松生秀二

　食い歩きが趣味でいつも金欠の大原満太郎(河相我聞)。そんな彼がたまたま町中でみかけた大食い挑戦の店。つい食べられると思い、なけなしの金で挑戦してみるのだが、全く話にもならずに敗退してしまった。だがそんな満太郎を見た一人の男が、大食いのプロにならないか？と持ちかける。ハンター錠二を名乗るその男(萩原流行)の言葉に興味を覚えた満太郎は、彼の食い様を見ることになる…
　「極道ステーキ」で知られる土山しげるが（ちなみに昔あったトンデモアニメ「UFO戦士ダイアポロン」の原作者でもある）大食いブームにのっかった形で連載を開始し、かなりのヒットを飛ばした原作マンガを映画化。大人向きのマンガを描いてきた人にしては、結構メディア化されるものが多いな。
　実は私もこのマンガが好きで、単行本は全巻持っていて、いったいどんな感じになるのか？と言った興味でビデオレンタルしてみた。
　確かにこれは原作をかなり忠実に映像化したということで一定の評価には足るだろう。原作の方も、この話のあたりまでは主人公の挫折が繰り返されるところまでで、なにもかも上手くいかないところで終わっているわけだが、それを下手に変えず、本当に挫折したところで話を終えてしまうのも良い具合。最初から続編ありきの企画だったとしても、そこは評価できる。
　強いて言うならば、本来タレントでもなんでもない大食いチャンピオンたちが結構鬱陶しいところ位だが、元々彼らありきの企画だったのだから、それは仕方ないところか？
　続けて観るより、色々作品を観て、こういうのもあると箸休め程度の感覚で観るのが正しいのかもしれない。別段期待せずに観る限りは、結構楽しいから。

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