1968年。孤独な女子高生みすず(宮崎あおい)は、ある日失踪していた兄リョウ(宮ア将)から手渡された手紙をたどり、新宿のジャズ喫茶へと向かう。そこで待っていたのはリョウを含めた5人の仲間たちだった。なんとなく無軌道に生きる彼らと共にいるようになったみすずだったが、学生運動家に巻き込まれたことをきっかけに、権力に対する対抗を考えるようになっていく。
未だ真犯人が分かっていない三億円強盗事件の犯人が学生であると仮定して、学生運動と絡めた特殊な青春劇として仕上げた作品。
演出がよく言えば落ち着いており、悪く言えば淡々と物語が展開するので、観ていて退屈なところもある。特に雰囲気を大切にするためか極端に台詞を抑えているため、物語の展開がつかみにくいところもあって、決してこなれているとは言えない。そして雰囲気重視のため、肝心な三億円強盗事件があんまりにもいい加減なところが気にはなる(事件時明らかに素手で行動してるので、これでは指紋が採られてしまうとか)。
だけど、特殊な時間軸を絡めたとんがった設定はとても面白いもので、こういった物語はとても好みだし、なにより宮崎あおいの存在感がとても良い。落ち着いた雰囲気にぴったりと合った役割は、まさしく彼女のために作られた役で、みごとなはまり具合。 |