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吾妻ひでお

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日記

05'03'06 失踪日記
 しばらく漫画界から姿を消していた著者は、本当に姿を消していた。突然の失踪から自殺未遂、路上生活、肉体労働、そしてアル中による強制入院という無茶苦茶な生活を送っていたのだ。その波瀾万丈の日々を赤裸々に(本人曰く「リアルだと描くの辛いし暗くなるから」、なるだけ明るく)描く。

 若い人(ああ、とうとうこんな事書くようになったか。俺)は信じられないかも知れないけど、かつて少年漫画で群を抜いて売れていたのは「少年チャンピオン」だった。その最盛期には手塚治虫、横山光輝というヴェテランに、古谷三敏、山上たつひこ、鴨川つばめ、水島新司、古賀新一、石井いさみと、まあ、今でも鮮明に思い出せる見事なラインナップだった。その中で妙に気に入ったのが著者の作品だったわけだが(今では当たり前だが、古いアニメとかのパクリをポンポン使うのはこの人が最初だったと思う)、この10年来全然音沙汰を聞いてなかった。
 それが実は…と言う奴。確かに内容は結構明るめに書かれているものの、やってることがあまりにも凄い。本当にこれやってたの?特にホームレス状態の巡回探食シーンなんかはリアリティに溢れすぎ。なんか、タッチは妙に明るいくせにぞぞっとくるよ。
 でも敢えて一言。復帰おめでとう!
<A> <楽>
13'11'22 アル中病棟 失踪日記2
 かつて著者が描いた「失踪日記」の中にもあったアル中病棟の様子を、視点を変えて自分の体験を赤裸々に描く。

 著者にとっての大転機となった「失踪日記」の続編というか、その一エピソードを拡大して描いたような内容となってる。露悪的な部分もあるけど、それが著者の得た境地なんだろう。まだまだ成長を続けているというのが大変好ましい。
 「失踪日記」では4列だったコマ割が3列になってるのと、ところどころに有名漫画家が個性を出して背景描いている事もあって、何度か読んでもまだ面白い。
<A> <楽>
06'07'23 うつうつひでお日記
 アル中病棟から生還したものの、鬱は収まらず、更に仕事もないという状態で、発表する媒体もないまま毎日描いた約半年にわたる著者の絵日記をここに公開。

 現在のブログが流行る前、サイトの方でブログ形式に毎日公開日記を書くのが流行っていた。私も仕事のメモ代わりに3年ほど実は書いていたのだが(今はそのサイト閉鎖)、人の日記を読んで楽しいというか、頷けるのは、その日何を食べてどんな本を読んだか。と言うのを延々と書いているサイトだったりした。まさに本作はその紙媒体板で、何となくうんうんと頷きながら読むことが出来た。暇に任せて読んでる膨大な読書量と言い、ちょっとしたノウハウなど参考に出来ることも多いけど、本作の醍醐味というか、ヤバイのは、読んでいるとこっちまでなんか鬱っぽい気分にさせられる所。これ買って一気に読んだらしばらく動くのが億劫になったほど。危険な本だ。
 習作で他の人の漫画キャラを描いてみたりするのも見ていてなかなか楽しい。しかし著作権の問題とか大丈夫なのかね?
<A> <楽>
09'03'06 うつうつひでお日記 その後
 著者の日常生活を、基本一コマの絵日記で綴った半分エッセイ、半分マンガの作品。

 前作うつうつひでお日記と較べると、イラストの割合が大きくなり、日記と言うより一種のイラスト集と言った風情。これはこれで大変読み応えも楽しさもあるが、描かれているイラストの大部分はかなり病んでいて、確かに「うつうつ」と題するだけのことはある。こういう日記って書いていて結構面白そうでもあるね。書けないけど。
<A> <楽>
 

 

  

その他

13'12'01 あるこーる白書
 自らがアルコール依存症だった過去を持つ二人と、依存症の夫を持った一人とが語り合う対談集。アルコールの怖さと自らが体験した日々を赤裸々に語り合う。

 「アル中病棟」読んでから、積ん読だった本作を引っ張り出して読んでみた。
 基本対談のため、同じ話がぐるぐるループしているところもあるが、それだけにアルコール依存症の大変さというのが見えてくる。酒がある時を境に覚醒剤に変わるという事はなるほど頷ける内容になってる。
<A> <楽>
14'12'18 カオスノート
 著者の日常…のような不可思議な世界を描くナンセンスギャグ作品。

 著者の一番得意とする不条理劇で、あんまり力を入れず、ちょっと思いついたことを漫画にしたって感じ。でもこんなことを考えてると、だんだん本人の頭が心配になってきたりして。この人がアルコールに逃げたり、実際に逃亡したりしたのは、こんなことが頭の中で展開していたからなのかもね。
<A> <楽>
07'07'25 逃亡日記
 失踪日記を著し、一躍“時の人”とされてしまった著者が、改めて当時の逃亡生活や断酒の苦しさなどをインタビュー形式で述懐する作品。

 最初のマンガの部分で自分で「便乗作品」と言ってるように、「売れる内に売ってしまおう」という出版社の思惑が見え隠れてしているが、やっぱり活字は活字の良さがあるし、本人の口からデビュー以来の足跡を語ってもらうと、漫画誌における時代の変遷や、著者の立ち位置なども見えてきて、なかなか興味深い。
 本人は「漫画史に残りたい」とか語っていたが、少なくとも、それに関しては間違いなく叶っているだろう。既にはっきりと足跡を刻んでいる。
<A> <楽>