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人造人間キカイダー

人造人間キカイダー事典
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 1972'7'8〜1973'5'5

 「仮面ライダー」のヒットにより、NET(現TV朝日)が何と土曜の八時台に投入した特撮番組。当時土八と言えば「8時だよ全員集合」というお化け番組があり、その裏番組として、些か…どころか圧倒的な不利な状況にありながら、10%前後の視聴率をキープしていたと言う、これだけでも本作がどれだけ受け入れられたのかが分かる。
 尚本作のキカイダーのスーツアクターは後の東映特撮の顔となる大場健二が担当している。
 ちなみに、本作はアメリカにも輸出されたが、不思議な事にハワイのみで大ヒットを記録。特にハワイでのヒットは当時のテレビの記録を塗り替えるほどだったという(2002年に4月12日を「ジェネレーション・キカイダー・デイ」に制定)。

主な登場人物
ジロー
キカイダー
(役)伴大介。東映特撮では馴染みの人物で、主人公役が多かった。
 キカイダーに変身する青年…というか、キカイダーの人間体。常に危機に陥ったミツコとマサルの前にギターを奏でながら現れ、ダークロボットと戦う。
光明寺信彦 (役)伊豆肇。映画を中心に活躍した俳優。特撮では博士役が多かった。
 ロボット工学の碩学。かつて自身の思いを込めて意志を持つロボットを作り続ける。その最高峰として両親回路を持つキカイダーを作り上げたが、助手であるプロフェッサー・ギルに全てを奪われ、本人は記憶を失って彷徨う。毎回某かの職業に就いていることから、多方面における天才であることは確か。
光明寺ミツコ (役)水の江じゅん。
 光明寺博士の娘。行方不明となった父を捜し続けている。彼女自身が機械に精通しており、簡単なキカイダーの修理は出来る。
光明寺マサル (役)神谷政浩。
 光明寺家次男。ミツ子と共に博士を探す旅に出る。
服部半平 (役)植田峻。舞台劇を中心にした役者。脇役として現代劇から時代劇まで出演作も多い。
 愛称ハンペン。自称“名探偵”。服部半蔵の16代目の子孫だそうで、事件と見ると首を突っ込んでくる。かなりのお調子者で、保身のためにはキカイダーを平気で裏切ったりもするが、根は良い奴。東映特撮では珍しく最後までキカイダーにつきあったバイプレイヤー。
プロフェッサー・ギル (役)安藤三男。東映の名物悪役で、数多くの作品に悪役として登場。
 元は光明寺博士の友人で共に人造人間の開発にいそしんでいた。やがて自分の作った機械で世界征服を行うという野望を抱き、邪魔となる光明寺を排除する。手にした杖はキカイダーの両親回路を狂わす笛でもある。
サブロー
ハカイダー
(役)真山譲次。岡譲司の息子。
 キカイダーを倒すべくプロフェッサー・ギルによって作られた最強のサイボーグ。頭に光明寺博士の脳を収納しているが、これはキカイダーに対する人質のようなもので、意志は別個のもの。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 恐怖のグレイサイキングは地獄の使者

  脚本:伊上 勝
  監督:北村秀敏
 秘密結社ダークのプロフェッサー・ギルにさらわれた光明寺博士と娘ミツ子は秘かにダークロボットに対抗する人造人間キカイダーを作り上げた。だが光明寺博士が最後の調整をする前に基地は爆破され、ジローはミツ子一人を助けて脱出する。更にダークはグレイサイキングに命じもう一人の孫マサルをさらい、ジローをおびき寄せるのだった。
 敵はグレイサイキング。灰色をしたサイ型のダークロボットで、時速200キロで走る事が出来、ダークロボット最強の力を持つという。角がドリルとなり、突進して攻撃するが、かわされるとそのまま突進してしまう弱点を持つ。
 一話目からほとんどフォーマット状態。最初からダム破壊を敢行しようとするグレイサイキングと、突然ギターを奏でて登場するジロー。一話目である必然性が全然無いという話である。その分安心してみていられるのは事実だし、見所も多い。サイドマシンによるバイクアクションもしっかり描写されている。
 最初からジローはギルの奏でる笛の音に苦しむ所もちゃんと描写されている。
<最初にダーク破壊部隊の面々が自己紹介するシーンがあるが、何体か名前が違っているのがいる。レッドスネークとかスカーレットドッグなんて、全く忘れられてる。
 グレイサイキングが体当たりすると、ダムの職員は粉々に砕け散る。おいおい。そいつ人間だろ?
 ダムの上からダイビングするジローに対し、「人間がオレサマに敵うはずはない」と言って突進するグレイサイキング。いや、人間だったらそこから落ちた時点で死んでます。
 戦闘員と戦ってる時点でギターを捨てていたジローだが、直後グレイサイキングに突進された後でもちゃんと奏でてる…実際はキカイダーになってるから、体内に音源が内蔵されてるのかな?
 時速200キロで走れるというグレイサイキングはキカイダーのサイドマシンを追いかけるが、両手を下に下げ、ドリフのヒゲダンスのような姿で走ってる…これはこれで怖いけど。
 光明寺博士はジローが完成したとかぶせてある布を外すのだが、そこには硬直した笑みを浮かべたジローが…マネキンかと思った。怖いよ。
 完成した人造人間の数々を自慢気に呼びかけるギル。だけどそのシルエットは全部着ぐるみでは不可能なものばかり。
 光明寺博士に化けたグレイサイキングに抱きつくマサルは、それに抱きつくと、「お父さんの匂いじゃない」。なんか凄く鼻が利くんだね。
 大車輪投げを食らったグレイサイキングは頭から地面にぶつかるけど、鼻の角がぐにゃっと曲がってる。これって硬いんじゃないの?
 グレイサイキングの罠にはまり、吊り橋から落ちたジローはキカイダーに変身。最初の変身ポーズだが、いくら何でもそんなにのんびり変身してたら確実に地面に叩きつけられてるよ。
 グレイサイキングは都合2回崖から落とされてるけど、中の人は大変だっただろうな。
 ところでミツ子とマサルを放っておいて一人サイドマシンで立ち去るジローだが、折角のサイドカーなんだから、二人を送ってやれよ。ダークの残党が残ってたらどうする気だったんだ?>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 怪奇グリーンマンティスは殺人鬼

  脚本:伊上 勝
  監督:畠山豊彦
 プロフェッサー・ギルによりキカイダー抹殺の命を受けたグリーンマンティスは、次々と姿を変えてジローを襲い、更には光明寺博士に化けて博士を殺人者に仕立て上げようとする。一方ジローも又、ギルの笛の音によって苦しめられる…
 敵はグリーンマンティス。緑色のカマキリのアンドロイドで、両手の鎌で攻撃する。様々な人間に化ける事が出来、光明寺に化けて人殺しを続ける。鎌部分を鞭のように使う「奥の手」も使う。
 光明寺博士に化けた敵が人殺しをするのみならず、キカイダー自身も破壊衝動が抑えられなくなると言う、早くも直接攻撃ではなく、精神攻撃が主体となった話で、石ノ森章太郎のテイストが良く出ている。「仮面ライダー」では抑え気味だった分、個性を持たせるためだろう…まあ、だから子供時代は途中で観るのが辛くなってしまったんだけど。
 一方、それを緩和するためかハンペンこと服部半平も登場。とぼけた雰囲気で楽しませてもらってる。
 キカイダーには「両親回路」なるものが取り付けてある事がここで
 キカイダー役の伴大介はこれが主役デビューだが、実に良く動く。トランポリンアクションを披露したり、実際に車のボンネットにしがみついたり。
<石神博士は光明寺博士が5年前に行方不明になったと言ってたけど、前回マサルは一月前に渡米して行方不明になったと言ってなかった?
 ダークの車のナンバーは「品川ヘ99−99」。分かりやすいナンバーだね…と思ったら、ちゃんと物語に絡んできた。
 命を救うという名目はあるものの、人の家の居間でやりたい放題戦うキカイダーとグリーンマンティス。そう言えばキカイダーは天井から逆さにぶら下がっていたのに、次の瞬間には普通に組み合ってたぞ。
 今回もミツ子とマサルを放り出してサイドマシーンで逃げるジロー。どうせ来週は一緒に行動するんだから一緒にいればいいのに。あ、そう言えば再度マシーンと言えば、キカイダー状態ではサイドカーが右側にあるのだが、ジロー状態では左側にあるんだな。>
第3話 呪いオレンジアントの死の挑戦

  脚本:伊上 勝
  監督:北村秀敏
 伊東市に現れたオレンジアントは灯台を初めとして次々と破壊活動を続ける。それを察知したジローは町の人を救い出す。だがオレンジアントは今度はキカイダー自身を狙ってくるのだった。
 敵はオレンジアント。アリ型のアンドロイド。自称「ダーク破壊部隊一の暴れ者」。溶解液を吐いて攻撃する。伊東市をダークの支配下に置こうとする。戦いの際はお尻を振るのがお茶目と言えばお茶目。叫び声は「ぶるるるるるる」。
 今回もハンペンが登場。偶然伊東市にいるってのは出来過ぎだが、東映特撮ものだから当然か。当然タイアップ企画で画面のあちこちに「HOTEL暖香園」が出てくる。
 色々と設定ばらしが出てくる。
 キカイダーの食事シーンの描写あり。胸を開いてエネルギーチューブを装着するだけだが、皮膚部分はぺろっと剥けたりする。又、キカイダーの良心回路の話も言及。ダークの笛に苦しむのはこの良心回路のため。笛で悪の心を受け付けられそうになるのを必死で抑えるため。苦しむ代わりに悪に屈しないという事になる。そしてその良心回路を完全にするための回路があるのだが、ジローは頑なにそれを拒んでいる。
 アンドロイドマンのかけ声が出てきたが、「ダーク、ダーク」というかけ声は「デッデッ」「ダッダッ」とも聞こえ、今ひとつかけ声としては良くない感じ。
<最初に素潜りを楽しむジローの姿があったが、機械のくせに水に浮くのか?
 死亡フラグと呼ばれる中に、「こんな所にいられるか。オレはイヤだ。と言って逃げる奴は真っ先に死ぬってのがあるが、まさにそれを地でやってたわけだ。
 アンドロイドマンに囲まれたハンペンはマネキンの振りして逃げようとした癖にくしゃみをして存在をばらす。その後ステッキを口にくわえたまま普通に喋ってる。
 自分の体をミツ子には見てもらいたくない。というジロー。先ほどの食事シーンで思い切り見せつけてたんじゃないの?
 ジローの名前の由来は光明寺博士の実の息子太郎の生まれ変わりと思っての事。強い正義感と平和を愛した意思を継いでもらうためだったと言うが、後に登場した01はどうなるの?
 マサルを連れて海小屋に避難したキカイダーの前に現れるのはやっぱりハンペン。「ただいま参上」とか言ってるけど、たまたまいたとしか思えない。>
第4話 悪魔のブルーバッファローが罠をはる

  脚本:伊上 勝
  監督:北村秀敏
 ダークは世界各地のバイヤーを集め、ブルーバッファローのデモンストレーションを行った。一方、ダークのプログラマーである戸川ユキコが子供の交通事故のニュースを聞いて脱走し、ダークの配下に追われ、ジローはそれを助けようとするのだが…
 敵はブルーバッファロー。野牛型のアンドロイド。ダークの人造人間デモンストレーションに用いられ、某国に50万ドルで落札されるが、たまたまその時に脱走した女性を捕まえるために投入される。
 ダークの資金源は戦闘アンドロイドを各国に売る事で得ている事が分かった。一国が強力なアンドロイドを持つと、周りの国も持たざるを得ないという、まさに冷戦構造そのものが目的。
 ハンペンが出ずっぱり。すっかりジローもハンペンを頼りにしてるみたい。調子いい性格してるけど、他に知り合いもいないしね。裏切られても仕方ないってのが前提みたい。それでも彼のドジのお陰で危うい所を脱するなど、それなりに伏線も張られてる。
 前半は今回も伊東市でのロケで暖香園が舞台。後半は東京に帰る事になるが、今回もやっぱりハンペンは酷い目に遭う。そう言う運命か。
 今気が付いたけど、サイドカーは普通のバイクと違い安定してる分様々なアクションに使いやすい。
<光明寺のボートに爆弾を仕掛けるアンドロイドマン。導火線式で火を付けてる。海に放り込めば火は消えそうなものなんだけど、全くその様子はなく、それどころか爆弾抱えて海に飛び込んだら爆発してる。よほど高性能な導火線を使ってるのだな。
 デモンストレーションしたブルーバッファローは競りにかけられるが、その結果50万ドルで落札。今にすると5千万円か。車程度の値段なんだな。
 愛車スバル360がパンクを起こしたハンペンは伊賀流忍術吸入の術でパンクを直す…吸入したらパンクは酷くなるんじゃないのか?
 戸川ユキコの娘は重体というニュースが流れるのだが、腕をギプスで吊られている他は元気いっぱい。この程度でニュースになるのか。
 ブルーバッファローは「バッファローホーン」なる必殺技を持っている。これは角が爆弾になっていて、それを投げつけるという技だが、いくら外しても角はそのまんま頭にくっついてる。中から生えてるんだろうか?それにしては頭の大きさよりも角が大きいんだけど。>
第5話 イエロージャガーの魔の手が迫る

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 ミツ子の友人で東京グリーン計画を推進する佐久間ミキをイエロージャガーが襲う。
 敵はイエロージャガー。豹型の人造人間で、東京グリーン化計画を邪魔しようとする。尻尾が火炎放射器になってる。テストをしていた死神ベルトでキカイダーを抹殺しようとする。
 自然破壊に対して自然共生都市を謳う人が狙われるという話し。この時代丁度公害が表立ってきていたから、時事ネタとして考える事が出来るだろう。
 キカイダーはギルの笛の音で単に苦しむだけでなく、その言う事を聞かねばならないという義務感と戦っている。それに負けてしまうと、ギルの言うように人間を襲うようになってしまう。
 ただ、物語自体はやや練り込みの甘さを感じるけど。
<ハンペンの愛車スバル360はよく故障するみたいだが、色が違ってるよ。で、「この私を舐めおって。それなら私が舐めてやる」とか言ってハンドルをぺろぺろなめてる。
 ダークの人造人間が触れると5秒後に爆発するという死神ベルトだが、キカイダーが触れて10秒以上経っても爆発してない。>
第6話 ブラックホースが死刑場でまつ

  脚本:伊上 勝
  監督:畠山豊彦
 観光バスを利用し、生体実験用の人間を次々とアジトに送り込むダーク。その式を執っていたのはブラックホースだった。その頃ダークに追われる記憶を失った光明寺博士は、ハンペンの探偵事務所に逃げ込んでいた…
 敵はブラックホース。馬型の人造人間で、観光バスを利用して人間を実験場に次々送り込む。巨大な蹄鉄を投げつけて攻撃する。叫び声は「ブヒヒヒヒーン」。
 いつものように計画を遂行するダークと、記憶を失って彷徨う光明寺博士の二つの話が展開し、初めてハンペンが役に立った。今回は特に様々な機会で活躍し、アンドロイドマンが変装した黒服男を倒してもみせてる。
<冒頭でドライブインを素通りする観光バス。それを見送ってる従業員がいるんだが、失踪した人間の事は通報したんだろうか?
 ブラックホースの俊足を表すためにハンペンの車と追いかけっこさせてるのだが、結構このシーンが長い。ブラックホースの中の人に対するいじめか?
 ハンペンの指に輝くダイヤの指輪を見たミツコは思わず「ありがとう半平さん」と口走る。本来報酬として受け取っていたダイヤをこれでハンペンは返さねばならなくなってしまった。なんという策士。
 光明寺博士は記憶を失っていることを知らされるミツコとマサル。その直後光明寺の名前入りで送られてきたバースデーカードを見て大はしゃぎ。君たち学習能力って持ってる?
 ダークの観光バスに乗せられたミツコとマサル。その直後をジローはサイドマシンで追うのだが、その時ギルの笛の音が。「しまった。ばれていたか」とか言ってるキカイダーだが、ばれないとでも思ってたのか?
 ギルの笛に苦しむジローはサイドマシンの上で頭を抱えている。右手を離しているのだが、アクセルをふかす音は聞こえてる。それでよく走れるもんだ。>
第7話 怪物ブルスコングが大暴れ

  脚本:伊上 勝
  監督:北村秀敏
 町を彷徨う光明寺博士は殺人犯と間違えられて警察に捕まえられてしまった。肝心の殺人犯ブルスコングはそんな光明寺を狙って警察を襲撃するのだった。
 敵はブルスコング。一応ゴリラなのだろうが、デザイン的にこどもが書いた落書きをそのまま立体化したような姿。体をばらばらにすることができ、気づかれないように敵に忍び寄ることが出来る。
 前回同様記憶を失って彷徨う光明寺博士と、それを取り巻くジローとダークの攻防が描かれる話。
 キカイダーは負傷した場合、自前で直すことが出来ず、修理工場はダークのものを使用しなければならない。根本的にヒーローとしてはかなり厳しい戦いが強いられることが分かる。
 修理中にブルスコングに襲われ絶体絶命の危機に陥ったキカイダーを救ったのは、ハンペンだった。ドジっぽく描かれているけど、この人色々役に立ってるな。今回金太郎腹掛けで通してるけど。
 今回からアンドロイドマンの叫び声はこれまでの「ダーク」から「ギル」に変わった。
<前回ハンペンの浴衣で逃げていた光明寺博士だが、今回は又スーツ姿になってる。
 ブルスコングは体をばらばらにして気づかれないように暗殺するのだが、その際でっかいトランクが三つも必要で、しかもアンドロイドマンが一々運び出している。これの方が遥かに目立つと思うぞ。
 ジローに支えられて歩く光明寺博士を見た少年は、「父さんと母さんを殺した犯人が逃げる」と呟く。父親はともかくなんで母が殺されたと思うんだろう?大体ダークに殺されたって最初に言ってただろう。
 ブルスコングの攻撃で右手を負傷したキカイダーだが、ダブルマシンはちゃんと運転できてる。
 ダークの山荘に忍び込み、ミツコの修理を受けるジロー。その際ミツコはジローの両手両足を鎖で縛っていた。動けないんだから、そこまでする必要ないんじゃない?
 キカイダーを捕まえるため首輪を投げつけるブルスコング。しかし投げつけているのに、首輪はしっかり首についたまま。>
第8話 カーマインスパイダーが不気味に笑う

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 全世界の人間を従わせるXR4号の開発を進めるダーク。そのためにはこどもの血が必要で、それに適合したぐみの木学園のケンイチ少年をカーマインスパイダーが執拗に狙う。
 敵はカーマインスパイダー。蜘蛛型の人造人間で、木からぶら下がって少年達を襲う。目が無く体中に蜘蛛の糸を垂れ下がらせていて、なかなかオリジナリティの強いデザイン。
 ダークの世界侵略と同時に姉弟の絆が描かれる話。悪の道に入ってしまった姉が弟の苦しむ姿を見て改心するという構成は良いけど、話自体はかなり単純。相変わらずダークの目的そのものが全く話に関わらない問題はあるが、ボーイスカウトのメッセージの説明なんかもあり。当時かなり流行してたな。
 カーマインスパイダーをサイドカーで引きずる姿もあり。かなり危険な特撮シーン。
<RX4号の開発のためには無気力な少年の血が必要。それに適合したケンイチ少年は、熱心に手旗信号の練習をしていた。これで無気力か?
 今回ハンペンは迷彩服姿で登場。ケンイチを守ることを依頼されるが、その際「私の助手のキカイダーがいます」と豪語。いつ助手になった?
 ケンイチ少年を襲うカーマインスパイダーの前に現れたジローはカーマインスパイダーとケンイチの名前もちゃんと知っている。
 木陰でミツコ達を見つめる光明寺博士。「あの子たちは見たことある」とか呟いてるが、決して近づこうとしない。
 ケンイチに聴診器を当てて、何かの毒物に冒されていると診察するユカ。聴診器で分かるものなのか?
 サイドカーに乗ったキカイダーにスパイダーネットを発射するカーマインスパイダー。だけどサイドカーにそのまま引きずられる結果に。どうなるか分かってそうなものだが。>
第9話 断末魔!妖鳥レッドコンドル

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 細菌兵器の開発のためレッドコンドルは天神村の住民を皆殺しにする。そんな村に偶然迷い込んでしまった光明寺博士はあっという間に捕らえられてしまう。更に父を捜すミツコとマサルもその標的となり…
 敵はレッドコンドル。空を飛べる人造人間で、細菌兵器の開発のため天神村を全滅させる。
 記憶喪失の光明寺博士の探索がメインとなる話。相変わらずダークの目的は中途半端なまま展開。生き残りの村人との交流が多少なり描かれてるが、やっぱり戦いがメインで展開。
<偶然のオンパレードはありがちとは言え、わざわざダークが全滅させた村に偶然全員が集結するというのは流石に無理があるぞ。
 ミツコとマサルを天神村に連れてきたハンペンは「金にならない仕事はしない」と宣言して二人を放置。ここまで来てくれたんだから、もうちょっとサービスしても良いと思うぞ。大体前に「金には関係ない」と言ってたけど。
 ダブルチョップによって右腕を切断されるレッドコンドル。その切り口を見るとTシャツが覗いてる。それで苦しんでたけど、後で羽根そのものが脱着可能であることが分かった。苦しむ必要なさそうだが?
 ジローが悪人だと思い込んだ少年は散弾銃をジローに浴びせかける。凄いこどもだ。それでジローは全くの無傷なのだが、服も切れてないよ。
 村人がアンドロイドマンであることを確かめるため、ジローは手からのこぎりの刃を出して殴る。それが本物の人間だったらどうなっていたんだろう?
 好奇心が強いハンペンはダークの秘密基地を見つけて、そのまんま入り込んで周りを物色。よく今まで生きてこられたものだ。
 ジローの背後を取ったレッドコンドルは「コンドルビームを食らわしてやる」と宣言しながら、殴ってばかりいる。折角のビーム兵器を全然有効活用してない。>
第10話 サソリブラウン人間爆発に狂う

  脚本:押川国秋
  監督:畠山豊彦
 ダーク破壊部隊のサソリブラウンの武器殺人高熱エネルギーを完璧なものとするため中堀高熱研究所を襲い中堀を誘拐する。高熱エネルギーの原料となるウラトリウム鉱のありかを聞き出そうとするが…
 敵はサソリブラウン。サソリ型の人造人間。尻尾から出す殺人高熱エネルギーは人間を一瞬にして消し炭のようにしてしまう。本人曰く「世界最強のアンドロイド」。他のアンドロイドと較べて一回り大きく、デザインがかなり良いのだが、その分中の人はさぞかし大変だろう。ちなみに1話の自己紹介ではサソリホワイトと名乗っていた。
 超兵器を開発した科学者を誘拐し、その兵器を得ようとする。「仮面ライダー」ライクな物語が展開。
 今回ハンペンはフェンシングを得物として持つ。それに合わせてか、中世貴族みたいな真っ赤な服装してる。
<サソリブラウンがぶち抜いた壁はぺらぺらに薄く、しかもセロテープの跡が。
 ハンペンに中堀家を守るように指定するジロー。で、アンドロイドマンに襲われているハンペンを救ったのもジロー。サソリブラウンを追っていったんじゃなかったっけ?
 カズコの持つペンダントは殺人高熱エネルギーの元となるウラトニウム鉱。ここまでの威力を持つ場合、放射能も相当だと思われるのだが、父はその事を何も言わなかったんだろうか?
 サソリブラウンが白竜谷に行くことが分かり、サイドマシンで追いかけるキカイダー。トラックの後ろから追い抜いて、「ここに来るのを待っていた」と叫ぶ。今来たばっかりだろ?>
第11話 ゴールドウルフが地獄に吠える

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 心理学者の田所博士の元へとやってきた一つの影。それは、光明寺博士を探しに来たゴールドウルフだった。だが光明寺によって作られ、不完全な良心回路を組み込まれたゴールドウルフは、光明寺を逃がそうとする。
 敵はゴールドウルフ。光明寺博士によって作られたロボットで、不完全な良心回路を持つ。ギルによって月光電池が組み込まれており、月の光に照らされた時のみダークの忠実な僕となる。
 キカイダーと同じく良心回路を持つロボットとの戦いが描かれる。キカイダーとしては、一番近い兄弟のような存在だが、それを破壊しなければならない苦悩が描かれるかなり重い内容の話。言ってしまえば、本当の兄弟を手にかけてしまったヒーローと言う事になるだろうか。
 ゴールドウルフがなまじ優しさを持つため、キカイダーの方も攻撃が出来ず、それが元で一方的に攻撃を食らうこととなってしまった。
 記憶を失い彷徨う光明寺博士は“記憶喪失症の権威”田所博士の元にやってくるが、それをどうやって知ったかは謎。それでゴールドウルフによって瀕死の重傷を負ってしまったジローをほぼ無意識で修理してしまうシーンあり。勿論ミツコには内緒のまま。偶然もここまでくるとたいしたものだ。
<今まで会ったことがなかったはずなのに、ちゃんとゴールドウルフの名前を知っているキカイダー。
 ダークロボットの部品はキカイダーと共通のものが多い。それはそうと、破壊されたロボットの部品をキカイダーにくっつけようというのはかなり無茶。
 満月の時だけギルの命令を聞くゴールドウルフ。こんな不完全すぎるロボットを放置しているダークって、相当問題ある組織に思えるぞ…まあ、だからキカイダーもこれまで破壊されずに済んでる訳だが。
 ギルの笛の音を聴かずに済んだジロー。それはゴールドウルフの左右フックによって耳が一時的に聞こえなくなったから…人間の言うところの耳が人造人間の耳なのか?>
VOL.2
<A> <楽>
第12話 残酷魔女シルバーキャット

  脚本:島津昇弌
  監督:北村秀敏
 ダークのアンドロイド性能を向上させるためプロフェッサー・ギルはシルバーキャットに命じて桜ヶ丘美術館に収納されているムンガの秘宝の奪取を命じる。丁度、光明寺博士の行方を捜すミツコ達も桜ヶ丘美術館にやってきていた。
 敵はシルバーキャット。ムンガの秘宝を奪うために派遣された。人間体は女性で、桜ヶ丘美術館の館長の娘に憑依して新しい身体を得た。
 アンドロイドを主体とする本作は怪奇的な演出は抑え気味なのだが、娘の影が怪物になっていて、暗転して変化したりと、今回は怪奇風味全開。
 ミツコとジローの会話で、良心回路を直せばジローは人間と同じになれると言う事が言われ、ミツコがその改造を出来るとされている。その申し出をジローが拒むのかは明らかにされてないが、不完全なロボットであっても、それが自分の個性であると言う事なのだろうか?
 今回もハンペンが大活躍。ヨウコに化けたシルバーキャットの正体を見破ったり、ムンガの秘宝を託されたり。全部偶然なんだけど。
<タイトルは「残酷魔女」なのだが、ナレーションでは「残酷の魔女」と言っている。どっちが正しいのだ?そもそも「魔女」と言っているが、シルバーキャット状態では男の声なんだが。
 シルバーキャットが人間の身体を借り、憑依するシーンがあるが、アンドロイドにそんな機能あるのか?
 シルバーキャット曰く「ダーク破壊部隊最強」だが、既に1話のグレイサイキング、10話のサソリブラウンが同じ事を言っている。多分“最強”とは自己申告なんだろう。
 キカイダーとの戦いで傷ついたシルバーキャットは脚を引きずりながら逃げていくが、アンドロイドマンはそんなシルバーキャットを見捨てて勝手に逃げてしまってる。>
第13話 ピンクタイガーの遊園地襲撃

  脚本:島津昇弌
  監督:畠山豊彦
 横浜ドリームランドにあるという光明寺博士の作ったジンベエという旧型ロボットを調査するように指令されたピンクタイガー。丁度そこには父の手がかりを求めジンベエに会いに来たミツコとマサル…
 敵はピンクタイガー。右手が外れ、銃を内蔵している。光明寺博士の設計した特殊回路の設計図を求めて旧型ロボットのジンベエを襲う。
 光明寺博士の遺産である旧型ロボットのジンベエを主軸に、特殊回路を巡る攻防が描かれる。
 ジンベエは“旧型”と呼ばれるだけあって、しゃべり方もたどたどしいが、これで義に篤く、最後の遺言で最も重要な特殊回路の設計図を手渡すなど、なかなか泣かせるキャラでなんかリリカルな感じにまとめてる。役は多々良純で、良い役やってる。
 今回ギルの笛の音をかき消したのはジェットコースターの駆動音。毎度苦労してるな。
 この話からアンドロイドマンのかけ声が「ダーク」から「ギル」へと変わっている。
<ピンクタイガーは黒とピンクのまだら模様なのだが、登場するのが主に暗い場所なので、ピンクに見えないのが難点。どっちかというと紫っぽい。
 いつもすれ違う光明寺博士とミツコ。目の前にいるのにお互いに気付かないのがなんとも。
 口から煙幕を吐いてキカイダーから逃げるピンクタイガーは「ざまを見ろ」とか勝ち誇ってる。逃げてる奴が言う台詞じゃないよな。>
第14話 大魔神ギンガメが三怪人を呼ぶ

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 ダーク破壊部隊の合同慰霊祭が行われ、これまでキカイダーに倒された13体のアンドロイドが復活した。自分の力を見せつけるため、10体のロボットを破壊したギンガメは、残った3体の再生怪人を率いてキカイダーに挑む。
 敵はギンガメ。ダーク新破壊部隊の第一号。硬い装甲を持ち、手足を引っ込めて飛行形態も取れる。ただし、転ぶと起き上がることが出来ない。そしてその配下となったグリーンマンティス、オレンジアント、ブラックホース。それぞれ光明寺博士、ミツ子、マサルに化けてジローを狙う。叫び声は無し。
 東映特撮の定番とも言える再生怪人の話。ギルによれば「3倍の力を持って」甦ったはずだが、やっぱり再生だけあってあっけなく倒されてしまった。わざわざ3倍とか言わない方が良かったんじゃないかな?結局ギンガメの力を試すためだけで終わってしまった。
 これもギルによればギンガメは「(再生怪人の)5倍の力を持つのだとか。これまでの15倍の力を持つと言う事になるが、別段パワーアップもしてないキカイダーにやられてしまうのが情けないというか。
 そしてやっぱり定番の偽物。光明寺博士、ミツ子、マサルに変身するのだが、ケバ目の化粧をさせるところが芸が細かいのか、不完全なのか…
 今回のハンペンは、せっかく貴重な情報をジローに届けようとしてるのに気絶してしまうなど、少々情けない役どころ。伏線が伏線になってなかった。それもコミカルな演出で面白いんだが。
 再生怪人3体とギンガメに連続4連発のデンジ・エンド。これも派手で良いな。必殺技のバリエーションが少ないけど。
<再生怪人が弱いのは当然とはいえ、投げ飛ばされて転んだだけで爆発するなど、扱いが酷い。
 キカイダーが初めて会ったギンガメの名前を知っているのはともかくとして、「新破壊部隊」の肩書きまで知ってるのはいかがなものか?
 折角ミツ子とマサルに化けてるのに、あっけなく正体をばらすアンドロイド達。何のために変装したんだ?
 飛行形態となり立木に跳ね返りながら攻撃するギンガメ。木の間に挟まってしまって全然跳ね返ってない時もあったけど。>
第15話 キンイロコウモリ呪いの陰

  脚本:伊上 勝
  監督:北村秀敏
 ダークの秘密計画ファイルを盗み出した青年を助け出したジローはその青年をミツ子に引き合わせるが、なんとそれは死んだはずの太郎だった…
 敵はキンイロコウモリ。コウモリと言うよりは武者人形と言った風情。光明寺太郎に化けてキカイダーを騙す。叫び声は「ウギャギャギャギャギャギャ」。尚、1話目での自己紹介ではゴールデンバットと言っていた。
 ジローのオリジナルである光明寺太郎を主題にした話。結局ここではそれは偽物と分かるのだが、何らかの伏線…の訳はないか。
 いざとなったらジローよりも家族である太郎の方を優先するミツ子とマサル。これまで散々世話になっておいて、その仕打ちは可哀想だけど、ジローの方もそんな関係の方が良いのかもしれない。この辺ジローの寂しい心情がよく現れてる。
 家族の話だけに物語はかなりリリカルな感じに仕上げてるが、やはり騙されてしまったため、物寂しい終わり方となってる。
 今回のハンペンはちょび髭と燕尾服という出で立ちで、そのままチャップリンっぽい感じ。なかなかオシャレな姿だ。
<記憶を失ったまま自宅に帰る光明寺博士。そのまま鍵も開けずに家に入っているが、ずーっと家は開けっ放しだったの?
 太郎との再会を喜ぶミツ子を後に「一眠りしてくる」とか言って、本当に寝てるジロー。光明寺博士はアンドロイドにそんな機能付けてるのか?
 家の中では真夜中だったはずだが、戦いのために外に出ると真っ昼間になってた。>
第16話 女ベニクラゲが三途の川へ招く

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 人間を襲うミニクラゲの実験を行っていた女ベニクラゲだが、その一部が川に流出してしまう。その回収に向かった女ベニクラゲだが、そこにはなんとゴミ拾いする中学生に混じって光明寺博士が…
 敵は女ベニクラゲ。口から毒液を吐いて攻撃する他、人間を襲うミニクラゲを放出する。なんでも「幸せそうな人間を見ると我慢できない」のだそうだ。
 ちょっとだけコミカルな話に仕上がったが、それは敵の声を京田尚子が当てていることからも分かる。そもそもアンドロイドというくせに、どう見ても生物だった。
 今回の話は公害問題と密接な関係を持っているのも特徴。公害が悪いというのは、こどもの方がよく知っており、直接行動も大切。高度成長時代に特徴的な話と言えよう。
 ボート屋のオヤジとして出ているのが太宰久雄だった。言動が真っ直ぐなのは『男はつらいよ』の社長そのもの。
 ジローにギルの笛を聞こえなくしたのは、なんと女ベニクラゲのミニクラゲが耳にくっついたから。発想が凄い。
<今回タダシという少年が出ているが、ジローとお互いに名前呼び合ってるし、ジローはタカシの家も知ってる。
 水中で戦うシーンがあるが、キカイダーは普通に泳いでいる…金属の固まりなのに。>
第17話 アカクマバチ恐怖の人質計画

  脚本:島津昇弌
  監督:永野靖忠
 ダークロボットのアカクマバチによって自然破壊を目的とするアカクマバチ特別航空隊が組織された。空を飛びながら毒霧を吐き、木々を枯らしていく部隊。
 敵はアカクマバチ。自然破壊部隊のアカクマバチ特別航空隊を結成し、空から毒霧を散布する。手に付いた針は人間を狂気に追いやる毒液となってる。
 前回に続き自然破壊をテーマにした話。前回が水だから、今回は空気。自然を守るためには今できることをする。と言うテーマをちゃんと持っている(でもそれが過激な自然保護団体になってるという事実もある)。
 今回の敵アカクマバチは演説好きなのだが、「これが最後の突撃だと思え」「行きの燃料はあっても帰りはあると思うな」とか、自ら「特攻隊」を名乗るだけあってそれが一々凝ってる。
 今回の舞台は伊香保グランドホテル。モロタイアップ企画で、ホテルの支配人まで出てくる。
 このところアンドロイドマンのかけ声は「ギル」になってるが、今回は一回だけ「ダーク」だった。使い分けてるのかな?(あるいは撮影が早かったのか?)
 ハンペンがアンドロイドマン相手に立ち回りをして、ちゃんと勝ってるシーン有り。単にお調子者なだけではないようだ。
<マサルにでっかい毒針を差し込むアカクマバチ。しかし、そこってお尻…
 それで注射されたマサルは虚ろな目をして「ははは、ははは、ははは」とか無表情に笑ってる。怖いよ。
 モーターボートでアジトから逃げようとするミツ子達。そのモーターボートにパラシュートを付けてアンドロイドマンは空高く…遊んでんじゃねえか。>
第18話 クロカメレオン幻の大強奪作戦

  脚本:渡邊亮徳
      島田 真
  監督:永野靖忠
 新開発核物質の原子ウラトニウムを狙うダーク。その事を知ったジローは密かに輸送車を見張るが、
 敵はクロカメレオン。保護色によって姿を消すことが出来る。妙におちゃらけた口調が特徴で、「任せて、チョーダイ」とか、まるで財津一郎みたい。叫び声は巻き舌で「ウルルルルラー」。
 前回に続き伊香保でのキカイダーの戦いが描かれる。
 アクションシーンにも力が入っていて、走るトラックの上でキカイダーとクロカメレオンの戦いは、結構スピードが出ている分実際観ててハラハラする。ヘリコプターまで出してるよ。金かけてるな。
 失敗は許さないと言うダークの非情な掟が描かれる。原子ウラトニウムの強奪に失敗したアンドロイドマンは車に入れたままプレス機にかけられてしまう。それは良いのだが、機械にそれやっても無駄って気がする。だったら設計したプロフェッサー・ギルの方にこそ問題があるのでは?
<クロカメレオンは保護色で姿を消すことが出来るのだが、いるはずの場所からも消えている。それ保護色じゃなくてテレポートじゃないか?
 輸送車の運転手はキカイダーに助けられた時「ありがとう。キカイダー」とお礼を言ってる。確かにクロカメレオンはキカイダーの名前を言ってたけど、そんなにあっという間に受け入れてしまって良いのか?
 核物質を輸送しているのに普通にガソリンスタンドに入ってたり、警察に連絡を入れてなかったりと、管理がずさんすぎるぞ。
 クロカメレオンと戦うキカイダーはその股間に蹴りを。股間を押さえてうずくまるクロカメレオンの姿は本当に痛そう。でもアンドロイドだろ?
 クロカメレオンはミツ子とマサルを人質に取り、爆弾を付けた十字架に縛り付けている。でもその場所で戦うことは予想されてなかったのでは?ご丁寧に起爆装置まで地面に置いてあった。
 ミツ子とマサルと人質に取られていながら、全く躊躇せずクロカメレオンに攻撃をかけるキカイダー。人質の意味が全く無い。>
第19話 死神獣カブトガニエンジ参上!

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 死神光線を開発中のダークは光線を完成させるため50キャラットのエメラルドを手に入れようと、カブトガニエンジを派遣する。たまたま宝石店の店員三森レイ子がそれを持っている事を知ったカブトガニエンジは、彼女をつけ回し、彼女はハンペンに助けを求める。
 敵はカブトガニエンジ。少なくとも名前に「カブトガニ」と名前が付いてなかったら、絶対元ネタが分からないデザイン。死神光線の開発に必要な50キャラットのエメラルドを探している。一度は下半身を破壊されたが、再生してキカイダーに挑む。
 毎度良いバイプレイヤーぶりを見せるハンペンが中心となってる話で、中心になると、ますますそのドジっぷりが際だつ。頼りにされると鼻の下を伸ばし、危険になると、高価なエメラルドも地面に叩きつけ、更にミツ子とマサルをカブトガニエンジに売った上で「今助けるぞ。ミスター・ジローがな」とか…良いなあ、このキャラ。
<カブトガニエンジはジローのことを一貫して「人造人間」と呼んでる。なにかコンプレックスでもあるのか?
 カブトガニエンジの下半身を破壊したキカイダーは、這って逃げるカブトガニエンジを見逃した。後ろから襲わないのは立派だが、お陰で被害は拡大する。
 麻痺状態になってるミツ子とマサルは病院で普段着で寝ていて、ジローが声をかけた途端普通に起き出してる。
 ハンペンのシャワーシーン…はどうでも良いか。
 ハンペンが入ってるシャワールームのバスタブから現れるカブトガニエンジ。どうやって入ってきたんだろう?
 カブトガニエンジに襲われ、取るものも取らず逃げ出したハンペン。何故か手元にあったのは女物の着物。ちゃんと着付けまでして化粧までしてる。どこが時間がないんだ?>
第20話 冷酷アオタガメのドクロ計画!!

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 貯水池にドクロ草から取れた毒を入れる計画を遂行するアオタガメは貯水池を占領する。一人逃げ延びた貯水池の所長は、ジローからその分析を頼まれる。
 敵はアオタガメ。口から毒液を吐き、それを貯水池に混入させた。
 特撮の定番とされている貯水池への毒入れが描かれる話(もう一つ幼稚園バスジャックがある)。地味にそのまんまやってる感じ。
 ジローの真似をしてギターを爪弾いて崖からジャンプするハンペンは、着地失敗して「人造人間じゃないとやってはいけないな」とか言ってる。さりげなく「真似しちゃいけないよ」を番組中でやってるんだな。
 そのハンペンだが、毒にやられ「誰かが我が輩を呼んでいる」と虚ろな目をしてふらふら歩いてる。植田峻の好演もあって上手いんだけど、酷い描写だ。
<貯水池の所長が「誰だ?」と誰何すると、「俺だ」と現れるアオタガメ。知らないって。
 水を飲んだため腹痛になったと言って貯水池の所長を悪人する住民達。飛躍しすぎなのだが、この話に関しては間違ってなかったりする。>
第21話 残虐!ムラサキネズミの毒牙

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 ペスト菌を奪うため伝染病研究所に忍び込んだダークのムラサキネズミは、そこに偶然いた光明寺博士を拉致。新型のダークペスト菌の実験台にする。
 敵はムラサキネズミ。新型伝染病であるダークペスト菌を吐く。右手が鞭になっている他、数々の武器を内蔵している。叫び声は「キキキキキキキ」。
 伝染病であるペスト菌を使った作戦。ペストはネズミが媒介し、西洋では最も恐れられた伝染病。日本だから作られた話ってことになるか。それにしても伝染病を主題にしてるというのに、毒性は低いわ、伝染はしないわで、伝染病に対する認識の甘さが出てる。
<今回は特にツッコミが多い。
 何故伝染病研究所の中に光明寺博士がいたのか、その理由は全く分からない。
 伝染病が生じているのに、一般人を部屋に入れて調査を依頼する研究所。そもそもハンペンなんかを入れてどうする?
 ミツ子とマサルを見たムラサキネズミは、「お前達が光明寺の」と言っているが、その前に光明寺博士の事を知らずにペスト菌に感染させてる。どんな思考回路してるんだろう?
 強力な毒性を持つペスト菌がダークペスト菌になったら、もの凄く毒性が低くなってる。こんなもん作ってどうしようとしたんだろう?光明寺であれミツ子であれ、ちょっと注射したらすぐに復帰してるよ。
 熱エネルギー電池をミツ子に使ってしまい、力が1/10に落ちたジローだが、その状態でムラサキネズミを探しに出てる。普通ミツ子が回復するまで待って、それで電池を入れ直さないとおかしいんじゃないか?
 そしてそんなジローを相手に、「お前はいつもとは違うな。よし相手になろう」とか言ってるムラサキネズミ。相手が弱まってると高飛車に出る態度は流石悪人。
 自分を救うためにこんな目に遭うなんて。と涙を流すミツ子。まるでジローが死んでしまったかのような悲しみぶりだが、次の場面では何事もなくジローは修理されていた。>
VOL.3
<A> <楽>
第22話 シロノコギリザメ悪夢の12時間

  脚本:島田真之
  監督:北村秀敏
 ある団地を支配したダークはそこに特殊レーザー光線銃を設置した。12時間後に飛行する特殊燃料を積んだジェットを落とし、都内を火の海にせよと命令を受けたシロノコギリザメは計画遂行のため、団地を見張るが、一人の少年が脱出していた…
 敵はシロノコギリザメ。どっちかというと巻き貝のような顔をしたアンドロイド。頭部に回転ノコギリを付けている。
 今回はかなり派手で、10万人規模の犠牲を出そうとする作戦が展開。それを飛行機を落として団地を破壊するというものなのだが、ダークは団地を支配したと言いつつ、その団地に飛行機を落とすという。そのまま支配続けていればいいような気もするんだが、なんかやってることに一貫性がないような気がする。
 今回光明寺博士は全く姿を現さなかった。
<ノコギリザメというのは細長いノコギリを鼻に付けているものだが、シロノコギリザメは回転ノコギリ。この辺結構いい加減な。
 作戦がばれたら何にもならないのに、逃げ出した子供がいても作戦を強行しようとするシロノコギリザメ。こう言う穴だらけの作戦を行うから失敗する。>
第23話 キイロアリジゴク三兄弟見参!

  脚本:長坂秀佳
  監督:永野靖忠
 ロボット工学の若き権威横江川の結婚を阻止しようとするダーク。
 敵はキイロアリジゴク。穴を掘り、人間を落として殺す。三体存在し、成長するとキイロウスバカゲロウとなる。内二体は成長前なのでキイロアリジゴク一号二号と呼ばれる。順を追った攻撃でキカイダーを溶かしてしまおうというアルファベット作戦を展開する。叫び声は「ハギハギハギ」「アリアリアリ」「ギバギバギバ」。妙に叫び声が多い。
 結婚する二人を祝福するキカイダーという、なんだか不思議な感じの作品。更に敵が三体も出て、緻密な作品が展開されていて、それなりに面白い。しかし色々詰めすぎた結果、全部中途半端になってしまった印象がある。2話か3話に分けてやった方が良い感じ。
 キカイダーに対してアルファベットの順番で攻撃し、その身体を溶かしてしまうと言う光景がある。結構凄い描写だったが、それはあくまで予行演習だとして一安心。
 今回初めてミツ子がジローに対する思いを告白してるのだが、そのジローは、ダークを騙すためなんとハンペンと結婚式を挙げる…ちょっと待てこら。
<悪の組織にとって邪魔になるものはさらうなり殺すなりするのが定番だが、わざわざ恋人を殺して国外追放させようとするダーク。なんでそんな手間の割に酬われない作戦を?>
第24話 魔性の女??モモイロアルマジロ

  脚本:島津昇弌
  監督:永野靖忠
 密かに男を拉致し、人造人間に改造して再び人間社会に戻す。ダークの秘密計画を遂行するモモイロアルマジロ。洗脳装置の完成に必要な八木博士を拉致するため、その娘百合子をさらうが…
 敵はモモイロアルマジロ。司美智子演じる人間体はピンクのレオタードを着た女性で、腰をくねらせて踊ると男はみんな悩殺されてしまう。ちなみにその姿はピンク色のダンゴみたいなもので、アルマジロとあらかじめ言われてないと分からない。自ら「誇り高い女」を自称し、キカイダーに殺されるより基地ごと自爆する道を選んだ。
 本作を語る場合、何かと話題となるモモイロアルマジロの話。ダークの作戦自体は、知らぬ間に人間がどんどん人造人間にされているという大変リアリティがある話なのだが、とにかく全部モモイロアルマジロの個性で凄まじい描写が連発するため、話なんかどうでも良くなってしまう。全部一人でさらってしまった感があるな。
 16話のベニクラゲに続き、モモイロアルマジロの部下も女アンドロイド。モモイロアルマジロに合わせて全員ピンクのレオタード姿というのが凄い。
<冒頭、いきなりレオタード姿で「クルクルクルクルクルクルヤー」とか言いつつ踊る女性。少なくとも、これだけでインパクトが激しすぎる。
 モモイロアルマジロに襲われたハンペンは暴れ回るが、「どこ触ってんのよ」とか言われて突き飛ばされる。一体どこ触ってるの?
 で、人間体に戻ったモモイロアルマジロはハンペンを抱きかかえ、ハンペンの顔を胸に押しつけ、「ぐりぐりぐりぐり」とか…凄い描写だな。
 で、基地に連れ帰ったハンペンは女アンドロイドの肩もみを嬉々としてやってる。アンドロイドも肩が凝るの?
 女アンドロイド相手にいつもの如く殴る蹴るのキカイダー(多少手加減してるようにも見えるけど)。当時のフェミニストからは抗議来なかっただろうか?
 モモイロアルマジロは殴られると人間体に変身する。普通逆じゃないだろうか?
 人間を人造人間に改造する計画だったが、実際は単なる洗脳に終わってしまった。まあ、その洗脳も、あらぬ方向を向いて恍惚とした表情をしてるというだけ。これじゃ人間社会に戻すことは出来ないだろうな。>
第25話 ダイダイカタツムリ殺しの口笛

  脚本:伊上 勝
  監督:畠山豊彦
 ついにダークに捕らえられてしまった光明寺博士はキカイダーによりミツ子とマサルが殺される偽のビデオを見せつけられ、キカイダーを倒すために最強のアンドロイドであるダイダイカタツムリを造り上げる。
 敵はダイダイカタツムリ。ダークに利用された光明寺博士が造り上げた最強のアンドロイド。どっちかというとカタツムリと言うよりはナメクジっぽくはある。電波に乗せて催眠術を日本規模で展開しようとした。それと再生怪人としてゴールドウルフ、ピンクタイガー、クロカメレオン。再生怪人だけにあっという間に倒されてしまうが。
 今回登場するダイダイカタツムリはキカイダーを殺すために生まれたキカイダーの弟という位置づけで、このキャラが後のハカイダーにつながっていく。
 オープニングシーンでキカイダーがミツ子とマサルが殺されるシーンあり。これまでの経緯を完全に否定するショッキングなシーンとなってる。
 久々に光明寺博士が登場し、ミツ子とマサルの記憶を取り戻すのだが、崖から落ちてしまって又しても記憶が消える。簡単なもんだな。
<ハンペンやジローが「久々に会った」という言葉を連呼してるけど、先週にも会ってるじゃないか。
 ダイダイカタツムリに言わせると、「同じ光明寺博士から生まれた兄弟」だそうだが、それを言ったら初期のアンドロイドはみんな兄弟になるぞ。
 ダイダイカタツムリの催眠術に捕らわれたキカイダーはあっけなく「俺の負けだ」と言って逃げてしまう。随分あっさり負けを認めてしまうもんだな。
 一度はキカイダーに完全勝利したダイダイカタツムリだが、二度目の戦いでは催眠術を全く使わずに負けてしまった。そのために作られたのにね。>
第26話 ミドリマンモス地球冷凍作戦!!

  脚本:島津昇弌
  監督:畠山豊彦
 再び記憶を失った光明寺博士は園芸センターで働いていた。そんな園芸センターで地面が陥没し、その地下から新型のダーク破壊部隊ミドリマンモスが姿を現す。ミドリマンモスのガスにより、ジローの姿に戻れなくなったキカイダーだが…
 敵はミドリマンモス。マンモスの鼻に当たる部分が両手にあるので、元ネタが言われないと分からない造形してる。左手から出すマンモスドライガスは機械を錆び付かせるため、キカイダーはジローに戻ることが出来なくなった。
 キカイダーそのもののピンチが描かれる話で、徐々に身体が錆び付き、人間の姿に戻れなくなってしまったキカイダーの苦悩が描かれていく。割と簡単に復帰してしまったのが残念。
 プロフェッサー・ギルによれば、光明寺博士が作った人造人間は全て倒されたそうだ。今回から完全オリジナルのギル製アンドロイドになると言う事だろうか?
<ハンペンのファンというマチコなる女性が出てくるが、何の伏線もなかったので、唐突すぎる感じがある。
 前回ラストでちらっと姿を現し、キカイダーと戦っていたミドリマンモスだが、ここではずっと地下で眠っていたことになってたような…
 キカイダーの身体に錆が進行中であることを知ったミツ子は還元剤を作ると言うが、バスタブの中に「さび止め」と書かれた粉末を入れただけだった。余計悪化しそうだな。
 そしてそんなミツ子達をモニターで観ているプロフェッサー・ギル。どこにカメラ仕込んでるんだよ。>
第27話 バイオレットサザエの悪魔の恋

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 ロボット工学者の荒木博士は完全なる良心回路の設計図を完成させたが、それを狙い、ダークのカイメングリーンとバイオレットサザエが狙う。
 敵はバイオレットサザエ。女性型アンドロイドで、全身の棘をミサイルとして撃ち出す。極めて短気ながら、心の奥では人間になりたいと思っており、デンジエンドを受けて殺される際、「美しい姿でいたかった」と呟いて爆死した。そしてカイメングリーン。荒木博士の作り出した回路で硬直したバイオレットサザエを助けるために現れる。頭部が脱着可能で、ボウリングの球のように投げつける。ダメージを受けると自ら身体をバラバラにして、再び合体させて復活できる。最後に現れるのがアカオニオコゼ。バイオレットサザエとカイメングリーンの両面作戦に不安を覚えたギルによって派遣された。
 良心回路を巡るキカイダーの戦いが描かれる前後編の話で、アンドロイドも三体現れるし、ギルの笛も最初から鳴らされてジローを苦しめるなど、異色作品となってる。特にバイオレットサザエの存在感はかなりのもの。本心では人間になりたくても、プロフェッサー・ギルの命令には逆らえず。結局その憂さ晴らしのように暴れ回っているという複雑な心境をよく示していた。
 ジローに対するミツ子の気持ちも出てくる。バイオレットサザエを助けようとするジローに嫉妬してたりするが、実際これがこの三部作の肝になってる。
 今回ハンペンは学生服姿で登場。なんでも伊豆の踊子を意識してとのこと。
<山奥へと逃げる荒木博士はバイオレットサザエに襲われる。そんな時にかき鳴らされるジローのギターの音。こんな所にまで現れるのか?何故かミツ子とマサルまでそこにいるけど。
 設計図を渡す。と言う荒木博士の言葉に、素直にジローを解放するバイオレットサザエ。意外に素直な奴。
 完全な良心回路を得る代わりに人が死ぬなら、僕はこのままでいい。と言うジロー。格好良いセリフだけど、既に死んでる人を前にそれを言っても遅い。
 荒木を死んだことで良心回路の設計図が手に入らないと嘆くカイメングリーン。研究室とか探す気にならないのかな?
 カイメングリーンの姿がどこかで観たことがあるような…と思ったら、「キン肉マン」に出てくるケンダマンだったか。必殺技とかもよく似てる。>
第28話 赤子を泣かすアカオニオコゼ!

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 瀕死の荒木博士から良心回路の設計図の在処を聞いたミツ子を狙い、ダーク破壊部隊のカイメングリーンがミツ子へと迫る。一方、ミツ子から離れたマサルをアカオニオコゼが迫る。
 敵は前回に続いてカイメングリーンとアカオニオコゼ。
 3部作の中編で、この話もフォーマットからは随分離れた話で、大変面白い。
 見所は多数ある。大きな出来事しては、ミツ子とマサルの姉弟の絆が揺らいでしまったこと。ギリギリの状態になってミツ子はマサルよりもジローの方を優先してしまったため、マサルの方が不信感を抱いてしまった。誤解でも何でもなく、素で弟を裏切るって、考えてみれば凄い話でもある。
 そのマサルだが、放浪してる内にウエスタン村に迷い込む。寂れたテーマパークってなんでこんなに寂しいんだろう。
 勿論まだ2体のアンドロイドが残っているため、アクションシーンも盛りだくさん。
 ところでアンドロイドマンの人間体が大葉健二のような?キカイダーのスーツアクターだったのは分かるけど、顔出しもあったのかな?ついでにラストに出てきたカイメングリーンの人間体は潮健治だった。
<キカイダーと相打ちとなり、逃げるアカオニオコゼは「又来るぞえ〜」と叫んでた。どこの方言だ?
 ジローの修理を見たハンペンは、ラブシーンと勘違い。子供用作品には珍しいけど、それを得意げにマサルに喋ってしまうこいつのデリカシーの無さは…
 光明寺博士はタクシーの運転手になってた。身元分からないのになれるはず無かろう。
 ジローなんて嫌いだ。とか言って逃げてるマサルも、アンドロイドに追いかけられると「助けてジロー」とか叫んでた。何だかんだで頼りにしてる。>
第29話 カイメングリーンは三度蘇える

  脚本:長坂秀佳
  監督:永野靖忠
 ミツ子から離れたマサルの履いている赤い靴に良心回路の設計図があると分かり、カイメングリーンはマサルを襲う。自分のためにマサルが去ってしまったことに責任を覚えるミツ子はジローと共にマサルを捜しに出る。
 敵はカイメングリーン。身体がバラバラになっても再生できるが、そのバラバラ状態でデンジエンドを食って破壊された。潮健治が人間体を演じているため、そのすっとぼけた言動がなかなか楽しい。
 完全なる良心回路をめぐる三部作の三部目。これだけの犠牲を払っていながら、結局元の木阿弥になってしまった。
 今回はピンでマサルが中心になってる。これが初めてになるかな?女の子と知り合って仲良くなったのは良いが、
 これまで出てくるだけで全然話に関わってなかったハンペンが今回は良い感じで関わってくる。潮健治とのツー・ショットはそれだけで笑えたりする。今回のハンペンは極彩色のツギハギスーツを着ており、チンドン屋扱いされてる。
<アンドロイドマンに襲われたマサルは電気の入ったスタンドをアンドロイドマンの顔に突っ込む。子供が真似したらどうするんだ…と言ってる内にどんどん表現が狭まるんだな。
 カイメングリーンが使うマボロシカイメンなる技は、おそらくは相手に幻覚を見せる技だと思うのだが、それで出来たサボテンはずーっと出ている。ほんとに幻覚なのか?
 東京にいたはずのマサルはいつの間にか静岡に。しかもどうやら精進湖から沼津あたりに一瞬で移動してる。そんな二人にあっという間に追いついてしまうジロー。凄い追跡能力だ。それより関係ないはずのハンペンまで現れるのはどういう事か?>
第30話 アカネイカ美人女子大生を狙う

  脚本:長坂秀佳
  監督:永野靖忠
 人間の能力を奪い、良心回路を越える力を持たせようと考えたプロフェッサー・ギルはアカネイカを作り、人間の能力を奪い吸収してしまうアカネイカは次々に女子大生を襲う。そして次なる標的となったのはロボット工学の島村千鳥だった。
 敵はアカネイカ。傘の部分を人間にかぶせると、人間を機械部品に変えてしまう。意外な悪食のところあり。
 一応対キカイダーの作戦なのだが、妙にとぼけたアカネイカと、全く事に動じない女子大生の島村千鳥のお陰で、妙にコミカルな話に仕上がった。何かと「イカ」の言葉が出てくるのも面白い。
 その島村千鳥だが、アンドロイドマンと戦うジローに「危ないじゃないですか」とか説教までしてる。こう言う天然ぶりが良い。同じく天然ぶりが特徴のハンペンとの掛け合いはほぼ漫才。ちなみにそのハンペン、知能指数は18だと誇っていた。
 キカイダーはよくトンボを切るが、今回は次々に爆発が起こる中でやってた。相当な度胸が必要なシーンだ。
 今回光明寺博士はホットドッグ屋になってる。どこにでも出てくるキャラだな。
<それにしても人間の能力を奪うために女子大生だけ狙うというアカネイカは相当な通というか、単に助平というか…
 傘の部分を分離できるアカネイカだが、痛覚は残っているらしく、分離した傘をキカイダーがぶん殴ると痛がってる。漫画的なシュールな光景だ。
 アカネイカを騙すため、千鳥に変装するハンペン。何かと女装姿が出てくるキャラだな。
 しかし、島村千鳥は天才的な脳を持つかもしれないけど、こんな天然吸収したら余計おかしくならないか?
第31話 ジローの死を呼ぶタコヤマブキ

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 米子で実験場建設を行うタコヤマブキは、工事現場を目撃した観光客を次々に殺していく。たまたまミツ子とマサルと知り合った親子も襲われてしまう。
 敵はタコヤマブキ。ダークの実験場を作るため米子に出現し、工事を目撃した観光客を次々に殺していく。頭部は脱着可能。そしてアオデンキウナギ。タコヤマブキを倒した直後のキカイダーを襲い、その腕を千切る。
 今回は米子ロケ。皆生温泉の皆生グランドホテルの名も連呼されるし、観光地で戦闘シーンもあっていかにもなタイアップ企画。そんなところにレギュラーメンバー全員が偶然に集結してるところがなかなか微笑ましい。ロケプ企画らしく、2週続けての放映となったため、ちょっとだけ変則的に二体のアンドロイドが登場する。
 港ではマツバガニの仕分けも行われている。いやあ、ほんとに美味そうだな。
 今回の見所の一つはカーチェイスシーン。公道らしきものに多量の爆薬が仕掛けられてるけど、鷹揚な時代だったんだな。
<ホテルの娘さんも登場。あまりにもたどたどしいそのセリフに、本当の素人さんだと思えるが、タイアップなので本当のホテルの娘なのかもしれない。
 ジローをいたぶるタコヤマブキは、これまでキカイダーに倒されたアンドロイドの名前を連呼している。なかなか義に篤いキャラのようだが、「腕をもぐ」とか言いつつ、単に地面に叩きつけるだけなので、すぐに復活させてしまう。
 アオデンキウナギの人間体は顔に隈取りがペイントされてる。こんなのが町をうろついてたらモロ不審者。
第32話 アオデンキウナギ魔の腕が光る

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 タコヤマブキを倒すことには成功したものの、突然現れたアオデンキウナギによって左手を失ってしまうキカイダー。
 敵はアオデンキウナギ。強力な腕と機械の触手を持つアンドロイド。ドラム缶のような姿をしており、やっぱりうなぎには見えない。
 鳥取編の後編。左手を失ったキカイダーがアオデンキウナギの腕を着けてしまうと言う異色の話。問題として、その腕の持ち主が生きているため、腕の方が勝手に動いてしまう。光明寺博士も碌な事をしないな。それでミツ子が本来の腕に付け替えているが、ミツ子の技術も上がっているようだ。
 プロフェッサー・ギルの個性がよく表れていて、任務に失敗したアオデンキウナギを目を向いて叱責したり、塚原親子を「殺せ、殺せ、殺せ−」と叫んでたりするあたり、思い切りマッド入ってて実に良い。
<左手を失ったキカイダーだが、左胸が不自然に膨らんでいるのがなんとも。
 ハンペンの発案で出雲大社にお参りに行くミツ子たち。緊迫してる話なのに、ここだけ観光地巡りになってる。
 ジローを探し回ってるアオデンキウナギが、次の瞬間塚原に変装して親子の逃亡を阻止してる。八面六臂の活躍だが、部下に任せた方が良いものもある。お陰で弱ってるキカイダーを完全復活させてしまった。>
VOL.4
<A> <楽>
第33話 兇悪キメンガニレッド呪いの掟

  脚本:多村映美
  監督:永野靖忠
 プロフェッサー・ギルはかつてのカブトガニエンジの弟分キメンガニレッドを造り上げる。だがそのベースとなったカブトガニエンジは基地から逃げ出してしまう。
 敵はキメンガニレッド。再生されたカブトガニエンジをベースに作られたアンドロイドで、カブトガニエンジの5倍の力を持つ。両手をたたき合わせることで破壊音波を出すことが出来る。そしてカブトガニエンジ。再生され、再びキカイダーに挑む。ミツ子に命を助けられた恩を返し、自ら盾となって死んだ。
 新しいキャラも出てくるが、基本は再生怪人の話。たいして活躍した訳でもないカブトガニエンジが再生されたが、ミツ子を身を挺して助けるなど、これまでの再生怪人とは異なり個性豊かになってる。
 ジローが音波で苦しめられる描写が今回は2回もある。最初はいつものギルの笛でカブトガニエンジの泡攻撃で、2回目はキメンガニレッドの音波攻撃でハンペンの車のエンジン音で音波を防いだ。
<今回に限ってカブトガニエンジをやたらかばうミツ子。「可哀想」とのことだが、その理屈が分からない。
第34話 子連れ怪物ブラックハリモグラ

  脚本:島田真之
  監督:永野靖忠
 ダークの原子力発電所襲撃を事前に知った女性桃山カズコの殺害を命じるプロフェッサー・ギル。
 敵はブラックハリモグラ。親子のアンドロイドで大きさが違う。こどもの方は親の修理要員。デンジエンドで倒された親の後を追ってこどもも死んでしまった。
 人間とアンドロイド双方の親子の話を絡めて作った話で、意外な子煩悩ぶりを見せるアンドロイドの描写が面白い話。ここに光明寺博士の話を絡めたら完璧だったが、今回はミツ子とマサルが出てこないのが残念。
 前回に続いて、良いアンドロイドが登場してる。こどもを大切にする親としてのアンドロイドなんだが、こう言うのが倒されるのはちょっと胸が痛い。特にこどもの方が後追い自殺みたいな描写になってるし。
 ブラックハリモグラの親子が出てくると「子連れ狼」のテーマソングが流れてくるんだが、はまってるような、違和感ありまくりのような?
 次回予告は全くナレーションが無く、その代わり「ハカイダーのうた」のショートバージョンが流れる変則的なもの。いよいよハカイダーの登場が暗示されてきたか。
<話が結構複雑だが、その分、「何?〜だと!」でプロフェッサー・ギルが全部口頭で説明してくれる。ありがたいもんだ。
 そもそもアンドロイドで親子関係が成り立つのかどうか難しいところだが、そこはツッコミ箇所ではないか。
 色々事情があるんだろうが、親がバーを経営していて、こどもを施設に預けっぱなしってのは、今で言うネグレクトっぽい。
 人間体に変身したブラックハリモグラの影は、怪人の影だった。オカルトっぽい話なら分かるんだけど、アンドロイドだからなあ。>
第35話 ジローデンジエンドの最期!

  脚本:長坂秀佳
  監督: 北村秀敏
 突如町中にあふれ出した烏の群れが人間を襲い始めた。光明寺博士も襲われるが、折良くやってきたジローに命を救われる。
 敵はクロガラス。無数のロボットガラスが合体して誕生する。デンジエンドが効かない強敵で、キカイダーの新必殺技キカイダースパークで倒される。ちょっと白を入れたらそのままペンギンになるストレートなデザイン。
 いよいよ話も終盤へと入り始め、必殺技が効かない敵が出現。更にラストでライバルとなるハカイダーのシルエットも。あと、ギルの笛の音に抵抗できなくなりつつあるジローの姿も特徴的。
 東映特撮には定番の特訓シーンあり。だけど機械の体なので、ジローがやった特訓というのは高圧電流を身体に流すことだった。特訓と言うよりは改造かな?オーバースペックのはずだが。
 途中ジローが動けなくなったところ、いつものギターの爪弾き音が。誰かと思ったらハンペンで、しかも何故か強い。今回の扱いはかなり良いね。
 キカイダーとクロガラスのカーチェイスは迫力満点なのだが、これって31話で使われたもののバンクだな。
<ロボットガラスが合体して、一旦円形となり、更に不格好な烏の格好、そしてクロガラスと随分複雑な変形過程を取る。意味があんまりないように思えるな。
 怪我をしたジローが無理に起き上がろうとしたところを、ミツ子が「寝てなきゃ駄目よ」と留めている。アンドロイドだから、寝させるより修理だろ?>
第36話 狂ったジローが光明寺をおそう

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 キカイダーの良心回路を越えた悪魔回路の開発を続けるプロフェッサー・ギル。その要として光明寺博士を探し求めていた。
 敵はクワガタブルー。頭部の角(あるいは顎?)と、両手の鎌を武器とするクワガタ型のアンドロイド。頭部の角を使い、銀行強盗を繰り返していた。そしてヒトデムラサキ。その姿はまんまヒトデなのだが、メカニカルな星のように見える。
 ハカイダーの登場話の前編。タイトルからしてとんでもないものだが、実際本作を皮切りに雰囲気もダークへと変わっていく。
 前回辺りからギルの笛に抵抗できなくなってきたジローだが、今回はモロに光明寺博士の首を絞め、それを写真に撮られてしまう。これで分かったのは、ギルの笛が聞こえている時、何も攻撃しなければジローは勝手に自滅するという事実。あまり長いこと笛の音を聴かされ続けたため、ついに良心回路がスパークしてしまった。
 折角光明寺博士も記憶が戻ったのだが、ほんの少しだけ遅すぎた。
 かしましい女性カメラマン、マリが登場。基本的に善人なのだが、何よりスクープを狙うことを優先するため、とんでもない事をしてしまった。
<銀行強盗をやってるだけに、白昼堂々町中で暴れ回るクワガタブルー。こんな撮影良くできたもんだな。
 マリの自宅へとやってきて、ミツ子たちを皆殺しにしようとするクワガタブルー。その理由は「プロフェッサー・ギルに叱られたから」…なんだ。八つ当たりか。
 デザインの事を言うのはツッコミにはならないだろうけど、ヒトデムラサキは、やっぱりパイラ人に見えるよな。>
第37話 ジローの弟 強敵ハカイダー!

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 ギルの笛の音で機能停止してしまったジロー。その手には光明寺博士の服の切れ端が握られていた。ミツ子によって機能は回復したものの、言語回路が停止したままだった…
 敵はヒトデムラサキ。
 特撮界における最強のライバルキャラクター、ハカイダー登場編の後編。
 物語はとにかくハード。光明寺博士は連れ去られ、ジローには殺人容疑がかかっているのに話すことが出来ない。どんどん不利に立たされるジローの姿が描かれていく。ダークだけでなく警察からも追いかけられることになる。本人は光明寺を助けるために頑張ってるだけに、その空回りが悲しい。
 特に警察の無理解ぶりが際だっており、本当に憎らしく描かれているのが実に良い。このくらいハード展開で、しかも面白い作品は滅多にないぞ。
 そして最後に光明寺博士の脳をハカイダーの頭に入れることでついに完成した。しかし、ダークから逃げ回った結果、ハカイダーにされてしまったと言うのだから、光明寺博士も立つ瀬がない。
 光明寺博士の頭からコードが伸び、それがハカイダーの棺に接続されているのだが、その後で起き上がったハカイダーの頭部には脳の形がくっきりと…凄い描写ではある。
<動けなくなったジローを足蹴にするヒトデムラサキ。「これでキカイダーもポンコツだ」とか言ってたけど、そのまま放置。壊せば終わりだったんだが。
 声帯回路が破壊され、喋れなくなってしまうジロー。だけどキカイダーになったらちゃんと喋ってる。この辺の関係はどうなってるんだろうか?
 警察の取り調べでは自粛ワードがぽんぽん飛び出してる。この時代の規制は緩かったな。>
第38話 ハカイダーがジローを殺す!

  脚本:長坂秀佳
  監督:永野靖忠
 光明寺博士殺しの嫌疑をかけられたジローは分解されようとしていた。必死に逃げるジローだったが、その前に新たなダークロボット、ハカイダーが現れるのだった。
 敵はヒトデムラサキ。ミツ子とマサルを人質に取ろうとしたところをサブローに止められ、最後にキカイダーに破壊された。そしてハカイダー。
 いよいよハカイダーとキカイダーの直接対決。ハカイダーはその強さを存分に見せつけた。それ以外にも人間体としてサブローが登場。ミツ子とマサルを信用させてジローを追いつめている。特にマサルはとうとうジローが壊れたのではないか?と疑問を呈している。
 話としてももの凄くハードで、相変わらず喋ることの出来ないジローが一方的にいたぶられ続けるので、見ていてストレスも高い。最後にようやく声を取り戻したものの、いくら口で言っても誰も信用してくれない。
 更にハカイダーは光明寺の脳を使っているため、ハカイダーを破壊することは光明寺を殺す事になり、肉体をカプセルから出してもやっぱり死ぬ。こうなるともう八方塞がり。細かいところだが、ギルはハカイダーのことを「サイボーグ」と呼んでいた。本作でこれまで登場した敵は全てアンドロイドと呼ばれていたので、細かく設定されてる。ハカイダー自身も自分のことを「改造人間」と言っている。
 ハカイダーの唯一の弱点は、光明寺博士の血液を定期的に補給しないと動けなくなると言う事。だから脳を取り去った光明寺もいまだ生かされていると言う事になる。
<キカイダーとハカイダーの初対決の場は新宿西口のビルの上。当時はこう言うのが出来たんだよな。
 一応ハカイダーのお目付役らしいヒトデムラサキだが、ハカイダーが出てくる度に逃げ回ってる。
 前回同様、今回も自粛ワードが山ほど出てくる。
第39話 父の仇ジロー全国指名手配

  脚本:長坂秀佳
  監督:永野靖忠
 光明寺博士の脳を守るため、ハカイダーとは戦うことが出来ないキカイダー。執拗に追ってくるハカイダーから逃げるしかできないキカイダーだが、町ではジローは光明寺博士殺しの犯人として指名手配されていた。そんな中、ダークの世界征服のため、こどもの洗脳作戦に従事するアンコウブラウン。
 敵はアンコウブラウン。蛍のような光を体中にくっつけ、こどもをおびき寄せては洗脳作戦に従事する。でかい口が特徴で、口から火を吐く。はじめてデンジエンド以外の技、銀河ハリケーンで倒された。
 どんどん仲間が減っていく中、孤独な戦いを強いられるキカイダーの姿が描かれていく。特にマサルは父光明寺博士を殺したのはジローだと決めつけ、「僕が殺す」とまで言っている。本当に切ない話だ。
 ハカイダーとキカイダーの対決は続いているが、話の中心は妙に不格好なアンコウブラウンの作戦の方で、その辺が少々バランス悪い感じ。警察に追われつつも、ダークと戦わねばならない悲愴さは格好良いけど。
<指名手配犯として似顔絵がベタベタ貼り付けられてるのに、ジローをあっという間に信用するアキラ少年。
 ダーク基地に単身乗り込むキカイダー。突然手術室に現れたが、基地には通報とか無いのか?>
第40話 危しジロー! 機能完全停止!!

  脚本:長坂秀佳
  監督:北村秀敏
 都民の精神を破壊する作戦を遂行中のキリギリスグレイを防ぐキカイダー。だがギルの笛の音を増幅する機能を搭載したキリギリスグレイはキカイダーを混乱させてしまう。自分を失ったキカイダーはハカイダーに襲いかかるが…
 敵はキリギリスグレイ。腹部に搭載されたマッドサイクルはあらゆる音を3000倍に増幅する。ギルの笛の音を増幅することによってキカイダーの良心回路を完全に支配下に置くことに成功した。尻尾部分のハサミを飛ばして攻撃する。叫び声が「チョンギース」という特徴あるもの。
 やっぱり逃避行を続けながら、それでも正義のために戦おうとするキカイダーの姿が描かれる。
 特に今回はマサルが話の中心であり、サブローをすっかり信用しているのに、一方ではジローを憎みきれず、どうして良いのか分からない状態で悩み続けている。
 ハカイダーはキカイダーを破壊する使命を帯びているものの、自由に動いているようだ。時にプロフェッサー・ギルへの裏切りさえも口にしている。尤も肉体構造的に定期的に基地に戻らねばならないのだが。
 ジロー状態だと良心回路のためにギルの笛に苦しめられるが、一旦キカイダーになってしまうと影響を受けない。とは口で初めて説明された。ただ、やはり良心回路はキカイダーの中にあるため、増幅された笛の音を聴くと駄目らしい。
 そしてハカイダーは自分の頭に光明寺博士の脳が入っていることを知らないため、逃げ回るキカイダーに苛つき始めている。
<何というか基地外発言がとにかくやたら出てくるのが特徴で、ここまでやると立派な…
 部屋に逃げ込んだ洋一少年を襲うため、マッドサイクルでドアを破壊するキリギリスグレイ。一々マッドサイクルの説明をしてからやってるため、大変時間かかってる。で、その間に洋一は逃げてしまった。誰もいない空間に向かって長々と技の説明してたんだね。
 キカイダーに向かって「今度は容赦しない」とか言ってるキリギリスグレイ。まだ最初の戦いでしょ?
 自分が橋に付けようとしたダイナマイトを背中に付けられ逃げ回るアンドロイドマン。随分人間的な反応だ。それもそうだが、爆発が凄く小さいので、この爆弾では橋は壊せないような?
 増幅したギルの笛で、キカイダーに対してハカイダーを破壊するように命令するプロフェッサー・ギル…凄く矛盾した命令だと思うんだが。>
第41話 壮絶ジロー空中分解!

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 ミツ子とマサルの元に届いた一通の手紙。そこには光明寺博士の居場所と写真が同封されていた。罠と知りつつその場所へと行こうとする二人だが、そこに現れたジローは、二人を制し、単身罠に向かう。
 敵はアカ地雷ガマ。プロフェッサー・ギルによりキカイダーとハカイダーを破壊するように命じられ、実際キカイダーを破壊したアンドロイド。現時点では最強のダークロボットだろう。
 ますますハードさを増している物語で、ついにキカイダーが完全に破壊されるというショッキングな話。ところがキカイダーを破壊したのはハカイダーではなくアカ地雷ガマというのが面白いところ。
 ギルにとってはハカイダーも目の上のこぶのような存在のため、キカイダーを破壊した後、ハカイダーも破壊するよう指令してる。
 触れただけで爆発するというアカ地雷ガマにいつものように回転アタックをかけたキカイダーはそのまま破壊されてしまい、首だけがコロコロと転がるシーンあり。かなりトラウマものだと思うぞ。
 ツッコミ部分に入ってしまうが、最初にアカ地雷ガマが従事していた道路建設がほとんど話に絡まってこないので、その描写って不必要だった気もするな。アカ地雷ガマのデモンストレーションの為には必要だったのか?
<アカ地雷ガマは全身が地雷で出来てるそうで、接触したものは何でも爆発するんだが、本人は無傷。それ地雷なのか?
 ミツ子とマサルを死地に行かせる訳には行かないと、単身向かうジロー。だけど、地図を見てないんだけど。
 ハカイダーとキカイダーの空中戦で、サイドマシンをキリモミさせてハカイダーをまくキカイダー。でもその落下は、どう見ても墜落にしか見えない。
 今回もキカイダーとハカイダーの対決シーンあるが、今回のハカイダーの地獄五段落としは四段しか使用してない。しかもハカイダーショットに撃たれてるシーンもあるのだが、キカイダーは無事だった。
 崖の上からキカイダーに落とされるハカイダー。普通これ人形を使うのだが、今回本当に落ちてる。スタントやった人無事だろうか?
 前にカプセルの中に入れられ、ここから出したら死ぬ。と言われていた光明寺博士だが、今は剥き出しのままベッドに寝かされていた。前に言ってたのは嘘だったのか?
 ところでミツ子とマサルが入れられた牢屋って随分鉄格子が広いな…と思ったら、本当にマサルが外に出てしまった。そんなのでいいのか?
 電気鞭を使いながら火を吐くアカ地雷ガマ。どっちも口から出てるので、舌が焦げてるんだけど。>
第42話 変身不能!? ハカイダー大反逆!

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 アカ地雷ガマによって破壊されてしまったキカイダー。だがその身体はハンペンがこっそりと回収していた。一方、キカイダーを破壊するためだけに生まれたハカイダーは、先にキカイダーを破壊したアカ地雷ガマに勝負を挑む。
 敵はアカ地雷ガマ。キカイダーを破壊することには成功したものの、怒りに燃えるハカイダーに破壊されてしまった。そして白骨ムササビ。ダーク最後のアンドロイドで、あっという間にハカイダーまで倒してしまった。ダークアンドロイドの名前は基本的に色と動物の名前をくっつけるが、これだけ唯一“白骨”という熟語が使われている。
 ラス前で、とにかく見所が満載の話。
 キカイダーの破壊という衝撃的な前回ラストから、今度はキカイダーの復活と、ハカイダーの破壊が描かれていく。キカイダーが倒された以上ハカイダーの存在意義はもう無くなってしまい、混乱したハカイダーは、今度は生みの親プロフェッサー・ギルを殺そうとする。なるほど特撮最高のライバルキャラと言われるだけのことはある。確かに格好良い。「俺は何故生きているのだ?」と自問自答してる苦悩する姿も良い(自問自答というか、何故かハンペンにそれを聞いてるんだが)。
 キカイダーも簡単に復活する訳ではない。ここまでバラバラにされてはミツ子の力では完全に治すことは出来ず、中途半端に上半身だけ動いてるのが怖い。
 今回はハンペンはもの凄い役に立ってる。キカイダーの身体を回収しただけでなく、ハカイダーにプロフェッサー・ギルこそ倒すべきであることを進言もしてる…それが全部“たまたま”と言うのがこの人らしさ。でもこれのためだけに最後までバイプレイヤーとして存在したと言っても良いくらい。
 同時にプロフェッサー・ギルの狂気の描写も凄まじい。ハカイダーに基地に侵入された時、駆け引きを持ち出したり、ハカイダーに首絞められて苦し紛れに光明寺博士の事を持ち出したり…このキャラも格好良い(あれ?)。
 ハカイダーとキカイダーの対決は今回も健在。ただしサブローとジローの人間体同士で。わざわざお互い変身を解いて戦うって面白い設定だ。
<岩盤までぶち抜くハカイダーが、光明寺博士の病室だけは全然開けることが出来ない。どんだけ頑丈な扉なんだよ。
 キカイダーの身体では力が出ないだろうとわざわざ人間体に戻って戦いを始めるハカイダー。機械の体で力が出ないなら、人間体でも力が出るはずはないんだが?
 今更なんだが、ジローの背中に背負った赤いギターは一体どこから出てくるのだ?
 ハカイダーの脳を光明寺博士に戻すようミツ子に言うジロー。エンジニアに対して無茶言ってるなあ。
 相変わらず自粛用語が頻発中。>
第43話 ジローの最後かダーク全滅か!?

  脚本:長坂秀佳
  監督:畠山豊彦
 光明寺博士とミツ子らを救うため、変身できない身体で白骨ムササビを外におびき出したジロー。
 敵は白骨ムササビ。ダーク破壊部隊最後のアンドロイド。敵に毒を注入し、苦しんで死ぬのを見るのが何より好きだというサディスト。瞬間移動も出来る。
 最終回。変身できない身体でダーク最強のアンドロイドと戦わねばならないジローの必死の努力が前半の見せ場で、その後光明寺の復活と、光明寺による手術で完全回復するジロー。処刑寸前の光明寺の救出と白骨ムササビとの戦い、そしてダーク基地の自爆。と流れるように見所が連続してくれる。
 そして最後。ジローはスイスへと向かう光明寺一家に背を向け、全国行脚の旅に出ると言っている。本人曰く「精神修行」だそうだが、機械にそれ出来るのか?
 前回に続き、今回も大活躍のハンペン。ミツ子とマサルをしっかり守っていた。
 ジローの口笛に反応してサイドマシーンがやって来ることが分かった。ただ、その口笛ってのが「ボヨヨ〜ン」とかいう音。
<父よりもジローを優先しようとするミツ子に張り手するマサル。バシッという音が激しすぎて、まるで大人が殴ったような音になってる。
 白骨ムササビが手術室を襲っているというのに、ミツ子とマサルの居場所が分からないギル。連絡取れてないの?そもそも他に行くところないだろうが。
 脳移植をしたというのに、その直後からぴんぴんして動いている光明寺博士。
 これ又今更だが、崖から転落し、ジローの身体はボロボロなのに、ギターだけは全く無傷。
 光明寺博士の処刑に際し、ギターをかき鳴らし、しかも岩の上に上って現れるジロー。こいつタイミング測ってたな?
 ダーク基地の中にはやたらと女アンドロイドの比率が高いが、やっぱりこれってギルの趣味なのか?