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カオスレギオン
マルドゥック

カオスレギオン

08'06'14 カオスレギオン 聖戦魔軍篇
 かつて理想を語り合った三人の若者がいた。王政を廃し、全ての人を平等にしたいと願うドラクロワ。元奴隷で剣奴を経て最強の精霊軍団を扱えるようになった騎士ジーク。そして人を癒す力を持った少女シーラ。だが彼らを快く思わない貴族は多く、味方の裏切りによって三人は孤立。その戦乱の中でシーラは死に、ドラクロワは理想を捨てた。ただ一人残ったジークは真意を確かめるため、ドラクロワを捜し求めるが、そんなジークを慕って集まってきた仲間達がいた。ジークとドラクロワ。二人の因縁の戦いの行方は…

 なんでも元はゲームとのコラボ企画で新人のラノベ作家に小説版を書かせたらしい。ゲーム自体はやってなく、小説の方も、最初の内は軽めのファンタジーだとばかり思っていた。
 しかし中盤以降どんどん著者らしさが現れてきて、かなり骨太な物語へと変わっていった。
 今ひとつ小説としてのバランスは良くないけど、ライトノベルでよくここまで書いたもんだと感心はできる。
<A> <楽>
08'09'21 カオスレギオン0 超魔六障篇
 聖法庁の裏切り者ドラクロワを追うジーク。彼が従者となるノヴィアと彼女の友達アリスハートとの出会いと、旅を始める「カオスレギオン」の前史。「エルダーシャの娘」「ギュンターツィヒの森」「ラグネナイの涙」「グノーの祈り」「ラプンツェルの階段」の6編に番外編となる「エルダーシャの娘決戦前夜」の7編を収録する。

 題字に「0」が付くことから、これが本編の番外編という位置づけとなるが、実際はこちらの方が雑誌連載の方らしい。ややいかにもライトノベルっぽい作品に仕上がっている。軽めに作られてるのかな?
<A> <楽>
08'11'20 カオスレギオン01 聖双去来篇
 在りし日の凱歌:透視と幻視の力を得、目も見えるようになったノヴィアが<銀の乙女>から正式に称号を受けるべく試験に臨む。

 シャイオンの怪物:ドラクロワの動向を求めるジークはノヴィアを伴い平穏で聖性の強い地シャイオンへと向かった。折しもそこでは領主のロムルスが息子のレオニスに跡目を譲ろうとしている所だった。
 これも本編の前の話。だから1ではなく01になっている訳か。これは単発の中編集に見えるが、どうやら著者はこれを膨らます気があるようだ。まあノヴィアをもっと全面に出そうって事なんだろうけど。
<A> <楽>
08'12'12 カオスレギオン02 魔天行進篇
 聖地シャイオンを後にしたジークらに新しい命令が下った。ドラクロワとの密約をかわしている可能性のあるナディタという街の監視だったのだが、ジーク達が到着する直前“竜骸”によって街は完璧に破壊され尽くされてしまった。難民となったナディタの民を、新しい土地に連れて行くという新たな命令を受けたジークは2万にものぼる彼らを守りつつ長い旅を開始する。そしてそんなジークとノヴィアを見つめる目が…

 時間軸としては01の直後から開始される物語で、物語としても見所としてもかなり楽しく読ませてもらった。ライトノベルという意味合いでは。だが。
<A> <楽>
09'01'21 カオスレギオン03 夢幻彷徨篇
 ジークとノヴィアが向かった城塞都市ルカ。しかしそこには何者かによって増幅器が付けられ、そこから現れる魔獣によって壊滅状態だった。現場に急行するジーク。しかしこれこそが大いなる罠に他ならなかった。

 前巻に続き、ジークが過去に斬ったという従者の血縁による復讐譚となっている。今回登場したフロレスは人の記憶を奪うという存在で、その分話もかなり複雑化。なんか「ジョジョの奇妙な冒険」のような変則的な話が展開する。読み応えはあるけど、訳分からない。
<A> <楽>
09'02'15 カオスレギオン04 天路哀憧篇
 ジークら一行はセラヴィの街で紋章実験に使われて空中を走る能力を持たされた少女キリを助ける。泥棒稼業が長く奔放に生きるキリに、我知らず嫉妬心を覚えてしまうノヴィア。仲間を一人増やしてドラクロワ探索を続ける一行の前に、レオニスから派遣された刺客アキレスが迫る。

 一巻過ぎる毎にどんどん長くなっていくシリーズ。この話は本来は短編シリーズをまとめたものとなってるはずなのだが、これまでで最長の話になってる。今回はノヴィアを中心に、女同士の友情や嫉妬心みたいなのが描かれているが、一巻ごとに物語の方向性を変えてるのはなかなか面白いところ。やっぱ実力ある作家だな。
<A> <楽>
09'03'13 カオスレギオン05 聖魔飛翔篇
 ドラクロワの紐解いた外典の完成は間近に迫り、その生け贄のために各地の決起を促していた。一方四人目の刺客レティーシャが迫る中、ジークは従者のノヴィアを、彼女の本当の故郷聖地シャイオンへと送り出す。そして全ては始まりの地へと向かっていく。

 第一巻である「カオスレギオン」と直接つながる物語がここで閉じた。これまで抑え気味の文体だったのが、ここで完全に爆発した感がある。かなりすっきりした感じとなってるし、これまでいくつも張ってきた伏線が上手く消化されているのも良し。なんか又「カオスレギオン」の方を読んでみたくなる。
<A> <楽>
 

 

マルドゥック

07'04'18 マルドゥック・スクランブル 圧縮
 賭博師シェルに買われた少女バレットはシェルの手により生きながら焼かれてしまう。だがシェルの犯罪を暴こうと見張っていた二人組ドクターと金色のネズミの万能兵器ウフコックに助けられる。シェルの罪を告発するため、甦った体で証言台に立つことになったバロットだが…シリーズ第1作。

 前々から気になっていたタイトルだったが、いざ読んでみるとこれが実に面白い。というかはっきり言って驚いた。ここまでハードな作品を20代そこそこで描ける人がいたとは。単なる暴力描写や残酷描写に止まることなく、ストーリーやキャラの心情まで描き込んでる。かなり力業の部分はあるにせよ、読ませてくれる。
<A> <楽>
07'05'20 マルドゥック・スクランブル 燃焼
 あらゆるものに変形する金色のネズミ、ウフコックを手に圧倒的な力を持つ存在に生まれ変わったバロット。ドクターと共に彼女を殺したシェルを追いつめようとする。だがかつて彼女同様スクランブル09を経て蘇生し、ウフコックの元パートナーであったボイルドの追跡にあう。バロットを上回る力を持つボイルドに傷つく二人。

 非常に読み応えのあるハードで乾いた展開で魅せてくれる、日本では珍しいハードSF。ライトノベルっぽさの良い所を上手く取り入れつつ、それをしっかり物語に組み込める著者の力量はたいしたものだ。決して読みやすい作品ではないものの、しっかりした手応えを感じさせてくれる。
<A> <楽>
07'07'03 マルドゥック・スクランブル 排気
 シェルの全記憶が封じられている4枚の100万ドルチップを手にするためカジノのブラック・ジャックに挑むバロット。ドクターやウフコックのサポートはあったものの、耐久の精神戦を戦い続けねばならなかった。一方、バロット殺害依頼を完遂すべく、執拗に彼らを追うボイルドの姿があった。バロットは目的を果たせるのか?そしてボイルドとの戦いの決着は?

 三部作最終章。前巻「燃焼」から続くカードでの勝負も、後半のボイルドとの戦いも読み応えあり。決して読みやすいとは言えないが、ガツンとくる読み応えあり。あとがきで書いてあったけど、この作品は発表の当てもなく著者が書いた作品だという事で、それがこの妥協無い描写になってる事を改めて思わされる。
<A> <楽>
07'09'11 マルドゥック・ヴェロシティ1
 ウフコックがバロットと出会う前の話。戦場で心を壊して見方を誤爆してしまったボイルドは研究施設に送られ、そこで体に重力制御装置と不眠の力を埋め込まれた。そしてあらゆるものに変形する金色のネズミ、ウフコックとパートナーを組んで、彼と同じように特殊能力を付加された者達とチームを形成するのだが、その矢先、なんと戦争が終わってしまうと言うニュースが…

 「マルドゥック・スクランブル」の強大な敵役ボイルドとウフコックとの出会いと別れが描かれることになる新シリーズ。今回はその出会いの部分となるのだが、これを読む限り二人は完璧なパートナーシップを持っている。相変わらず描写はハード。
<A> <楽>
07'11'15 マルドゥック・ヴェロシティ2
 マルドゥックの裏組織を束ねるニードル一族に関わる事になったボイルド達スクランブル09の面々。組織に追われる事となったニードルの娘ナタリアの保護に向かうボイルドの前に凄腕の傭兵達カトル・カールが立ちふさがる。彼らは一体誰に依頼されたのか?そして09とカトル・カールの勝負の行方は?

 2巻に入り、描写はますます過激に、筆運びも映える。特に特徴のあるアクション主体の文体は慣れるのが大変だが。
 それにしてもほとほと感心するのは、カトル・カールの変態っぷり。全員が全員激しいサディストなのだが、全員傾向がまるで違う。よくここまで無茶苦茶なキャラを考えついたものだ。その描写だけでも感心するよ。
<A> <楽>
07'12'16 マルドゥック・ヴェロシティ3
 謎の人物L4Aに率いられた傭兵集団カトル・カールとの死闘を強いられる09だが、様々な陰謀が絡み、一人一人と命を落としていく。その中で09の生き残りをかけて捜査を続けるボイルドとウフコック。だがマルドゥック・シティを覆う陰謀は着実にボイルドを蝕んでいく。

 「マルドゥック・スクランブル」に続くボイルドの物語の完結編。どのようにしてボイルドがウフコックと別れてしまったのか、マルドゥック・シティが現在どのような勢力に牛耳られているのかが描かれていく。ただその整合性はかなり強引な感じ。2巻までに見られた描写がやや生彩に欠いてるかな?それでも充分読ませるのが著者の実力。
<A> <楽>
17'0712 マルドゥック・アノニマス1
 バロットと共に戦った日々から二年が経過した。今やウフコックはイースターズ・オフィスのエースとして相棒のロックと共に街の事件解決の為に元気で駆け回っていた。そんな時、貧民専門の弁護士ケネスから保護依頼が舞い込む。馴染みのケネスに危機が迫っていると、大急ぎで彼の家へと向かうウフコックとロックだが、それは周到に張り巡らされていた罠だった…

 マルドゥク・シリーズの第三弾となる本作はとりあえずバロットはお休みとなり、ウフコックを中心とした物語展開となる。ただ、話はエンハンサー同士の能力のぶつかり合いに話が終始してしまい、これと言った盛り上がりもないし、話も薄い感じ。この程度で終わってしまうと残念なことになってしまうが、続刊に期待といったところか。
<A> <楽>

  

その他

07'03'15 シュヴァリエ
 幼き日、互いに守り合うことを誓い合った姉弟リアとデオン。先に王宮に出仕して国外に出ていたリアがフランスに帰ってくる事となった。彼女を待ちわびていたデオンだが、彼が得たのは一つの指輪だけだった。それを姉からのメッセージとして受け取ったデオンは、やはり王の密命を帯びてリアの行方を追うこととなる。従者として付けられたロビンと共にフランスからローマへと向かうデオンの活躍を描く。

 マンガ、アニメとメディアミックスで展開している作品で、マンガの方は読んでないけど、アニメは大変興味深い作品だったので、その原作かと思って読み始めた。しかし全く話が別でちょっと驚いてしまった。後書きにもあったが、アニメは時代の雰囲気を描き、本ではアナグラムを中心とした謎解きにしてみたとのこと。なるほどこういう描き方もあるか。ただ、時間がなかったためか、肝心のアナグラムネタは前半で全て終了してしまってるのが残念と言えば残念なところ。
<A> <楽>
20'04'07 十二人の死にたい子どもたち
 ある廃病院に集まった十二人の子ども達。彼らはネットで一緒に自殺することを打ち合わせてここに集まったのだが、全員が集まった時、そこにはもう一人の死んだ子どもが横たわっていた。予想外の事態に、このまま自殺を敢行して良いのかどうか、全員で討議することにする。

 珍しい著者の推理小説。本格推理を読むのは久しぶりで、なかなか読ませてくれる作品だが、ちょっと話をひねりすぎて現実感が薄いのがネックだな。
<A> <楽>
16'05'22 天地明察 上
 公儀指南碁の打ち手安井算哲は、碁打ちとして生きる自分に常日頃から違和感を感じていた。好きな算術をしている時にだけ生き甲斐を感じる算哲だが、そんな算哲に安井家の後援者でもある会津藩主保科正之からお呼びがかかり、何故か天文観測の全国行脚に行かされることに。何故この旅をしなければならないのか、疑問だらけの算哲だが、天文学にすっかりのめり込んでしまう。そのため楽しい旅だったが、それは彼を待ち受ける試練の前兆だった。

 和暦を作り出した安井算哲=渋川春海を主人公に描く物語。実は全然知らない人だったが、いろんな知っている人とこんな絡みがあったのか!と言うのがまずは楽しい。
 SF作家としては大変好きな著者が歴史物?とも思っていたが、意外にきちんと描けるものだ。少なくとも文体はとてもこなれていて、すいすい読めるし、ちゃんと深いところまで語られる部分も好感度は高い。
<A> <楽>
16'06'21 天地明察 下
 会津藩主保科正之から新しい暦を作るよう命じられた安井算哲はは、現在使われている宣明暦を廃し、中国で用いられている授時暦を用いるように働きかけ、ついに幕府と朝廷の双方を動かす。ところがその授時暦自体に間違いが見つかってしまう。これまでの働きの全てが無駄になってしまった算哲だが…

 日本独自の和暦、貞享暦作成に至るまでが描かれる事になるが、単純に暦についての蘊蓄だけで無く、政治的駆け引きや恋物語、仲間との交流などバランスの取れた描き方でなるほど面白い。
<A> <楽>