05'05'04 |
肝臓先生
著者による短編集。「魔の退屈」「私は海をだきしめていたい」「ジロリの女」「行雲流水」「肝臓先生」の5編を収録する。
いわゆる新文学の旗手であった著者だが、白樺派であれ、新文学であれ、どうにも好きになれないものばかりだったのだが、多少私自身の嗜好が変わったのか、改めて今読んでみると、結構面白いことが分かった。これは私自身が昔は道理というものに強く結びつきすぎていたため、それが嫌いだったんだと思うのだが、むしろここでは道理なんてものを持ち込まないことで、凄惨さを美に昇華しようとしているその姿勢がようやく理解できたと言うことだろうか?面白くはあったが、傾倒はしたくないけどね。 |
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