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ニーワン―セネガルのこころ(書籍) 帝国の最後の男(書籍) |
2007 | 6'9 死去 | |
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2004 | 母たちの村 監督 | |
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1923 | 1'8 セネガルで誕生 |
母たちの村 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2004全米批評家協会外国語映画賞(センベーヌ) 2004ヨーロッパ映画インターナショナル作品賞(センベーヌ) 2004ロジャー・エバートベスト第5位 2004The Village Voice第10位 |
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西アフリカにある村では今でも女子割礼が当たり前に行われていた。その中で娘の割礼を頑なに拒否する女性コレのもとに4人の少女がやって来た。彼女たちは割礼を拒否して逃げ出し、コレに保護を求めたのだった。そんな彼女たちに同情したコレは、少女たちを保護すると決心する。しかし、伝統に真っ向から逆らうコレの行動は男たちを困惑させ、村に大混乱を引き起こしてしまう… 映画史においてアフリカ出身の監督はほとんど存在しない(南アフリカは除くが)。その中でアフリカの映画を積極的に紹介し、自ら世界的に認められる作品を作り続けてきたセベーヌ監督はアフリカ映画の父と呼ばれている。そしてその遺作となるのが本作。 アフリカでは普通に行われている割礼の儀式。これは男だけではなく、女性にも行われている。このことは文化習慣として受け入れられ、あまりニュースにされることもなかったのだが、2005年に、セネガル出身のキャディ=コイタが書いた「切除されて」という本がベスト・セラーとなり、そこでようやく世界的にその問題性が取り上げられるようになってきた。この本の存在を私が知ったのは割に最近で、その後にこの映画の存在を知った。本作を観た時はてっきりその便乗かと思ったら、実は本が出る前だと分かった。凄い先見性だ(女子割礼の反対団体は1990年代から存在していたらしいが、世界的な意味で意識が強まったのはこの本とこの映画が直接的な原因だろう)。 これこそ現在の“生のアフリカ”なのだろうな。風習として受け入れてきた旧来の価値観と、女性が立ち上がる近代のぶつかり合いがここには描かれている。今井正あたりの1950年代の邦画の力強さを感じることが出来るし、何より最後に絶望ではなく希望をきちんと描いている辺りはとても好感度が高い。たとえそれが伝統という衣を付けられていたとしても、人権そのものを踏みにじる悪習とは戦わねばならない。という意思力に溢れている。アフリカにある現実を知ってくれ。という願いも感じられる。 ただ、その意気込みは感じるのだが、残念ながら映画としての出来は今ひとつ。作りが真面目すぎるので、エンターテインメント性に乏しく、更に説明不足も加わって演出が間延びしてしまい、途中でかなり退屈になってしまう…その辺も今井正らしさだったりして。 視聴者が文化的な背景を知らないことを前提に、もう少し丁寧に説明を加えながら作ってくれれば良かったんだが。特にかつて慣習に逆らったコレが何故村で暮らしていけるのか、その部分をもう少し掘り下げる部分があったら随分良くなったんじゃないだろうか? |