機動警察パトレイバー 第1話 第2小隊出動せよ! | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機動警察パトレイバー 第2話 ロング・ショット | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機動警察パトレイバー 第3話 4億5千万年の罠 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機動警察パトレイバー 第4話 Lの悲劇 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機動警察パトレイバー 第5話 二課の一番長い日(前編) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機動警察パトレイバー 第6話 二課の一番長い日(後編) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機動警察パトレイバー THE MOVIE 1989 | |||||||||||||||||||||||||||
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都内で頻発するレイバー暴走事件。その対応に追われオーバーワーク状態の特車二課の面々。その中で篠原遊馬はここ最近のレイバー暴走はおかしい事に気付き、独自に調査を始める。そんな遊馬を誘導しつつ、事件の核心に迫ろうとする後藤隊長。 そして徐々に謎が明らかになるに連れ、これら一連の事件がある特定の人物の悪意によりなされたもので、しかもその狙いはあまりにも巨大なものであることが分かってきた。 犯人帆場英一の考えに同調しつつ、それでも警察官としての義務を遂行しようとする後藤。特車対のリーダーシップを取りつつ、自らの意地と任務との狭間に悩む遊馬。アルフォンス(専用パトレイバー)の暴走の可能性に怯える野明。そして舞台は帆場の自殺したとされる洋上プラットフォーム「箱船」に… この作品に関しては色々言いたいことはあるのだが、とりあえずそれはいつか他の機会に回す。 それで今回はこの作品のアウトラインを考えてみよう。 私はこの作品を邦画へのオマージュとして受け止めている。 以降勝手ながら(一応)私がこう思っている。と言う前提の元、ちょっとフローチャート式に書かせていただく。●は一応パターンとして、状況的には流れ者の強い男が主人公で、用心棒の話としてと考えて欲しい。 ●1.ヤクザ同士の抗争の最中ふらりと強い男がやってきて、大立ち回りを演じた挙げ句、弱小の組で杯を受ける。(一回目の、冒頭の盛り上げ) ○1.冒頭で謎の事件。それに続きパトレイバーの強さを見せ、特車二課第二小隊の面々がどれほど一般的に嫌われているか。オーバーワークの上に世間的な立場の弱さを見せつける。 ●2.つかの間の平穏(ちょっとした恋心の話などが出る)。ライバルとの出会いと徐々に悪化する組の状態。(舞台背景の描写が主で大きなドラマは起こらない) ○2.特車二課の日常風景。松井刑事による事件捜査。レイバー暴走の手がかりを求め、奔走する遊馬と野愛の微妙な関係。 ●3.嫌がらせなどにより、目立って悪化する組の状態。(耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ。任侠映画にとっては最も大切な部分) ○3.ついに不安の原因を発見する遊馬。どれほど自分たちが絶望状態に陥っているか、南雲しのぶに語る後藤隊長。不安は最高潮に増す。 ●4.ついに限界を超え、前面抗争を決意する組。(ここも大切。次に起こるカタルシスのため、一気に爆発する力を溜める) ○4.「所詮勝ち目のない戦い」を呟きつつ、皆に指令を与え、方舟破壊に送り出す後藤。嵐の中を決戦に向かう第二小隊の面々。 ●5.活劇シーン。主人公の用心棒の鬼神の如き強さが爆発する。(カタルシス部分。この部分をいかに格好良く描くか、そのために今まで溜めに溜めておくことが大切。なれど、ここは本質には非ず) ○5.無人のレイバー相手の殺陣。ここに至るもまだ謎と、その解決によるカタルシスを出すのがこの作品の特徴か。 ●6.最後にライバルとの戦いと、勝利。(ここで「良かった良かった」で終わる場合と、主人公が消えるパターンあり。最後に全ての罪をかぶった主人公が捕まって終わり。と言う場合もあり) ○6.アルフォンスと零式の戦い。そして大団円。 以上勝手な解釈で書かせていただいたが、そう言う意味でこの作品はちゃんとパターンを踏んで作られている事が分かる(考えてみたら、このパターンは黒澤明の『椿三十郎』(1962)にも当てはまるな)。任侠映画で一番大切な“溜め”の部分がきっちり作られてるから、そう感じるのかも知れない。 この作品、一度地に落ち、アングラ化した押井守と言う名前を再び高めるのに一役買った。現時点で日本アニメーション界を負って立つと目される人物の一人になったのも、結局はこの作品に関わっていると言って良い。先行するOVA版ではほとんど動くことの無かった(最大原因は予算にあったそうだが)レイバーを主役に押し立て、しかもこれを格好良く描くことが出来た、その実力は当然評価されるべき事。ただ、これは押井氏にとっては極めて激しいストレスだったらしく、自分を抑え、ここまでのものを作ったと言うことこそが一番評価されて然るべき。(実は同時進行で『御先祖様万々歳』(1990)と言うOAVを作っていたため、そっちの方でストレスを解消していたらしい) 結局この作品は、押井守という人物が、自分を抑えることが出来れば傑作となり、自分を出すと失敗すると言う好例でもある。 勿論カメラ・ワークにも特筆すべきものが多々ある。魚眼レンズに顔をくっつけて叫ぶとか、怪獣映画を思わせるアルフォンスと零式の静と動がめまぐるしく変化する戦いのシーンとか(ちょっと外したのはCGとの合成シーンだが、こればかりは技術的にも仕方なかったか)。ただ、なんと言っても一番評価したいのは松井刑事が船に乗って川下りするシーン。あれだけでこの物語の設定は概ね言い尽くしているようなものだ。あの描写は見事、と言う他無い。 |
機動警察パトレイバー2 The Movie 1993 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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時は流れ、元特車隊の面々もそれぞれ新しい持ち場で日常を生活していた。遊馬と野明は篠原重工のレイバー開発班への技術出向。太田は特車隊養成学校の教官として。進士は警視庁へ戻り、デスクワークの日々を送っていた。そんな時、突如ベイブリッジ爆破事件が起こってしまった。混乱した断片の情報が流され、警視庁、自衛隊共に混乱する。そして、ついに東京で戦争が演出される。相手が見えず、対峙する警察と自衛隊をあざ笑うかのように情報網を分断される東京の町。その中で後藤は荒川と言う謎の人物の訪問を受ける。荒川はこの戦争の中心人物を挙げ、後藤に協力を要請するのだった… 押井守監督が脚本に伊藤和典、演出に西久保瑞穂という、かつての盟友と共に作り上げた傑作アニメーション。 レギュラーメンバーに加え、根津陣八、竹中直人と言った俳優を声の出演に加え、結果として非常に豪華なメンバーとなった声優陣。静かに流れる、抑えた演出、そして何より会話の真剣さを通し、現代というものを露わにすることに成功している。 前作とは打って変わって静かな、そしてリアルな作品に仕上がったこの作品。押井守氏はこの映画を自ら湾岸戦争を通してやむにやまれず作った「負け犬の遠吠え」と称していたが、まさに現代の日本人の姿そのもの。現代という時代の持つ矛盾点を浮き彫りにし、そしてその時代はもう戻すことが出来ないと言う、まるでペシミズムに溢れたかのような作りとなっている。 確かにこの作品は虚構に過ぎない。しかし、虚構故に戦後日本の脆弱な本質を的確に捉えてもいた。 だからこそ、最後に柘植の言葉に託し、押井守は言う。「観たかったのかもしれないな」と。 ストーリーの大筋はパトレイバー初期OVAシリーズの「二課の一番長い日」の私家版リメイクだが、さすがに劇場公開作品だけあって、時間と技術がふんだんに用いられ、更に後藤と南雲の微妙な関係を主軸に置くことで、間違いなく傑作に仕上がった。それになんと言っても圧倒的な“兵器”の演出。街と戦車の対比。空を遊弋する飛行船と無骨なヘリコプターの対比。そして町を破壊するヘリコプターの演出…これはもう職人芸に近い。 この作品のお陰で押井守のファンになった者も多数存在するのは事実。それだけ衝撃的な作品だったと言えるのだろう。確かにこの作品はあまりにも身近すぎる。観る度に苛立ちと微かな絶望を感じてならない。その不思議な感触を時折覚えたくなり、何度と無く観ることになる。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード0 栄光の特車二課 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督押井守。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード1 三代目出動せよ 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督押井守。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード2 98式再起動せよ 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督辻本貴則。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード3 鉄拳アキラ 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督湯浅弘章。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード4 野良犬たちの午後 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督辻本貴則。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード5 大怪獣現わる 前編 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督田口清隆。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード6 大怪獣現わる 後編 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督田口清隆。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード7 タイムドカン 2014 | |||||||||||||||||||||||
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THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード8 遠距離狙撃2000 2014 | |||||||||||||||||||||||
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THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード9 クロコダイル・ダンジョン 2014 | |||||||||||||||||||||||
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THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード10 暴走!赤いレイバー 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督田口清隆。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード11 THE LONG GOODBYE 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督湯浅弘章。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー エピソード12 大いなる遺産 2014 | |||||||||||||||||||||||
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監督押井守。 |
THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 2015 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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突如何者かの手によりレインボーブリッジが破壊された。特車二課を訪れた公安警部高畑慧(高島礼子)は、後藤田隊長(筧利夫)に、これは数日前に強奪されたステルスヘリ“グレイゴースト”によるものであり、その首謀者は、かつて東京に大混乱を引き起こした柘植のシンパであることを明かし、協力を要請する。断れば特車二課の解体を仄めかされた後藤田は、仕方なく独自の捜査網を駆使ししてグレイゴーストの行方を追う事に。そんな中、先代の後藤隊長が警視庁に残した遺産とは、そして失踪した南雲しのぶの行方が明らかになっていく… 日本アニメ誌に残る傑作『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』(以降『P2』)を作り上げた押井守は、それ以降「もし次にパトレイバーをやる場合、アニメではなく実写で」と口に出していた。勿論それはリップサービスと思いつつ、約20年の歳月が流れ、ある日突然「実写版パトレイバー」の文字が躍り、度肝を抜かれた。しかも1/1のイングラムが作られ、東京の街中でデッキアップという強烈な宣伝も行われ、本当に実写版として帰ってきた。 ファンとして情けない話だが、この実写版『THE NEXT GENERATION』は全く観ていない(押井作品をリアルタイムで劇場版で観れなかったのは、私にとっては『機動警察パトレイバー 劇場版』以来の話だ)。地方在住で映画館にかからないことと、実生活が忙しすぎた事。何より映画の本数が多く、全部フォローすることが出来ないならば、いっそすっぱり諦めてしまえ。と言う思いからだった。 でも何故か長編の方は地方でもかかるということだったので、前言撤回していそいそと観に行ってしまった。 で、その出来ではあるが、自分の中ではかなり複雑な感情が渦巻く結果となった。 一つにはまず、「なんだよ。『P2』の焼き直しじゃねえか」という感情があり。 前述したが、まず『P2』はアニメ史において、とても重要な位置づけにある作品である。 この作品は押井守と言う監督のプライベートフィルムに近いのだが、徹底したレイアウトシステムの導入によって、以降のアニメーション制作にも多大な影響を与えることとなったのだが、むしろ戦後史の総括という位置づけにあって、アニメーションでこれが出来る!と言う事を内外に示すことができた。おかげでいくつかの意味でアニメーションの可能性を広げることとなり、現在名作と呼ばれるようになり、押井監督の代表作とも呼ばれるようになった。 そんな状態で、実写版が始まり、そしてなんと『P2』の続編として映画が作られることとなったのだが、まさか本当に焼き直し。全く目新しいところがないのが逆に驚き。冒頭のベイブリッジを襲うシーンから、後藤田と高畑の会話を経て、最後のオチに至るまで、まるでトレースしたかのような物語展開。 はっきり言って、本人以外の監督がこれやったら、100%の人間が激怒する出来。唯一これが可能なのが本人なんだから、確信犯的な所行なんだが、やっぱりなんか釈然としない気持ちが残った。 折角の素材をなんともったいない作りにした。少なくとも、観に行く時点ではここまで同じにするんじゃ無くて、もっとオリジナル要素を入れたものを期待したのに。 …と、劇場ではそんな風に思っていたのだが、改めて考えてみると、これは押井守なりのけじめの付け方だったのかもしれない。 『P2』は確かに優れた作品だが、この作品は押井監督にとっては「負け犬の遠吠え」という意識で作ったものであり、そこまで評価されたくないと言う思いがあったのでは無かっただろうか?実際、『P2』について監督が語っていることの大部分はレイアウトについてであり、内容についてはほとんど語る事が無い。 その内容について語ったのが実は本作の意味合いだと言える。 『P2』においては、柘植というはっきりした人物によるクーデターの演出だった。柘植が何を考えてこんな事をしたのかは実は劇中でははっきりしていない。日本という国家に対する柘植なりの復讐だったのかもしれないし、あるいはボタンの掛け違いはあるかもしれないが、荒川らを始めとする自衛隊急進派と思いと同じく、本気で日本という国を憂えての事かもしれない。はたまた単に日本という国を混乱させてみたかっただけなのかも。どうとも取れるし、観ている人がどう受け取ってくれても構わないという投げっぱなしで終わった。ここは本来もっと深く掘り下げるべきだったのかも知れないが、肝心な押井本人が口をつぐんでいるため、ファン同士で勝手に話をするくらいしか出来なかったが、改めて考えると、その当時、押井自身もそれを考えてなかったのかも知れない。 その上で、その決着を付けるために本作があるのだが、押井はここに凄いオチを持ってきた。 それが実は、「主義主張なんて全く意味をなさない」ということだった。 テロは主義主張によってなされるものではない。確かに主義主張を通すための手段としてのテロというのもあるが、テロそのものを目的とすることが可能であるということ。そしてそのテロとは、現代日本にとってどれだけお手軽なのかという事をはっきりと出してしまったのだ。 昔から国民を人質にとる形のテロリズムを全世界の映画では繰り返し作ってきた。例えばそれはプルトニウムの強奪であったり、病原菌をばらまくということであったり。『P2』でもそれに近い形での国家に対するテロリズムを描いたのだが、多分、押井は気づいたのだろう。国に対するテロって、そんなに複雑じゃないということを。 それで本作では、たった一機の武装ヘリだけでテロリズムを演出してみせた。実はこれが肝である。核兵器や病原菌など、そんな大がかりでなくても、得体の知れないものが空を飛んでいるという恐怖心を植え付けるだけで国民を人質に取れる。実にお手軽にテロは行う事が出来るのだと言う事をここに示したのだ。 それが『P2』のグレードダウンに見えてしまうのだが、それを実写で行った事で、スケールダウンには見せないように調整も加えられている。実際本作は実写だからこそ、こんな物語にしても充分になってるのだから。 |