セラフィム

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第8話
 シンセンから上海へと海路を行く一行。上海で案内人を雇い入れ、そこから再び海路でシベリアへと向かう予定だった。
 船の中で薬を混入された食事を取ったバルタザルとガスパルが船室で発見される。唯一セラだけがいなくなっている。偽装した難民船が船に接触した折、誘拐されたらしい。
 セラ一人のために航海を遅らせることは出来ないと言うメルキオルに対し、「セラをあの地に還すことこそが調査行の目的の筈だ」と怒りを露わにするバルタザル。
 メルキオルに問われ、セラとの関係を話すバルタザル。セラは中央アジアの出身で、10年前天使病に冒され虐殺された村の中で唯一生き残っていた少女を彼は保護し、セラと名付けたと言う。
 10年間歳を取らぬ少女。セラは時の止まった少女なのだ。
 そのセラを故郷に戻した時、一体何が動き出すのか。実は今回の調査行の主目的はそこにこそあった。
 そんな時に船に接触した者がいる。彼らの案内人と自称する周佐湧は、セラが異端審問所に連れて行かれたことを彼らに告げるのだった。
 バルタザル、メルキオル、ガスパルは周佐湧に導かれ、上海へと向かう。

 ここで初めてセラの出生及びその役割が語られる。

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