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かわぐちかいじ

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ジパング

04'01'31 ジパング13
 ロシアから濃縮プルトニウムを持ち帰った草加は陸軍に復帰した石原完爾に荷物を託し、自らは海軍に身を委ねる。一方「みらい」艦長代理の角松洋介は山本五十六海軍長官にニューギニアからの撤退作戦を依頼されるが、これは歴史では「ダンピール海峡の悲劇」と呼ばれる悲惨な失敗作戦だった。しかも、アメリカ軍は「みらい」のオーバー・テクノロジーを手に入れようと動き出していた。
 これまでコツコツと買いためていって、ようやく追いついた。日本版『ファイナル・カウントダウン』(1980)(DVD)と言うか、著者流の「紺碧の艦隊」というか。こういうIF戦記は結構読んでいて楽しい。何せ「沈黙の艦隊」の著者だ。ストーリーも一筋縄じゃなく、物語も非常に好み。
 勿論本物の歴史の戦後を生きている私だが、その当時の人々の考え方って、作り物とは言え、唸らせる部分を持っている。本巻の草加の言葉「国家としての自立と自由を失った「彼らの」日本を憎む」とは重い言葉だ。
<A> <楽>
04'03'27 ジパング14
 「みらい」の弱点を知り、激烈な攻撃をかけるアメリカ軍に対し、後部ファランクスが使えない状態のまま戦わざるを得ない「みらい」。海鳥を駆る佐竹は単独でそれを阻止しようと試みるが…
 かなり厳しい展開となった本巻。人は戦いで死んだ人間を犬死にとは思いたがらない。だからこそ、意味を見つけたいと思うものだし、だから英霊という発想が出てくるんだな。それが人情というものなんだろうが、それを正面きって描く展開は非常に面白い。あんまり読んでないけど、いわゆる「if戦記」ではその辺が上手く描けてなかったんじゃないか?
 やっぱり重い。
 けど、面白い。
<A> <楽>
04'07'22 ジパング15
 あくまで人命救助を目的とし、積極的に歴史に関わることを拒否してきた角松艦長代理。だが、草加に同調する菊池はついにみらい艦内でクーデターを起こす。これからの日本の未来を作るために。

 戦後生まれの感覚と、戦いを強いられた人間の願いのぶつかり合い。これは重い内容だった。ファイナル・カウントダウン(1980)では当たり前に行われていた事が、日本という国にあっては、それがどれだけ難しいことなのか。
 実際、人命救助にどのような大義を見いだせるのか。これからテーマが明確になってきたな。
<A> <楽>
04'10'31 ジパング16
 みらいのクーデターにより船を下ろされる角松は、その思想的張本人である草加と再会の後、日本へと帰還する。これ以上の戦争拡大を防ぐため、角松は米内に直訴。天皇の勅使による講和実現を願うが…

 内容がますます重く、しかも混沌としてしまった。一体これからどうやって終わらせるつもりだ?何より角松の存在意義は?とか色々考えてしまった。しかし毛沢東の思想をこれだけしっかり捉えたのは漫画では初めて見たよ。感心。
<A> <楽>
05'05'07 ジパング18
 クーデターにより艦内を掌握した菊池の判断により、「みらい」は日本海軍艦としてインド洋へ。待ちかまえるイギリス軍との間に戦端が開かれる。だが、艦隊を指揮する滝中佐は「みらい」を後方に置き、参戦を許さなかった。インド人でありながらイギリス軍のエース、シンのスピットファイアに次々と落とされる零戦の群れ。その中で「みらい」の取るべき選択は…

 これまでとは大きく異なり、「みらい」は積極的に戦闘に参加しようとしていて、逆に海軍の方がそれを抑えるという形を取っている。これはこれで正しい選択だろう。「みらい」乗員も、ふっきれたようで、描写が凄い。
 …しかし、これが本当に正しいのかどうか。著者はこの物語をどこに持って行くつもりだ?
<A> <楽>
05'07'26 ジパング19
 みらいの積極的参戦により、歴史は大きく変わっていき、ついに日本軍はインドにまで戦線を拡大していく。一方、草加が持ち帰ったもう一つの脅威、ウラン235の脅威も依然として残る中、みらい奪還のため、オンボロ潜水艦伊152号に乗り込んだ角松と、ウランの行方を探る梅津は、死んだはずの物理学者倉田へとたどりつく。

 いわゆるif戦記ものっぽさが良く表れた話ではあるのだが、主人公の方が実はそれを否定しているというのが面白い話で、果たしてこれから歴史がどう動くのか、それだけでも興味津々と言った感じ。本巻では特にアメリカのお国事情もよく描けていて、マッカーサーの人間的な魅力も充分だった(そういえば映画にも『マッカーサー』(1977)なんてものがあったが、ここでの主演はペックだったから、やや優等生っぽさが強かったし)。しかし著者はよくここまで描ける。しみじみ感心できるよ。
<A> <楽>
05'10'08 ジパング20
 石原と草加の指導で南京で密かに進められてきた原爆を阻止すべく、倉田博士を拉致した元“みらい”艦長の梅津。だが、実行中に事が発覚してしまい、ウランおよび倉田と共に閉じこめられてしまう。一方、“みらい”を奪還すべく伊152号で南洋へと向かう角松だが、事前にそれを察知した草加が手を回し、対潜哨戒が敷かれていた…
 「南京で梅が散る」。この話は全てがそこに集約される。これまでたとえ艦に乗っていなくても、精神的支柱であった梅津艦長が亡くなった。一見無駄死になのだが、これも後々できちんと意味を持ってくるのだろう。それ以外は前巻と基本的に状況は変わっていないが、“みらい”内部にも不協和音が鳴りだしてきた。これがおそらく後に関わってくる。そう言う意味ではこの巻はアクションの布石を蒔いた。と言うことになるのかな。
<A> <楽>
06'01'20 ジパング21
 「みらい」に戻るため、老朽潜水艦「伊152」で南方へと向かう角松。しかし、彼を「みらい」に近づけたくない草加は、対潜水艦の名手立石の乗艦「島風」をシブヤン海に配備していた。極秘任務のため姿を見せることが出来ない「伊152」を米潜水艦と判断した立石から何とか逃げようとするのだが…
 「沈黙の艦隊」で分かるとおり、著者は潜水艦アクションを描かせたら一級品。その腕を存分に発揮した話となった。政治的駆け引きとかも多く、ストレスがたまりがちの本シリーズで、ここまで胸のすくアクションを描いてくれたことが嬉しい。
 しかし、一体これからどういう展開を見せるんだか、全く予想が付かない。
<A> <楽>
06'04'05 ジパング22
 “みらい”に受け入れられた角松は、乗員の見守る中、それでも何の動きも見せようとはしなかった。それどころか、“みらい”の任務であるタラワでの偵察任務にも同行する。逃げ遅れてしまい米軍の攻撃が始まる中、今や宿敵となった菊池と共に取り残されるのだが…
 相変わらず厳しい物語展開が展開するが、次の展開が全く読めないのは著者の『沈黙の艦隊』と同様。一体これからどうなって行くやら、少なくとも予定調和にだけはならないだろうことは予測できる。何にせよ、最後までつきあわせていただこう。
<A> <楽>
06'07'02 ジパング23
 “みらい”は重傷を受けた菊池をパラオに移送する。だが、艦内を掌握しているのが角松であることを知った草加は“みらい”に乗り込んで武装解除を強いる。草加は既に“みらい”を「危険な不確定要素」と断定しており、乗組員を捕虜とし、“みらい”を完全に無力化してしまう…囚われの身となった乗組員達だったが…
 いよいよ話は“みらい”を離れ、実際に完成した日本製原爆の話へと移ってきた訳だが、これで今まで模索を続けてきた“みらい”の役割も明確化してきた感じがする。後はいよいよ広げた風呂敷をたたんでいく作業へと入ってきそうだ。
<A> <楽>
06'10'01 ジパング24
 ついに原爆は完成した。それを手にした草加を阻止するため、角松は“みらい”奪還を決意する。四面楚歌の中、しかも“みらい”には燃料もない状態で彼らに勝機は?そして原爆を手にした草加が打つ次の手とは?
 これまでどうにもすっきりしなかった“みらい”の位置づけが、ようやくはっきりしだした。ようやく風呂敷が畳まれ始めたと言った所だろうか。政治的な駆け引きも含め、又面白くなってきた所。
 ただ、著者の懐の深さだけじゃなく、実際著者自身が迷いつつ描いてるのかも知れない。そんなことを感じさせられもする。
<A> <楽>
06'11'26 ジパング25
 首尾良くみらいの奪取に成功する角松と乗員の面々。だが、日本軍からの離脱は、即ち属するべき場所を失うことになってしまった。一方、草加は虎の子の原爆を用い、起死回生の作戦に出ようとしていた。二つの運命が交錯し、そして再び別れていく。
 これまで迷ってばかりだった角松が、いよいよ新しい国家に向けての思いを口にし始めた。原爆自体が最終兵器となるのであれば、いよいよ風呂敷を畳み始めたのだろうか。いずれにせよ読んでる側はまだ着地地点が見えていないから、まだまだ楽しませていただけそうだ。
<A> <楽>
07'03'08 ジパング26
 太平洋戦線から後退を続けていた日本軍は、サイパンで連合軍を迎え撃とうとしていた。そしてその中核となる戦艦大和の中には草加の考えに同調するもの達がいた。一方、アメリカ軍の中にも異端的な知将カーネルがこの戦いを最後の戦いとして、日本軍の覚悟を感じ取っていた。その中で“みらい”は…
 最後の戦いに向けての溜めとしての話。日米の知将同士が顔も合わせないまま、好敵手を認めるシーンとか、歴史が変わった各国首脳の思惑などのシーンもあって、実際に戦いが描かれるよりもかえって面白かったかも知れない。少なくとも、後は終決に向けて疾走を開始するはず。
<A> <楽>
07'04'10 ジパング27
 日米双方の総力戦がいよいよ開始された。戦艦大和、武蔵を擁する日本軍に対し、新型VT信管を搭載した砲弾と膨大な航空戦力で対抗する米軍。機動部隊の接触が描かれる。その中で草加は戦艦大和に搭載された新兵器をいかに使うか、そしてその戦いの趨勢を見守る“みらい”は…
 今巻は実に素直な戦力のぶつかり合いが描かれており、草加、角松はあくまで脇に置かれているが、果たしてこれがどう展開していくのか、全く未知数。核兵器がどう使われていくのやら。
<A> <楽>
07'07'28 ジパング28
 日米海軍による正面衝突。双方に甚大な被害を与え合いつつ、戦闘も本格化していく。しかし表面化する戦いだけではなく、その背後にはいくつもの陰謀と思惑が錯綜していた。大和に乗せられた原子爆弾はいつ使われるのか。そして原爆の存在を知る“みらい”の取るべき道とは…
 今回は本格戦闘。ただ描写そのものはむしろ背後の人間の思惑の方に重点がいっているため、爽快感よりは息詰まる感じ。
 草加が考えている原爆の使い方というのがようやく見えてきたが、問題はこれが本当に当たっているのかどうか。「沈黙の艦隊」の時は予測が外れまくってたからなあ。
<A> <楽>
07'11'04 ジパング29
 日米戦力が拮抗した最大最後の海戦となるマリアナ沖海戦。空母による航空戦では決着が付かず、ついに戦艦同士の撃ち合いへと転換していく。双方甚大な被害を被る中、それでも未だ動くことのできない“みらい”。戦いの帰趨は…
 架空の戦いであるマリアナ海戦が展開。ここまでためておいた全てを吐き出すかのような話の展開で、特に戦艦同士の戦いは非常に見栄えがする一方、その被害も丁寧に描いている。その分割食ったのがみらいの方で、ジリジリと待つだけ。こちらの方はストレスが溜まる。
<A> <楽>
07'11'11 ジパング30
 マリアナ沖海戦たけなわ。日米の総力を挙げての戦いの中、一艦の船が戦線離脱した。その船の名は大和。なんとその中には草加が作らせた原子爆弾が鎮座していたのだ。アメリカにその威力を見せつけるため、後詰めの補給艦隊に向かって突進していく大和。その動きを察知した“みらい”は、その動きを阻止するため大和を追う。
 これまで雌伏していたみらいがいよいよ動き出す。元々の主人公達がようやく活躍の場を見つけたって感じ。それでもこれ読んでるとつい大和による原爆成功した方が良いと思えてしまう自分がいる。こんな感情が私にもあったんだね。
<A> <楽>
07'12'20 ジパング31
 原爆を積んだ大和を阻止すべくその進行方向にたちはだかる“みらい”。こちらから攻撃は行わず、大和の主砲をかわし続ける“みらい”。だがその時上空に現れたのは…
 これまで耐え続けた“みらい”がその真価を発揮する時。やってることは…やっぱり耐える事(笑)。それにしてもその性能の高さがここではっきりと示された訳だ。1巻から展開してきた角松VS草加の対立構図もここにきてますますはっきりしてきた。これはクライマックスに向けて加速なのか?それともまだ一波乱あるのか。先が全然読めない。
<A> <楽>
08'01'24 ジパング32
 原爆爆発を止めるべく大和の前に立ちはだかる“みらい”。ついに超弩級戦艦と未来のイージス艦との正面衝突が始まる。しかし“みらい”を良く知る草加の知恵入れでついに“みらい”は、その優位性を示す電子装備を破壊されてしまった。“みらい”に最後に残された手段とは…
 いよいよ本物の見所である巨艦どうしの正面衝突。お互いに徐々に武装を剥ぎ取られつつ、それでも戦いを諦めない。これは本気で燃える展開だ。しかし、いよいよ終わりが近いのかな?
<A> <楽>
08'04'19 ジパング33
 原爆を搭載した大和を止めるためヘリからの射撃を試みる小栗。だが堅牢な大和は少しのロケット弾程度ではびくともしない。最後に残された手段として、大和の煙突に増槽を落とすと言う非常手段に出る。だがそのためには大和の直上に出る必要があった…
 今回まるまる一巻小栗の大和停止作戦のみ。確かにドラマ的には盛り上がるのだが、話が全然進んでないという問題があり。だんだん「早く終わってくれ」という感じが強くなってきたな。
<A> <楽>
08'05'07 ジパング34
 小栗の活躍により停船した大和に乗り込む草加。この事態に大和に搭載された原爆を草加はどのように用いるのか。電波障害を解除し、大和、米軍共に盛んに打電が行われる…
 前巻で一旦物語は止まり、情報戦が開始される。アクション主体よりもこちらの方が本作らしいのだが、この状態で一体どのように話が展開していくのか、まるで分からなくなってきた。「沈黙の艦隊」っぽい雰囲気だが、果たして原爆を最も効果的に使うには?と言うところでかなり緊張感が高まってる。
<A> <楽>
08'08'16 ジパング35
 大和の原爆爆発を止めようと、みらいは大和へと接近を始める。だが同時にそれは米軍の探知網にもひっかかることだった。大和に新兵器が乗せられていると言うことをうすうす気づいた米軍は大和を亡き者とするため総攻撃を開始しようとしていたが、同時にそれはみらいにも向けられる。
 今回の中心は米軍の方で、しかもその多くはワシントンでなされているため、話としてはあんまり進んでない。
 もしアメリカよりも先に原爆が作られてしまったら?ここではマンハッタン計画にあまりに金が使われてしまっているため、計画自体が頓挫してしまうとされているが、それは逆のような気もする。果たしてここで爆発させて本当に効果的に用いることが出来るのか?
<A> <楽>
08'09'17 ジパング36
 米軍の夜間攻撃をしのぎきった大和に積まれた原爆を阻止する。その使命を帯びて角松以下“みらい”の面々が大和に乗り込む。米軍が本格攻撃をしかける朝まで僅か数時間。その間に原爆を処理できるのか。そしてあくまで大和に残り一人待つ草加の思いとは…
 アクション路線に入り、話は一応盛り上がっているはずなのだが、あんまりそうは見えないところが問題。話もこう長くなると、盛り上がりが盛り上がりに見えないな。
<A> <楽>
08'12'07 ジパング37
 大和に乗り込んだみらいクルー。着実に戦力を減らされつつ、それでも尚原爆のありかを求め船内を進む。その時艦内放送で角松に呼びかける声が。一方、原爆とみらいのどちらも手に入れようと、アメリカも動き出す。拘束を解かれたカーネル少佐が発した命令とは…
 大和内部に入り込んでから話はかなり硬直状態。と言うか、この戦闘自体がかなり長引いてしまってる。もうちょっとスピーディにいかないものか?今回はカーネル少佐の復活だけしかトピックがない。
<A> <楽>
09'03'22 ジパング38
 大和に乗り込んだ角松らはようやく原爆のありかを突き止める。だがそこには十重二十重に草加の施した防衛網が敷かれていた。一方米軍機を前に、みらいの武装が使えないことを悟られぬよう、シーホークを駈り、攪乱に出るパイロットの佐竹。
 徐々に武装が剥ぎ取られ、更に罠に対抗手段を持たないみらいは、にっちもさっちもいかなくなりつつある。この展開で起死回生の策はあるのか?と言う所で、全部キャラの命であがなってしまうあたり、著者の限界かな?もうちょっとすっきりした物語展開になって欲しいものだ。
<A> <楽>
09'09'24 ジパング39
 大和に乗り込み、原爆解体を急ぐ角松ら“みらい”クルー。原爆格納庫までたどり着くことには成功したものの、その解体には時間がかかりすぎた。その間、静観していた米軍が大和に向けて進行を開始していた。あくまで静かに角松を見守る草加だが…
 結構な巻数を使い、ようやく原爆の格納庫まで来たが、それで解体する術を持たないという問題が。これって設定上結構まずい部分ではなかろうか?話は進んでいるようでやっぱり膠着状態に陥っている感じだし、果たしてこれでまだ引っ張るのかどうか。
<A> <楽>
09'10'06
ジパング40
 ついに大和内の原爆の起爆装置が作動。そんなときに原爆格納庫に降りてきた草加に対し、角松は最後の交渉を試みる。原爆をこのまま起爆させるわけには行かないと、あくまで強気のカードを切る角松に対し、草加の採った方法とは…
 話はやはり膠着状態。方法としては、無人となった、あるいは角松と草加を乗せたまま、“みらい”がミサイルによって大和を撃沈してしまうか、 それとも“みらい”の攻撃を受けぬようにして、米軍のただ中で大和積載の原爆を爆発させるか。角松と草加の二人のどちらが本当のイニシアティブを持ってい るのかわからない状態で、話は展開中。物理的精神的に結構複雑な様相を呈するようになってきた感じだ。
<A> <楽>
09'10'10 ジパング41
 原爆爆破のカウントダウンが続く中、角松は“みらい”にトマホークミサイルを撃つように仕向ける。一方、そんな角松の命を救った草加。トマホークミサイルと米艦隊が迫る中、二人の運命は…
 冒頭部分で角松が原爆阻止は自分のエゴであると漏らす衝撃のシーンから開始。そしてそれを嘘と知りながら、角松の思いを受けて当初の予定通り トマホークを撃つ艦長代理の麻生。相当に話は厳しいものとなっているが、すでに原爆は無用にされたも同然。ここからの展開がかなり面白いものになってき た。引っ張った分、話に重みが出ているのは確かか。
<A> <楽>
09'11'14 ジパング42
 角松の命を助けた代わりに大和の爆発に巻き込まれ、海底に沈んだ草加。そして“みらい”も又、米艦隊の攻撃を受け、ついに撃沈されてしまう…ただ一人生き残った角松だが…
 あれ?大和の原爆がクライマックスだとばかり思っていたのだが、実はその先があった。これだけでも充分意外なのだが、あれだけ草加を嫌っていた角松が、草加の言葉に従いそうな話の展開がますます不可解。みらいも無くなってしまったし、いったいこの話はどこに向かっていくのやら?
<A> <楽>
10'03'14 ジパング43
 大和搭載の原爆爆発から13年。唯一撃沈された“みらい”から助けられた角松はアメリカで実業家として大成功していた。だが彼の思いはただ日本の行く末。変わってしまった日本の歴史が、本当に良かったのかどうか。そして彼のもうひとつの懸案は…
 長く続いたこの作品もこれにて終了。歴史は変わったが、小さなところではやはり時代は繰り返している。と言うところで話は終了した。同一人物は同じ時空に はいられない。というすっきりしたオチで締められたが、ここまで長々と続いてこのオチは少々弱い感じもあり。唯一、1944年で日米講和がなったというこ とは、その間に死んだ者はいない。という事実だけがこの作品の最大の意味合いだったのかもしれない。
<A> <楽>
 

 

  

その他