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森村誠一

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09'03'19 悪魔の飽食 第3部
 これまでに第1部と第2部の刊行は日本内外に衝撃を走らせた。そのため著者も又様々な危機に陥っており、写真ご用問題に直面しているその時、著者は中国へと旅立ち、そこでの七三一部隊の証言を得ようとする。

 確か第2部のラストで第3部は朝鮮戦争について書くと言っていたと思ったのだが、実際には「森村版・中国の旅」と言った風情。向こうの証言を全部鵜呑みにしてしまい、今の中国は素晴らしい。とだけ書いてある構成はいただけない。少々疑問符が出た作品になってしまった。
<A> <楽>
05'05'21 社賊
 日本有数の巨大ホテルであるホテルフェニックスに、たまたま入社できた畑中教司は、偶然社長の誘拐現場に居合わせてしまう。その後無事に社長は救出されたものの、その後次々にホテルに入ってくる強迫文書のお陰ですっかり客足が遠のいてしまう。ホテル内部に事件の火種があったのではないかと疑う社長命令で畑中は内部調査を行うことになったのだが…

 著者の推理ものは大体形式が決まっていて、とっ初めに必ず主人公は偶然自分とは関係のない事件に遭遇するが、その際、重大な手がかりもやっぱり偶然遭遇してる。それがつながる形で展開していくわけだが、あんまりにも同じすぎて読めば読むほど笑えてくる。実際内容もTVドラマ向きだし、良い意味でも悪い意味でも実に著者らしい作品だと言って良い。
<A> <楽>
08'10'09 新・人間の証明 上
 来日中の中国人女性がタクシーの中で死んでいるのが発見された。薬物による死亡であることは分かったものの、それが自殺か他殺か判断が付かず。ただタクシーの中に残された一つのレモンだけが存在感を示していた。そんな捜査の担当となった刑事棟末は、雲をつかむような捜査を開始する。しかし彼女の死の後、関係者と思われる人物の死亡を知る。捜査を進める内に、大戦中に中国で行われた恐ろしい人体実験の事実にぶつかっていく。

 「人間の証明」同様、外国人の死から始まり、戦争の中で行われた事実を掘り下げて描く作品。ただ本作の場合、形式は確かに推理ものの体裁を取っているものの、まさしくこれは著者の「悪魔の飽食」そのものであることに気づく。きっと元々は本作を書くために資料を集めている内にその事実を見つけたのだろうな。
<A> <楽>
08'10'11 新・人間の証明 下
 中国人楊君里の死の真相を確かめるため元731部隊の聞き込みを続ける棟末。過去の罪悪感からなかなか口を割らない元隊員に根気よく尋ね歩いた結果、たぐれたものは意外な大物だった。しかし証拠はあまりに少なく、その推測を裏付けるための聞き込みを延々と続ける。その中で明らかにされる731の行いとは…

 推理ものとして考えるなら、著者らしい偶然を連続させてたぐると言った感じで、更に意外な展開もあるわけでなく、そっち方面では語るべき事があまり無いとは言え、戦争のセミ・ドキュメンタリーとしてかなり迫力のある作品に仕上がっている。しかしよくここまでソースをたぐれたものだね。小説を書くよりも資料集めの方によっぽど苦労したんじゃないかな?
<A> <楽>
09'10'30 新・野生の証明
 著名な小説家武宮が主催する小説教室の夏合宿に参加した小説家の卵達。ところが合宿の開催地である孤島に一人の女性が流れ着いたことから、武宮を含むメンバーの人生は大きく変わっていく。記憶喪失で名前しか思い出せないというその女性八橋しぐれが持つ秘密の過去とは?そして彼女の持つ特殊な技能の秘密とは?

 偶然みかけて、あの「野生の証明」の続刊か?と思って読んでみたのだが、内容はすごいもんで、いつの間にか話が超常能力者同士のバトル小説になっていた。これほどオリジナルからかけ離れた新作ってのも、ある意味凄いと思う。しかしこの年齢でこんな中二病ばりばりの作品を描くとは、まだまだ著者って心が若いんだな。
<A> <楽>
08'12'05 続 悪魔の飽食
 満州を舞台に悪魔の所行を犯し抜いた731部隊は終戦後もその息は止まっていなかった。その後に起こる朝鮮戦争に至るまでの空白期間に731のメンバーがどのように生き残ったのか、そしてその研究成果はどこに行ったのか。日本とアメリカに存在する資料を基に、戦争終結から戦後に至る日本の負の歴史を描く。
 前に「新人間の証明」を読んだ時からこれは絶対に読もうと思っていたが、これはなかなか。日本とアメリカの裏取引が暴かれている。確かに人体実験というのは医学的に考えるならばもの凄く重要な資料ばかり。このまま埋もれさせるのはもったいないかも知れないけど、それが結局アメリカで研究続けられるとは意外と言えば意外な話。
<A> <楽>