが…
 もはや新しい敵は出てこず、ネオデスカルやバレーダ、アクアルとの直接対決となる。バレーダ、ネオデスカル共に風の属性を持つことがここで分かる。二人とも無茶苦茶な強さで、セイザーXでは全く歯が立たないが、連携でようやく互角以下と言った所。
 ネオデスカルの狙いがここで発覚。ダークアルマーによって地球を闇に包めば、コスモカプセルが無くても未来は変わらないという。ネオデスカルにとってはサイクリードさえ生きていれば後はどうでも良いらしいこともはっきりした。
 シャーク隊長の過去がここで明らかに。実はシャークは宇宙海賊とのハーフであり、もしコスモカプセルを消してしまえば、シャークも消えてしまうと言う。
 燃える展開ではあるが、ツッコミ所のない話だった。
第35話 明かされるレミーの過去 監督:市野龍一
脚本:林 民夫
 シャークが宇宙海賊の末裔であることを聞かされたセイザーXの面々は、コスモカプセルの消滅がシャークの消滅につながるという事実に、自分まで消えてしまうのではないか?と心配したレミーだったが…
 敵は
ディバイダー。風属性を持つネオデスカルの近衛部隊。高速で動き、分身しながら多数で相手に襲い掛かってくる。
 話もいよいよ佳境へと入ってきた。戦いの描写などはいつも通りの話であるにせよ、その中でレミーの過去と宿命やシャークとの関わり。そしてデスカル三将軍それぞれの思いなど、様々なものを詰め込んでいる。
 ついにレミーの過去が明かされる。レミーは実は1960年にいた女の子で、不治の病を治すため、シャークが未来に連れて行ったのだという。結局シャークはレミーを救うためにこそ活動していたと言うことが分かる。何故シャークは過去地球に来た時にコスモカプセルを消す代わりに未来に帰って行ったのか。結局それはレミーのために他ならなかった訳だ。
 細かいことだが、セイザーXの面々が全員宇宙海賊の血を引いてなかったのは、これが原因だったと言うことも発覚する。
 その一方でとうとうデスカル三将軍が全員安藤家に居候することに。考えてみれば凄い家だよな。こちらはこちらで真剣なはずなのだが、妙に全員ずれたところがあるので、話の展開が遅いのが問題か。
<シャークの過去を知ったブレアードは「くそう。宇宙海賊さえ来なければ」などと発言してた。>
VOL.10
<A> <楽>
第36話 闇の侵蝕、ダークアルマー 監督:市野龍一
脚本:林 民夫
 ネオデスカルはついにダークアルマーを完成させ、地球を闇に覆おうとする。ダークアルマーのエネルギーを呼び寄せる恐獣ダークゲランが地球を襲う。セイザーXの攻撃が全く効かないダークゲランに対し、アドが選んだ方法とは…
 敵は
暗黒恐獣ダークゲラン。ネオデアークに搭載されており、ダークアルマーが発生させた闇を呼び寄せる到着地点遠距離、近距離どちらに対しても絶大な力を持つ隙がない最強の恐獣。その他、前に出てきたメガリオンが大挙して登場している。
 ここから最後の戦いが開始。充分に時間を取っている強味で、セイザーXの変身シーンやロボット変形など全て時間をかけて行われている。その溜めが盛り上がりを演出しているし、巨大ロボット同士の戦いも見栄えする。なるだけ巨大ロボットを出さないようにしていた部分も良い溜めになってる。勿論特攻もあり。特にバトルシーンに関しては最高の出来である。そして最高に盛り上がった所で「続く」となる演出も心憎い。
 セイザーX側のみならず、デスカルの三人の部分のドラマもあり。サイクリードも元に戻り、セイザーXの味方として登場。格好良い!
 拓人はアドに、アドは拓人に影響され、戦い方が似てきている。みんながみんな、どこか似ている存在になっていく。これも上手い方法だが、最終的には拓人とブレアードは本質的に全く変わらないというのも面白い。
<一旦宇宙に出たライオキャリアーが地球に戻ってくる際、大気圏突入もせず、単に落下してくるだけ…これは当たり前すぎてツッコミ部分ではないか?
 パトラは何故かアドルイーグルではなく、ライオキャリアーに乗ってた。話としてはそれでいいんだけど、ゴルドの奥さんだろ?
 三将軍が揃った時、アクアルは「敵だった奴らのために戦うなんて、格好良いわね私たち」と発言。いや、それはその通りなんだけど、言っちゃいけない台詞だよ…しっかりその後で「格好悪いわね私たち」とフォローも入ってるけど。>
第37話 拓人、闇の中へ 監督:市野龍一
脚本:林 民夫
 コスモカプセル・ライオン1を取り戻すべく拓人はネオデスカル艦に特攻をかける拓人。一方、地上ではダークゲランとの戦いが激化していた。
 敵は前回に続き
暗黒恐獣ダークゲラン。セイザーXの連係攻撃により一旦は滅んだが、ネオデスカルと融合を果たして更に巨大になって復活する。そしてブラックライオ。ダークゲランに取り込まれたネオデスカルがライオン1のコスモカプセルを用いて実体化した姿で、その名の通りライオセイザーの黒バージョン。
 ネオデスカル、ダークゲランという最強の敵との戦いが描かれる話だが、そのキーとなるライオン1はレミーが躊躇する内にネオデスカルのものになってしまった。
 特撮部分も相変わらず力が入っており、特に更に巨大化したダークゲランは、CG使えるようになって初めて可能になった描写でもある。全てのロボットが集結して強大な敵と戦うのは、アニメ的ではあるが、やっぱり燃えるよ。そして一体一体徐々に戦力がそがれていく中、最後の戦いが展開するって設定もね。
 実はコスモカプセルの消滅は、セイザーXだけでなくネオデスカルの願いでもあった。ただ、手段は同じでも結果は違う。争いのない世界ではなく、争いつつも、融和を目指す世界を拓人は望む。やっぱり格好良いね。
<ダークゲランの中に特攻をかけようとする拓人に対し、唯一ブレアードだけ「行け」と励ますが、その後、「帰ってくるな」とも。相変わらず外さないキャラだ。
 しかし、考えてみると、ネオデスカルの目的って実は人類補完計画なんじゃなかろうか?>
第38話 友情は時空を越えて… 監督:市野龍一
脚本:林 民夫
 ダークゲランを倒すには内と外から同時攻撃を行わねばならない。その事を伝えるため、セイザーXの面々はダークゲランの体内に向かう。そのダークゲランの中ではブラックライオとなったネオデスカルとライオセイザーの死闘が続いていた。
 敵は
暗黒恐獣ダークゲランブラックライオ。ネオデスカル自身は既に実体を捨てているので、例えブラックライオを倒してもダークゲランが消滅するまでは死ぬことはない。
 いよいよ最終回。燃える展開は前半までで、後半は彼らのその後が描かれる。
 タイムリミットに到るまで、これまで散々攻撃していたダークゲランが全く何もしてないとかちょっと危機の演出は少ないとかの問題はあるものの、前半の出来はやっぱり燃える。
 そもそもセイザーXはコスモカプセルの消失を願っていたのだが、その願いは叶えられることなく、セイザーXの面々一人一人にコスモカプセルが手渡される。なんとデスカルの面々にまで渡されているのだが、シャークの言葉によれば、実はコスモカプセルの方が彼らを捜していたのだという。
 結局12個のコスモカプセルはそれぞれ、ライオン1が拓人、イーグル2がアド、ビートル3がケイン、シャーク4がレミー、ウルフ5がパトラ、スワン6がサイクリード、スタックビートル7がブレアード、スピアフィッシュ8がアイン、オックス9がツバイン、ピジョン10がアクアル、マンティス11がゴルド、ホエール12が由衣のものとなった。
<コアブレイバー内で変身するアドとケイン。何故か同じポーズをブレアードまでやってた。やっぱり外さないキャラだな。
 自分を「正義」と言ってはばからないブレアード。「いつからだよ?」という質問に、「最初からだ」と断言。
 結局この作品のツッコミ部分はほとんど全てブレアードが負っていて、しかも作り手の狙いそのまま受け取るしかなかった。隙のない話だよ。>