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超人バロム・1

超人バロム・1事典
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1972'4'2〜11'26

 それまで石森章太郎原作に傾倒して特撮ヒーローを作ってきた東映が、初めてさいとうたかお原作による新たなヒーローを作り上げた。原作はさいとうたかおにとっては唯一の少年用マンガであったが、連載から随分経って、新しいヒーロー像を模索している東映のスタッフが発見して直接交渉という形になったらしい。
 宇宙での正義のバロム、悪のドルゲの戦いが地球に持ち込まれ、力失ったバロムの戦士コプーは白鳥健太郎と木戸猛という二人の少年の友情の力に感動し、二人にバロムの力を与え、バロム・1(以下バロム1に統一)としてドルゲと戦う事を命じる。
 本作の最大特徴は小学生二人の友情パワーによってヒーローが変身するという点で、特に前半では主人公が小学生という立場を上手くストーリーに組み合わせることに成功している。
 そして怪人のデザインの気持ち悪さも特筆すべき。「仮面ライダー」同様前半の怪人は動物をモティーフにしているが、深海魚や普通お目にかかれない虫とかばかりで、後半になると人体のパーツを使った(設定によればドルゲの体から出来たのだとか)魔人が次々に登場。強烈な印象を残した。ただし、ドルゲ魔人の生成には一貫性がなく、悪の心を持った人間が変化したり、地底や宇宙から呼び出したり、ドルゲが自分の体で作ったり…この部分は設定の弱さだろうか。 

主な登場人物
白鳥健太郎 (役)高野浩幸。後に出たアニメ版「バロムワン」でのバロムワン役も演じている。
 コプーによって選ばれた少年の一人で、木戸猛と共にバロム1に変身する。秀才少年で、バロム1の頭脳部分を担当している。
木戸猛 (役)飯塚仁樹。出演は本作と実写版『ドカベン』のみ。
 コプーによって選ばれた少年の一人で、白鳥健太郎と共にバロム1に変身する。力自慢でバロム1の力の部分を担当している。
木戸松五郎 (役)砂川啓介。ドラマ「意地悪ばあさん」の万年さん役。
 猛の叔父にあたる人物。正義感に溢れた人物ではあるが、無謀な行いばかりしているため、いつもドルゲ魔人によって酷い目に遭わされる。ちなみに現在就職活動中で、様々なアルバイト生活をしているのが見える。
ドルゲ
ミスタードルゲ
(役)室田日出男。東映スター。テレビ、映画を含め、出演作は多数。厳つい顔つきから、刑事ややくざ役が多かった。
 宇宙を二分する勢力の一方で、悪と呪いの力そのもの。コプーに追われ、地球へと落下してしまう。コプー亡き後、地下に潜って地球を征服するため、自らの分身ドルゲ魔人を送り出す。又、コプーに対する悪のエネルギーの総称でもある。最終回で天変地異を引き起こすという本当の力が示される。最後は宇宙に逃げようとするが、追ってきたバロム1と宇宙で大激突。人間の姿も取り、この際はミスタードルゲと呼ばれている。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 悪魔の使い深海魚人オコゼルゲ

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 宇宙の中で何千年にもわたり、正義のコプーと悪のドルゲが戦いを続けていた。かつてて地球にやってきたドルゲは地中深くにその基地を作り、そこからついに地上への侵攻を開始したのだ。最初にドルゲが狙ったのは須崎孝一郎と言う男。悪の組織に身を売ることを拒否した須崎の娘久美江をアントマンが狙う。その久美江を守ろうと二人の少年白鳥健太郎と木戸猛がアントマンと戦う。その二人の姿を見たコプーは二人に力を与え、超人バロム1としての能力を与えるのだった。
 敵はオコゼルゲ。ドルゲによって須崎孝一郎が姿を変えられた地底魔人。深海魚だけに目玉が飛び出た気色の悪いデザインが特徴。
 シリーズ第一話は紹介編。白鳥健太郎と木戸猛の二人の少年と、二人が守る須崎久美江の姿が描かれる。説明を入れつつも見所は多数用意され、マッハロッドもちゃんと出てくる。
<冒頭、女性をあっという間に殺してしまうドルゲ。ショッキングなシーンだけど、その目的がなんなのか、全く分からない。
 ドルゲが最初に悪のエージェントとして選んだのは須崎孝一郎だったが、その名前を電話帳で調べてた。えらくいい加減な選び方だ。その基準は何かな?
 健太郎と猛の友情の姿を見たコプーはバロムの力を二人に与えるが、その際、しっかり二人の名前を呼んでた。最初から目をつけてたの?
 オコゼルゲに変身させられた須崎は猛と健太郎の前に現れた瞬間、死神博士のようなインパネを体に纏う。次の瞬間オコゼルゲに変身するから、その扮装は意味がない。
 オコゼルゲが猛と健太郎を襲ったのは夜だったが、戦いの舞台は何故か昼間になってた。
 バロム1はすぐさまマッハロッドを呼んでる。何故その存在を知ってる?それに、マッハロッドに乗り込んでるバロム1の腰にはしっかりポップが…
 マッハロッドによってジープを破壊されたオコゼルゲは逃げようとしてどこかの工場の櫓の上にいく…なんでこんな目立つ所に?やっぱ何とかと煙は…ってやつ?
 トランポリンアクションの多用でアントマンが空中前転して次々に現れているが、着地に失敗してよろけてるのがいるぞ。
 工場の櫓のてっぺんからオコゼルゲを投げ落とすバロム1。結果的に須崎に戻ったけど、普通死ぬぞ。容赦ないな。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 呪いの怪人フランケルゲ

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 猛の父で刑事の燐太郎が護送していた強盗殺人犯黒里がドルゲの手引きで逃走した。そして黒崎はドルゲの手により悪のエージェント・フランケルゲへと改造されてしまうのだった。一方、バロム1の特訓中の健太郎と猛は解釈の違いから仲違いを起こしてしまう。
 敵はフランケルゲ。フナムシをベースとしたドルゲ魔人。左目だけがぎょろりと剥き出した独特の気持ち悪いデザインしてる。高圧電線で充電し、左手のサンゴから電流を放出する。フランケンシュタインを意識してるためかフナムシがベースという割にはその印象は薄い。
 ドルゲは人間の姿にもなれる事が分かる。人間体の時は車椅子に座り、モノクルを付けた姿。
 健太郎と猛の仲違いが描かれる話で、バロム1は二人の友情無しには登場出来ない事を改めて説明する話となっている。当時の特撮作品は、こうやって差別化をしていたことが分かる。
 ちなみに木戸刑事役は小林清志。この人声優だけじゃなかったのね。
<バロム1は健太郎と猛の二人の息が合わねばならないのだが、一旦変身してしまうと仲違いもする。両目が喧嘩するって描写はなかなか凄い。
 猛を襲うアントマンの群れ。相手はたかが子供だから、わざわざ姿を現して脅かさなくても良いと思う。
 バロム1と戦う前に変電所に立ち寄り、高圧電流を体に浴びるフランケルゲ。今頃そんなことするんだったら、もっと早く充電しておけよ。それにバロム1の体は電気を通さないため、完全に無駄なことをしてる。
 前回のオコゼルゲとは違い、フランケルゲは死んだら死んだまま。やっぱり凶悪犯だと容赦ないのか?>
第3話 恐怖の細菌魔人イカゲルゲ

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 イカゲルゲはドルゲの前線基地を作るべく小山田村に潜入。日読新聞支社を襲い、支局員の影山に宇宙細菌PLGを感染させる。そして丁度ハイキングに来た健太郎と猛だが…
 敵はイカゲルゲ。イカをベースとしたドルゲ魔人で、本当にイカっぽいデザインでぬめりぶりが結構気持ち悪い。女性に擬態する事が可能。叫び声は「カーイ、カー」。
 今回猛の方が中心の話で、ちょっと挑発されるとすぐに頭に血が上る事が分かるが、友情には厚く、何かれと無く健太郎の面倒を看てる。子供時代にはむしろこういう男の方がヒーローたり得る。
 又ポップの新しい能力が明らかにされる。単に合体のアイテムだけじゃなく、ドルゲ魔人の探知機にもなり、血が頭に上った猛を抑える役目も果たしてる。
 バロム1のスーツアクターの動きが良く、ワンショットで空中後方回転してる。トランポリンアクションだけでないのね。
<猛の頭にはちょっとした禿げがあるけど、過去に怪我でもしたのかな?結構目立ってる。
 ドルゲによって洗脳されてしまった影山は首にあるドルゲの印を見られると怒り出す。でもあんな目立つの、見ない方が無理だよ。
 先ほどまで大雨が降っていたのに、外に出たら道とか完全に乾いてたね。
 イカゲルゲに襲われた健太郎は松五郎に対し、「緊急事態です」とか言ってるけど、事情の知らない松五郎がすぐに言うこと聞いてるのがなんとも。主体性のない大人だな。
 で、その松五郎の前で平気でドルゲやバロム1の事をべらべらしゃべる健太郎…隠してみたりばらしてみたりと、言ってることに一貫性がない。
 アントマンを倒されたイカゲルゲはすぐに逃げようとするが、乗ってるのは普通のセダン。予算の関係だろうか?
 港でイカゲルゲと戦うバロム1。イカゲルゲに蹴りをお見舞いしたら、何故かふっとんでるのはアントマンの方だった。
 そう言えばイカゲルゲの本体は女性だったみたいだけど、何の紹介もなかったな。影山氏もどうなったか不明。
 既知外発言がぽんぽん出てくるのがこの時代の特徴だな。>
第4話 吸血魔人ケラゲルゲ

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 ドルゲ魔人ケラゲルゲに操られるアントマンが猛のクラスメイトのルミの乗るバスをジャックし、そこに乗っている人たちを意のままに操る。健太郎と猛はバロムクロスでバロム1となるが、ルミを人質に取られてしまう…
 敵はケラゲルゲ。オケラ型のドルゲ魔人。これまでのドルゲ魔人の中では最もすっきりしたデザインとなっている。左手から人間をドルゲの僕に変える毒針を出したり、ミサイルを出したりする。ルミの母親に擬態していた。叫び声は「ギーヤ」「ケラケラケラ」。
 バスジャックと子供の誘拐という、フォーマットに則った話が展開。ただ、そのさらわれたのが猛のガールフレンドというのがちょっとした問題。結局この二人の仲は猛の片思いなのだが、そのお陰で友情に罅が入ってしまう。
 ルミが人質に取られたお陰で今回は珍しく二人の立場が逆転し、健太郎が武闘的な発言をし、猛の方が引いてる。それでバロム1の目の中で喧嘩してるのが面白い。
<さらってきた人たちを前にしたドルゲは、「お前達には、永遠の命が、ドールゲー」と叫んでる。全く説明になってない。
 ルミのマンションで襲われる猛。それを追ってきた健太郎は「ここはルミちゃんの住んでるマンションだ!」と直ぐさま反応する。何でそれがすぐに分かるんだ?それでアントマンに囲まれた猛を救うためにケラゲルゲにパンダのぬいぐるみを投げつけるのだが、ぬいぐるみがぶつかっただけでひるんでるよ。
 ドルゲバスの後ろにしがみつく健太郎と猛。子供がそんなことやっちゃいけません。
 変身出来ない健太郎と猛の二人を捕まえ、ドルゲの僕にしようとするケラゲルゲ。脅したり説明したりせずにすぐにやれよ。お陰で二人の友情が戻ってしまったよ。
 猛に背負われて乱闘されたり、蛇行するジープに乗せられても目を覚まさないルミは、バロム1が抱き起こして「大丈夫か?」と言うだけで目を覚ましてる。>
第5話 発狂魔人ミイラルゲ

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 ドルゲは地上の人間を次々に飛び降り自殺させ、その一人を選んでミイラルゲを誕生させる。ミイラルゲは悪の病原菌をばらまこうとするが、その自殺者を松五郎が目の前で見ていた。死んだはずの人間が復活しているのを不審に思った松五郎は猛を誘って尾行を開始するが…
 敵はミイラルゲ。ミイラ型のドルゲ魔人で、右目だけぎょろりと出て、更に半身に骨が浮き出た気色悪いデザイン。空洞の左目から蛇を出して攻撃する。松五郎に変装し、猛を殺そうとした。叫び声は「ルロルロルロ」とドルゲと同じ。時折「ルラルラ」。
 松五郎オジサンが前面に出た話で、主人公達よりも事件にぶち当たる確率が高いと思われる。今回はとうとうドルゲに洗脳までされてしまった…と思ったらミイラルゲの変装だったが。
<ドルゲの面接試験にやってきた松五郎の目の前で飛び降り自殺を見る。「面接試験に落ちたくらい何だ。俺なんて10回も落ちてるんだぞ」…どんな説得だよ。
 それで復活したその人物をドルゲは「ボデーガードに雇った」と言っていたが、その青年はドルゲが車に乗るのを黙って見送ってる。それってボディガードの意味あるの?
 猛の要請でビルの手前にやってくる健太郎は「おかしいな。猛の乗ったタクシーはどこに行ったのだろう…」と完全に説明してた。
 ミイラルゲの蛇をまといつかせた健太郎と猛のバロムクロス。バロム1になったら、蛇が二匹からみついてたけど、合体の過程ってどうなってるんだろうね?
 ミイラルゲの左目から出た蛇は“悪の病原菌”なるものを保菌しているらしいが、蛇に噛まれないと発病しないみたい。
 松五郎に化けたミイラルゲは猛一人を誘い出す事に成功。殺そうとする。だったらもっと前に殺せたんじゃないか?
 ミイラルゲは猛を橋から投げ落とす。そしてそれを追うように飛び降りた健太郎とバロムクロス…落下速度は健太郎の方が速いことになるな。
 ミイラルゲが死ぬと病気も治る。最後の一人は妙にくねくねした動きで「治ってる!」とか言ってたけど、ナルシスト?>
第6話 怪腕魔人エビビルゲ

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 ドルゲはエビドルゲを使い、釣りに来ていた猛の父燐太郎と、それに続き健太郎の父孝一郎をさらう。バロム1の能力を奪おうと画策するドルゲだったが…
 敵はエビゲルゲ。エビ型のドルゲ魔人でかなりリアルなエビの姿をしてる。自称「海の悪魔」。燐太郎と孝一郎をさらい、人質にしてバロム1の能力を奪おうとする。叫び声は「ビルビルビルビル」
 健太郎と猛の父親の話が展開。健太郎の父は新聞記者。猛の父は刑事と言うことで、二人は協力体制にあるようだ。家族ぐるみのおつき合いなのかな?
 アントマンは人間から作られることが発覚。ただし、その心が悪に染まってないと出来ないため、正義感溢れる人間をアントマンにするには時間がかかるらしい。
 又、マッハロッドが初めて空を飛んだ。
<最初にトラックの運転手がラジオ聞きながら運転中、ラジオから「ルロロロロロ…」としつこく流れてくる。ドルゲのパフォーマンスか?
 燐太郎と孝一郎の車をタクシーで追う健太郎と猛。子供がタクシーを呼び止めるってのは違和感あるけど、実はタクシーの運転手がアントマンなのだが、乗ってしばらくしてようやくポップがなり出す。普通近づいただけでなり出すのでは?
 走る二人はタクシーの中でバロム1に変身する。タクシーの外に立ってるが、その時タクシーは徐行してた。これだったら変身するまでもなく降りられたような…
 モーターボートで逃げるエビゲルゲに対し、マッハロッドで追うバロム1。呼び出すと、一旦陸でマッハロッドは実体化。一々そこに飛んでいってからモーターボートを追うが、えらく手間がかかってる。これだったらそのままジャンプしてモーターボート追った方が早かったのでは?>
第7話 変化魔人アンゴルゲ

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 ドルゲは健太郎と猛の学校の先生で“アンコウ”というあだ名を持つ嫌われ者教師佐野をアンゴルゲに変えてしまう。佐野は立場を利用し、二人を陥れようとするが…
 敵はアンゴルゲ。アンコウをベースにしたドルゲ魔人で、“アンコウ”というあだ名を持つ佐野先生が改造される。変身はアニメーションを使ったもので、かなり気色悪い。頭部から伸びる触手を光らせることでバロム1を催眠術にかける。心の中の憎しみを無くすことで人間に戻った。
 健太郎と猛にはライバルと言われる存在がいた。その立場を利用され、罠に陥れられる話。主人公が小学生だから出来る話だな。
 小学生の海外留学というのは当時では夢の企画。これに選ばれるなんて名誉な話だった。問題はその“外国”とはどこか言われてなかったことだが。
 アンゴルゲの催眠術に対し、目にシャッターを下ろすことで防ぐバロム1。珍しい機能だ。
<アントマンとアンゴルゲに囲まれ絶体絶命の健太郎。次の瞬間には外に出ていた。見た目より素早いのかな?
 バロム1との戦いでアントマンを放っておいて一人逃げるアンゴルゲ。よく見ると斜面でコケてる。
 悪の心を無くして、すっかりいい人になった佐野先生。「ドルゲもたまには良いことするな」とか言ってたけど、そういう問題かな?ところで佐野先生の鼻髭が上下逆になってるよ。>
第8話 毒液魔人ナマコルゲ

  監督:田口勝彦
  脚本:山崎 久
 竜浦半島で強引な地上げが行われており、その地上げに反対する住民は次々に蒸発していた。実はドルゲが地下基地建設のために住民をさらっていたのだ。丁度ハイキングで竜浦半島の水族館にやってきた健太郎と猛のグループの中で、三郎と久美江が水族館の中でナマコルゲにさらわれてしまう…
 敵はナマコルゲ。ナマコ型のドルゲ魔人で大きな一つ目が特徴。頭から毒液を出すが、バロム1には効かなかった。水がないと極端に弱くなってしまう。叫び声は「ゲーローン」。
 ここで頼れる仲間として海野が仲間入り。正義感の強い九州男児で、アントマンとも互角に戦っているが、なんと水木一郎が演じている。活躍したのがこの1話だけなのが残念だが。
 初のバロム1の水中戦が描かれる。本当に水中で戦っていて、バロム1も足にフィンをつけて戦ってる。
<真っ暗闇の水族館でナマコルゲと戦うバロム1は、ナマコルゲの姿を見て、「許さんぞ。ナマコルゲ!」と一喝。確か名乗ってなかったよね?
 捕らえられた三郎と久美江は猿轡噛まされた上に両手を鎖で吊り下げられている…なんとマニアックなプレイだ?
 健太郎と猛を個別に捕らえ、一人ずつ始末しようとするナマコルゲ。それは正しいと思うけど、だったら徹底的に引き離して始末しろ。結局逃げられてバロム1になっちゃったよ。
 バロム1からジープで逃げようとするナマコルゲ。だけどジープの上でよろけていて、観ていてちょっとひやっとした。>
第9話 冷血魔人クモゲルゲ

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 短気な美術家菊村はアントマンに襲われクモゲルゲにされてしまった。ドルゲはそのクモゲルゲにテスト用捕虜を集めるように命じるのだった。
 敵はクモゲルゲ。毒蜘蛛型のドルゲ魔人。美術教師の菊村タツヤがスカウトされて変身させられた姿。次々に人をさらい、ドルゲ基地の建設に従事させる。叫び声は「ギガギガギガ」。
 今回は健太郎と猛の喧嘩だけでなく、親同士の喧嘩も描かれ、それで苦労する二人が描かれてる。それにしても、親が喧嘩してるからって子供を監禁するなんてやり過ぎだよ。家族がその間に挟まれオロオロしてるのがなんかほほえましい。
 今回も海野は登場してるが、ちょっとだけ。しかも後は出てこなくなってしまった。
<クモゲルゲは口から舌を出し入れしてるが、これってよく縁日で売ってる蛇笛だよね?
 菊村の美術教室で絵の勉強をしている健太郎を襲うクモゲルゲ。だが、外で遊んでいた猛のホームラン打球が偶然に後頭部に炸裂。なんと都合の良い。
 クモゲルゲは念動力を持ち、任意の物体を爆発させることが出来るのだが、バロム1に対しては全くそれを使おうとしない。何のための能力だ?
 相変わらずだが、名乗りもしないクモゲルゲに対しちゃんと名前を言ってるバロム1。姿を観れば分かるってか?
 親の喧嘩によって引き離されてしまう健太郎と猛。健太郎は監禁されるが、猛についてはなんと松五郎によってふんじばられてる…すげえ叔父さん。
 健太郎をさらったクモゲルゲは猛に脅迫状を送り、一緒に殺そうとする…だから、なんで一緒に殺そうとするんだよ?健太郎一人殺せばそれで済むだろうが。
 クモゲルゲは爆発して死んだけど、菊村は無事復活してた。どうやって生きてた?それ以前にクモゲルゲの状態で何人か殺してるんだけど、その間の記憶はどうなの?>
第10話 地震魔人モグラルゲ

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 ドルゲが作り上げたマンションが突然地下に潜り始めた。管理人になっていた三条の所に遊びに来ていた松五郎だが、マンションが地面に引きずり込まれる事態に遭遇する。命からがら逃げた松五郎はその事を訴えるが、誰一人それを信じなかった…
 敵はモグラルゲ。金属で出来たモグラって感じ。地震を起こす事が出来る。それを攻撃に使ったり、マンションを地下に潜らせたりする。太陽光線が苦手らしく、外に出る時はサングラスのようなフィルターを目に付いてる。叫び声は「ウララ〜ウララ〜」
 何故かいつも事件と遭遇する松五郎だが、こいつは不幸を呼び込む体質か何かだろうか?それでもいつも明るいから、あんまり精神的ダメージはないのかも?
 画面に分割で二つの物語が展開するという面白い試みがなされているが、実際には間に板を挟んで本当に同じ画面で演技してる。コントみたいで面白い。
<三条先輩が住んでいるのは「あばら屋」と呼ばれていたが、本当にほとんど廃屋。こんな所に住んでるなんて…つーか、戦いで部屋の中に入ったら、本当の廃屋だったぞ。
 三条に事態を聞く健太郎。三条は「アントマンとかいう奴が襲ってきたぞ」…アントマンって自己紹介したか?
 マンションの住民がみんなドルゲの配下になってしまったが、ボップは全く無反応。魔人でないと反応しないのか?
 地下に閉じこめられた健太郎は松五郎に「空手三段だったらコンクリートの壁くらい破れる」とか言ってる。無責任すぎるぞ。
 地雷を使ってバロム1を攻撃するアントマン。時折他のアントマンが巻き込まれてるよ。
 左手のスコップで攻撃を行うモグラルゲ。やってるのはその辺の土を掘り返して放り投げるだけ。子供かお前は?
 松五郎は結局三条先輩に助けられたけど、バロム1に放っておかれたか?それより健太郎がいなくなったことを全く疑問に思わない松五郎が凄いよ。>
第11話 毒ガス魔人ゲジゲルゲ

  監督:折田 至
  脚本:滝沢真里
 人間をさらい地下工事に使うため、ドルゲはゲジゲルゲに命じ心理学研究所を設立。さらった人間の脳細胞を破壊し、毒ガスを地上に噴出させる作戦に出た。ゲジゲルゲを目撃したカオリから陰謀を知る健太郎と猛だったが…
 敵はゲジゲルゲ。ゲジゲジ型の怪人。地下で発見された、人間の脳細胞を破壊する毒ガスを吐き、その人間を地下工事に用いる。口から神経ガスを出したり、ゲジゲジ型の爆弾を投げつけたりするが、格闘はあんまり得意じゃないようだ。叫び声は「ギージョン」
 精神疾患を題材にしているだけに無茶苦茶な描写が多々登場。特に脳細胞を破壊された人間があまりに凄まじすぎる。現代では到底出来そうもない話ながら、今観ると、大変興味深い。
<人間の脳細胞を破壊するという毒ガスの描写が凄すぎる。赤いガスだが、これを吸った人間はあらぬ方向を向いて「ふへへへへ」とか笑ってるよ。更にガスを吸ったカオリは「赤いチョウチョが…」とか言いつつふらふらと…
 洞窟にはいると火の玉が出てくる。怯える健太郎に対し、「怖がるな」と強がりを言う猛。普通怖いと思うぞ。
 洞窟でゲジゲルゲと戦うバロム1。隣にあった岩にちょっと触れただけで岩が揺れてる。もの凄い怪力なんだな。
 カオリから洞窟が危ないと聞かされる松五郎は健太郎と猛を先に行かせ、自分はおにぎり喰ってる。こんな大人ってイヤだ。
 ドルゲージ研究所に多数の人間が集まっているのを見た松五郎は、「変わった奴らってたくさんいるもんだねえ」と感心しっぱなし。描写がヤバイって。
 で、その研究所に入っていくアブナい青年は、ゲジゲルゲに向かってスペシウム光線の真似をしてる。良いのか?
 婦長さんが登場した時、松五郎は「オバサン」と呼びかけてる。これもまずいよな。
 婦長さんの首に付けられた爆弾を放り投げ、「伏せろ!」と叫ぶバロム1。しかし、その前に既に爆発してた。
 ゲジゲルゲはあんまり強くないようで、バロム1と戦う時はアントマン任せで、攻撃が向かってくるとすぐに逃げる。
 最後に回復したカオリが登場するが、どうやって回復したんだろう?効果時間が短いのかな?それでも誰もいない所で「ふふふふ」とか笑いながら走り回ってるし、ひょっとして治ってないの?>
VOL.2
<A> <楽>
第12話 魔人キノコルゲはうしろからくる!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 ドルゲの作り出したキノコルゲは次々と人間を襲い、ドルゲキノコにしてしまう。行川アイランドに松五郎と共に遊びに来ていた健太郎と猛は友達になったサキコからキノコルゲの凶行を知らされるのだが…
 敵はキノコルゲ。地底の毒キノコから生まれた怪人で、ドルゲキノコ菌を用いて人間をドルゲキノコに変えてしまう。ドルゲキノコ菌は爆発もする。見かけによらず格闘も強い。叫び声は「キーノーキーノー」。何故か江戸っ子言葉で喋る。
 行川アイランドとのタイアップによって作られた話で、ちゃんと健太郎と猛がそこに居合わせる都合良さ。
 この話からバロム1の必殺技“バロム爆弾パンチ”が登場する。
<これまで人間をドルゲ魔人に変えていたが、今日のキノコルゲは人間を用いず直接毒キノコから作られていた。
 キノコルゲが最初に襲った人間には「お邪魔します」とか礼儀正しい。キノコの傘をまるで三度笠のように扱っているのも面白い。で、人間をドルゲキノコに変えてしまうのだが、「ばれないようにそこにいるのだ」と言ってた。ばれない訳ないだろう。
 キノコルゲと共に人間を襲うアントマンは、まるでシンクロやってるかのようにプールから現れる。
 田中さんを家族と共に探す松五郎は奥さんの真似して「あなたー」とか叫んでた。誰があなただ?
 キノコルゲと初対面のバロム1は「行くぞキノコルゲ」…って、いつ名乗ったよ?しかもサキコまで「バロム1」とか言ってる。
 アントマンをプールの中に放り込んだバロム1。その直後サキコは「バロム1、プールよ」と言われてプールから出てきたアントマンと戦ってた。プールに投げ込んだのはお前だろ?
 ドルゲキノコにされてしまったお爺ちゃんと戦う松五郎。老人虐待だな。しかも本当に殺してしまってるよ。
 ドルゲキノコになってしまった人間を集め、パーティを開くキノコルゲ。なんかすごい余裕だけど、それにしても一晩でドルゲキノコにできる人間は限られてるから、日本人全部をキノコにしてしまうという目的遂行までは随分時間かかりそうだ。
 光を反射する鏡を見て苦しむキノコルゲは、その鏡に向かって飛んだバロム1を「逃げるのか卑怯者!」と言って追いかけてる。こいつは阿呆か?
 最後に無事元に戻ったお父さんと抱き合うサキコ。それは良いけど、お爺ちゃんはやっぱり死んだままか?思い切り犬死にだな。>
第13話 魔人タコゲルゲが子供をねらう!

  監督:田口勝彦
  脚本:島田真之
 ドルゲはタコゲルゲに命じ、山北ダムをタコ爆弾で爆破させ下流の町を滅ぼそうとする。その現場を見てしまったツヨシ少年を狙うタコゲルゲだが…
 敵はタコゲルゲ。タコ型のドルゲ魔人。タコの足が背中に4つ、前に2本。両肩に2本。左手に1本…あれ?9本あるぞ。左手のタコの足を鞭のように使うほか、口から吐く墨が爆発する。金属音に弱い。叫び声は「ウフウフウフ」。今回はアントマンも右手がタコの足になってる。
 怪人によるダム破壊。これは非常によくネタにされてる。人通りが無く、多少暴れても大丈夫って事で舞台にされやすいんだろう。
 タコゲルゲが狙ったのは山北ダムだが、丁度そのダムには松五郎がアルバイトしていた。都合良いというかなんというか。しかもその少年は健太郎や猛の同じ町内の少年だった。
 今回からバロムクロスの演出が変化し、花火がぱちぱちいって、その後すぐに変身するようになった。
<今回松五郎はツヨシ少年に色々邪魔されて膨れっぱなしだが、その口とかタコを真似てるんだろうか?
 先に殺したガードマンに変装するタコゲルゲ。それが怪しいとあとをつける健太郎と猛だが、採石場まで歩いていた。そこまで気づかれずに少年二人がつけられたって凄いけど、一体どこまで歩いていったんだ?
 怒ったタコゲルゲは頭から湯気が出てる。良い演出だ。
 バロム1の出現に驚いたタコゲルゲが何をするかというと、単に逃げるだけ。これに限らず、ドルゲ魔人はよく逃げる。
 アントマンと戦うバロム1は意味もなくバク転。スーツアクターの運動能力を示すためだろうけど、わざわざやる必要ないと思う。
 タコ爆弾は水の中でも使えるっぽいが、ダムに設置したのは、ちゃんと橋の上から見える場所だった。バロム1以前に誰か見つけてないか?
 タコゲルゲは最初に金属音が弱いことを示していたが、倒されたのはバロム爆弾パンチだった。伏線になってなかった。「何故だ。俺の弱点は金属音だけのはずなのに」とかは言ってるが。>
第14話 魔人アリゲルゲと13のドルゲ魔人

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 ドルゲはアリゲルゲに宇宙から届いたドルゲ菌を地上にばらまかせようとする。だが飛んできたドルゲ菌のカプセルをテツオが拾ってしまう。それを知ったバロム1はそれを処分しようとするが、
 敵はアリゲルゲ。アリ型のドルゲ魔人。これまでと較べると比較的おとなしめのデザイン。手にした杖から蟻酸を出して攻撃する。パンチ返しという技を持ち、バロム1の爆弾パンチも通用しなかった。叫び声は「ガギー」。そしてこれまで登場した13体の魔人が再生して登場する。
 第2クールに入り、これまでの集大成として、これまで出てきた魔人達が全員登場してくる。話もドルゲの本来の目的であるドルゲ菌が出てくるので、一回りして改めてドルゲの存在を示そうとしたのかも知れない。
 そして東映ものの定番と言える特訓も描かれる。バロム爆弾パンチが必殺爆弾パンチに変わる。
<ドルゲに呼ばれたアリゲルゲは「一分一秒でもじっとしていられないです。命令を」とせわしない。しかし、だったらもっと早く出てきて然りでは?戦いも再生魔人任せだったしなあ。
 カプセルを拾ったテツオの家に現れるアリゲルゲ。そこに健太郎と猛が現れるのはボップのお陰としても、変身する瞬間テツオが気絶してしまったのは都合良すぎ。
 再生魔人が出てくるのは良いけど、人間に戻った奴らは一体どうやって再生したんだろう?細かいけど、全員自己紹介の際キノコルゲだけは「キノコルゲ。です!」と妙に丁寧な挨拶してる。エビゲルゲは叫び声が違い、「エビビビビビ」になってる。
 狙ってのことだろうけど、タコゲルゲとイカゲルゲが正面衝突してお互いに触手振り回して殴り合ってるシーンあり。
 テツオを人質に取りドルゲ菌を回収したアリゲルゲは勝ち誇ってるが、そのポーズで腰をグラインドさせてるよ。なんか卑猥。
 ドルゲ菌は風船にペイントしただけのもの。まあ、なんとも安上がりだこと。
 バロム1の必殺技がここから「必殺爆弾パンチ」に変わる。だけど、これまでのバロム爆弾パンチとポーズはなんら変わりない。
 崖の上に立ってポーズを決める再生魔人たち。次の瞬間普通に地面を走ってバロム1の元へ…上にいるんだからもっと効率の良い戦い方しようよ。>
第15話 魔人ミノゲルゲが君の町をねらう!!

  監督:山田 稔
  脚本:島田真之
 ドルゲはミノゲルゲに命じ、人間の働く意志をもぎとってしまうナマケガスの実験を行う。これを浴びてしまった人間は体中に斑点が出来、全ての勤労意欲を失ってしまうのだった。偶然虫取りに田舎にやってきた健太郎と猛は、目の前でミノゲルゲの凶行を目撃した少女マサエが車で跳ね飛ばされるのを見る…
 敵はミノゲルゲ。ミノムシ型のドルゲ魔人で、人間の勤労意欲を失わせるナマケガスを放出する。左手がかぎ爪になっていて、これを振り回して攻撃する。叫び声は「ミミーノ」。
 人間を怠け者にしてしまうと言うガスが主題の話。舞台が都会じゃなく田舎ってところが特徴か?ツッコミ所がたくさんあって嬉しい。
 又してもバロム1の変身シーンが変化。今度は光の渦が出てくるようになった。
<ナマケガスを浴びたバスの運転手はバスの停留所に止まることを「面倒くさい」と言って通過してしまう。面倒くさくてもアクセルを踏むことは出来るのね。それでバスの乗客はパニック起こしているけど、ガス吸わなかったの?
 ミノゲルゲは人間の姿にもなれるが、蓑傘をかぶった姿になってる。まあ、本当にそのまんまだな。
 ミノゲルゲの姿を見てしまった少女マサエは、ミノゲルゲがミノムシ化して気にぶら下がるまで一部始終を見ているのだが、目の前にあるそのミノムシを放っておいてる。
 マサエの父親の駐在は「化け物を見た」という言葉を完全に無視するが、バスが転落してるんだから、大事件になってそうなもの。随分と牧歌的だ。田舎の人間っておおらかだから?
 怠け者になってしまった人たちはみんな公園でたむろしてるけど、この公園というのがほとんど手入れされてなかったようで、草は生え放題。ブランコとか滑り台も錆びてる。なんでこんな所に集まってるんだ?
 ミノゲルゲの姿を見たバロム1は「出たな!ミノゲルゲ!」…どこでその名前を知った?
 ナマケガスを吸ってしまったアントマンは「あ〜あ、バカらしくてやってらんねえや」「頭がおかしくなっちまった」とか言って寝ころんでしまう。あらら。アントマンって喋れたのね。戦う事もできず所在なげに佇むバロム1が寂しそう。
 アントマンの陽動作戦で村から離れてしまったバロム1は罠に気づき、「こうしてはいられない」と走り始めるが、わざわざ階段を一段一段ちゃんと降りてる。律儀な奴だ。
 バロム1を遠くにやってマサエをさらおうとするミノゲルゲ。処分するなら分かるが、なんでさらわないといけないのだろう?
 バロム1を罠にかけ、巨大蓑の中にバロム1を入れてしまうミノゲルゲ。「これに入ったら二度と出ることが出来ないのだ」と勝ち誇った次の瞬間、普通に脱出してた。
 ミノゲルゲの最後の言葉は、「おい。俺はお前と戦うのが面倒になった。俺は死ぬぞ」。で、ダムの上からダイブ…面倒じゃなくて爆弾パンチでやられたんだろ?>
第16話 魔女ランゲルゲは鏡に呪う

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 ドルゲはバロム1よりも強力なドルゲ魔人を作るべく、黒沼蘭子に命じ3人の少女を誘拐させ、その血を抜き取らせようとする。その3人目に選ばれたのは武と健太郎の友達ミカだった…
 敵はランゲルゲ。自分の美しさに固執する黒沼蘭子という女性の醜い心によって作られた植物型の魔女。倒された時はちゃんと蘭子に戻っていた。叫び声は「ヒカヒカ」。
 「白雪姫」っぽい感じの物語。さらわれた女の子を救うべく活躍するバロム1の活躍が描かれる。物語そのものはあまり言うべき所がないが、一方、悪役となった女性はドルゲに従えば従うほど不幸になっていく。借金がどんどんかさんで、雪だるま式に増えてる状態と言うべきか?そちらの鬼気迫る演出が面白い。
<ドルゲ魔人は女性の場合は「ドルゲ魔女」になるらしい。区別があるんだ。
 ランゲルゲはその姿のままダンス会場に入っていった。受付の人はそのまま通したの?
 三人の少女を探しに来たバロム1は偶然川辺で松五郎を助けるが、更に偶然に上流から蘭の花が流れてきて、それを見て「この蘭の花はあの女の持っていたものだ」と見破り、上流へと向かう。この流れはあまりにご都合主義じゃないか?
 さらわれた三人の女の子は無表情な顔付きしてるが、バロム1に助けられた時は元気いっぱい。一人はパンツ丸出し。
 ダムが戦いの舞台になることはよくあるけど、ここでは巨大な火柱を上げてる。ここまでやって良いのか?>
第17話 魔人ウミウシゲが君をアントマンにする

  監督:田口勝彦
  脚本:前川洋之
 ドルゲのウミウシゲは地上の人間をさらいアントマンを量産しようと活動を開始する。伊東にある大室山を拠点に定めたウミウシゲだが、丁度その時松五郎は後輩の空手部員を連れて伊東に合宿していた…
 敵はウミウシゲ。体中から強力な粘着力を有する粘液を出し、後一歩の所までバロム1を追いつめ、その後ドルゲにより火炎放射器を付与される。叫び声は「ビーユ」。
 物語が二段構造でそれぞれバロム1の命の危機が演出されるなど、かなり豪華な話になった。
 今回の舞台は伊豆の伊東温泉。タイアップ企画で、事ある毎に静山荘や伊豆名所の名前が出てくる。当然ながらその事件現場に偶然主人公達が居合わせる訳だが。
 特撮部分は特に前半海岸に接着されたバロム1の姿は本当に危険だ。
<毎度マイナーな動物がモティーフとなるドルゲ魔人だが、今回はウミウシ。確かに他にはいないだろうな。
 ウミウシゲは強力な粘着液を用いるが、ドルゲに言われ、その能力に初めて気づいたようで、自分でも驚いていた。ドルゲ曰く「手を大きく広げれば効力が無くなる」そうだが、それ以前に片手が岩にくっついた状態では手を広げろったって難しそうだけど。
 目の前にウミウシゲがいるのに全く無反応のボップ。これ本当に役立ってるのか?
 ウミウシゲは海岸の岩にバロム1をへばりつかせ、「今に潮が満ち、お前の命は尽きる」と言ってた。随分気の長い話だ。結局逃げられてるし。
 新しい能力として左手に火炎放射器を付けられたウミウシゲに対し「地球を焼き尽くせ」とか言ってるドルゲ…この程度の武器ではせいぜい家を1〜2軒焼く程度。ドルゲはそうは思ってなかったのかな?
 ウミウシゲが火をはなっているのは伊豆町。伊東の隣町だ。わざわざジェットボップで行かねばならないのは面白いね…と思ったら、ここも観光案内のためだったか。自殺の名所を観光案内してるよ。>
第18話 魔人アンモナイルゲがパパをおそう

  監督:田口勝彦
  脚本:島田真之
 ドルゲによって甦った古代からの眠りを覚まされたアンモナイルゲは致死性のアンモナイト菌を使い、幸せな野上家をぶち壊そうとする。
 敵はアンモナイルゲ。致死性のアンモナイト菌を人に注入し、幸せな家族の幸せをぶち壊そうとする。鞭を武器とする。叫び声は「イーガー」。
 バロム1の変身がまたもや変化。ボップを空高く放り投げた後、武と健太郎が離れ、大ジャンプしてボップを中心にバロムクロスして変身。これが最終版となる。
 今回はバロム1の大ピンチ(いつもか?)。アンモナイト菌を注入されてしまい、力が出ない状態。その際ヘルメットの色が白っぽく変化。分かりやすい。
<アンモナイルゲの能力はアンモナイト菌を人間に注入させることだが、これって他人に移すと本人は治ってしまう。これではいつまで経っても病原菌は広まらないよ。
 ところでなんで野上家が標的なんだろう?ドルゲの説明は「幸せな家庭をぶち壊すため」だそうだが、それ以外に理由はないの?
 ミチオ少年はバロム1を信頼してるけど、電電公社にバロム1の電話番号聞いてる。それで「又坊やなの?」とか嫌がられてた。よっぽど何度も電話したんだろうね。それで何故武の家に電話がつながったのかも謎。正義のなせる業か?
 変化沼にバロム1を放り込んでご満悦のアンモナイルゲ。だが、野上家を襲ったアンモナイルゲの前にバロム1はちゃんと現れる。その説明は「私を甘く見るんじゃない」だった。便利な言い方だ。
 ミチオ少年が捨てたはずのバロム1のペンダントが絶体絶命のバロム1に力を与える。これって勝手に作ったものじゃなかった?それに誰が投げたの?これも正義のなせる業か?>
第19話 魔人ヤゴゲルゲが子守唄で呪う

  監督:小山幹夫
  脚本:伊上 勝
 遊園地のお化け屋敷に突然現れたヤゴゲルゲはお化けの振りをして子ども達を眠らせて次々にアジトに連れて行く。
 敵はヤゴゲルゲ。造形やネーミングが強烈なドルゲ魔人にあってはやや地味目な怪人だが、呪いの子守唄の替え歌で子ども達を眠らせ、洗脳してしまう。その歌には人間の脳細胞を破壊する超音波が含まれているらしい。爆弾パンチを返すほどの実力者でもある。
 強烈なイメージとして残るエピソードで、一応怪奇ものには違いないのだが、ヤゴゲルゲのとぼけた魅力によってマジなのかギャグなのかよく分からない話になってる。ヤゴゲルゲがやってることは「ヤゴヤゴヤーゴの子守唄〜聞けばいつでも眠くなる〜」と歌ってるだけだが、その声が何とも言えない。
<ヤゴゲルゲは歌うことそのものが大好きらしく、いつも歌ってるが、これって基地の中では凄い迷惑。
 ヤゴゲルゲにやられ、気絶してる武に気づかずに頭踏んづけてそのまま歩いていく健太郎。気付ぇよ。
 折角捕まえた猛を何もせずわざわざ健太郎が来るまで待ってるヤゴゲルゲ。この詰めの甘さが…
 ドルゲにばれないようにと眼鏡で変装する健太郎の姿はまるでのび太君そっくり。
 松五郎がいる前で猛と健太郎がバロム1であることをばらすヤゴゲルゲ。全然驚いてないけど、もうばれてたのかな?
 爆弾パンチを「パンチ返し」で返すヤゴゲルゲ。この技はアリゲルゲも使ってたから、教えてもらったのかな?>
第20話 魔人サソリルゲが地上を征服する!!

  監督:小山幹夫
  脚本:島田真之
  サソリ道人に扮したサソリルゲは吸血サソリを使い、人間を次々にサソリ人間にしていく。そしてサソリ人間にされた木戸紀子は猛の命を狙う。
 敵はサソリルゲ。サソリ道人となり、吸血サソリを使って日本中の人間をサソリ人間にしようとし、手始めに木戸家をサソリ人間にしてしまう。叫び声は「ヒヒヒヒャー」。
 今回のトピックはなんと言ってもサソリ道人として登場した天本英世だろう。この人の悪役ぶりは堂に入っていて、暗闇の演出もあってホラー風味満点。やっぱりこの人は名優。登場が少ないのが難点。いっそ変身しないでそのままバロム1と戦っていればもっと良かったのに。
 そう言えば久々に猛ファミリーが勢揃い。松五郎のみならず、父の燐太郎までサソリ人間になってしまうが、彫りが深い小林清志がこれやると不気味すぎる。
 全般的に人間描写がとても面白い作品だったが、ホラー風味も強く、子供にとってはトラウマ作品になってしまうかも。
 今回はアントマンがサソリルゲに合わせて片手にハサミ状の武器を持って参戦。お互いに刺してしまうという描写まであり。
<「行け行け川口浩」という歌で「動かないサソリが襲ってくる」という歌詞があったけど、本作の場合はそれがモロ。本当に動かないサソリが襲ってくる。
 原因不明の失踪事件から突然戻ってきたというアケミという女性が怪しいと睨む健太郎と猛。だけど普通こんな子供が察する以前に警察で事情聴取とかされない?いや、それ以前になんでわざわざ二人の住む町内でこんな事件を起こすんだ?
 ゆーっくり近づいてくる吸血サソリに対し、逃げもせず、「踏みつぶしてやる」とか叫んで自滅するバロム1。逃げろよ。
 いくらドルゲの命令とはいえ、一人で無防備状態の猛を放っておくサソリルゲ。一人じゃ何にも出来ないんだから、普通に襲った方が効果的だよ。
 サソリ人間に囲まれて絶体絶命になる猛。だけどサソリルゲはサソリ人間を静止させてしまう。放っておけば良かったのに。
 サソリルゲが倒れると全員木戸家で目を覚ます。家族全員がちゃぶ台に突っ伏してるのはなんで?
 そう言えば今回のバロム1のタイツは鮮やかな緑色してるな。一話毎に随分色が違うよね。>
第21話 魔人クチビルゲがバロム・1を食う!!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 ドルゲ魔人クチビルゲはヘドロガスを世界中にまき散らすために必要なバロム1の心臓を狙っていた。そこで肝試しをしていた兄妹を捕らえたクチビルゲは二人を人質にバロム1をおびき出す。
 敵はクチビルゲ。ドルゲの口から生まれた巨大な口だけのドルゲ魔人で、人間を喰ってヘドロを吐き出す。世界中をヘドロで覆うためにバロム1を喰おうとする。姿を隠すことも可能。ネーミングの秀逸さは全怪人中でも突出してる。
 話も後半。これまでも他の作品と較べかなり怪奇的描写が多かった作品だが、ここからそれに輪をかけて遥かに怪奇色の強くなった描写になっていく。
 ドルゲ魔人もこれまでの動物からドルゲの体のパーツを使ったものへと変化。最初はドルゲの口から生まれたクチビルゲ。巨大な口で人を丸飲みにしてしまうというホラー風味に仕上げられている。いきなり暗闇から現れ、酔っぱらいを頭から食いついてるとか、バロム1の腕を喰おうとしたり、心臓を掴み出そうとする描写まである。こどもがこれを観たら絶対にトラウマものだ。
 今回ゲストに出てきた少年は何かと特撮への出演が多い川口英樹だし、探偵天知は大泉滉。なかなか豪華な布陣となっているのも特徴。
<バロム1の心臓は光る格子状のもの。蜘蛛の巣みたい。
 ホラー風味溢れているのがこの話の特徴だが、最後にクチビルゲが全身から血を流しているのが一番怖かったかも。歯槽膿漏か?
 しかし、探偵の名前が天知大五郎って…一体どこを突っ込めば良いんだ?>
VOL.3
<A> <楽>
第22話 魔人ヒャクメルゲが目をくりぬく!!

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 人間の目をくりぬいて奪ってしまうヒャクメルゲがバロム1の目を狙い、眼科医に化けて健太郎を襲う。
 敵はヒャクメルゲ。ドルゲの目から生まれた大きな目が特徴のドルゲ魔女。人間の目をくりぬいて暗黒の世界を作り出そうとしている。体中に目が付いていて、本物の目が分かりづらい。催眠術を用いて人を操ることも出来る。
 新展開になってからますます怪奇色が強くなった。この話では目をくりぬいたりする描写まであり、怪奇と言うよりはショックシーンというべき。子供に見せるにはあまりに刺激が強すぎて、完全にトラウマものだ。少なくともこれ観たらタクシーの運転手にはなりたくなくなるだろう。
 小ネタだが、バロムクロスが距離とあまり関係なく発動。便利になったものだ。又アントマンは百メゲルゲに合わせて目玉の付いた杖を武器にしている。
<ヒャクメルゲのデザインだが、全身肌色の上に瞼までついた巨大な目玉が頭に付いてるのは、かなり微妙なデザインとしか言いようがない。しかも人間体は女性だしなあ。この作品が地上波で再放送出来ないのはこいつのせいだとも言われている。
 相手がドルゲだとボップが反応するはずだけど、たまたまボップを置き忘れたためにヒャクメルゲに襲われてしまう。都合良い設定…そう言えば学校での検眼時点でボップは何故発動しないんだ?
 バロム1の目が本当に奪われるシーンあり。ただ目が白くなるだけだった。
 ヒャクメルゲの体にある目を潰せば奪われた人間の目も戻るのだとか…視神経まで引きずり出されてた人間がいたけど、その場合はどうなるんだろうね?>
第23話 魔人ノウゲルゲが脳波を吸う!!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 ドルゲ帽子を使い、人々の脳波を奪って老人にしてしまうノウゲルゲが次々と人を襲っていた。これがドルゲ魔人によるものと気づいたバロム1はこれまで老人になった人々を助け、これ以上の被害を出さぬようノウゲルゲに挑む。
 敵はノウゲルゲ。全身脳味噌と言った感じのドルゲ魔人で、気持ち悪いことおびただしい。左足の付け根に本物の顔がある。ドルゲ帽子を使い、それをかぶった人間の脳波を吸い取ってしまう。ドルゲリングを用いてバロム1の脳波も吸い取ろうとする。叫び声は「ルロロロロ」でドルゲと同じ。
 三連発で不気味な魔人が登場。しかし、脳ってのはあんまりにもグロくない?物語そのものは単純なんだけどね。
 松五郎まで老人にされてしまうので、これもトラウマ性強し。
 バロム1は人間の記憶力を探る能力もあり。都合の良い能力だな。
 今回アントマンは脳味噌を模した鍔の付いた短剣を持って登場。
<最初に襲われた女性はドルゲ帽子で白髪の老婆になってしまうのだが、その際「脳が〜私の脳が〜」とか叫んでる。普通は「頭が」じゃないのか?
 どうやら自分の小遣いで買ったらしいジャイアンツの帽子を自慢げに見せびらかす猛。「明日はホームランだ」…って、時代が分かるなあ。
 ノウゲルゲは自らを鍛えるため電流を体に流す。電極をぶすっと脳味噌に刺すなど、最早放送コードギリギリもいいところ。
 兄チョウスケを老人にされてしまい、悲嘆に暮れる弟のハジメに「男の子は泣くんじゃない」と慰めるバロム1。あんたも男の子じゃないのか?
 老人となってしまったチョウスケの脳を探るバロム1。そんなことをしなくても、こういう事件は大概魔人のすることだろ?「仮面ライダーBLACK」の光太郎ほど勘は良くないのか、慎重なのか。
 帽子屋の中でピンチに陥った健太郎と猛は直ぐさまバロム1へ変身。その際空中で変身してるんだけど、二人って閉じこめられてるんだよね?
 偶然ハジメ少年が落としたハンドライトが脳波をはね返すことに気づき、それを使って逆転するバロム1。この話では脳波は吸収されるものだったんじゃなかったか?
 ところで設定ではドルゲ魔人はドルゲの体のパーツから誕生するらしいが、するとドルゲにはもう脳味噌がないんだろうか?>
第24話 魔人ウデゲルゲは神社で呪う

  監督:田口勝彦
  脚本:島田真之
 神社で賽銭泥棒をしていたノボル少年はウデゲルゲが人を襲い、村長になりすますのを目撃する。だが泥棒の汚名を着せられることをおそれ、言い出すことが出来なかった。そうこうしているうち、ウデゲルゲの被害は広がっていく…
 敵はウデゲルゲ。巨大な右手の化け物で、人差し指部分に一つ目が付いている。これもかなり気持ち悪いけど、形状が複雑な分、中の人は大変だっただろうね。ある村の村長になりすまして村人をじっくり殺していく。中指部分が鞭のように伸びる。叫び声は「フィンガー」。
 子供の純朴な子供の心に付け込むドルゲ魔人。心理的な話だが、こういう軽犯罪してびくびくするのは子供にはよくある。よくその心理を描いているのだが、ただその軽犯罪が元で何人も人が死んでしまう訳だから、ちょっとシャレにならない。
 今回は照島ランドとタイアップ企画。当然事件のある所に主人公は遭遇する。
<賽銭泥棒くらいで重罪人みたいに思う少年の心は純粋すぎ。こんな子だったら泥棒自体しないような気がするんだけどね。それで次々に村人が死んでるんだから、責任重大だよ。
 ウデゲルゲに襲われた際、洞窟の中にいる猛だが、ボップを放り投げたらしっかり空中でバロムクロスしてる…そう言えばなんで猛の方がボップ持ってるんだ?
 海に放り込まれて爆発するバロム1。次の瞬間「危なかったな」とか言いながら堤防に這い上ってる健太郎と猛。いや、危ないとか言う以前の問題では?それに海から上がっているのに二人の服は乾いてるよ。
 村人は毒殺や扼殺によって殺されているのに、村長は何故か神に謝る儀式を行ってる。その際みんな天狗の面をつけて踊ってるけど、なんか意味があるのかね?>
第25話 魔人ホネゲルゲの白骨が風にうめく!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 海岸の町でホネゲルゲが人間を白骨化させていた。偶然それを見てしまった兄姉はホネゲルゲに命を狙われてしまう。
 敵はホネゲルゲ。ハネトカゲの骸骨から作られたという骨だらけのドルゲ魔人で羽織っている黒いマントを人間にかぶせる事でその人を白骨化してしまう。バラバラになってもすぐに復活するが、全身骨なので、風が身に凍みるらしい。叫び声は「ゲロー」
 前回に続き照島ランドが舞台で、舞台も当然海岸の町。怪奇シリーズは続いており、今度は骨。人間が骨になるシーンなどもあるが、怪奇色はちょっと薄れているかも。ただしホネゲルゲはドルゲのパーツではなくハネトカゲのものらしい。
 今回のアントマンは骸骨のマスクをかぶってる。
<照島ランドは遊園地も併設しているらしいが、兄姉以外誰もいない。結構怖い光景だよ。
 おじちゃんと呼ばれてショックを受ける松五郎。その叫ぶタイミングはあまりよくなく、まるで狙ったかのよう。
 バロム1に自分を倒して骨を撒けば、骨になった人間を復活させられると宣言するホネゲルゲ。なんとも親切なことで。>
第26話 魔人ハネゲルゲが赤い月に鳴く

  監督:折田 至
  脚本:滝沢真里
 ドルゲのハネゲルゲはある赤ん坊をさらい、自分自身をその中に封じて母親に返す。その企みに気づいたバロム1だったが、子供を愛する母親は決してその子を渡そうとしなかった…
 敵はハネゲルゲ。始祖鳥の羽根から作られたというドルゲ魔人で、赤い月の呪いを用い、赤ん坊をハネゲルゲにしてしまう。叫び声は「クワー」…カラスみたい。
 母親の愛情を逆手に取った精神的な話で、物理的なホラーよりもこちらの方が怖く、まさに怪談って感じの作品に仕上がっている。赤ん坊が真っ赤な光に包まれて変化するシーンはかなり怖いし、心労でだんだんやつれていくお母さんの描写も良いし、お兄さん役がとにかく上手く、完成度そのものも高い。
 一方今回のアクション部分はかなり抑え気味。アントマンも2体しか出てこないし、戦いもあっという間に終わってしまう。
 前回に続きハネゲルゲはドルゲの体から作られたものではなく、デザインも普通の怪人っぽい。
<そう言えばさらわれた赤ん坊のキヨシの家にはお兄さんとお母さんしかいない。お母さんは和服美人なんだけど、片親なんだろうか?「赤ん坊を欲しいという願いを聞いたコウノトリが運んでくる」というのはなんか意味深…と考えるのは汚れた大人の考え方か?
 町中で空中に飛び上がって変身するバロム1。これで周囲の人にばれないのかね?
 バロム1の裏をかいて事件のあった場所から離れた団地で呪いをかけるハネゲルゲ。結局あっという間に見つかってしまうのだが、だったら地底で呪いかけた方が良くない?
 赤い三日月の呪いを消すために、ボップを月にぶつけたら、なんと昼間になってしまった。ボップは時の運行まで変える事が出来るのか?そう言う異常事態だったら、もっと早くやれよ。>
第27話 魔人キバゲルゲが赤いバラに狂う!!

  監督:田口勝彦
  脚本:島田真之
 魔人キバゲルゲが血を吸った人間は美しいものを壊さずにはいられないキバ人間にされてしまう。健太郎と猛の同級生も次々に餌食にされてしまうのだが、子供相手に戦う事が出来ないバロム1だが…
 敵はキバゲルゲ。子ども達の血を吸う事で、その子を美しいものを憎むキバ人間にしてしまう。ただしその造形は頭がとぐろ巻いていて、鼻の穴も大きい上に口にはキバなんか生えてない。叫び声は「バキーバキー」。
 ヒーローは子供を攻撃出来ない。だから悪にされた子供に手出しが出来ない。これはヒーローの最大の弱点なのだが、これをやってる作戦は結構少ない。こればかりやってたら、確実にヒーローは負けてしまうんだけどね。
 今回のアントマンはキバゲルゲに合わせて左手のナイフがキバになってる。
<同級生のオサムがおもちゃ屋さんの親父さんを殺したと詰め寄る健太郎と猛。これって凄いイジメじゃないかな?事実なんだけど。
 キバゲルゲはオサムが壊すことを躊躇したオルゴールの事を「メロデー」と言ってるんだけど、凄い訛り。
 戸外で変身したバロム1は次の瞬間閉め切った部屋の中に飛び込んでる。テレポート使えるのか?
 マッハロッドで空からパトロールするバロム1は、「怪しい気配だ」と叫んで地面に降り立つ。空から気配を察知出来るなら、もっと早くに分かりそうなものじゃないのかな?勘が良すぎる。
 外に出して欲しいと苦しむオサム少年。壁とかを爪で掻きむしってるんだけど、黒板があったら面白かったのに。
 重機の上でオサムを人質に取るキバゲルゲに対し、バロム1は飛び上がらず、律儀にはしごを登ってた。なんか情けないぞ。>
第28話 魔人クビゲルゲが窓からのぞく!!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 影法師と呼ばれる魔術師の心霊術が人気を呼んでいた。その心霊術に参加した女性達が首飾りを着けると、クビゲルゲの意のままに操られるようになってしまうのだった。エツコという少女の姉サユリがその首飾りを着けて失踪してしまう。その泣き顔を観たバロム1は、少女のために戦う事を決意する。
 敵はクビゲルゲ。首から上の顔がなく、その代わりに両手に顔が付いてる。よくこんなもん魔人にしようと思ったものだ。昼には活動出来ないという弱点を持つ。叫び声は「ゲゲゲゲゲ」「カオーカオー」
 本作ではタイトルに秀逸なものが多いが、この話は最高の一つだろう。窓から覗いたらなんだって言うんだ?
 物語自体は大変単純だが、夜の設定だけに、ホラー風味は強い。特にクビゲルゲの両手を千切るシーンがあり、そうなったらほとんど動く肉塊…
<松五郎が出前で持ってきたラーメンはどうも見本品らしい。全然美味しそうに見えない。
 今回のバロムクロスは家の中で行っているが、空中に飛んでクロスさせるのは同じ。そんな広い家なのだろうか?
 日光に弱いクビゲルゲは 、自分の基地でバロム1を待っているのだが、「早く来い、バロム1。夜が明けぬうちに片づけねば、棺の中に戻れん!」とか発言。だったらもっと良い場所を選べよ。
 バロム1を待ちわびるクビゲルゲだが、誰かが基地に侵入したと聞いて驚いてる。待ってたんじゃないの?>
第29話 魔人ウロコルゲがドルゲ菌をバラまく

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 学校の裏山に隕石が落ちた。それを発見した健太郎と猛は学校に持ってくるが、実はその隕石にはドルゲが呼んだウロコルゲがいたのだ。学校の水道にドルゲ菌を混入し、子ども達を凶暴にしてしまうウロコルゲ。
 敵はウロコルゲ。宇宙から来た隕石に乗ってやってきた。まん丸い姿は到底強そうに見えないのだが、二度にわたりバロム1を退けるほどの実力者。
 バロム1の危機が描かれる話。当然ここには特訓が付きもので、しっかり新技を披露してくれる。新技に名称はなかったのがちょっと残念な所。強い魔人が出てくるって事は、そろそろ終わりの布石を打ち始めたって事かも知れない。
<オープニングで「このドラマにでてくるドルゲはかくうのものでじっさいのひととはかんけいありません」のテロップが流れるようになった。流石に怪奇ものの物語が続いてるから、配慮されてるんだろう。
 ボップをウロコルゲに奪われてバロム1に変身出来なくなってしまった。こんな簡単に奪われるんだったら、もっと早くやっておけばいいのに。
 二人はどうやってバロム1に連絡を付けるんだろう?と疑問に思う松五郎。何度か松五郎の目の前で変身してるんだけど。
 水にドルゲ菌の混入した事を察知した健太郎は「国立研究所に持っていこう」と提案。いきなりとんでもないところに知り合いがいるみたいだ。
 バロム1の活躍を見せてやろうとカオルを連れ出す松五郎…昨日まで絶対安静だったんじゃなかったか?それで人一人殺しかけておいてビール飲んで浮かれてる…脳天気さもここまで来ればたいしたものだ。>
第30話 魔人ハサミルゲが待ちぶせて切る!!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 とある工事現場で作業員が泡になって溶けてしまう事件が発生。父燐太郎の電話を盗み聴いた猛は健太郎と共に怪しいとされる多摩川へと向かう。だがそこでは逆に子ども達を人質にしたハサミルゲが待ち伏せていた。
 敵はハサミルゲ。両腕が巨大なハサミになっているのが特徴。口から溶解液である泡を出す。いかにもカニがモデルというのは分かるが、目が一つしかないし、かなり気色悪いデザインになってる。叫び声は「ジョッキー」。
 怪奇シリーズになって、特に子供が人質にされる事が多くなってきた。今回もそのフォーマットに則った話。今回は怪奇色が多少薄れてはいるのだが、それでも人間が泡になって溶けてしまうとか、「仮面ライダー」っぽい物語が展開する。
<洞窟の中に入り込んだ二人の子供。入り口は木の洞だが、かなり高い所にある。よく見つけたけど、落っこちなかったのかね?
 で、その子達は洞窟の奥でドルゲ魔人を見かけるのだが、ちゃんと名前をみんな知ってる。
 勘の良いバロム1が「あの建物が危ない」とか言ったら、本当にそこにハサミルゲがいる。都合良すぎるね。
 ハサミルゲが「最後の手段」としたのは子供を人質に取る事だったが、十字架に付けられた子供の縄をほどこうとした所をこっそりと後ろから忍び寄る。当然ながら猿轡もされてない子ども達は大騒ぎしてばれてしまう。こいつ何をしたかったんだろうか?>
第31話 魔人カミゲルゲは悪魔をつくる!!

  監督:田口勝彦
  脚本:村山庄三
 健太郎と猛の同級生田村ケンジがカミゲルゲによって誘拐される。カミゲルゲの髪の毛を移植され悪の心に変化したケンジ少年は、帰宅後、大好きだった先生を殺そうとするのだった。
 敵はカミゲルゲ。細長い首に一つの目。その上に髪の毛がぼさぼさに付いてる。両手にも髪の毛があってそれを伸ばして攻撃する。叫び声は「ゲジジジジジジ」。
 この話も少年が中心となった話で、子供に悪の心を植え付けるという話の展開を見せる。このパターンも結構多く、残念ながらあまり特筆すべき所がない。
 そう言えば久々にドルゲ魔人に憑依された人間が正気に戻った話ではあった。
 今回のアントマンは右手に鞭を持って登場。殺陣は大変だったと思われる。
<話の都合とはいえ、少年が子犬を殺す描写あり。動物を殺すのは出来るだけ避けるべきなんだが。
 一旦は先生殺しに失敗したケンジを「仕方ない。正体を現すまで待つんだ」と言って放置する健太郎と猛。現実に目の前で殺そうとしてるんだから、放っておくのはまずいだろ?>
VOL.4
<A> <楽>
第32話 魔人トゲゲルゲが死の山へまねく!!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 白鳥家と木戸家がハイキングに行った山ではトゲゲルゲが次々に人を襲っていた。健太郎と猛の調査虚しく、トゲゲルゲの魔の手は白鳥家と木戸家にも伸びていた。
 敵はトゲゲルゲ。一見ソラマメのような姿をしているが、体の前面が割れ、そこに人を抱き込んで針をブスっと刺す。アイアン・メイデンみたいな攻撃だ。それ以外にも巨大なトゲをミサイルのように飛ばす事も出来る。叫び声は「ガズー」。
 ホラー風味満点で話が展開。ホラー的なものをやる場合、あまり話を大きくしない方が良いみたい。抱きついたらトゲが頭に刺さる、顔中血だらけになるのは観ているだけで痛くなる。話そのものは限定されているため、かなり見応えあり。
 山に住む少女カヨコの話は、お婆ちゃんの所に行くまでに花摘みやってたり、布団にくるまったお婆ちゃんの姿と言い、モロに「赤頭巾ちゃん」してる。
<自分の棘が刺さった人間は数時間しか生きられない事を勝ち誇って言うトゲゲルゲ。数時間だったらかなり毒性は弱いと思われる。いや、頭にモロにトゲが刺さってるのに、それだけ生きられるってのは、かえって長くないか?
 カヨコちゃんはお使いの途中でお花畑を発見。だけど砂利道にほんの幾つかケイトウらしきものがぽつぽつと植えているだけ。これを「きれい」という感覚が妙だ。
 健太郎と猛の位置は随分離れているはずだが、ボップを放り投げる事で、距離は無視出来るようになったらしい。
 バロムドリラーによってトゲゲルゲのトゲをはじき飛ばして元気になったバロム1だが、毒にやられるって事はないんだろうか?>
第33話 魔人マユゲルゲは地獄の糸で焼き殺す!!

  監督:田口勝彦
  脚本:滝沢真里
 マユゲルゲが織った赤い糸を使ったドレスをプレゼントされた女性が突然燃え上がってしまう。それを知った健太郎と猛は犯人がいると推測される藪塚へと急行する。
 敵はマユゲルゲ。ドクカイコの化身で、巨大な芋虫のような姿が特徴。真っ赤な布を織り、それをドレスにして女性に着せると、その布が燃え上がってしまう。
 藪塚のホテルとのタイアップ企画。やっぱり子供が中心の話。姉を殺された少年を助ける話になっている。最終回近くなのだが、伏線も何もないが、当時の東映作品はこんな感じか。
 ロケ中心のため、怪奇色は薄く、ごくごく普通の出来。ただ、これまでのように巻き込まれるのではなく、積極的に現地に行くのがいつもとは違っているようだ。
<マユゲルゲには腕がない。だけどちゃんと布は織れるんだね。
 松五郎に事件を聞いた猛は他に何の情報もないのに「藪塚が危ない」と呟く。勘が良いじゃん。と言うより良すぎ。
 繭にした男の姿を取るマユゲルゲだが、男や少年を殺そうとはいない。何で女性だけこんな効率の悪い殺し方をするのだろう?理由は全く語られないままだった。
 結局タツオの姉は死にっぱなしなんだけど、みんな妙に明るく、タツオ少年も最後は踊ってた。>
第34話 大魔人ドルゲが地底から出る!!

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 ドルゲは最後のドルゲ魔人ドルゲピエロを呼び出し、自分自身が地上に出る露払いを命じる。そして遊園地に現れたドルゲピエロはバロム1を褒める子ども達を次々と洞窟に閉じこめ、ドルゲの生け贄にしようとするのだった。
 敵はドルゲピエロ。これまでのドルゲ魔人とは違い着ぐるみではなく、潮健児が顔にペイントして登場。潮健児は独自なキャラなので、これだけで充分怖い。ドルゲによって崩された洞窟に埋められて絶命。
 いよいよ最終回の伏線となり、改めてバロム1の登場のおさらいが語られる。バンクシーンがやたらと多いのが特徴か。登場は順不同だが、編集が結構上手く、作品の全体が俯瞰出来る。
<最初に出てきた少年はコプーとドルゲについて異様に詳しい。一体何者だ?
 ところでドルゲ催眠にあった少年はバロム1を悪者に仕立てようと、バロム1が魔人を作っていると話すのだが、重複してるぞ。
 これまでのドルゲ魔人がどれだけ「お前を殺す」と言っていたかがよく分かる。半分以上の魔人がその言葉を言ってる。
 松五郎に言わせればウデゲルゲが一番の悪者とされてるけど、なんでだろ?
 洞窟の中にいたはずの猛だが、健太郎がボップを投げたらちゃんとジャンプしていた。天井は?…と最早ここは既にツッコミ所ではないか。
 バロム1を眠らせたドルゲピエロは「今です。ドルゲ様。洞窟を崩してください」と叫ぶが、本当に崩れたら自分まで巻き込まれて死んでしまった。なんとも情けない死に方だ。結局今回バロム1は戦ってない。>
第35話 大魔人ドルゲがくだけ散るとき!!

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 健太郎と猛の家族を人質に、ついに地上へと姿を現したドルゲ。健太郎と猛はバロム1に変身し、家族を救うべくドルゲの元へと向かう。ドルゲの罠によって地中に埋められてしまうバロム1。だがその時、コプーの声が響く…
 敵はドルゲ。これまで幾多の自分の分身であるドルゲ魔人を用いてバロム1を苦しめてきたが、ここで天変地異を引き起こすという本当の力が示される。最後は宇宙に逃げようとするが、追ってきたバロム1と宇宙で大激突し、最後は力尽きる。
 ついに最終決戦。ドルゲとバロム・1との一騎打ちが描かれる。実はドルゲとは見た目の怪物敵存在ではなく、ドルゲ洞窟そのものが正体であった。そしてこれまで出てきたドルゲ魔人は全てドルゲの分身であった事が発覚。
 最後だけあってか、アントマンの動きも冴える。再生ドルゲ魔人も合わせ、10体以上が同時に登場してる。崖から50メートルほども転げ落ちるシーンまであり。中の人は大丈夫だっただろうか?
 一旦死んだヒーローが復活するってのは、ヒーローものでは定番だけど、ちょっと安直すぎる気もなきにしもあらず。
 そう言えば最後の最後にバロム1が取ってるポーズは、EDテーマでのバロム1の姿そのものだった。上手い方法だ。
<最終回になっても妙に余裕がある松五郎。それが持ち味で、この人の存在でかなり救われているのも事実。
 バロム1の変身が解けて瀕死の健太郎と猛だが、服は全然汚れてない。バロム1になってる間は服が汚れる事無いんだろうか?
 「私は負けない」と啖呵を切ってバロム洞に向かうバロム1だが、川の半ばでつんのめってた。>