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国家錬金術師であるエドワード・エルリック(山田涼介)は、かつて死んだ母を甦らせようと試みた結果、弟のアルフォンスの肉体と自らの片腕片足を失う大怪我を負ってしまっていた。アルフォンスの精神を固定した動く鎧と共に国家錬金術師としての仕事をこなしつつ、肉体を取り戻す知恵を探し求めていた。そんな二人に降った命令は、ショウ・タッカー(大泉洋)が国家錬金術師として相応しいかどうかのテストを見守ってほしいというものだった。それは簡単な任務のはずだった。 荒川弘が世に出し、日本どころか世界的にも有名になったコミック「鋼の錬金術師」の実写映画化作品。物語そのものは完結しており、先行してふたつのテレビアニメ、二本の劇場アニメが存在する中で実写化となる。 しかしこの作品、発表時点から既に相当に叩かれていた。そもそも近世ヨーロッパを舞台にした物語でいかにも日本人顔が主要キャストを務めるのだ。それだけで違和感だらけだろう。漫画原作作品でここまで期待されてなかった実写映画化ってかえって珍しかったんじゃないだろうか? で、興業もどうやら失敗に終わったようだ。結局私はその後でこっそりレンタルで拝見させていただいた。 で、素直な感想を言うと、「前半部は糞。後半はオリジナル作品としてならそれなりに観られる」というもの。曽利監督も相当頑張った形跡はあるんだけど、前半のキツさは少々耐えがたいものがあった。 原作をトレースした前半部分の痛々しさは、精神的な拷問だった。まず何よりキャスティングがあまりに悲惨すぎる。どうやら日本映画界には進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2015)の反省点というのが全くなかったようだ。原作にたいして思い入れがない私でそうなのだから、原作の熱烈のファンとかだったら石投げつけたくなるだろう。CGのアルフォンス以外のキャラはみんな冗談と思いたくなるほど。エド役の山田涼介に至ってはコスプレレベル。主人公だけでももう少しまともなキャスティングできなかったんだろうか?山田涼介を前提に考えられていたのだったら、キャラ造形をそっちに寄せるべきなのだが、それすらやってない。エドのコスプレした日本人が暴れ回ってるだけの画面が延々続く。 原作準拠という意味ではショウ・タッカーのキメラ実験の話があるが、これも何かの冗談か?というコスプレ感満載で、観てるだけで痛々しい。精神に来るはずの辛い話が演芸大会に見えてしまうとんでもないレベルだった。 まあそれでもそれが終わって、視聴者側の魂が抜けた頃になるったらやっと話が普通になっていく。全くのオリジナルキャラによる話と割り切れさえすれば、後半は普通のSF作品として観る事は出来る。少なくとも50年代のハリウッドSFを愛する身としては、この位のぬるい演出はかえって楽しめるくらいだ。 原作とは全く違うエンヴィー、ラスト、グラトニー、そして賢者の石から生まれた有象無象の群れとの戦いはかなり頑張ってたし、そこに前半退場したはずのショウを絡めたのは悪くなかった。 結果として言えるのは、「鋼の錬金術師」をベースにした全く別な作品だと考えることができれば耐えられる。 あと、一つだけ言わせてもらえれば、一応全く無いとは思うけど、もし続編を考えていたとしたら、絶対に止めることだけは助言しておきたい。 |
アル |
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【ある】 | ||||||
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ウィンリィ |
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【うぃんりぃ】 | ||||||
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エド |
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【えど】 | ||||||
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エンヴィー |
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【えんう゛ぃー】 | ||||||
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グラトニー |
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【ぐらとにー】 | ||||||
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グレイス | ||||
【ぐれいす】 | ||||
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コーネロ | ||||
【こーねろ】 | ||||
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ショウ | ||||
【しょう】 | ||||
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ドクター・マルコー | ||||
【どくたー-まるこー】 | ||||
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トリシャ | ||||
【とりしゃ】 | ||||
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ニナ | ||||
【にな】 | ||||
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鋼の錬金術師 | ||||
【はがね-の-れんきんじゅつ-し】 | ||||
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ハクロ | ||||
【はくろ】 | ||||
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焔の錬金術師 | ||||
【ほのお-の-れんきんじゅつ-し】 | ||||
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ホムンクルス |
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【ほむんくるす】 | ||||||
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マース | ||||
【まーす】 | ||||
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マリア | ||||
【まりあ】 | ||||
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ラスト |
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【らすと】 | ||||||
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リザ |
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【りざ】 | ||||||
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ロイ |
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【ろい】 | ||||||
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名称 | ||||
【】 | ||||
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恐るべき陰謀から国家を救ったエド(山田涼介)とアル(水石亜飛夢)のエルリック兄弟は、本来の目的である、失った体を取り戻すための“賢者の石”の探索を再開したが、そんな中、国家錬金術師ばかりを狙った連続殺人事件が発生する。エドも襲撃を受けたが、その際犯人はスカー(新田真剣佑)という男である事、そして兄弟の幼なじみであるウィンリィ(本田翼)の両親の命を奪った男である事が分かる。自分が狙われることを知ったエドは逆に罠を張ってスカーを捕らえようとするのだが、そこに突然東国からやってきたというリン・ヤオ(渡邊圭祐)と、ランファン(黒島結菜)が絡み、更に鳴りを潜めていたホムンクルスまで現れ戦いに介入してくる。 2017年に曽利監督によって投入された『鋼の錬金術師』は、凄い批判の嵐に遭っていた。原作のファンでない人からしても噴飯物の話だったし、ましてやファンだったら…というもので、はっきり言えば、実写でやってはいけない作品だったとしか言いようがない。 のレビューの末尾に「あと、一つだけ言わせてもらえれば、一応全く無いとは思うけど、もし続編を考えていたとしたら、絶対に止めることだけは助言しておきたい。」と私自身が書いたくらい、これは絶対に続編を考えてはいけない作品だったはずである。 それを何故作った? 作ったのなら仕方が無い。映画館で観る気は無いので、配信なりレンタルなりで観られるならばそれで良いと思ってたら、本当に配信で入ってきたので拝見した。 冷静に話をするならば、物語自体は全く問題は無い。一作目とは違ってしっかり原作準拠で、しかもきちんと枠内に収めているので、物語に関しては本当に上手い作品だとも思う。 ただ、物語だけで考えるならば、これを観る必要は無い。アニメ版で充分にこの辺はフォローしてるので、「アニメの方を観てください」で済んでしまう。 ストーリーは良いんだが、それを上回るきつさが、やっぱりキャラだった。一作目でもコスプレレベルと思っていたが、それに輪を掛けて酷い。コスプレと言うより痛々しい扮装をしてるとしか思えない。しかも主役級がそれだから救いがない。新田真剣佑のスカーをはじめとして何人か上手くキャラ描写出来てる人もいるものの、肝心なエドとウィンリィの二人が痛々しすぎて、それ観てるだけできつい。 山田涼介は悪い役者とは思わないが、エドというキャラになりきることが出来てない。なんか照れがあるためか、台詞がたどたどしいのと、脚本をそのまま喋ってるだけで自分の言葉にしていない。漫画の台詞をそのまま口にするのはとても気になってしまう。これは台詞をもう少し変えるか、せめてもうちょっと言葉を吟味して語ってほしいところだ。 本作に限らないが、漫画の実写化に当たって大変重要なのが、漫画では当たり前だが現実では言わない言い回しってのが結構あって、それをそのまま口に出されると恥ずかしくなってしまうと言う点。もしその台詞を使いたければ、自然に聞こえるように何度も練習して欲しいし、さもなければ台詞そのものを変えないと聞いていて痛々しいばかりになる。主人公クラスが全くそれが出来てないのが致命的。 ストーリーの良さにキャラが付いてこなかった悪例と言うべきだろうか。 CGの使い方も派手になればなるほど安っぽくなるのも問題点かな?CGを抑え気味にして、もうちょっと特撮寄りにした方が見た目もぐっと良くなったはずだ。 ところで原作で私の一押しキャラのアームストロングがようやく出てきたのだが、役がなんと山本耕史だった。この人最近マッチョで推してるので出したんだろうが、ボディビルダー体型のアームストロングの筋肉には細マッチョの山本では全く敵わず、肉襦袢のコスプレ着せられてる感がなんとも。う〜む。 |
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暴食のホムンクルスグラトニー(内山信二)に飲み込まれてしまったエド(山田涼介)たちは、エドが思いついた方法により脱出に成功するのだが、現実に戻ったエドの前に現れたのは、エドとアルの父ホーエンハイムと全く同じ外見の謎の男(内野聖陽)だった。彼こそがホムンクルスたちの創造主であり、ホーエンハイムとは深い因縁を持つ男だった。その男の野望を阻止するため、ホーエンハイムとエド、アル、そして錬金術師殺しのスカー(新田真剣佑)らは、この国を覆う大いなる謎に踏み込んでいく。 2022年に前後編で投入された「鋼の錬金術師」の後編。三部作の最終章となる本作は、基本原作をトレースした作品で、原作の後半部分を丸ごと放り込んだものとなった。 原作は私も好きな作品で、特に後半の展開はかなりスピーディに、意外性の高い物語が展開していてとても楽しい作品だった。 その後半を丸ごと全部一本の映画にしようと言うのだから、なかなか壮大な作品である。特に前半である『復讐者スカー』があんまり原作を消化出来てなかったので、これから相当な長さをどう料理するかには興味があった。 そして出来たものを観て驚いたのは、本当に丸ごと全部放り込んでしまったという事だった。あれだけのストーリーをこれだけの尺に押し込むとは凄いもんだが、それが出来ただけで評価は出来る。 ただ、評価が出来るのはそこだけ。 この作品の出来の悪さは、改めては書かないが、『復讐者スカー』と全く同じ。キャラが酷すぎるという事に尽きる。あまりに酷いので肝心なストーリーが頭に入ってこないレベル。特に山田涼介は真面目に格好良い台詞を言うほどに恥ずかしくなるので、後半になるとほぼ拷問を見せられてる気分になった。漫画と同じ台詞を実写でやると本当に恥ずかしい台詞になる。もうちょっとこなれた台詞回しを観たかったな。 結果として言うなら、この上下編、やっぱり映画化してはいけなかったのでは? |
アル |
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【ある】 | ||||||
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アレックス |
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【あれっくす】 | ||||||
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イズミ |
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【いずみ】 | ||||||
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ヴァトー |
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【う゛ぁとー】 | ||||||
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ヴァン・ホーエンハイム |
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【う゛ぁん-ほーえんはいむ】 | ||||||
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ウィンリィ |
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【うぃんりぃ】 | ||||||
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エンヴィー |
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【えんう゛ぃー】 | ||||||
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エド |
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【えど】 | ||||||
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キング・ブラッドレイ |
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【きんぐ-ぶらっどれい】 | ||||||
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グラトニー |
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【ぐらとにー】 | ||||||
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ケイン |
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【けいん】 | ||||||
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ジャン |
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【じゃん】 | ||||||
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スカー |
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【すかー】 | ||||||
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スロウス |
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【すろうす】 | ||||||
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セリム |
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【せりむ】 | ||||||
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ゾルフ |
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【ぞるふ】 | ||||||
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ハイマンス |
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【はいまんす】 | ||||||
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フー |
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【ふー】 | ||||||
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ホムンクルス |
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【ほむんくるす】 | ||||||
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メイ・チャン |
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【めい-ちゃん】 | ||||||
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ラース |
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【らーす】 | ||||||
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リザ |
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【りざ】 | ||||||
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リン・ヤオ |
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【りん-やお】 | ||||||
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ロイ |
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【ろい】 | ||||||
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名称 | ||||
【】 | ||||
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事典目次 | ||||||||||||||||||
ア | イ | ウ | エ | オ | カ | キ | ク | ケ | コ | |||||||||
サ | シ | ス | セ | ソ | タ | チ | ツ | テ | ト | |||||||||
ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ | ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ | |||||||||
マ | ミ | ム | メ | モ | ヤ | ユ | ヨ | |||||||||||
ラ | リ | ル | レ | ロ | ワ | ン |