イルマーレ 2006 |
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デヴィッド・オーバーン(脚)
キアヌ・リーヴス
サンドラ・ブロック
ショーレ・アグダシュルー
クリストファー・プラマー
ディラン・ウォルシュ
エボン・モス=バクラック
ヴィレケ・ファン・アメローイ
リン・コリンズ |
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★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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目の前で起きた事故で助けることが出来なかったことにショックを受けた女医のケイト(ブロック)はショックを癒すために湖畔の別荘に向かい、そこで愛犬と共にしばらく滞在する。そしてそこを去る際、郵便受けに「もし間違って郵便物が届いたら、新住所に転送して」と置手紙を残しすのだが、それを受け取ったのは建築家のアレックス(リーヴス)だった。彼はこの湖畔の家に住んでいたはずなのに、このような手紙が来ていることに理解できなかった。二人はこの不思議な郵便受けを通して文通のようなことを始めるのだが、なんとこの二人、2004年と2006年に住んでいるという事実に気づくのだった…
韓国映画『イルマーレ』のハリウッドリメイク。サンドラ=ブロックとキアヌ=リーヴスという一流を配して投入されたちょっと不思議な恋愛劇。
物語自体の構成にはかなり感心してはいる。すれ違いの恋愛劇。SF的設定。親子の関係の修復。そして一種の難病ものの物語…よくもここまで詰め込んだものだ。と感心は出来るし、雰囲気も良い。だけど、その雰囲気の良さが問題で、物語が全然展開しているように見えない。ただ流れるように時間だけが経ち、その中で細かな物語が展開していく。お陰で焦点は多少ずれているが、もう少し物語を絞ってくれればそれでもかなり観られたものにはなる。丁度この当時シカゴは建築ブームだったそうで、その前後を上手く使って10年のタイムラグに使っているのは面白いところ。
まあ、それでもこの辺は決して悪くない。むしろよく詰め込んだ!と感心できる位。設定的な難を言えば、こういう場合、アレックスは過去の新聞を送ってもらう工夫をすべきだった(だったら大金持ちに…ってのは確かに私の根性が腐ってるのはあっても、誰でも考えるだろう)。それが全くないので、アレックスがあまりにも現実離れした存在に見えてしまう。しかもやってることがマニアというか、ストーカーというか、傍目で観ればかなりヤバい人間に見えてしまうのも難。こういった不気味ちゃん役はほんとよく似合うね。
それでもこの辺は良いのだ。だけど、最大の問題はオチであろう。ラストシーンでケイとはアレックスを助けられなかったという事実を突きつけられ、泣き崩れるシーンで終わる。と思っていただけに、最後のあのオチには呆然。マジで動きが止まって、スタッフロール終わるまで呆然と眺めていた。あまりに呆然としたので、顎が外れたかと思った。どうやったらこういうオチにたどり着けるの?これは一種の難病ものなんだから、死者を死んだままにさせるのが礼儀ってもんじゃないのか?
あのシーン観るまでは、少なくともこの作品は評価出来ていたのに、あれで急転直下。例えばDVDの特典映像で「こういうオチもあったかも?」というイフでやるんだったら、まだ理解出来るが、本編でこれやってしまったら、余韻も何も台無し。
このラスト、評価する人もいるんだろうけど、私は到底容認出来ず。史上稀に見る変なラストシーンだったとだけは断言する。
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