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ミュータントX(2nd)

ミュータントX(2nd)事典
ミュータントX(1st)

 2002'10'05〜2003'05'12

 ミュータントXの第2シリーズ。1stでの敵ジェノマックス社のエックハートがガブリエルによって凍結されてしまったため、前半はガブリエルとの戦いが描かれていく。だがガブリエルは途中退場。明確な敵がいないまま以降の話は展開するため、話作りには大変苦労したようで、一話毎にかなり微妙な話が展開していく。はっきり言ってしまうと、これはその場しのぎ以外の何者でもなく、全般的なストーリーがかなり弱い。

話数 タイトル 脚本など コメント DVD
第1話 破滅への序章
“Past as Prologue”

  監督:T・J・スコット
  脚本:ハワード・チェイキン
 ミュータントによる世界征服を標榜するガブリエルが骨壺を狙っている事を知ったアダム。実は遺伝子の暴走によりガブリエルは死にかけていたのだ。その治療の鍵を求め、アダムはガブリエルのDNA採取をエマとジェシーを頼む。
 登場するのはストランド側の
ヴァレリー。野生系のミュータントだが、ミュータントXに捕らえられると精神崩壊を起こしてしまった。そして古代の錬金術師アバリス。強大な力を持つ女性魔術師だが、復活させられた直後にミュータントXの活躍により消し去られている。
 第2部の開始で、1部のそのまま後の話になっているが、時間的には多少経過しているようだ。
 前回登場し、いきなり「世界征服」という大言を吐いたガブリエルが、いきなり死にかけてるという話。話が突然訳分からなくなってきてるぞ。一方何故かそのガブリエルを救おうとするアダムと、それに激しく反発するシャリマー。いきなり不協和音か?
 ミュータントXの能力発現はかなり極端なものらしいが、特にシャリマーは、近くが鋭敏になりすぎ、常に苛ついているようになったのと、度々ガブリエルの幻想を見るようになる。これはおそらくガブリエルがシャリマーに執着しているためらしい。
 一方ガブリエルのミュータント部隊“ストランド”も活動を開始。かなりたくさんのキャラが出てくる。今のところ野生系、透過系、電気系、サイコキネシス系と、随分多彩なキャラが登場してる。大部分の名前は分からないままだが。彼らは
<半年分空きがあったため、キャラの姿もちょっと変わってるけど、エマの姿は極端に変わってる。髪の毛がロングになって、色も変わってるからね。随分大人っぽくなってる。
 ピラミッドの中に入り込んで盗掘するミュータントXたち。冒険ものらしくって良いけど、遺跡でもやっぱり泥棒だよ。
 鳴り物入りで登場したアバリスだったが、あっけなく消滅してしまう。何のために出てきたのか今ひとつ分からないキャラだった。>
第2話 戦慄の核ジャック
“Power Play”

  監督:ミラン・チェイロフ
  脚本:テューイ・メイヤー
     アル・セプティエン
 武装集団がツイン・クリークス原子力施設の職員を人質に取り、1000万ドルを要求する。特殊機関の要請を受けてジェシーとブレナンが現場に向かったが、神経ガスを吸い込んだジェシーは能力が暴走してしまう。
 今回の敵は普通のの人間で
アーロンという元アメリカ陸軍大佐。ツイン・クリークス発電所を占拠し、1000万ドルの身代金を要求する。
 珍しくミュータント絡みではない話で、どこかの特殊機関からの要請を受けてミュータントXが出動するという話。ミュータントXは完全独立組織じゃなかったのかね?あるいはこれがミュータントXの資金源なのかな?「エアウルフ」みたい。相手方だの人間でも、ミュータントの特性をはっきり知っており、度胸があるなら互角以上に戦える事が分かる。
 具体的な話はジェシーが中心となる。気体化した時神経ガスを取り込んでしまい、体組織が極めて不安定になってしまう。それで今回は前線に出なかったのだが、それが本作の肝になる。それで拡散して消えそうになるのだが、それを救う能力を持っていたのがブレナン…偶然が重なってるのは、出来過ぎだが。
<能力が暴走し、気体化するジェシー。何故か床は透過しないのね。
 レーザー兵器に対し電撃でデコイを作るブレナン。そのまま破壊しても良かったんじゃない?
 スプリンクラーのお陰で自分の電撃で感電してしまうブレナン。心臓が止まるほどの衝撃だったようだが、全然焦げてないね。>
第3話 過去への策謀
“Time Squared”

  監督:ジョン・ベル
  脚本:エリザベス・ケイシャン
 何らかの液体を手に入れたガブリエルはエリソン神経病院へと入った。それを追ったシャリマーとブレナンだが、ダイアナという少女が作り出した渦に巻き込まれ、ガブリエルと共に1978年に行ってしまう。時空を歪めるダイアナの能力を使い、過去を変えて生き延びようとするガブリエルだったが…
 フリーの
ダイアナ登場。時空を歪める能力を持ち、任意の時空に対象物を送り込む事が出来る。
 タイムスリップの話。これもSFではよく用いられる話で、タイムパラドックスを起こさないように奮闘する主人公達という伝統的な話が展開。オリジナル部分しては二重のタイムスリップを起こす事で、変わってしまった歴史を更に修繕できたこと。
 今回はジェシーが妙に存在感見せてるのが特徴と言えば特徴か。結局ジェシーの機転で全ては元通りになった訳だし。
 1978年はアダムがジェノマックスでの研究を始めた年だった。若き日のアダムの姿が見えるのだが、ここでシャリマーと出会ったのは、ひょっとしたら後の歴史に爪痕を残す事になるのかな?
 1978年という事で、音楽も当時はやっていたポップス系が用いられてる。私にとってはとても懐かしい感じ。
 タイムパラドックスを扱った作品の場合二系統に分かれ、過去の自分に出会ってはいけない場合と、積極的に会っても良い場合。この場合は後者で、むしろそれによって過去を積極的に変えようとする。
<過去は変えられないのか、変えられるのか。ガブリエルは自信満々でダイアナに会いに行ったから、変えられるというのが本作の流れらしい。しかし時を超える人間を出してしまったら、何でもありになってしまうのだけど。
 今回のガブリエルの能力の大半は全部ミュータントXのものばかりだった。わざとかな?
 ところでダイアナが勝手にガブリエルを他の時代に送っていたらどうなってたんだろう?素直すぎるよ。
 ところで過去を変えるのは良いけど、どうやって現代に戻ってくるつもりだったんだろう?ガブリエルはダイアナも一緒に連れて行かなくてはいけなかったんじゃないのか?
 …まあ、それでもタイムパラドックスでは矛盾は絶対に起こるので、その辺考えないのがSFを楽しむ際に必要な事だ。>
第4話 変異の果て
“Whose Woods These Are”

  監督:ジョージ・モンテッシ
  脚本:ダレル・フェティ
 ある山で4人もの人間が殺され、怪物騒ぎが起こる。これがミュータント絡みではないかと当たりをつけたアダムはシャリマーとブレナンを現場に向かわせる。山奥に分け入った二人の前に猿人のような存在が立ちはだかり、シャリマーと戦うのだが、シャリマーは怪物の爪で傷つけられてしまう。それ以降原因不明の高熱に悩まされるようになったシャリマーだが…
 フリーの
マイクが登場。野生系ミュータントだが、宇宙局の実験によって強大な力を得るが、同時に致死の変異遺伝子を持ってしまう。最早知能も大分後退していたようだ。そして人間の動物学者グレイビーが登場。シャリマーとマイクが戦っている所を写真に撮る。そしてもう一人ナザニエルという、実験中の野生系ミュータントがおり、こいつをサンクチュアリに連れてくる事で抗ウィルス剤を作り出す。
 ミュータントを死に至らしめる変異遺伝子の話だが、これは既に何度か似たような話が出ていている。この作品での特徴だろう。大きな流れとは関係が無く、物語も割と月並みなので、語るべき所は少ない。物語自体がかなりのご都合主義だったし。
 野生系ミュータントのシャリマーはなんと動物と話が出来るらしい。今回熊と話していた。一方、そのお供にされたブレナンは自然の中にいるとどうも調子が出ないみたい。
<ほとんど全編森の中での話が展開するのだが、随分と開けた森だな。まるで区画整地されているみたい。まあ当然か。
 特殊遺伝子はミュータントを死に至らしめるが、それも野生系に限られるらしい。とても都合良い遺伝子だと思われる。
 グレイビーの写真を始末するのにカメラのフィルムを抜き取るブレナン。正しい行為だが、こういう場合、どこかにフィルムを隠し持ってる可能性を考えるべきだろうに。>
第5話 運命の日
“The Future Revealed”

  監督:ジョン・ベル
  脚本:マーク・アマノ
 友好的な超能力集団リンクスは今やガブリエルの手の内にあった。ガブリエルから逃げたいというリンクスメンバーの連絡を受け、現場に向かうブレナンとシャリマー。だが二人の目の前でリンクスメンバーはガブリエルに連れ去られてしまった。なんとかミュータント達を守ろうとガブリエルの本拠ストランドの場所を探すミュータントXだったが…
 敵は
ガブリエル。死期はもう近づいているが、ミュータント集団であるリンクスを支配下に置き、勢力はますます強大になっている。他にも何人ものミュータントが登場するが、ほとんど名前が分からない。キミーという女性が電子系のミュータントとして名前が出ている。同じく電子系らしいパトリシアという女性が登場。
 これまで強大な力でミュータントXを苦しめていたガブリエルの死が描かれる。早すぎる退場だったが、しっかりその子供は残っているとのこと。しかし、治ったかのように思わせるとはアダムもなかなかの策士だ。
 これまでにミュータントX、ジェネティック・セキュリティ、ストランドとミュータント集団が出てきたが、今回はリンクスという集団が登場している。他にもいくつかあるんだろうね。
 メンバーの精神的な設定がいくつか出てきている。シャリマーはガブリエルの幻想に悩まされ続け、精神状態が不安定になっている。ジェシーは未だに自信が無く、ブレナンからハッパをかけられてる。
第6話 捕らわれの解放戦線
“No Man Left Behind”

  監督:ジョージ・モンテッシ
  脚本:デヴィッド・ニューマン
 かつてアダムが開発した破壊兵器PGVを手に入れた政府は激戦地コバキスタンで実験を行おうとする。だが輸送途中で輸送機が墜落してしまった。それを知ったアダムはミュータントXを派遣する。PGV奪還を最優先するアダムだが、かつてヴェトナム戦争で父を失った過去を持つブレナンはパイロットの命を救いたいと思っていた。
 前回でガブリエルとの戦いが一旦終了したため、今回は一話完結の話が展開。物語もさほど個性的な話とは言えない。ミュータントとしての能力もさほど多く使われることはないが、ポイントで何度か。と言ったくらい。
 毎度お騒がせな兵器を開発してしまうアダムだが、なんと最終兵器のようなものまで作ってしまったらしい。それがどんな兵器であるのか、最後まで分からないのがなんだが。
 ブレナンの父親はヴェトナム戦争で殺されたことが発覚。同じような事件が起こった際、平常心ではいられないが、それがメンバーの危機を呼び込む。結果オーライで救出も出来たのは幸い。部隊じゃないからこういうのもOKなんだろう。
 更に人の考えが勝手に頭の中に流れてくると言うエマの苦悩も描かれている。能力がますます上がっているため、その苦悩も深くなっているように見える。
 電撃を発することが出来るブレナンにとって一番困るのは水牢に入れられてしまうこと。放電してしまって自分が傷ついてしまう。
 今回ほとんど良いところなしのジェシーも、最後にフェリックスを丸ごと気体に変えてミサイルを避けさせるとかやってる。
 コバキスタンの兵士はAK-47を保有しているようだ。現実と地続きなんだな。
第7話 封印された町
“Crossroads of the Soul”

  監督:ステーシー・スチュアート・カーティス
  脚本:マーク・アマト
     エリザベス・ケイシャン
 レストアされたカマロを駆ってドライブ中のブレナンからの連絡が突然途絶えた。事故を起こしたブレナンはミランダという女性に助けられ、ある町にかくまわれていたのだが、何故かその町は入ることが出来ても出ることが出来なかった。心配した他のメンバー達はブレナンを探し始める。
 今回はどことなく外伝的なお話。封印された町から出られずにあがくブレナンの姿が描かれ、どことなくキング風の作品に仕上げられてる。舞台も昔の中西部のアメリカっぽく描かれており、これもキングが好む舞台。
『ヴィレッジ』にもかなり似てる。
 そこで受け入れられることになったブレナンだが、調子良いブレナンのこと。それが危機を呼び込んでしまう。
 ニューホープというこの町にはフォースフィールドが張り巡らされており、外からは見られず、中から出ることも出来ない。これはかつて妙な科学者が楽園を作ろうとして作り上げた結果。
 そしてこの町に入る唯一の方法は、雷を用いてフォースフィールドを不安定にする事。アダムがとった方法は、沃化銀を雲にぶち込んで雨を降らせるといった方法だった。かなり無茶をする。だったらフィールドの発生装置を探すか、フェリックスの能力でも出来そうな気がするんだが。
 この町にいる限り、ブレナンは能力が使えないが、外では一瞬ではあっても空を浮く能力を見せている。
<野生系のシャリマーは嗅覚も優れているはずだが、いかにも怪しい行動を取る人間を完全スルー。信じ易すぎるんじゃないのか?ジェシーもいたというのに。
 結果的にフォースフィールドが消え、ニューホープの町は解放されたが、これからどうなってしまうんだろうね?ちょっとその辺の描写が欲しかったかも?
 ニューホープの処刑方法は、なんと公開で八つ裂きの刑。未遂に終わったとは言え、描写が残酷すぎる。>
第8話 狙われたミュータント
“Sign from Above”

  監督:ジョン・ベル
  脚本:トニー・ブレイク
 ジェシーとつきあっている野生系ミュータントのアマンダはある夜何者かに襲われ誘拐されてしまう。実は何者かがミュータントを次々に殺しているのだ。アダムはすぐさま調査を指令するが、単独行動をしているシャリマーまでが行方不明となってしまった…
 
アマンダ登場。これまで登場したことはなかったが野生系ミュータントで、ジェシーとつきあっていたが、あっけなく殺されてしまった。そしてカイルという人間が登場。本人は「野生系ミュータント」と言っているが、実際は単なる人間で、ミュータントの力を手に入れて強化人間にされている。他に強化人間としてマルコとブラックが登場。
 ジェノマックス、ガブリエルに続き、新たな敵が登場。話が又本筋へと戻ってきたが、今回の話で終わりになるのか、まだ続くのかは不明(少なくとも原題は続きを暗示してる)。ミュータントの骨髄液から取れる血清を使うことで人間が強大な力を手に入れることが出来るという話で、ミュータントXの力さえも跳ね返してしまう。ミュータントの力を人間が手に入れるというのは、かなり重要な意味を持っていくはず。
 ミュータントXの個々の物語が描かれていく。ジェシーは恋人を殺され、シャリマーは捕らえられ、エマは暴走する自分の能力に悩む。それぞれが大きな悩みを持ちつつ、新しい敵へと向かっていかねばならない。
<医者のサラはミュータントの骨髄液を使えば人間は短時間強靱になれると言うが、カイルはえらく長い間力を使えていた。人間じゃなかったのかな?
 特撮系では処刑する際、悪の組織は長々と話すのだが、ここでも健在。
 エマはカイルの心が読めないのを喜んでるが、好意を持って以降、何故か「心を開いて」とか言ってる。女心って複雑なんだな。>
第9話 さまよえる魂
“Body and Soul”

  脚本:デヴィッド・ニューマン
 ジェノマックス時代のアダムの同僚デニスが急死する。その瞬間を目撃した新聞記者のカーラは、ミュータントの存在を感知し、調査を始めるのだが…
 
サイラス登場。ブレナン同様電撃系のミュータントなのだが、肉体は既に滅んでおり、魂は電気となって様々な人間の体に乗り移っている。
 ジェノマックス時代のアダムが行ったことについて、その尻ぬぐいみたいな話が展開。これも定期的に出てくる物語。かつてウォーカー計画なる精神離脱の研究によって生まれた突然変異したミュータントが敵となる。それと、スクープを狙う新聞記者に狙われてしまう。
 魂となったサイラスを殺す方法は、ミュータントX全員の連係プレイ。エマが思念波でサイラスを追い出し、ジェシーに入り込もうとしたところを気体化。それで出たところをブレナンの電撃で。
 エックハート無き今、ジェノマックス社は最低の状態であることが明らかになるが、それが逆にこれまでの計画が野放図になってしまっている。会社が倒産するとそうなってしまうものだ。国家もそうだ。
<ケリーおよびマークという名前は1stでも出てきたが、ここでは別人のようだ。ミュータントじゃないからね。
 新聞記者ケリー役の役者さん、脇の処理が甘いぞ。もうちょっと身だしなみには気をつけて欲しい…余計なお世話。>
第10話 宿命の再会
“Understudy”
 粒子減速機を狙う何者かと戦うシャリマーとブレナン。だがシャリマーは脚を撃たれてしまった。そんな彼女を救ったのはニッキーというミュータント。動けなくなってしまったシャリマーに替わり、
 
ニッキー登場。野生系ミュータントで、シャリマーの幼なじみ。かつてはミュータントXの候補としてシャリマーと候補を争った。
 シャリマーが中心となった話で、シャリマーの幼なじみが登場。シャリマーとは異なり、普通の生活を送っていたはずなのだが、実は里親に虐待されており、そのためにすさまじくひねくれてしまっていた。シャリマーの仲間意識と心の揺れが描かれる。シャリマーは元々直情的な性格をしてるが、その分落ち込む時もストレート。
 シャリマーは15の頃からアダムの訓練を受けていたそうだ。つきあいは随分長いんだね。どっちかというと親代わりなんだけど。
 シャリマーを助けられなかった事でブレナンはニッキーに対して大変嫌な感情を持っている。今回に関してはブレナンの直感は正しかったようだが、ニッキーの口の巧さでめろめろになってしまう。一方ジェシーはそう言う免疫がないので、あっという間に陥落。
 野生系ミュータントは長く一緒にいると、どうしてもいがみ合ってしまうという事実が発覚。本能的な縄張り争いが起こってしまうらしい。
<ニッキー役は表情が硬いなあ…と、思ったら、それもちゃんと意味があったようだ。
 物語そのものはともかく、ニッキーは養父母によって虐待され続けたというのだが、15歳になった野生系ミュータントの場合、どう考えても虐待を受けるように思えないのだけどねえ。そんなことをモニターしてないアダムにも問題があるし。全般的に設定が甘い。>
第11話 危険な罠
“The Grift”
 高校時代の恋人ベッキーから連絡を受けたブレナンは彼女に会いに行く。今や娼婦で泥棒と化しているベッキーはブレナンの前にコナーという少年を連れてきて、これがブレナンのこどもだという。実は彼女は下院議員からバッグを奪ったところ、そのバッグにはディスクが入っており、以来命を狙われるようになったというのだ。
 
ベッキー登場。人間だが、ブレナンの高校時代の恋人。今は娼婦で泥棒となっている。下院議員から奪ったバッグに入っていたディスクのお陰で命を狙われている。
 個人的な人助けの話だが、議員の弱みを握ってしまい、それで命を狙われるってパターンはそれこそ山ほどある話で、なにもミュータントを絡める必要はなかったし、物語としても『ターミネーター2』の劣化コピーみたいな話。出てくるキャラに全く感情移入が出来ないため、全然面白くない。
 一応物語としてロボットと化した死体兵士が登場。これって『ユニバーサル・ソルジャー』そのまんま。
 エマの機械音痴は堂が入っていて、コンピュータにさえさわれないことが分かる。
<QJ兵士は感情が宿ってない。とベッキーは言っていたが、ちゃんと表情はあるよ。>
第12話 運命の行く末
“At Destiny's End”

  脚本:ジェフ・キング
 環境テロリストが化学工場爆破テロを計る。それを探知して防ごうとするミュータントXだが、エマは彼らを探知しながら何もしようとせず、そのため爆破を防ぐことができなかった。実はテロリストの中にはエマの元恋人タイラーがいたのだ。
 
タイラー登場。精神感応ミュータント。環境テロリストの一員だが、江間と接触することで精神交感が起こってしまい、お互いに愛し合うようになる。未来予知もできるようだ。
 エマが中心となった話。サイコエンパシスであるエマは人間との接触を避ける傾向にあるが、だからこそ同じ能力を持つミュータントに惹かれるらしい。多分唯一のエマのキスシーンあり。
 どこかの環境保護団体をますます過激にしたような環境テロリストの話。実際これは大問題なのだが、だからといってテロを起こす意味は実際無いはずなのだが、一旦こうと決めてしまうと突っ走ってしまうのがテロリストって奴だ。環境を売れいている割に消費文化を楽しんでるのも変な話だが。
 テレエンパスにもかかわらず銃を突きつけられて立ち尽くすしかないエマとか、石油を食い尽くすバクテリアまで登場。なんだか設定が酷すぎるな。
<水上スキーを楽しむ環境テロリスト。それが湖を汚していることには無頓着なの?
 エマとシャリマーのビキニ姿が拝めるが、エマって本当に脱ぐとガリガリだね。シャリマーとの対比が凄い。>
第13話 蜜室の葛藤
“Within These Walls”
 囚人護送車を警護するよう依頼を受けたブレナンとシャリマーは護送車に背後から近づくが、その囚人ニックは破壊的なミュータントで、それを知らされてなかったブレナンは大けがを負ってしまう。そのことに責任を背負うアダムは一人で調べることにする。
 
ニック登場。爪に熱を集めて飛ばす攻撃型のミュータント。これまでのミュータントとはまるで異なる力を持つ。
 久々にアダムが中心となった話。ミュータントの能力こそ持たないが、ミュータントXを束ねる存在としての責任感と、外との折衝を一手に引き受けているだけに苦労は絶えない。とはいえ、それが他者にとっては冷たい態度に見えてしまう事もあり。しかし、アダムの中にも様々な感情があるらしい。
 物語そのものは『パニック・ルーム』っぽい感じだが、ここのところくだらない話が続いていたが、ようやく面白い作品になってくれた。
 アダムは全てを計算によって処理するが、自分の命の危険も計算によってギリギリ助かる賭を行うこともある。
 一方ではミュータントXの仲間意識も強調される。ミュータントXの中では最もやんちゃなブレナンがアダムに対して反発する姿が描かれる。命懸けの任務に説明不足なのだから、反発は当然だが、アダムとしても万全な準備をしてのことのはず。そこを理解している他のメンバーとの反発もあり。
 一方ではジェシーの反応は薄すぎる。熱血なブレナンとシャリマー、妙に突き放した態度を取るジェシーとエマの対比が面白い。結果としてイニシアティブを取るのはブレナンとシャリマーの方になる。これが結局バランスと言うことなんだろうね。
<エマがいると拷問いらずだが、無表情で秘密を喋らせる姿は怖いぞ。>
第14話 塀の中のデスマッチ
“Hard Time”
脚本:トゥリ・メイヤー  ブレナンの旧友で刑務所に入れられていたデニスが脱獄する。ブレナンは彼の居場所を突き止めて自首を勧めにいくが、デニスは突然ブレナンに襲いかかり、トラックに跳ねられて死んでしまった。刑務所の中で何かが起こったと推測するアダムはブレナンとジェシーを囚人に見せかけて刑務所に潜入させる。
 
デニス登場。ブレナンの親友で人間だが、刑務所で人間を凶暴化させる薬をうたれて凶暴化してしまった。
 又してもブレナンが中心の話。直情的な性格のために主人公になりやすいのは分かる。一方彼のサポートとしてジェシーがいるが、こちらは坊ちゃん育ちのためにいつも苦労させられる役。
 物語としては、刑務所の潜入が主軸。だけど、なにもこれはミュータントがすることじゃないだろ?物語も迷走してる感じ。
<刑務所では目立つな。と何度もジェシーに念を入れるブレナンだが、一番目立っているのがブレナンだったりする。それに1stではミュータントは社会に受け止められてるはずだが、それを無理に出すなってのは設定に矛盾がないか?
 誰にもばれないようにこっそりと薬品棚を漁るエマ。だけどエマの能力を持ってすれば誰にも気づかれないうちに情報を得るくらい簡単そうだが。最終的にその方法をとることになるんだけど。>
第15話 美しき刺客
“Under the Cloak of War”
監督:アンドリュー・ポター  遺伝子学のチャリティパーティに出席するミュータントXの面々。だがパーティ会場で突然アダムが襲われてしまう。彼を襲ったセリーナという女性は「青い稲妻」という暗殺集団のメンバーであることが分かり、シャリマーがおとり捜査をすることとなる。
 前回に続いてのおとり捜査の話。今回はシャリマーの出番。アダムの助手として、アダムの身を案じての立候補だったが、当然危機に陥ることになる。
 裏社会のことをよく知っているブレナンはシャリマーの身を案じているが、シャリマーとてそんな生やさしいもんじゃないはずだが。まあ、なんか最後にちょっぴり告白までしてるし。一方シャリマーのことを心配しながら他のメンバーには「心配はいらない」と言い続けるアダム。これがリーダーの素質か。
 やっぱりミュータント関係とは別の話になっていて、この作品でやる必然性はなさそうだ。
<シャリマーが人を殺さなければならないとなって、ジェシーが囮となるのだが、その歩き方はまともじゃない。緊張感丸出しだよ。
 ベンジャミンの息子もやっぱりベンジャミンだが、その割に随分老けてるな。>
第16話 闇の掟
“Once Around”
脚本:マーク・アマト  起訴されている有力者レイモンドの証言者ヴィクを裁判所の前で待つミュータントXの面々。だが隠れミュータントであるレイモンドは事前にヴィクの動向を知り、裁判所に入る前に襲撃されてしまう。すんでの所で命を長らえ逃亡したヴィクだが…
 
レイモンド登場。接触型テレパスで、触れた人間の知覚に同調して秘密を何でも知ることができる。
 裁判制度の発達しているアメリカでは証人の護送をするという話は立派な一ジャンル。ミュータントの存在をそれに加えることで話を広げようとしていることは分かる。けど、話は残念ながら月並みに落ち着いてしまった。ミュータント同士の戦いから離れてるからね。
 ミュータントの能力を持てば、一人の護送くらい簡単そうだが、都合悪く(良く?)フェリックスが故障。やっぱり力の差があるので、これくらいのハンディは必要か?
 ヴィクのキャラがとにかく苛つかせるもののため、観ていてむかつくのが難点。
 前回に続き、ブレナンとシャリマーの仲が妙に良くなっている感じ。くっつくのかな?
第17話 甦る宿敵
“Final Judgement”
監督:ビル・コーコラン  その身が危ないとさる筋から警告を受けたアダムはその人物に会いに行くが、突如現れた車によってアダムは連れ去られてしまう。アダムの後を尾けていたシャリマーはその出来事を目撃する。残された血痕から敵の位置を知ろうとするミュータントX。その頃アダムは闇の法廷に引きずり出されていた。
 アダムが中心となった話で、この人が中心になると、いずれにせよかなり厳しい話となるのが特徴で、この話はこれまでのアダムの行いに対し裁判が行われることになる。
 ただ今回は妙な話で、いきなり闇の法廷とか、これまでのバンクフィルムの多用とか、なんか金がないことを如実に示してるような物語になってる。切り貼りのバンクだらけではっきり言って全然おもしろみがない。それで最後は裁判を無視してミュータントXメンバーがやってきて解決。とにかく酷い話だ。最後にやっと宿敵メイソンが戻ってきたのだけが良かったくらいか。
 それで「影の権力者」なる存在が登場。なんだかあんまりにもいい加減な話だ。
 アダムは人々の命を救うために一生懸命働いてきた。と主張。だけど基本的に国家犯罪者は全員同じことを言う。
<裁判の弁護士についたジャネットの髪型は極端に後ろにひっつめてる。まるで「フランケンシュタインの花嫁」みたいだ。
 ニューロイメージは本人の記憶を映像化するもの。しかし、アダムが観てない景色も再生してるぞ。大体なんでアダム自身が自分の記憶に登場するんだ?
 被告人席で何度も電気ショックを与えられてぐったりしていたアダムは、弁護する時はものすごく元気。
 機械音痴でコンピュータにもさわらないはずのエマに対し複雑な操作を要求するブレナン。それでちゃんと操作もしてる。設定無視か?
 ところで検察側の証人ウォードは4話に登場した野生系ミュータントのマイクと同じ姓だが、その事については触れなかったね。>
第18話 地獄の漁火
“Inferno”
監督:アンドリュー・ポター
脚本:チャールズ・ハイト
 ミュータントの連続放火魔を捕らえようとしたミュータントXは調査官レイの死を目撃する。レイが息を引き取る前にエマはエンパシーで彼の記憶をコピーするのだが、それからエマの精神に異変が起こる。
 ミュータントはビリー。炎熱系のミュータントで、その能力を活かして連続放火事件を起こす。
 エマが中心となった話。記憶をコピーしたはずが、霊体までコピーしてしまって混乱するエマの姿が見られる。オカルティックだが、エマの能力だと起こりえる話だ。
 又ミュータントの戦いになったので、ようやく本筋に戻ってきた感じか?話としても、犯人と目星を付けたキャラを追い詰めたら…というちょっとひねりのある話に仕上げられている。
 アメリカには消防士の中に放火捜査官なるものがいるのか。知らなかった。
 野生系のシャリマーは火を恐れる傾向があり。弱点を克服しようと殊更火の中に飛び込もうとするのだが、それは勇気ではないだろう。
 今回あんまり活躍の場がなかったジェシーだが、犯人のプロファイル作りなんかをしてる。アダムにたしなめられてるけど。
<炎に巻かれて全身やけどのレイ。しかし服は全く焦げてない。
 シャリマーがフランクを犯人と考える根拠は、放火犯は火に詳しいから。だそうだ。すげえ論理。>
第19話 変異の予兆
“One Step Closer”
監督:ビル・コーコラン
脚本:フレディ・プリンズJr.
 モリソン上院議員の娘ミーガンを護衛中のブレナンとシャリマー。誘拐犯からミーガンを守ろうと電撃を発動させたブレナンだが、能力が暴走してしまう。任務に失敗したことと、自分の体に起こった異変に悩むブレナン。だがアダムは何も言わず、一方でミーガン救出作戦を敢行するが…
 ミュータントは登場せず。ただし1stに続き、又しても能力に異変が起こるミュータントX達。今回ブレナンがその能力を暴走させてしまい、それを抑えるためにどうするか。という事が描かれていく。ガブリエルが自己崩壊したのと同じことがミュータントXにも起こっているのかもしれない。という恐ろしさが描かれている。
 話は物語の今巻に関わるかなり深刻なもの。それだけにようやく面白い作品が出来たか。結果として今回は能力の暴走は精神の集中によって抑えることが出来たため、エマの能力がキーとなった。
 特撮部分はかなり凄く、火薬量も随分なもの。資料映像っぽくもあるけど。
<ブレナンの能力暴走をただ見ているだけしかできないシャリマー。だが、それで護衛対象のミーガンを放って置いてしまった。
 ブレナンの能力が暴走すると爆発するのだが、服は全く破けてなかったりする。
 誘拐されたミーガンのことを思うだけで身が引き裂かれる思いがするというブレナン。本当に身が引き裂かれつつあったりして。
 誘拐犯を特定したのはエマのコンピュータ操作によってだった。エマの機械音痴という設定はどこに行ったのだ?
 ブレナンの能力暴走はエマによって抑えられた。エマが暴走したらどうなるんだろう?>
第20話 悪夢の真相
“Reality Check”
監督:ジョージ・モンテシー
脚本:マーク・アマト
    デヴィッド・ヤング
 アダムにつながりのある物理研究所から、研究員が原因不明の錯乱状態を起こしていると連絡を受けてエマと共に急行するアダム。錯乱しているライデル博士を救うべく、テレエンパシーを使い、ライデルの心に潜るエマ。だがエマの力も又異様な増大を見せ、危険な状態にあった。又その原因を探るためライデルと接触があったロシア人のパーティに潜り込んだブレナンとシャリマーだが…
 テレエンパシーのテレパスト
レヴァクが登場。ジェノマックスでも自然発生でもなく、旧ソ連の研究所で作られたというのが、ややステロタイプさを感じてしまうが。
 ようやく能力者同士の戦いが展開する話となった。今回はエマとシャリマーの二人が中心となり、緊迫感ある話が展開する。危機感の描写は結構良いが、物語がかなり単純なのが寂しい。
 前回ブレナンの力の暴走が描かれたが、今回はシャリマーとエマの暴走が描かれている。シャリマーは血が騒ぎ、夜な夜な事件を求めて徘徊して悪人を懲らしめ、エマは自分の増大した能力を恐れる。エマの増大した能力は一瞬にして人間の精神を破壊することまで可能になった。
 シャリマーの幻覚の中ではあるが、エックハートが久々に登場。実際どこかで活動しているはずだが、本格登場はいつだ?
<イェルジーに接触した途端眠らされたシャリマーは次の瞬間ブレナンと共にベッドの中に。思わず寝起きにブレナンにキスをするシャリマーだが、これって本能的なこと?
 ラスト。精神的ショックから立ち直りはしたが、シャリマーはサンクチュアリから去ってしまう…いつものように夜遊びに出かけるのかとも思えるが、降板の可能性もあるね?2ndシーズンになって全般的に話が低迷してるから、それで嫌気がさしたとも考えられるな。>
第21話 50万年の眠り
“Reawakening”
監督:T・W・ピーコック
脚本:マーク・アマト
 アダムの旧友コービー博士が北極の洞窟で50万年前の失われた種プロトカンスを発見する。その調査を依頼されたアダムはミュータントXを連れて彼女の元に向かうが、何故かエマは一人怯える。船の上でプロトカンスを復活させようとしたところ、突然それは凶暴化してしまう…
 ミュータントではなく
プロトカンスという怪物が登場。進化の系統からすると、人間の代わりに地上の覇者になっていたかもしれないという存在。人間型をしたモンスター。人間の感情まで読むことが出来る。
 話としては今回もエマが中心となる。感情を読み込むテレエンパシストからすると、怪物の感情まで読み込んでしまうため、恐れや捕食の欲望まで読み込んでしまう。
 極北の地で怪物と遭遇…ってそりゃ『物体X』だろ。それに加え、そんで船に閉じ込められて触手で攻撃する化け物は『ザ・グリード』。それに『エイリアン2』の演出を少々。なんか本当に50年代のSFを地でやってる感じだ。
 アダムは古生物学にも造詣が深いらしい。それで閉じ込められたことを強調するため、フェリックスが寒さに弱いという設定も付け加え。ちょっと出来すぎた設定だな。
<前回ミュータントXを去ると言っていなくなってしまったシャリマーが今回普通に登場してる…なんじゃそりゃ?
 食堂に集まっている船の乗組員に逃げろと言うアダムからの指示に対し、「俺は残る」と主張する何人かの乗組員。これは確実に死亡フラグ。実際に死んでしまった。
 プロトカンスの動きを止める唯一の方法は冷気。丁度逃げ込んだ部屋に液体窒素があるなんてのも出来すぎ。>
第22話 究極の野望
“Lest He Become”
監督:ジョナサン・ハケット
脚本:ピーター・モハン
 アダムの旧友リチャードの依頼で待ち合わせ場所に向かったミュータントXだが、特殊なミュータントの待ち伏せに遭ってしまう。シャリマーはそのミュータントに父の会社が関わっていることを知らされ、父親に会いに行くシャリマーだが、その父親からアダムの悪行を聞かされることに…
 新たな強力なミュータントが二人登場。マルという能力者は空間をねじ曲げて衝撃波を作ることが出来、シルヴァという能力者は人間の精神に干渉し、感情を自在に操ることが出来る。
 第2期の最終回。アダムの秘密主義が何を意味しているのか。そして新たなる戦いの布石が描かれていく。ただ、物語そのものが残念ながら付け焼き刃っぽく、よくこれで第3期作れるようになったもんだな。
 シャリマーの過去が描かれた話となる。子供の頃から能力が発言したシャリマーは10歳の頃から凄まじい迫害に遭っていたという事が語られる。無理矢理精神病院に入院させられたトラウマがあって、父親に会いに行くことをとにかく嫌がっている。
 それを無理矢理会わせたのがアダムだが、シャリマーの遺伝子治療を行ったのがアダムのため、ちくちくと嫌味を言われてしまう。
 ここでもアダムの秘密主義はメンバーを苛つかせてるが、ばらしたから何だと言うことでもなさそうだが?大体それ第1期で分かってたことだし。
 そして最後に登場するエックハート。前のように皮膚や髪が真っ白ではなく、随分健康そうな肌色になってる。

 ラストシーンはニコラスにより破壊されたナクソコン社の爆発にミュータントX達が巻き込まれた瞬間で終了。3期の引きとなる。
<ちなみにエックハートが何故冷凍ポッドから出られたかというと、エックハート自身の認証がないと半年で開く事になってたのだとか。なんとご都合主義的な。しかし、だったら山ほど眠らされていたミュータントはみんな野放し?そんな描写は全くなかったけど。>