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バットマン(1st)

バットマン(1st)事典
バットマン(2nd)
バットマン(3rd)
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 1966'1'12〜1966'5'5

 現時点では唯一の「バットマン」の実写テレビシリーズ。日本では「怪鳥人間バットマン」の題で放映された。

主な登場人物
ブルース・ウェイン
バットマン
(役)アダム・ウエスト。
 ゴッタムシティの守護神。正体は不明で、悪ある所に必ず現れる正義の人。その正体は大富豪ブルース・ウェイン。
ディック
ロビン
(役)バート・ワード。
 バットマンのサイドキックでロビン坊やと呼ばれる事もある。正体はウエイン家に引き取られた孤児のディック・グレイソン。
アルフレッド (役)アラン・ネイピア。
 ウェイン家に仕える執事でまさにジョンブル的な存在。バットマンとロビンのこともよく知っており、二人のサポートも進んで行っている。
ハリエット (役)マッジ・ブレイク。
 ハリエット・クーパー。ウェイン家にいるブルースの叔母でロビンの保護者を自認する。ブルースがバットマンである事は知らず、いつもずれた発言をしているが、ウェインからは深く愛されている。
ゴードン
話数 タイトル コメント DVD
第1話 怪盗ナゾラー
“Hi Diddle Riddle”

  監督:ロバート・バトラー
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 国際万国博覧会に沸き返るゴッタムシティ。この町を蹂躙する恐るべき敵ナゾラーは市長宛にナゾナゾを送りつける。市長は最後の手段としてバットマンに救援を要請する。早速謎を解くべく参上するバットマンとロビンは見事ナゾラーを捕まえるが、逆にナゾラーの罠にはまり、訴えられることになってしまう。
 敵はナゾラー。
 最初のバットマンの活躍を描く話。最初となる敵はナゾラー。ストレートな勧善懲悪ではなく、裁判沙汰にされてしまうと言う、かなり捻った物語が展開する。それでなんとかフォローしようとがんばればがんばるほどナゾラーの罠にはまり込んでいくという、危機又危機と言った風情。お互いに罠を張り合って行われる緊迫の展開が楽しめる。
 そして最後は、ナゾラーにロビンが捕らえられてしまい、絶体絶命の危機を迎えて「続く」。良いね。
 アダム・ウェストにはやっぱり広川太一郎がはまりすぎてる。
 ナゾラーの最初の謎は“Why is An Orange Like A Bell?”だが、これを「ビールの濁りを輪に結ぶ」と訳している。答えは「ピール」。なかなか難しい訳をしっかり答え分かるように訳している。
<ロープを伝ってビルの壁を登るバットマンとロビン。でも重力がおかしいぞ。この格好だと、まるで壁が地面のような…
 ナゾラーがいる部屋に押し入る際、大きな物音を立てないようにロビンに注意するバットマン。でも鉄格子焼き切る時にえらく大きな音を立ててる。
 ナゾラーを騙すためにバットスーツのままディスコで踊り出すバットマン。なにやってんだか。>
第2話 怪盗ナゾラー 後編
“Smack in the Middle”

  監督:ロバート・バトラー
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 ナゾラーの仕掛けた罠により、ロビンまで奪われてしまったバットマン。一体ナゾラーの本当の目的とは?そしてロビンの命を救う事が出来るのか?
 敵はナゾラー。
 ナゾラーとの戦いが展開する後編。終始ナゾラーにイニシアチブ取られているが、最後に逆転という、溜飲を下げるような話になってる。ナゾラーの目的の推測も二転三転して、一体ナゾラーが何を奪おうとしているのか分からなくなっていく。よくここまで物語を詰めたものだ。
 ナゾラーの助手であるモリーがロビンに変装してバット基地を襲おうとするが、それを逆手に取るのだが、そこでモーリーは死んでしまう。なんとも切ないものがある。
 今回のナゾラーの謎々は「おかゆを煮詰めたらどうなる?」答えは「湯がなくなって丘」。もう一つ「身体の一部で酸っぱいところは?」「スモモ」…これは良く分からない。なんでもスモモヶ丘というところがナゾラーの秘密基地らしい。そして「円には側がいくつあるか?」答えは「外側と内側の二つ」。そして「一番大きな頭を持った大統領は誰か?」ロビンが出した答えは「下より上の方が大きい建物。ナショナル銀行」だったが、本当の答えは「象」だった。
<ロビンを捕らえて、その顔を盗んだナゾラーだが、肝心のロビンの覆面はそのまんま放置。ロビンの正体を知りたくないの?
 バット基地には原子炉が置いてある。これでバットモービルとか動かしてるそうだが、怖すぎるだろそれ。しかも炉心剥き出し…って、おい、既にゴッタム・シティは全滅してるはずだぞこれ。
「ラヂオマン」かよ。しかも基地にやってきたモーリーは直後そこに落ちて死んでる。どんだけ危険な基地なんだよ。
 バットラング(ここでは「バッタラン」を投げつけてリドラーを拘束するバットマン。どうみてもナゾラーが自分で縄を巻き付けているようにしか見えないぞ。
 ロビンを救おうと基地に殴り込んできたバットマンをあしらい、強化ガラスで遮断するナゾラー。でも入り口はそのままだから、単に遮断しただけで、バットマンを閉じ込めようとはしていない。これも詰めが甘い。
 アクションに字幕が出るのが本作の特徴だが、わざわざそれを口に出して言う必要は無いと思う。>
第3話 怪人ペンギン
“Fine Feathered Finks”

  監督:ロバート・バトラー
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 ゴッタム・シティで新装開店した貴金属店の前で無料の傘を配る一団が現れた。実はその傘には花火が仕掛けられており、大混乱が起こった。この事件の背後にはペンギンがいると判断したゴッタム警察はバットマンに救援を求める。だが当のバットマンもペンギンが何を考えているのか考えあぐねていた。
 今回はペンギンとの戦いとなる。なんでも釈放されたばかりだそうだが、最初の事件では貴金属店を大混乱に陥れるも、何もしなかった。これはこうもり傘を使ってバットマンを挑発するため。それを繰り返し、バットマン自身が混乱して
 ゴッタム警察は特殊事件は全部バットマン任せで、バットマンの言うとおりに警察が動く。気持ちいいだろうな。
 ラストシーンは、がんじがらめに縛られたブルースが徐々に焼却炉に入れられようとするというもの。いかにもこの当時の特撮作品で実によろしい。
 ちなみにペンギン役はバージェス・メレディス。『ロッキー』でのミッキー役が印象的だった。
<ブルース・ウェインとしてペンギンの店に来たバットマンを捕まえておきながら、彼がバットマンの関係者と全く考えてないペンギン。この人の思考回路が分からん。>
第4話 怪人ペンギン 後編
“The Penguin's a Jinx”

  監督:ロバート・バトラー
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 機転を利かせペンギンの罠から脱出に成功したバットマン。だがそのペンギンからバットマンにプレゼントが贈られてくる。これでペンギンの犯罪は、ゴッタム・シティにやってきている女優の誘拐だと推測するバットマンだが…
 とりあえずどんな犯罪をするのか考えてないため、バットマンをつついて犯罪計画を立てるペンギンという、不思議な物語。バットマンの推測通りに犯罪行ったら簡単に防がれてしまいそうだが、そうは考えないのね。実際ペンギンの方がバットマンの一枚上手で、次々にバットマンの意表を突く作戦を考えつく。最後はそれを逆手に取られてしまうのだが。
<前回の続きだが、ブルースのことは産業スパイと思い込んでるペンギン。だったらそれをなんで殺そうとする?
 ペンギンが盗聴してるとも知らず、自分の推測をシャベルバットマンだが、台詞が全部説明口調。聞いてくださいって言ってるようなもの。
 覆面したまま女優の部屋に窓から侵入して、「怪しいものではありません」って、相当に無理ある台詞だな。
 前回(第2話)で不評だったのか、字幕付きの効果音を口で言うことは無くなった。そもそも今回ナレーションは最小限だった。>
第5話 謎のジョーカー
“The Joker Is Wild”

  監督:ドン・ワイズ
  脚本:ロバート・ドジアー
 “犯罪界の道化王子”の異名を持つジョーカーが刑務所から脱獄した。早速博物館を襲ったところ、バットマンに撃退されてしまい、バットベルトに対抗する万能ベルトを作ってバットマンとロビンをおびき寄せ、その正体をテレビで放映しようとする。
 今回はジョーカーとの戦い。前話は刑期を終えて出所したペンギンだったが、今回は脱獄したジョーカー。なんか既にパターン化してるような感じだ。でもその脱獄ってのが、刑務所の野球場に強力スプリングを備えてそれでカタパルトのようにして空飛んで逃げるってのが馬鹿っぽくて良い。
 今回はジョーカーの紹介も兼ねているが、画面が道化師だらけ。
<博物館前にバットモービルで乗り付けたバットマンは、そこに駐車禁止の標識を見てわざわざ移動しようとしている。ヒーローとしては礼儀正しい姿。でもこれだけでなんだか和む。
 博物館の中にないはずのジョーカーの半身像を見たバットマン。「動いているようだ」と言いつつ、それを無視して警備員に「警戒を強めてください」と言っている。なんだこのボケっぷりは?
 ジョーカーの手下の中でハートのスタンリーなるキャラが登場。本名スタン・ローレルだが、なんとなくこの名前は某出たがり漫画家のような…
 ジョーカーが宝石を入れてる袋には“Trick or Treat”の文字が。分かりやすい。
 前回やらなかった擬音をナレーションで言うのが又出ている。これやるとちょっと気が削がれる。
 バットマンに博物館の剣を投げつけ、それが頭に命中して気絶するシーンがあるんだが、剣が当たったのは肩のような。そもそも当たってないようにも見える。
 重要な証拠物件をぽんっとブルースにくれてしまう警察署長。こんなんだから犯罪者に馬鹿にされるんだ。>
第6話 謎のジョーカー 後編
“Batman Is Riled”

  監督:ドン・ワイズ
  脚本:ロバート・ドジアー
 ジョーカーが開発した万能ベルトにより、バットマンとロビンはテレビ番組の中で捕らわれてしまう。あわや正体がばらされる瞬間、機転で逃れることが出来たが、ジョーカーは更に新たな計画を練っていた。幾たびも一枚上を行くジョーカーにバットマンは…
 前回「バットマンの正体は?」というところで引いたが、それはたいして重要ではなく、その後のジョーカーの狙いと罠に飛び込んでいくヒーローの姿が見所。
 ジョーカーの狙いが分かった時、「失敗するかも」と怯えるロビンに「ベッドでお祈りしてるやっつの坊やにそんな言い訳通用するかと思うか?」と返すバットマン。これがバットマンなりのヒーローのあり方なんだろう。
<いつの間にかベルトが交換されていたバットマン。本人曰く「気がつかなかった」そうだが、えらく鈍くないか?
 戦いながらジョーカーの出した謎解きをしているバットマン。余裕と言うより説明口調過ぎる。>
第7話 冷凍人間
“Instant Freeze”

  監督:ロバート・バトラー
  脚本:マックス・ホッジ
 真夏の道路が凍らされるという事件が起こる。アイスマンが現れたと推測した警察長官はすぐさまバットマンに出動を依頼する。アイスマンの狙いは自分自身である事を推測したバットマンは対抗手段を考案するが、アイスマンはバットマンの偽物を仕立て上げ、犯罪を行わせていた。
 今回はアイスマン(ミスター・フリーズ)の登場回。なんでも零下30度以下でないと生きていられないというキャラで、過去バットマンが瞬間冷凍液に突き落としてしまったためこんな身体になってしまったのだとか。その復讐と資金作りのためのダイヤ強盗を働くことになる。
 今回の決闘場所は銀行の地下だが、多数のバットマンの偽物が登場しているため、何が何だか。
 そして最後、アイスマンの冷凍銃によってバットマンとロビンが凍らされてしまう。
<零下30度以下でないと生きられないというアイスマンだが、その格好は普通のスーツ姿。服が凍ったりはしないんだろうか?
 アイスマンの冷凍銃に撃たれた人間はこちこちに凍ってしまうが、そのまま倒れたら、がちゃんとか壊れる音がしてた。どれだけ悲惨な光景が展開されているのやら。>
第8話 冷凍人間
“Rats Like Cheese”

  監督:ロバート・バトラー
  脚本:マックス・ホッジ
 アイスマンの狙いはサンドラ王妃の持つ世界最大のダイヤであることを突き止めたバットマン。だが既に遅くダイヤは奪われ、アイスマンはバットマンへの復讐へと作戦を移していた。人質が取られ、罠と知りつつアイスマンの指定した場所へと向かうバットマンだが…
 人質を取られると言う事はヒーローには致命的。それでも正々堂々戦う事が求められるから。
 アイスマンの武器は、零下30度以下の室内。ここにいさえすればバットマンは手出しが出来ない。なんせヒーローは卑怯なやり方が出来ないから、飛び道具も使わないわけだし。
 前回瞬間冷凍銃で凍らされたバットマンとロビンだが、なんのひねりもなく復活していた。もっと緊迫感ないとねえ。
<アイスマンはピンポイントで温度を自在に変える機械を使っている。でもその温度差は50度もある。一瞬でそれだけ温度が変わるものか?>
第9話 女魔術師ゼルダ
“Zelda the Great”

  監督:ノーマン・フォスター
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 毎年4月1日にぴったり10万ドルを奪う強盗ゼルダは、今回ウェイン邸を狙う。彼女を見越して罠を張ったはずのバットマンだが、その裏をかかれてハリエット叔母さんが捕まえられてしまった。
 今回の敵は
ゼルダ。完璧な逃走を旨にしている女怪盗。役はなんとアン・バクスター。往年(と言うほど昔じゃない)の大スターまで登場していたとは。
 新しい敵としてゼルダが登場。これまでの敵のように悪の化身という感じじゃなく、パートナーに言われて仕方なく悪事に手を染めるという感じのキャラ。ただ、プライドが高いためにそれを逆手に取られるとノリノリで勝負
 犯人が女だと知った時、ロビンは「ミス・キャットか?」と言っているが、これはキャットウーマンのことかな?
第10話 女魔術師ゼルダ 後編
“A Death Worse Than Fate”

  監督:ノーマン・フォスター
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 ゼルダに身代金を払うことでハリエットおばさんを解放させたバットマン。だがゼルダの挑戦は続き、彼女張った“絶体絶命の罠”に捕らえられてしまうバットマンとロビン。
 ゼルダ編の後編。今回の目的はゼルダの後援者であるアクダルが作った絶体絶命の罠を試すためだそうだ。ただしこの罠、作った本人にも抜け出す方法が分からないと言う剣呑なもの。もしそこから抜け出すことが出来たら手品のネタにしようと言うもので、目的は精気の手品を作ると言うもの。無茶苦茶だな。目的のためには手段を選ばないという姿勢はまるでマッドサイエンティストだ。策を弄しすぎて死んでしまうのもマッドサイエンティストっぽい。
 最後にバットマンを助けて刑務所入りしたゼルダにウェインとして就職先を斡旋するシーンがある。悪人でなければ善人になるというパターンはいかにも昔のヒーローっぽくて良い。
<所長に言わせれば、行方不明になってるディックはロビンと同じ年齢だそうだ。それで二人を結びつけないのは不思議でもある。
 拘束具の事を「○違い上着」と言ってるが、それが許されてる時代だよな。
 バットモービルは原子力で動いているらしい。多分駆動装置の中に組み込まれているのだろう。しかしそうなると、バットモービルの後部にある噴射口から出てくる炎は一体…
 いかにも「罠です」って部屋に兵器で二人で入り込むバットマンとロビン。よく今まで生き残ってきたもんだな。>
第11話 死んだはずだよバットマン
“A Riddle a Day Keeps the Riddler Away”

  監督:トム・グライス
  脚本:フレッド・デ・ゴーダー
 ヨーロッパから訪米したボリス王がゴッタム・シティを訪れた。だがそれに合わせてナゾラーが活動を再開していた。ボリス王を誘拐したナゾラーはバットマンに挑戦するかのように謎々を出してくる。
 ナゾラー再登場。2話で死んでしまったパートナーを変え、部下も何人も出てきてパワーアップしている。
 お互いに罠を張り合う知恵比べになるが、前編のこの話だと終始ナゾラーの方が上手でバットマンは後手後手に回されてしまい、目の前で悪事を次々に行われ、更に自分自身も捕らえられてしまうと、良いところ全くなし。バットマンがやってるのもロビンの出した知恵を全部否定することしかやってない。
 今回は訳者が色々遊びを入れているようで、「びっくりしたなあ。もう」とか「奥歯ガタガタいわしたろ」とか「どっきりぽん」とか、「泥棒世界の王様たあ、俺のこった!」とか結構面白い表現が出てくる。乗りまくってるな。
<ナゾラーが現れたという情報を得た警察署長は「いつもいつも彼に頼っちゃいかんよ」と説教たれつつバット電話に手を伸ばす。それ、あんたが言うか?
 ヨーロッパの王様がアメリカのために黄金の自由の女神像を持ってきたのだが、それをわざわざゴッタム・シティに置く意味合いは?ひょっとしてゴッタム・シティこそがアメリカの首都?
 ナゾラーに命が狙われていると聞かされたボリス王は「安心しなさい。儂は王だ」と言っている。いや、王様だからこそ狙われるとは考えないの?
 郊外の水力発電所に忍び込むバットマンだが、その周囲には高層ビルが建ち並んでいるようだが?(セットの使い回しのため)>
第12話 死んだはずだよバットマン 後編
“When the Rat's Away, the Mice Will Play”

  監督:トム・グライス
  脚本:フレッド・デ・ゴーダー
 ナゾラーの罠から逃れたバットマンとロビンは、次なるナゾラーの狙いはボリス王が持ってきた自由の女神像であることを突き止める。
 今回もナゾラー相手の謎かけ合戦が展開するが、前回のラストでバットマンを殺したと思い込んでいるナゾラーの隙を付いての勝利となる。
 ブルースの前にバットマンが現れるというシーンがあるが、それはナゾラーの配下のどぶ公だった。それを好機にバットマンが罠を仕掛け、あっけないほど簡単にナゾラーを一網打尽にしてしまう。
<偽バットマンは随分お腹が出っ張ってる。明らかに体型が違うんだけど、みんな騙されてるね。
 博物館に展示されているバットマンとロビンの絵を破ってバットマンとロビンが現れる。なんかコントみたいだ。でもこの絵って、寄贈されたものだから、器物破損になるのでは?>
第13話 誘拐魔シャッポー
“The Thirteenth Hat”

  監督:ノーマン・フォスター
  脚本:チャールズ・ホフマン
 ゴッタムシティで誘拐事件が続発する。いずれもいかれシャッポーを刑務所に入れた陪審員ばかりであり、警察はいかれシャッポーが戻ってきたと判断し、バットマンに連絡を入れる。
 今回は新しい敵いかれシャッポーが登場。シルクハットから様々な武器を取り出すという敵になる。その目的はバットマンの正体を暴くというもので、今回もバットマンは後手後手に回り、機転を利かしたつもりでもあっという間に逆転されてしまう。
 最終的にバットマンは石膏に塗り固められてしまった。
 尚、いかれシャッポーは原語では“mad hatter"となっている。「ふしぎの国のアリス」に出てくる帽子屋と同じ。
<刑務所を仮釈放してバットマンに復讐に来るって、ペンギンもジョーカーも同じパターン。既にマンネリ化されてる。番組始まる前に既に全員バットマンと戦っているって設定だから仕方ないのか?>
第14話 誘拐魔シャッポー 後編
“Batman Stands Pat”

  監督:ノーマン・フォスター
  脚本:チャールズ・ホフマン
 石膏に塗り固められてしまったバットマンだが、なんとかそこから抜けだし、いかれシャッポーのアジトをさぐる。
 いかれシャッポーとの戦いが描かれる事になるが、このシャッポーの目的というのが、基本的には自分に有罪判決を下した陪審員と自分を捕らえたバットマンを捕獲して復讐するということなのだが、発言聞いてると、復讐よりもむしろ特別な帽子を集めることの方が目的っぽい。帽子の話をしながら身を震わせるその姿は見事なフェティッシュぶりだ。素晴らしい。
 今回モロに張られた罠の中に飛び込んでしまったバットマンだが、ほとんど機転だけで罠をかいくぐってしまった。罠の意味が無い。
<石膏に塗り固められてしまったバットマンが何故助かったのか。本人によれば「息を止めていたから」だとか…本当に人間かこいつ?
 シャッポーにさらわれたのはシャッポーの裁判の陪審員であったことに気がついたのだが、これって前回何度も喋ってなかったか?ナレーションだけだったかな?
 あじとでバットマンを待ついかれシャッポーはコンベアー式の拷問機を前にご満悦。棘付きのローラーとかギロチン機能とか実にマニアックな拷問機。こんな機材、この当時のサディスティックアイテムだったなあ。特殊な意味ではロマン溢れる機械。>
第15話 かわいい悪人志願
“The Joker Goes to School”

  監督:マーレー・ゴールデン
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 ゴッタム・シティの高校で、なんと1ドル銀貨が出てくる自動販売機が置かれていた。これは高校生を堕落させるためにジョーカーが置いたものだった。ジョーカーに挑むバットマンとロビンだが…
 二回目となるジョーカー回。前回でジョーカーは捕らえられているはずだがあっという間に出所してるらしい。一応ちゃんと刑期を終えて出所してることから、現行犯でないと捕まえる事が出来ないので、散々バットマンを挑発している。ところでどうやってそんなに罪が軽くなったんだ?
 今回のジョーカーの作戦は濡れ手に粟の金儲けを見せて子ども達を堕落させることが目的だが、これは以外に効果的かも。後に日本でも宇宙刑事シリーズでよく使われてる。
 調査中に罠に踏み込んで絶体絶命の危機に陥るというのもいつものパターン。
<警察署長と一緒にいる警官が妙な訛りをしてるが、一体どこの生まれ?と言う位無茶苦茶な訛りだった。狙ったな。
 自動販売機から金が出ることが分かり、浮かれるクラスメイトにディック(ロビン)は、「人生ってそんなC調じゃないぜ」と言っているが、今の人が聞いたら、何の意味?って感じだな。
 1話目で「バッタラン」と呼ばれていたコウモリ型ブーメラン(手裏剣?)がちゃんと「バットラング」に変わっていた。>
第16話 正しい道を歩け
“He Meets His Match, the Grisly Ghoul”

  監督:マーレー・ゴールデン
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
 罠から脱したバットマンとロビンは、高校の自動販売機に細工をしたのはチアリーダーのスージーである事を突き止める。逆にスージーを使ってジョーカー一味を一網打尽にしようと考えるバットマンだが…
 ジョーカー編の後編。ロビンが本名のディックとして活躍するという話になってる。不良の振りをしてジョーカーの組織に潜り込もうとするのだが、優等生が突然不良になるって設定が無理矢理っぽい。結局本当に無理であっという間に見破られてしまったけど。結果として罠の掛け合いとなり、最後は力業でなんとかしてしまうのが本作らしい。
<今回バットマンの危機を助けたのはパトロール中の警官だった。警察に保護を求めるヒーローってのも少々情けない。それより警官が高校に入ってくるか?
 ジュークボックスに仕掛けられた銃を盾で防ぐバットマン。プラスチックの板のように見えるが、これもバットベルトの中に入っているって設定だろうか?盾に付いてる蝶番だけでも入りそうに無いけど。
 ロビンはジョーカーが投げた紐でぐるぐる巻きにされてしまうのだが、自分から巻き付きにいってるようにしか見えないぞ。>
第17話 怪人百面相
“True or False Face”

  監督:ウィリアム・A・グラハム
  脚本:スティーヴン・カンデル
 ゴッタム・シティ博物館で展示されているプリンセス・マーゲンバーグの王冠を奪いに来るという怪人百面相からの挑戦状が届き、警察やプリンセスの見守る中、大胆不敵に王冠を奪った怪人百面相。
 怪人百面相登場。その素顔は誰にも見られたことのないというキャラ。変装の名人とバットマンとの戦いとなる。誰にでも化けられる百面相は一体誰に化けているのかを探すのがこの話の肝。何度捕まえても、変装を使って逃げられてしまう。警察が無能すぎるって話なんだが。
 パターンとしてはいつもと同じで、悪党とバットマンの騙し合いで、まずは悪党の方が勝利し、死の罠をしかけ、絶体絶命の危機に陥って前編が終わるってパターン。
<現金輸送のための会社というのが出ている。世間が物騒だとこんな会社も経営が成り立つんだな。それとも現実に存在するのかな?
 地下鉄を表現するのにバットマン、ロビン、カーメンは顔を移動させて列車を見送るという表現を使っているが、顔の動きが合ってないような?>
第18話 怪人百面相 後編
“Holy Rat Race”

  監督:ウィリアム・A・グラハム
  脚本:スティーヴン・カンデル
 カーメンの裏切りとアルフレッドの機転で罠から逃れたバットマンとロビンを尻目に怪人百面相は偽札作りを進めていた。
 百面相編の後編。最初の地下鉄に縛り付けられた危機は、たまたまラジオでバットマンの危機を告げる放送を聞いたアルフレッドがバットマンの手首の通信機をショートさせることで危機回避。
 百面相がしようとしているのは、偽札作りだけで無く、作った偽札を銀行の札束と交換することで偽札をアメリカ中に流通させて国中を混乱させようというもの。かなり効果的な社会蹂躙方法には違いない。
 それで今回もお互いに罠を掛け合い、
<地下鉄に轢かれそうになったのはバットマンの方で、ロビンの架線には電車が来ていない。それでもギリギリでロビンを助ける必要があるのか?
 カーメンが百面相をののしっていった言葉は「悪魔吸血鬼モモンガ」だった。モモンガ?
 ゴードン総監に化けた百面相。正体を現した後でゴードンと一緒に立ってるけど、身長が大分違う。
 刑務所に入れられたカーメンはあっという間に真人間になって出てくるが、なんでも「囚人更正機」なるものにかけられたのだとか…『時計仕掛けのオレンジ』か?>
第19話 女賊ミス・キャット
“The Purr-fect Crime”

  監督:ジェームズ・シェルドン
  脚本:スタンリー・ラルフ・ロス
      ロー・オーゲル
 ゴッタム美術館から黄金の猫像が盗まれた。ゴッタム警察はこれがミス・キャットの仕業と見てバットマンに連絡をかける。
 ようやくここでキャットウーマンが登場。ここでは「ミス・キャット」となっている。ミス・キャットが盗んだのは黄金で出来たネコの置物だが、目的はそれではなく、この二つの像には何らかの秘密があるらしい。
 毎度前半で危機に陥るバットマンとロビン。今回も見事にミス・キャットの罠に飛び込んでしまい、ロビンが眠らされ、それを助けようとしたバットマン
<バットマンカーに乗り込んだロビンに対してシートベルトをちゃんと着用するよう指示しているバットマンの姿がある。安全運転なんだね。
 バットマンカーに原子燃料を補給するシーンがある。それって高度被爆なんじゃ…まあ、基地の中に剥き出しになった炉心がある場所だからねえ。バットマン本人曰く、「放射能の中和剤がある」のだとか。どんなものなの?
 ミス・キャットの罠にはまり、落とし穴に落ちてしまうバットマンとロビンだが、落とし穴がちゃんとスロープになっていて、ダメージを与えないと言う優しさ。
 ミス・キャットに対する脅しの言葉は「ふん捕まえて三味線にしてやる」だった。日本でしか通用しないネタだが。>
第20話 女賊ミス・キャット 後編
“Better Luck Next Time”

  監督:ジェームズ・シェルドン
  脚本:スタンリー・ラルフ・ロス
      ロー・オーゲル
 ミス・キャットによる虎の襲撃からなんとか逃れたバットマンとロビンは体勢を立て直して反撃を試みる。ミス・キャットの狙いがキャプテン・マンクスの失われた秘宝である事を突き止めた二人だが…
 ミス・キャットとの戦いの後編。ミス・キャットが本当に盗もうとしていたのは博物館の金の置物では無く、もっと大きな海賊の宝だったことが分かる。
 最初の虎の罠をかいくぐったバットマンがやったのは虎の嫌がる超音波を使うというもの。結構効果的な方法だ。
 ミス・キャットは最後に崖から落ちそうになりつつも、お宝を手放さず、結局あえなく転落。これで死んでしまうのか?とも思えるが、バットマンによれば「猫は九つの命を持っている」そうだから、又登場してくるんじゃ無いかな?(ちなみにこの台詞は西洋では有名で、『バットマン・リターンズ』のキャット・ウーマンもその言葉を使っていた)。
<ミケを叱咤するミス・キャットの台詞は「よくもノメノメと戻ってきたね」…「ノメノメ」?
 ミス・キャットによって分析されたネコの置物を触ってるロビンにバットマンは「気をつけろ。放射能がうつる」とか言っている。原子炉剥き出しのバット洞窟にいてよくそんな事が言えるな。そもそも放射能は付着するだけで感染したりはしない。>
第21話 まじめペンギン
“The Penguin Goes Straight”

  監督:レスリー・H・マーティンソン
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
      ジョン・カードウェル
 出所したペンギンはなんと悪人を懲らしめる正義の味方へと変わってしまった。すっかり有名人となってしまったペンギンに不審の念を募らせるバットマンだが…
 ペンギン編第2部。今回はなんとペンギンが善人になってしまった?というくせ者のシナリオだった。当然それを信じないバットマンだが、逆にそれを利用されてしまうと言うパターン。罠を仕掛けてもすぐに見破られ、逆にバットマンが窮地に立たされてしまう。
<ペンギン出現の通報を受けたブルースは「そろそろ出る頃だと思いました」とか言っているが、前回の事件から出所までが早すぎる。少なくとも今回は合法的に社会に出ているわけだから。
 悪人を撃退したペンギンはポーズを決めて一言。「種も仕掛けも無い。単に傘にドライアイスを詰めてあるだけだ」…それのどこが「種も仕掛けも無い」だ?>
第22話 雨ふり結婚式
“Not Yet, He Ain't”

  監督:レスリー・H・マーティンソン
  脚本:ロレンツォ・センプルJr.
      ジョン・カードウェル
 ペンギンの罠にかかり、犯罪者の汚名を着せられ、更にサーカスの射的の標的にされてしまったバットマンとロビン。なんとか命は助かったものの、表舞台に出られなくなってしまった二人は再起を誓い合うが…
 ペンギン編後編。正義の味方の振りをするペンギンに正義の鉄拳をお見舞いするって内容だが、物語としては罠の掛け合いという感じで、結局最後はバットマンが騙しきったという物語となる。
 ペンギンの本当の目的は大富豪の映画女優ソフィアと結婚して、その財産を根こそぎ奪うというものだった。だから信用させるために正義の味方の振りをしていたとのこと。それでソフィアの方がすっかりペンギンに惚れ込んでしまい、最後は彼女の元から逃げ出して刑務所入りするというのも面白い。この下りを、自らをクリーチャーとして認めているペンギンは、月並みの幸せを求めようとはしないと考えるなら、なかなか興味深い部分でもある。
<家を襲ったバットマンに対して「正当防衛だ」とマシンガンで対応するペンギン。正当防衛にしては過激すぎないか?それに嘘とは言え、警察がバットマンを射殺するシーンまであり。いいのかこれ?
 バットマンカーに取り付けた脱出装置を起動させてペンギンの部下を放り出すのだが、その身体は人体構造的にあらぬ方向にねじ曲がっている。まあ特撮では良くある事。>
第23話 ナゾラークイズを当てまショー
“The Ring of Wax”

  監督:ジェームズ・B・クラーク
  脚本:ジャック・パリッツ
      ボブ・ロジャース
 ゴッタム・シティのソレイユ夫人の蝋人形館に新しくバットマンの蝋人形が入る事になったのだが、そこにあったのはなんとナゾラーの蝋人形だった。
 三回目となるナゾラーの挑戦。今回はインカ帝国の財宝を狙い、その手がかりが書かれている本を奪いに来る。
 いつも通り前半である本話ではバットマンの方が知恵比べに負けて罠にかかって終わる。前回のペンギンの時と同じく、バットマンカーを奪っているな。
<ブルースとディックが日本について話をしているシーンがある。「日本人は勤勉だ」と言っているようだが、オリジナル音声だと、国の首都探しのクイズだった。日本語版のサービスだろう。
 ナゾラーがバットマンの蝋人形を盗んだ理由を喋る際、「お釈迦様でもご存じあるまい」とか言っている。日本語脚本の担当者は特撮をよく分かってらっしゃる。
 ナゾラーは又してもパートナーを変えている。全身紫色のタイツ姿の女性はヨロケと言うらしい。毎回美女をとっかえひっかえか。
 ナゾラーが作った万能溶解剤はロウソクにして火をつけることで効力を発揮するようだが、それを素手に持って使っていて、手は大丈夫なんだろうか?
 バットベルトには電子銃なるものが入っている。単に対象物を熱くするだけらしいが、なんだかネーミングが怪しい。その燃料はひょっとして原子力?>
第24話 ナゾラーのあわれな敗北
“Give 'Em the Axe”

  監督:ジェームズ・B・クラーク
  脚本:ジャック・パリッツ
      ボブ・ロジャース
 ナゾラーの罠で蝋人形にされそうになったバットマンとロビンだが、間一髪で罠をかいくぐった。一方インカ帝国の財宝を狙うナゾラーの謎々から次の手を推測したバットマンだが…
 ナゾラー編の後編。バットマンには入れない狭い隙間をロビンが侵入するとかの活躍を見せるが、ちょっと独断専行しすぎて危機に陥る。安定のサイドキックだな。
 結果として引火の秘宝は宝石だったが、あっけなく見つかってしまい、それを博物館に寄贈することで終わってる。なんだかあっけない終わり方だな。
<今回の罠の回避方法は、バットベルトに光を反射させ、揮発性の液体に光を当てて爆発させるというもの。ぶら下げられた状態でそれは不可能では?それで爆発したら、下にあるロウの海に落ちず、部屋の端っこで横たわってる。どうやって移動した?>
第25話 煙突のぼりはつらかろう
“The Joker Trumps an Ace”

  監督:リチャード・C・サラフィアン
  脚本:フランシス・コックレル
      マリアン・コックレル
 怪盗ジョーカーによる強盗が相次いでいた。だが盗んだものはゴルフ用具ばかり。実はゴッタム・シティを訪れた某国の国王が持っている黄金製のゴルフクラブに目を付け、それを盗む準備をしていたのだ。ゴルフ中の国王を眠らせ、首尾良くゴルフクラブを手に入れたジョーカーだが…
 3回目となるジョーカー回の前編。一見無意味な強盗を繰り返すジョーカーが本当に狙ってるのは何か?という推理が前半の見所。こじつけとひらめきで真相を突き止めてしまうのだが、それも本作らしい大味さで悪くは無い。
 物語としては実にいつも通り。真相を掴んだと思った矢先、罠にはまって前半は終了。
 ジョーカー役の吹き替え声優が滝口順平から大木民夫に変わった。大木民夫の声は渋すぎるため、ドクロベエっぽい前の方が良かった感じ。
<バットマンとロビンが駆けているところを眺めて談笑する女性二人。ゴッタム・シティでは危機管理が全然なってない。
 ジョーカーの基地に入ったロビンの台詞は「びっくりしたな、もう」だった。この当時の人間にしか分からないギャグだな。>
第26話 煙突のぼりはつらかろう 後編
“Batman Sets the Pace”

  監督:リチャード・C・サラフィアン
  脚本:フランシス・コックレル
      マリアン・コックレル
 ロビンと協力して毒ガスの罠から逃れたバットマン。だが王様は今もジョーカーの手にあり、それが国際的な問題を引き起こしてしまう。
 人質に取られた王様奪還のために活躍するバットマンとロビン。前半でアクションシーンが入っているのでなんでかと思ったら、オチがついてた。
 王様は王様で鷹揚としていて、ジョーカーに捕まってもお茶を楽しんでるとか、自分自身の脅迫電話をかけてくるとか。楽しんでるとしか思えないのだが、実はそれこそがジョーカーの罠であり、王様誘拐も狂言だった。王様の正体は実はジョーカーで、バットマンを罠にはめることこそがジョーカーの目的だったというオチ。意外なオチだった。
<煙突から逃れるためにどうするかというと、バットマンとロビンが背中合わせになり、足をつっかえ棒にして煙突を登ってた。無理のある登り方だけど。これがタイトルの由来か。>
第27話 束の間の夢物語
“The Curse of Tut”

  監督:チャールズ・R・ロンドー
  脚本:ロバート・C・デニス
      アール・バレット
 自らをツタンカーメン王であると思い込んだキング・タットが公園にスフィンクス像を置き、ゴッタム・シティは自らの王国であると宣言する。
 今回は初めての敵となるキング・タット(ツタンカーメン王のこと)との戦い。画面に出るのは初めてだが、ロビンによれば前に焼け死んだはずの悪党だったとか。ちなみにツタンカーメンは「トゥト・アンク・アメン」というのが正式名称で、そのトゥトの部分がこの名前の由来。
 ちょっとしたミスで誘拐されてしまい、命の危機に陥るブルース・ウェインの受難となる。肝心なバットマン勿論敵はそれがバットマン本人だとは分かってないため、バットマンを脅迫するという間の抜けた展開になってる。
<ツッコミではないが、公園に運ばれたのは山羊の頭をしたスフィンクス。よく知られているのは頭部が人間のものだが、実はスフィンクスの頭部は「人間、獅子、人間」のどれかだそうだから間違ってない。
 公園にいた女性の姿をバットマンは「古代エジプトの姿だ」と言っているが、ちゃんと縫製もしてある現代の衣装にしか見えないけど。
 ミイラが蘇ったと言って驚いてるウェイン。古代から蘇ったってのを信じてるのも何だが、顔がもろ血色の良いアングロ・サクソンなんだけど?
 ウェインを誘拐してバットマンを脅迫するキング・タット。むしろウェイン家を脅迫すべきなのでは?>
第28話 束の間の夢物語 後編
“The Pharaoh's in a Rut”

  監督:チャールズ・R・ロンドー
  脚本:ロバート・C・デニス
      アール・バレット
 正体を知られないまま誘拐されてしまったブルースは車から放り出されてしまったが、間一髪機転をきかせて脱出した。だがブルースに逃げられたと知ったタットは再びブルースを誘拐しようとするのだが…
 キング・タット編後編。今度はバットマンの方が罠を張ってキング・タットを待ち受けるという話になる。ただ、ブルースそっくりな人形を使って誘拐させるとか、かなり無理目な作戦なんだが、それでバットマンの方が捕まってしまうと言う変な話になってしまった。
 そんな訳で今回はロビンとアルフレッドが活躍するのだが、バットマンカーを運転するアルフレッドの姿が良い。
 結局ショックでキング・タットは元の大学教授の正気を取り戻して終わり。この話だけの登場になるのか。
<古代エジプトの拷問というか、洗脳方法は頭だけ出して壺に封じ込め、上から小石を絶え間なく落とすと言うもの。中国の拷問じゃなかったっけ?それは良いけど、それで洗脳が出来るのか?
 タットに奪われたバットマンカーを音声でコントロールしようとするシーンがある。前にペンギンに奪われた時とは違っているけど、進化させたのかな?>
第29話 秀才の為に鐘は鳴る
“The Bookworm Turns”

  監督:ラリー・ピアース
  脚本:ディック・ボラーツ
 ゴッタム・シティに新しい橋が出来、その開所式をテレビで観ていたロビンは、群衆の中に悪党本虫の姿を見る。その直後出席中の警視総監が狙撃され…
 新しい悪党本虫が登場。この作品の場合、連続性を大切にする為か、大概の悪党は昔からバットマンと戦ったことになっていて、今回の本虫の事もバットマンとロビンは知っていた。
 本虫はナゾラーと似ており、わざとわかりにくいメッセージを残して、罠に誘い込んでいる。
 体力がない為に実際に戦うとへなちょこだけど、それも含めて罠になってるのが面白いところ。
 あと、警視総監が殺されたと思ったが、実際はそれは
<本にほおずりしながらうっとりした声をたてる本虫。この時代にちゃんとフェティ描写があるのが良いな。
 本虫はいろんな本を引用してるけど、ヘミングウェイが多いみたい。アメリカ文学を中心にするのは配慮かな?>
第30話 秀才の為に鐘は鳴る 後編
“While Gotham City Burns”

  監督:ラリー・ピアース
  脚本:ディック・ボラーツ
 本虫の罠からなんとかロビンを助け出したバットマン。だが本虫は今度はブルース・ウェインを人質に取ろうと屋敷を急襲して稀覯本を奪い、更に巨大な本を使ってバットマンをおびき寄せる。
 本虫との戦いの後編。本虫は頭は良いくせに常に思いつきで行動する為、次に何が起こるのか全く分からないと言う厄介なキャラ。でもってバットマンは敢えてそんな罠に飛び込んでいくから、次々に危機に見舞われる。それを次々に打ち破るのを観るのがこの作品の醍醐味か。それであっとするところでバットマンが登場。
<バット洞窟にある原子炉の掃除はアルフレッドの仕事。これを毎日やるってのは恐るべきことのような気がするけど。>
第31話 ナゾラーの映画狂時代
“Death in Slow Motion”

  監督:ラリー・ピアース
  脚本:ディック・カー
 ジョーンズ氏主催の無性映画祭が行われ、上映後にチャップリンの扮装をした男が現れた。会場は大受けだが、実はそれは強盗で、集まった観衆の貴金属がごっそり盗まれてしまう。これはナゾラーの所行に違いないとバットマンに連絡が行くのだが…
 ナゾラーの四回目の登場。一話目からの登場で、現時点では一番登場回数が多い。相変わらず犯行予告を謎々で残すので、それを解いて本当の狙いを探していくのだが、根本的な話で、ナゾラーの目的ってのがバットマンを倒すことなので、追いかけていく内に自分自身を発見するという本末転倒になってしまってる。ある意味、ゴッタムシティにはバットマンがいるから犯罪者が集まるという変な事になってる。
 冒頭が映画から始まったためか、今回のナゾラーは映画撮影をやってる風景が多い。自分の行動を逐一残そうとしてのことだろう。
 で、今回のナゾラーの目的はバットマンを苦しめることなので、バットマン自身では無くロビンの方を捕まえて処刑機械にかける。丸鋸付きのベルトコンベアという古典的なもので、昔懐かしさを感じる。
<アメリカン・コメディでは定番のパイ投げが出てくるが、このパイってのは、なんで生クリームばかりなんだろう?パイ投げならぬクリーム投げでは?>
第32話 ナゾラーの計算ちがい
“The Riddler's False Notion”

  監督:ラリー・ピアース
  脚本:ディック・カー
 ナゾラーの出した謎を解き、殺される寸前のロビンの元へ向かったバットマンだが、そこで処刑され書けていたのはマネキンだった。
 いつもなら後編冒頭で罠をかいくぐり、敵の新しい作戦に向かうというのがパターンだが、今回はロビンが捕まったままなので、そのロビンを救うことに多くの時間を取られている。ロビンなきバットマンは相棒が必要な為、ここではわざわざゴードン総監をバット洞窟に招待して相棒役をやられていた。
 今回のナゾラーのテーマは映画作りで、依頼を受けてのことらしい。臨場感を求め、ロビンのビルから落下シーンをわざわざ映画に撮ろうとしてたりする。スナッフ映画だな。昔の映画俳優とか映画の名前とかもいくつか出てきているので、映画好きには楽しめる。
 ナゾラーの本当の目的はお宝の無声映画フィルムをごっそりと盗み出すこと。なるほどこれはこれで面白い。
<総監を眠らせてバット洞窟に連れてくるバットマン。立派な誘拐なんだが、それを警察官に手伝わせている。良いのかね?>
第33話 消えたアルフレッド
“Fine Finny Fiends”

  監督:トム・グライス
  脚本:シェルドン・スターク
 大金持ちの慈善パーティのお宝を狙うペンギンは、その会場を知るアルフレッドを罠を張って捕らえてしまう。所長から連絡を受けたバットマンは、大急ぎでアジトを探すが…
 ペンギンの三回目の登場。アルフレッドを誘拐してしまうと言う話。当然ながらペンギンはアルフレッドがバットマンの関係者と言う事は知らない。
 それでペンギンの洗脳を受け、アルフレッドの性格が変わってしまう。洗脳なんてこんな簡単にできるものではないが、それはそれ特撮らしさってことで。
 それでペンギンの本当の狙いというのが、実はバットマンを標的とすると言う事で、これもいつも通り。それで罠と知りつつ敵アジトに踏み込むのも同じ。
<前々からそうなんだが、バットマンカーに乗り込んだ際、「原子力バッテリー・オン」と叫び、バットマンカーの後部から火を吹いて疾走するのは心臓に悪い。>
第34話 ペンギンガスを吸い込むな
“Batman Makes the Scenes”

  監督:トム・グライス
  脚本:シェルドン・スターク
 バットマンとロビンを真空室に入れたペンギンは慈善パーティの金を奪って高飛びしようとする。一方、機転により真空室から逃れたバットマンとロビンは今度はペンギンに罠を張ることにした。
 ペンギン編の後編であり、第一期の最終話。最終回ではあるものの、いつも通りの終わり方。
 前回アルフレッドはペンギンによって洗脳を受けている為、敢えてアルフレッドに偽の作戦を話し、それでペンギンを騙すという作戦を使っている。
<ペンギンの作った真空室は手下どもがふいごを操作して空気を抜いている。なんとローテクな。
 今回アルフレッドがおかしくなってるから、調子っぱずれの歌とか歌ってる。なんだか妙な感じだ。
 チャリティ会場で舞っていた札は一万ドル札と言っていたようだが…>