セラフィム

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第4話
 鳥の大群を突っ切り、華南の塞へと向かう賢者達。塞は鳥の脅威から町を守るため、巨大な円楼の形をしている。
 塞の中では三合会の白扇、葉選英が彼らを待っていた。
 塞の中を進む賢者達だが、一人セラだけが一羽の鳥を見かけ、ガスパルと共に外に出る。それを追いかけるバルタザルを尻目に葉選英と会うメルキオル。

 ここの実質的な支配は三合会が行っている。三合会は太平天国の乱の際に客家らを中心として作られた反満組織「天地会」が乱後名称を変更したもの。ここでは秘密結社とされている。
 華南(カナン)連邦は客家の夢見た安住の土地、と語るメルキオルに対し、バルタザルが「約束の土地…か」と返す。これは聖書の出エジプトをその思想のベースとしているのだろう。
 メルキオルに対し、葉選英は「国殺しのヤコブ」と呼びかけている。それだけ彼が有名であり、かつて天使病罹病を避けるためにいくつもの小国の経済を破壊したと言う事実を示す。
 これは武装した教会か?と訪ねるメルキオルに対し、葉選英はこの塞を「鳥の影に脅えたあげく ついに自らを閉じこめた巨大な鳥籠」と称する。

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