セント・マーティンの小径
St. Martin's Lane |
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エリッヒ・ポマー(製)
バートレット・コーマック
クレメンス・デイン
チャールズ・ロートン
エリッヒ・ポマー
ティム・フェーラン(脚)
チャールズ・ロートン
ヴィヴィアン・リー
レックス・ハリソン
ラリー・アドラー
タイロン・ガスリー |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
4 |
4 |
2 |
3 |
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劇場脇のセント・マーティンで大道芸にいそしむチャールズ・サガート(ロートン)。そんな彼がある日女スリのリビー(リー)と出会う。彼女の中に芸人の素質があると見て取ったチャールズは彼女に芸を教え、仲間を加えて喝采を浴びる。だが、その才能を見抜いた劇場から誘われた彼女は…
大道芸人をメインとして綴られる人情喜劇。
前半はなかなか良かった。チャールズ役のロートンは顔こそややくたびれた中年男っぽいが(失礼ながら)、演技は確かで、大胆にして繊細、細かいところまで気を配ると言う難しい役をしっかりとこなしていたし、リビー役のリビーとの掛け合いもなかなかはまっていた。
そこで終わるか、それとも違った形でストーリー展開していけば良かったんだけど、残念ながら後半は私の最も嫌いなパターンへとなだれ込んでしまった。かつて面倒を看てもらった男が落ちぶれて、それを支えようとする女性と、プライドからそれを拒否する男…後に『黄昏』(1951)や『スター誕生』(1976)などで散々使われることになるパターンだが、このパターンが私は一番嫌い。パターンさえ変えてくれれば私としても評価したいのだが、ここまで見事に典型的パターンだと、やっぱり駄目だな。
劇場の中で演じるものも、劇場の外で演じるものも、芸は芸だ。しかし、結果として劇場の中で行われているものだけが評価され後々まで残っていく。大道芸は潔いものとして捉えられるのかも知れない。
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