愛の戦士レインボーマン

愛の戦士レインボーマン事典
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 川内康範により作られた新三部作と言われる一連のシリーズの1作目。本作は、間違いなく日本の特撮番組に一石を投じた作品となった。インドと言われたら今や多くの人は色々思い出すけど、ある年齢以上になると、インドと聞いて、つい「レインボーマン」と答えてしまうほど(替え歌も流行った)。
 それだけメジャーな作品なのだが、実際にその内容は極めてハードで、今見直しても、よくぞここまで作った。と感心することしきりだ。
 ヒーローとはどんな存在なのか、それを追求していった川内康範の答えはここにある。
 ここに描かれる主人公ヤマトタケシは決して聖人君子でもなければ、度々ミスを犯し、その度ごとに目の前で人が死んでいく。それを追って生きていくのがヒーローのあり方だし、それは大きなメッセージをも含んでいたのだと今では思う。
 更に敵は「死ね死ね団」などというふざけた名前であるにもかかわらず、それもメタファーとして捉えるのならば、それh戯画化された人間の悪そのものだったと考える事も出来る。事実死ね死ね団のメンバーの大部分は人間だったし、そしてレインボーマンが倒しても倒しても、悪は新たな力を持って復活していく。
 レインボーマンは今もなお戦っている。いや、戦っていなければならないのだ。それがヒーローの姿なのだから。 
 尚、いくつかあるコミカライズ版の一つはあだち充によるもの。連載された「テレビマガジン」は今やお宝になっているそうだ(単行本になってない)。

主な登場人物
レインボーマン
ヤマトタケシ
(役)水谷邦久。数々のテレビドラマを中心としたアクション俳優だったが、30歳までに俳優を止めるという宣言をそのまま実行。引退後実家の写真屋を継いだ。
 インドに来ていた日本の青年ヤマトタケシが師ダイバダッタの修行を受け、変身する。
変身形態はダッシュ・1〜7まであり、それぞれが特殊な技を使える。基本形態はダッシュ・7で、太陽を意味する。ちなみにこの7つの形態は月火水木金土日という曜日に対応しているのが面白いところ。中盤、更なる修行によってダッシュ・7の形態のまま、二つの形態の能力を用いることが出来るようになったため、中盤以降変身がダッシュ・7ばかりになってしまったのが寂しいところ。
ミスターK (役)平田昭彦。東宝映画にはお馴染み。科学者役が一番はまってると思っていたが、実は一番のはまり役は本作ではなかっただろうか?
 国籍不明の死ね死ね団のリーダー。冷酷非情な性格で、部下の失敗は許さないのだが、何故か女幹部にだけは甘いというレディ・ファーストの精神も持ち合わせている…まるで面堂終太郎だ。
 最終話でレインボーマンが死ね死ね団本部基地を突き止めた時、日本人抹殺を命令するテープだけが回っており、本当に彼は存在したのか、と言う含みを持たせているのが肩すかしのような、逆に素晴らしい演出となっていた。あるいは今も尚、彼は日本人抹殺を胸に活動中なのかも知れない。
話数 タイトル コメント
第1話 奇蹟の聖者

  監督:山田健
  脚本:伊東恒久
 高校レスリング界にこの人ありと言われ、「下町の黒豹」の異名を取るヤマトタケシは対戦相手を負傷させてしまい、城東高校レスリング部を追い出される。そしてプロへと転校したタケシだったが、プロの世界では彼の技もまるで通用しなかった。そんなある日、インドに住むヨガの秘術を収めたダイバ・ダッタという人物のことを知り、弟子入りすべくインドへと向かう。だが、そこは平和な日本に生まれたタケシには未知の空間。印パ戦争に巻き込まれつつもダイバ・ダッタの元へ向かうが、怪我をした母娘を助けようとし、兵士に撃たれてしまう…
 第1話はまるで社会派ドラマ。冒頭から印パ戦争のただ中に迷い込んでしまったヤマトタケシ。彼の見る戦場はまさに死屍累々。それを見て笑ってるタケシというショッキングな映像から始まる。しかも職務質問を受けた警官を突然投げ倒すと言う…無茶苦茶な奴だな。しかし、その執念も、自分の過失で脚が不自由になった妹の治療費を稼ぐためと分かる。彼は彼なりに出来ることをしようとしているのだ。
 それにしても特撮でここまでショッキングな映像を出すのは多分これが唯一だろうし、最初から海外という設定も珍しい。しかも戦争シーンだしなあ。
 レインボーマンになる課程をじっくりと描くためか、今回シルエットのみの登場。
<根本的なことになるんだが、ヤマトタケシの目的はレスリングで稼いで妹の脚を治すことだったはず。だけど、何故にそれを放棄してインドなんぞに行く必要があったのか?根本的な部分で説明が…>

<A> <楽>
第2話 レインボーマン誕生

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 ダイバ・ダッタの弟子入りが赦されたタケシだったが、彼は私利私欲の虜となっていたが為、なかなかヨガの極意を身につけることが出来ない。そんなタケシにダイバは自分のためではなく、愛を持つことが何より重要であることを身を以て説くダイバ・ダッタ…
 今回は修行編。妹のためとごまかしながら、実は自分が有名になり、金儲けをすることと中心に考えていたタケシが目の前で次々に人が死んでいく戦場で愛を説くダイバの姿を見ることで、本当に大切なものがなんなのかを知るようになる。こんな教育的なメッセージを前面に出すのは珍しい…というか、これこそが本来の特撮ものが持っていた味だったはずだがな。
 血を流しながら、苦しみながら修行を行うタケシの姿も鬼気迫るものあり。その結果、ダッシュ2の炎の化身となったダイバの攻撃をダッシュ3の水の化身となったタケシが防ぐことに成功する。一番最初の化身がダッシュ3というのが面白いな。最後の最後にダッシュ7にも変身してるが。
<インド軍とパキスタン軍を名指しで糾弾するダイバ・ダッタ。日本の番組でここまでやって良いのかな?>
第3話 レインボー・ダッシュ7

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 ついにレインボーマンに変身できるようになったタケシはダッシュ7となり、日本へと帰還した。家に帰る前に顔なじみのレスキの正造のジムに顔を出したところ、ジムは因縁を付けられ、謎の覆面レスラー達が入り込まれていた。彼らををたたきのめしたタケシだったが、だがそれを根に持った覆面レスラー達は正造の娘である淑江を人質に取ってしまう。
 かつてプロレスラーとなるためにインドに渡ったタケシが、修行を経て大変な強さを手に入れた上で「プロレスなんて興味ない」と言い放つ。その成長ぶりが窺えるエピソードだ(格好はボロボロだが)
 相変わらずオトナの物語が展開。明確な“怪人”は登場せず、汚い真似して金を稼ぐプロレスラーとそのプロモーター、ちんぴらなどが敵となる。更に鉄球をタケシの上に載せ、その上に殴る蹴るなどの拷問が行われ、最後は縄で縛られたまま車で轢き殺されそうになる。戦いの舞台も夜だし、ヒーローものとしてはちょっと重すぎる物語だ。
 そうそう。ここに出てきたちんぴら“ヤッパの鉄”はこの事件がきっかけでタケシに惚れ込むわけだから、あながち無駄な物語ではないな。
 今回はダッシュ7と、自動車事故が起こした火を消すためにダッシュ3に化身。
第4話 マカオの殺人ショウ

  監督:山田健
  脚本:伊東恒久
 プロモーターのカリモスよりマカオで開かれるプロレスの賭け試合に出場することになったタケシ。そこでさくらとロコという姉弟から殺人プロレスが開かれていることを聞かされる。そして開かれた賭けプロレス仕合でタケシと対決するのはキャッツ・アイを飲まされて凶暴化したレスラー、バッファローだった。
 バッファローという敵がようやく登場した。しかし、これも人間だから、怪人とは言えない。試合中キャッツ・アイの効力が切れて倒れたところを、金網に高圧電流が流されて骨だけにされてしまう。
 マカオを舞台にタケシの活躍が描かれるが、この回になって死ね死ね団が初登場。日本が世界にとって侵略を開始していてどれだけ危険なのかを強調するミスターKの姿が描写される。これがきっかけでタケシは死ね死ね団との戦いに引きずり込まれることになる。
 命がけの金網デスマッチを強要され、しかもすべての条件は相手のバッファローに都合良くできている卑怯な仕合が展開される…が、この仕合はキャッツ・アイの試験を兼ねているはずだから、本来逆にしなければならなかったのでは
 今回レインボーマンはダッシュ7から火の化身であるダッシュ2に化身。手から火を出し牢屋の鉄柵を焼き切る。
<今回舞台はマカオなのだが、何故かそこにいるのは日本人ばかりで道路標識も日本のもの。ロケ地をもうちょっと選ぶべきだったんじゃ?
 そう言えばタケシを救ってくれた姉弟の姉の名前は“さくら”。しかもやってるのは鷲尾真知子って…
「サクラさん」じゃないか?>
第5話 死ね死ね団の陰謀

  監督:山田健
  脚本:伊東恒久
 力を使い果たし、5時間のヨガの眠りに入ったタケシ。その間に死ね死ね団に捕らえられてしまったロコはミスターKの拷問を受ける。やがてヨガの眠りから目覚めたタケシはロコを救うべく死ね死ね団のアジトに忍び込むが…
 死ね死ね団の姿が明らかになる話で、具体的な敵は登場しないものの、首領のミスターKが個性を出してる。最初から登場し、「黄色い豚」を連呼するわ、子供にライターを突き出して「鼻を焦がそうか目を焼こうか」などと物騒なことを言ってくれるし、屋敷に忍び込んだタケシに対し、実に落ち着いた声で「ここから逃がすつもりはないよ」と笑いながらボウガンを射る。ケレン味が無いだけにちょっと驚いた。しかもタケシをかばってあっけなくサクラが死んでしまうと言う。これも又、ショッキングな話だ。
 今回レインボーマンはダッシュ5に変身。手から光線を出す(殺傷能力は無いらしく、死ね死ね団員を驚かせる程度)。
第6話 魔の5時間がきた!

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 さくらの墓前で死ね死ね団の陰謀を叩きつぶすことを誓うタケシを次々と襲う死ね死ね団の刺客の群れ。レインボーマンに変身したタケシは傷つきつつ撃退に成功するが、又してもタケシをヨガの眠りが襲う。その身を案じたロコは医者を連れてくるが、実はその医者は死ね死ね団員と幹部ダイアナだったのだ。そのタケシを基地に連れ帰り、解剖してその能力を探ろうとするミスターK…
 ミスターKの秘書役として4話から登場していたダイアナがついにレインボーマン抹殺に動き出す。ヨガの眠りの間は何も出来ないタケシの弱点を突くわけだが、彼女の方がヨガの眠りとは何だか分かってないので、タケシの前に戸惑う姿が見られたりする。そんなタケシに対し、ミスターKは冷徹に解剖を命じ、「まずは両手両足を切り離せ」とかとんでもないことを言う。
 今回レインボーマンはダッシュ4に変身。木霊叩きや松葉とばしなどの技を使う。死ね死ね団アジトの中での二度目の変身ではダッシュ7のまま戦うが、ミスターKにより自爆装置がしかけられ、炎に包まれてしまう。
<松葉とばしの技を使うダッシュ4。しかし、マカオに松があるんだろうか?>
第7話 キャッツアイ作戦上陸す

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 レインボーマンに変身することで基地の爆破を逃れたタケシは、マカオを後にして帰国する。しかし帰国直後のタケシが見たのは、町をふらついて突然車に突っ込んでいった男の姿だった。その後タケシは都内で発狂者が続発しているニュースを見かける。タケシはこれが死ね死ね団の仕業であることを推測するが…
 日本におけるキャッツアイ作戦およびヤマトタケシ暗殺作戦が始まった話。今回のタケシの変身はマカオから日本に飛んでくる時にダッシュ7になっただけ。しかし、ドラマとしてだと大変面白いぞ。
 「正しい者は勝つ。正しい者は死なない」と真摯な表情でロコに語りかけるタケシ。格好良い台詞だが、これは特撮ならでは。
 日本人皆殺し作戦のため、団員を叱りとばすミスターK。平田昭彦がエキセントリックな役を好演してる。
 家に帰ったタケシを母たみは叱りとばし、「三日も四日も連絡をよこさないで」と泣きながら殴り続ける。これも家族愛だ。むしろ今の日本ではこういう愛情は無くなってしまった。
 任侠一家の組長役で藤木悠が登場してる。
 キャッツアイ作戦で、「基地外」発言が山ほど出てくる話となった…テレビ放映が出来ないわけだ。
<タケシが真剣な顔で「正しい者は勝つ」と言っているが、問題はその言ってる相手が姐を殺されたばかりという点。ちょっときつすぎないか?
 死ね死ね団員はプロの殺し屋であるはずだが、叱咤するミスターKに対し、「うんとチャームな女性隊員を増やしてくれれば」とか言ってる。こりゃ怒るよ。この人も部下には苦労してるんだな。
 タケシを親の愛で叱りとばすたみ。だが丸一年以上、印パ戦争のまっただ中にいた時は何にも言わなかったのにねえ。>
第8話 ひとりぼっちの戦い

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 死ね死ね団に襲われたタケシはダッシュ6に化身して土中に逃れることでなんとか危機を脱した。その後タケシは死ね死ね団の活動を先輩の堀田や恋人の淑江に訴えるが、あまりに突飛な話に誰も信じてくれず、それどころかキャッツアイ作戦は着々と進行していたのだ。
 一般人が突然幼稚園に乱入して子供を絞め殺そうとするなど、現代で起こってる事件とオーバーラップして背筋が寒くなる。この作品がどれだけ社会の中のすさんだ人間を描くのに長けていたかがよく分かる。
 今回レインボーマンは初めてダッシュ6に化身する。ただし、疾風土煙火の術で地面に潜って逃げるだけ。
<キャッツアイによっておかしくなった一般人を殺してしまい、そのまま何事もなかったように立ち去ってしまうタケシの性格にもちょっと問題が…>
第9話 タケシを狂わせろ

  監督:山田健
  脚本:伊東恒久
 ダイアナによる攻撃に、タケシは間一髪ダッシュ1に変化し、蛇変化の術で逃れることが出来た。しかし、死ね死ね団はついに標的をタケシ本人に絞り、喫茶店のジュースにキャッツアイを混入することに成功する…
 本シリーズにおいて…いや、全特撮作品の中でも最も特異な位置づけにある作品。ヒーローが完全発狂してしまう特撮作品は、私が知る限りではこれ以外では「サンダーマスク」「仮面ライダー剣」くらいだ。
 タイトルからして「タケシを狂わせろ」と言うのが凄いけど、実際にヒーローが発狂してしまうと言うとんでもない話が描写される。ここでの発狂の描写は凄まじく、しばらく普通に歩いていたのが、突然目に隈を作り、「殺されてたまるか!…俺は、一億の命を守るんだ!」と発言し、惚けたように笑うわ、行きずりの女性に「母ちゃ〜ん」と叫んで抱きつこうとするわ、ビルの屋上に上って柵から身を乗り出して「おーい、みんなー、魚は釣れたか〜?魚だ〜、魚が見えるぞ〜、ああ、メザシだ。タコがいる〜。イカも〜おおい。戻ってこ〜い」と叫んでる…なんぼなんでもこれは恐ろしすぎる
 しかもそれで終わらない。松尾精神病院に強制入院させられたタケシに、死ね死ね団の息がかかった川島医師は、タケシをベッドに縛り付けて電気ショックを与え、「俺の手に日本人の運命がかかってるんだ」と叫ぶタケシを完全に狂人にしてしまう…おいおいおい!
 それ以外に、死ね死ね団との関連が疑われるブティックに潜入したタケシが、よりにもよって「妹から頼まれた下着を」と発言。しかも、パンティを見せる店員に対し、「ブッ…ブラを!」と言うのもなんかほほえましいというか、良くやるというか…
 時代だからだが、「基地外」発言が次々に飛び出すわ、ほんまもんに発狂した人間が檻の中でわはははと笑ってる描写があるわで、マジでこんな作品、もう出ないよ。絶対。
 今回のレインボーマンは冒頭でダッシュ1に変身。今回の変身はオープニングのほんの僅かな間だけ。
第10話 やつらを殺せ!

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 キャッツアイを飲まされた上、電気ショックにかけられ、更に音波と光の洪水を受けたタケシは、牢の中でヨガのポーズを取っていた。一方、邪魔者のタケシを葬り去ったと思いこんだミスターKはキャッツアイ作戦を更に拡大し、村山貯水池にキャッツアイを投入しようとする。
 オープニングは前回に続き、無茶苦茶な描写で、電気ショックを受けさせられ、更に音波と光の洪水を受け、ほぼ完全に精神を破壊され、壁に頭をぶつけ続けるタケシの描写が見られる…無茶苦茶な事をやってくれる。それにしても、ここまで完全に虜にしたなら、そのまま処刑してしまえばいいと思うのだが…死ね死ね団も詰めが甘い。
 ヨガの眠りは毒をも消し去ることが出来る事が分かった。しかし、そのヨガのポーズを取っているタケシの頬をキャッツアイに侵された男がべろべろ舐めてたり、本当に狂ったかどうか確かめるために川島医師が往復ビンタを立て続けに放つとか、これ又無茶苦茶な描写だ。
 今回のタケシの変身はダッシュ7およびダッシュ3。ダッシュ3の姿で死ね死ね団の火炎放射から身を守るが、証拠品のキャッツアイは全て燃え尽きてしまう。
 そうそう。ダイアナ役の山吹まゆみの眩しい太ももが堪能できるのも大きな特徴か?
第11話 罠をかけろ!

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 奮闘虚しく、レインボーマンの目の前でキャッツアイは全て灰になってしまった。更に死ね死ね団との銃撃戦で北村刑事の命が奪われてしまう。一方、キャッツアイを燃やされてしまった死ね死ね団はダイアナにタケシ抹殺を命じ、
 それと、タケシのみならず、家族や淑江まで死ね死ね団に狙われるようになった。家族までが危険にさらされ、苦悩するヒーローの姿がここに描かれる。
 死ね死ね団という名前を聞いて妹のみゆきは「まるで漫画みたい」と言ってるが、それが普通の反応だろう。こんなふざけた名前を敵の名前は他にないから。しかし、そんなふざけた名前だからこそ、悪のアレゴリーとして用いられるにはぴったりなのだろう。
 今回レインボーマンはダッシュ7以外にダッシュ6に変身。送りつけられた爆弾を地割れを起こして地面の底に葬り去る。又、ダッシュ5に変身し、空から死ね死ね団基地を探し回る。
<北村刑事が殺されてしまう。医者の話だと「幸い急所は外れてます」と言うことだったが、それであっけなく死亡してしまうのはちょっと可哀想だ。>
第12話 危機一発!!

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 淑江を人質に取られ、槍ぶすまに叩き落とされたレインボーマンは間一髪ダッシュ1に変身。やはり死ね死ね団に捕まってしまった淑江の父と共に何とか助け出すことに成功する。だが、その時に強烈なヨガの眠りがレインボーマンを襲うのだった。動けなくなったタケシを死ね死ね団の魔の手が襲う…
 特撮作品に関しては珍しいキスシーン(しかもディープキス)が見られる。尤もこれは片方がレインボーマンダッシュ1の姿で、しかも単なる人工呼吸なんだが。
 ヨガの眠りのまま火の海に投げ込まれてしまったタケシを救うべく、這うようにタケシの元に近づこうとする妹のみゆき。ここまでの描写をやってくれるから本作は好きだ
 今回ダッシュ7以外ではダッシュ1に変身する。
<周り中死ね死ね団員が見守ってるのに、ダッシュ7に変身して火から逃れたら、みゆきと笑いあってそのまま家に帰ってしまうタケシ…ちょっと待て。死ね死ね団はどうした?>
第13話 レインボー大作戦

  監督:山田 健
  脚本:尾中洋一
 行方不明だった父からの突然の手紙に驚愕するタケシ。ミスターKの罠ではないかと怪しむものの、敢えて罠に飛び込み、それを打ち砕いた。だが、ミスターKはこれまでの戦いからレインボーマンはエネルギーを消耗すると5時間の休息を取らねばならない事に気づき、レインボーマンのエネルギー消耗を狙い、レインボー作戦を展開するのだった。
 この話にてキャッツアイ作戦は終了。レインボーマンの弱点を的確に突いた作戦を展開する死ね死ね団の姿が描かれる。
 父の存在がほんの少しだけ語られる。タケシは死ね死ね団に捕まっていることを確信し、勝手に盛り上がってるが、実際の登場はもっと後になってから。
 今回ダッシュ7で不動金縛りの術を使うが、それ以外ではダッシュ1に変身し、二度目となる蛇変化の術を披露する。又、飛行のためダッシュ5に変身。死ね死ね団の飛行部隊と死闘を演じる。
<しかし、これだけ弱点が分かってるなら、以降も度々使用すればいいと思うのだが…そうはならないのが特撮シリーズものの味って事か。
 ところでヨガの眠りを誘発することに成功したミスターKが勝ち誇って言う台詞だが、「生きていれば
必ずどこかに上陸するかもしれん」…って、どっちやねん。>
第14話 恐怖のM作戦

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 死ね死ね団は日本人抹殺のため、ニセ札を多量にばらまくM作戦に取りかかる一方、レインボーマン抹殺のためミスターKは魔女イグアナを呼び出し、7人の殺人プロフェッショナルを日本に呼び寄せるのだった。父と死ね死ね団の関係を調査するタケシの前に、魔女イグアナが差し向けた刺客が迫る。
 敵はフドラ。カメのような緑色の姿をしているが、あくまで人間を強調するかのように、身なりだけは最後までスーツ姿。魔女イグアナに連れてこられた7人の刺客の一人で、毒殺のプロ。廃屋にタケシをおびき寄せ、毒蜘蛛や毒蛇を使い、更に毒針を吹いてタケシを暗殺しようとする。
 2クール目に入って話も仕切り直し。考えてみると、特撮番組だというのに、これまで具体的な怪人とか出てきてなかった事に気づかされる。物語だけで引っ張ってくれたんだな。ようやくここから普通の…と言ってはなんだが、怪人との戦いが描かれるようになる。又ここから一度聴いたら忘れられない死ね死ね団のテーマソングも聴けるようになる。
 今回死ね死ね団に目潰しを喰らって囲まれた際、ダッシュ6で地中に逃げ、平の家を焼かれた際、ダッシュ3で火を消す。なんと都合4回も変身してる。
 そうそう。凄くくだらないことだが、レインボーマンを襲った死ね死ね団員がナイフを片手で持ち帰るシーンなんかは大変リアル。そう、ナイフを投げつける場合とナイフで斬りかかる場合、持ち方が変わるので、その辺まで描写してるってのは巧い。

<A> <楽>
第15話 殺人プロフェッショナル

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 フドラの毒攻撃に苦しめられたレインボーマンはダッシュ6に変身。フドラを地面に引き込んで倒した。ヨガの眠りによって回復したレインボーマンの前に第二の刺客ガルマが現れる。一方、M作戦を遂行する死ね死ね団は腕の良い製版工の松前源吉をさらい、偽札作りを強制する。
 敵は前回に続いてフドラ。ダッシュ7の遠当ての術も効かず、更に毒攻撃を用いてレインボーマンを散々苦しめるのだが、最後はダッシュ6によって地中に引きずり込まれて殺される。その際、「た、助けてくれえええ」と絶叫しながら地面に飲み込まれる姿はホラーというか、どっちが悪人やねん?と言うレベル。そして新たな刺客としてガルマが登場。小太りの白塗り顔男で、人間ポンプの異名を取り、口から炎や毒液を吐く。動きはわりともっさりしていて、ダッシュ7の不動金縛りの術にあっけなくかかってしまうあたり、なんか憎めないキャラ性を持ってる。
 怪人が登場して以降、純粋なヒーローものになるかと思われた一方、お多福会という謎の新興宗教団体を登場させて複雑性を増している。
 今から観ると、色々時代性を感じさせられる作品で、特にミスターKは「シャラップ、シャラップ」を連呼したり、「ガキ」とか「ババア」とか叫んだり…タケシもガルマに対し、いきなり「化け物め」とか。
 今回レインボーマンはダッシュ6に変身。地雷震の術で死ね死ね団員を地面に落とし、地面から手を伸ばしてフドラを地中に引き込む他、地中で解毒の術を使う。又偵察のためにダッシュ5に変身。空から探索を行っている。
第16話 殺人プロ ガルマの復讐

  監督:砂原博泰
  脚本:吉原幸栄
      伊東恒久
 源吉の孫であるマー坊を助け出したレインボーマンだったが、そうとは知らない源吉は死ね死ね団の強迫に屈し、偽札作りの手伝いをすることに同意してしまう。一方、お守りと称し多額の現金を手渡す謎の新興宗教団体“お多福会”が暗躍していた。源吉の妻もそこにはまっており、その背後に死ね死ね団の姿を見たタケシだったが…
 敵は前回に続いてガルマ。レインボーマンが窓から死ね死ね団のアジトに飛び込むのを見て、「格好良いなあ。よし、オレも」と壁に激突して頭がクラクラになったり、又しても不動金縛りの術にやられ、「またまたあの手にやられたかあ」と叫びながら硬直。「イグアナ様ぁ〜助けててぇ」と情けない声で助けを呼ぶとか、敵ながら憎めない奴だ。それを見たイグアナも、「無様と言おうか馬鹿馬鹿しくて怒る気にもなれぬ」とか見放した発言をしてる。死ね死ね団の放ったボウガンの矢をレインボーマンに投げつけられ、身体に仕込んだ溶解液と火炎が漏れだして骨になってしまう。
 ガルマの演出はコミカルにせよ、初めて人間爆弾が登場するなど、実質的な物語はかなりハード。何故死ね死ね団が偽札をばらまいているのか、その目的もこの時点では不明のまま。
第17話 妖術・人間化石!!

  監督:山田 健
  脚本:尾中洋一
 御多福会の本拠地を探るレインボーマンの前に現れる新たなる敵。人間を化石にしてしまう怪物ヘドロンと、それを操るヘロデニア3世が現れるのだった。レインボーマンの術も効かないヘドロンに、咄嗟に近くにあった洞窟に避難したタケシは、やがて見知らぬ村に迷い込むのだった。
 敵はヘロデニア3世と、彼の操るヘドロン。ヘロデニア3世自身はシルクハットをかぶってダンディズム溢れる人物だが、自身は別段攻撃力があるわけでなく、壺から出したヘドロンを使役する。そしてヘドロンはアメーバー状の不定形物体(と言っても着ぐるみだが)で、レインボーマンの術のことごとくを吸収してしまう。
 M作戦の話は続いているはずだが、何故か話は急展開。突然南朝貴族の隠れ里のお話になってしまった…一応最後には御多福会との関連が語られることになるが、妙に複雑な話だな。
 そうそう。ここで初めて「死ね死ね団のテーマ」がほぼフルコーラス聴ける。これはやっぱり名曲だよ。
 今回レインボーマンはダッシュ2に変身。ヘドロンに対し火炎放射の術を使うが、全く通用せず。
第18話 星っ子大変化

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 隠れ里にある神社が御多福会の本拠地だと直感したタケシは早速その神社に乗り込むが、そこに現れた新たなる刺客アイスリーの冷却光線を浴び、更に爆弾で吹き飛ばされてしまう。ヨガの眠りに入ったタケシを執拗に探し回るアイスリー。一方、東京では御多福会がばらまいた偽札のため、物価が高騰し始めていた…
 敵は氷の魔女の異名を持つアイスリー。前回登場した言葉を話せない星っ子と言う少女がその正体。頭から冷却ガスを噴出し、ダッシュ3に変化したレインボーマンを凍らせてしまう。氷柱を武器に、再度レインボーマンを凍らせようとするが、ダッシュ5の光線により倒される。
 口のきけないいたいけな少女が実は刺客であり、それを殺さなければならないタケシの苦悩や(アイスリーを倒した後で、星っ子とタケシの交流がカットインされるなどの演出有り)、アイスリーによりあっけなく殺されてしまう善意の老婆など、重い物語となった。更にM作戦が徐々に日本人の心を冒していることが分かってきた。
 今回レインボーマンはダッシュ2とダッシュ3、ダッシュ5に変化する。火の化身であるダッシュ2の術ではアイスリーの攻撃を防ぐことが出来なかった。やっぱり使えない化身だ。結局アイスリーを倒したのはダッシュ5の光線だった。
第19話 空転! ムササビ殺法

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 アイスラーを倒し、ほっとしたのも束の間、第5の刺客ジェノバードに襲われ、痺れガスを喰らってしまう。一方東京では着々と死ね死ね団のM作戦が進行していった。
 敵はジェノバード。ムササビのような姿で空中を滑空することが出来る。両手に持ったナイフと痺れガスで攻撃する。分身の術も使えるのだが、勝ち誇ってレインボーマンに近づいたところを遠当ての術を受けて爆死。
 レインボーマン自身はエンカウント→敵を倒すの繰り返しだが、そんなことをしてる内に東京では物価の高騰を招いている。この時点では豚肉が100グラム800円になってる。
 今回レインボーマンはダッシュ2に変化し、ジェノバードを追い払い、ダッシュ4に変化して攻撃を避けようとするが、ジェノバードの痺れガスで正体を現してしまう。
第20話 M作戦をぶっ飛ばせ!!

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 死ね死ね団によるM作戦は更なる展開を見せ、街頭で偽札をばらまくという強硬手段に出た。そのため物価はますます跳ね上がり、民衆の生活はますます苦しくなっていった。レインボーマンは堀田先輩のアドヴァイスを受け入れ、その窮状を対策委員会に訴えることにするのだが…
 敵はエルバンダ。魔女イグアナの実の息子で、第6の刺客。電流人間(スパークマン)の異名を持つ実力者で、レインボーマンに高圧電流を流し、動きを止めてしまう。身体に電気を貯め込んで両手のアンテナから高圧電流を放出する。電気を口から摂取するとか、発言とか、“電気人間”というよりは“電波人間”と言った方が近い気が…結構マザコンの気があり。
 偽札により物価の高騰を招き、人心を荒ませようと言う死ね死ね団の作戦は功を奏し、町では餓死寸前の人が溢れているし、更に偽札ばらまきによって人々が札に群がる浅ましい姿が描かれる。ヒーローの一番の敵は庶民だという恐るべき事実がここに表される。ここまでリアルに人間の心の闇を描いた作品は類を見ないだろう。これに対抗するためにレインボーマンが取った作戦は対策委員会に直訴すること…これもリアルだな。
 そうそう。3話に出てきたちんぴらのヤッパの鉄が御多福会に拉致され、そこから脱出して重要な情報をタケシにもたらすという大切な役を果たしてる。
<タケシの実家に迫る死ね死ね団の魔の手。タケシの妹みゆきに対する拷問が行われるのだが、その拷問はロウソクのロウをぽたぽたとみゆきの太ももに垂らすというもの…おいおい。
 死にそうになってまでタケシに情報をもたらした鉄に対し、聴くだけ聴いたら、そのまま地面にほっぽっておく…存在が可哀想すぎ>
第21話 電流人間(スパークマン)をやっつけろ!!

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 高圧電流を操るエルバンダの猛攻を耐えしのいだレインボーマン。だが、レインボーマンを見失ったエルバンダは、なんと間違って死ね死ね団の偽札工場を攻撃してしまう。その混乱に、源吉は牢を脱出。基地の自爆装置を入れるのだった。重傷を負ったレインボーマンだったが、そこに駆け付けたダイバダッタにより助けられるが…
 敵は前回に続きエルバンダ。戦いの最中に見失ったレインボーマンを探す内、死ね死ね団の偽札工場に行き当たってしまい、同士討ちをやらかす。なんともお間抜けな…「ママー、ママー」とイグアナにすがってくるあたり、なかなか味のあるキャラだ。皮肉なことにダッシュ1の呼び出した雷雲の雷に打たれて感電死する。
 善人があっけなく死んでしまうのがこの作品の大きな特徴だが、ここまで引っ張って源吉を助けられなかったレインボーマンの責任感もある…タケシ本人は誰がこの工場を爆破したのか分からないというのも皮肉ではある。
 M作戦はますます拡大し、政府が一万円札の使用を禁止するようになったが、物価の高騰は収まらず、キャベツが一個1800円、キュウリが一本500円、菓子パン一個1000円になってしまった。お茶の間レベルのパニックが上手く描かれている。
<札が多くなれば高騰するというのは事実だが、ここまで極端になることは通常あり得ない。これはドラマだから。と言うことで。>
第22話 一億人を救え!!

  監督:砂原博泰
  脚本:伊東恒久
 息子エルバンダを失い悲しみに暮れるイグアナはレインボーマンへの復讐を誓い、自らが出陣。一方、巷にあふれかえった偽札のお陰で人々は飢餓に苦しんでいた。自らの無力を知ったタケシの決断は…
 敵は魔女イグアナ。姿を消して杖で攻撃したり、レインボーマンの遠当ての術も全く通用せず、逆に催眠術をかけてレインボーマンを操り、昏倒したレインボーマンに対し、「お前の心臓を生きたまま掴み出してくれる」と恐ろしいことを言ってる(なんでもその心臓を食べれば50年は若返るそうだ)。それとミスターKが囮に使ったヤマト一郎を護送するため、マリンダとノーマという女性がやってくる。
 シリーズ屈指の…いや、全特撮作品中最強最悪の描写が楽しめる(?)話。街にあふれかえった飢餓に苦しむ者達は、暴動を起こして八百屋から奪った生のジャガイモにかぶりついたり、善良な米屋が飢えに苦しむ親子にほんの少しの食べ物を分けたばかりに暴動に巻き込まれたりする(ここでこぼれた生米をそのまま口に入れるお婆ちゃんの姿がある)。しかも「今食い物をくれればお前の言うことは何だってやるぜ」「人殺しだって何だってやるぜ」。暴動で捕まった男が「どうせなら女房子供も呼んでくれよ。臭え飯だって一家心中することはねえからなあ」…ナレーションでも「一家心中は相次ぎ」なんて事を言ってるし。
 更にレインボーマンは大臣のもとへ行き、国が無償で食料を配布するように求める…ここまでリアルなヒーローはレインボーマンを除いて絶無。ここの台詞も泣かせる。「みんなは暴徒なんかじゃありません。人間です」「一人の国民としてお願いします」
 対する死ね死ね団も、ミスターKが画面のこちらを指さしながら、「どうだレインボーマン」と叫んで高笑い。この対比の見事さよ。
 タケシの父ヤマト一郎が初登場。ミスターKと対峙した際、「ミスターK、いや、ミスター狂人」「貴様のようなキチガイなどに私の祖国が自由にされるはずはない」なんて言葉もある。
 今回名言だらけだ。
第23話 奴らの基地はあれだ!!

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 死ね死ね団のアジトに父一郎が捕らわれていることを知り、急行するタケシだったが、そのタケシにアフリカから来た二人の刺客マリンダとノーマが迫る。
 敵はマリンダノーマ。二人ともヤマト一郎をアフリカから日本に護送してきたボディガード。マリンダは二丁拳銃を武器とするが、一丁目の威力は大砲並み。二丁目はロープが発射されて相手の動きを封じる。ノーマは機関銃使い。妙に顔が白いので、ちょっと不気味。ダッシュ7の遠当ての術であっさりと殺される。
 とらわれの身となっているヤマト一郎が相変わらず名言を吐きまくり。ミスターKに向かって「キチガイ」とか「薄汚いドブネズミ」とか「卑劣な奴め」とか「たとえ八つ裂きにされても貴様などに言うものか」とか、「人間を鞭や力で支配できるものか」とかの台詞をポンポン出してる。又、回想シーンでは「男というものはどんなに辛い時でも正しい心と勇気を失わないものだ」とタケシに語っていたり。対するミスターKも、レインボーマンに対し、「おとなしく縛につけ」とか言ってる。日本人を憎んでる割にえらく古風な物言いだ。
 ミスターKと言えば、この役になれてきたか、感情を抑えた物言いと、その割に過激な言葉で、平田昭彦ははまり役になってきた。
 今回はダッシュ7の他に死ね死ね団の攻撃から逃れるためにダッシュ6に変化する。
第24話 男の約束

  監督:長野 卓
  脚本:伊東恒久
 父一郎を助け出すことが出来なかったタケシは思い悩むが、父から「一人の命よりも日本人一億人の命を救え」という父の言葉を思い出し、死ね死ね団基地を攻撃する決意を固めるのだった。そのタケシの前に魔女イグアナが最後の決戦を挑んでくる。
 敵は化け猫。魔女イグアナの飼い猫でイグアナの分身体。暗闇の中でタケシに催眠術をかけようとするが、それに失敗すると爪を頼りに襲いかかってくる。黒いマスクとメイクをしただけの女性だが、暗闇で襲いかかる姿はかなり怖い。不動金縛りの術にかけられると元の猫に変わってイグアナの元に帰ってしまった。その後、前回で生き残ったマリンダが攻撃してくるが、ダッシュ5の遠当ての術で絶命。
 タケシの決意と勇気が描かれる話で、父からは「一億人の命を救え」と言われ、母からは「身体を大切にしろ」と言われ、その間で悩む姿が描かれる。両親の意見をしっかり受け止めるという描写は、最近ではほとんど見られなくなったが、本来これこそが大切なんだよな。
 冒頭で死ね死ね団から逃れたタケシが海に落ち、たまたまそこで釣りをしていた鉄に救われる…ご都合主義ではあるが、コメディリリーフとしてピンポイントで登場する鉄の存在感は癒される
 今回レインボーマンはダッシュ5に化身。遠当ての術でマリンダを倒す…別段変化する必要がなかったような?
<海でタケシを見かけた鉄は「土左衛門!」と叫んでるけど、必死に泳いでるじゃん。>
第25話 朝陽に魔女は消えた

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 レインボーマンと魔女イグアナの直接対決でお互いに傷ついた二人。イグアナは回復のため新鮮な血を求め、タケシの家族を襲うのだった。
 敵は魔女イグアナ。ダッシュ5と戦った結果、傷つきタケシの母たみと妹みゆきの血を飲もうと執拗につけねらう。
 敵は魔女イグアナで、ここで最終決戦が描かれる。
 社会的問題とは無縁に、ひたすら戦いが描かれる回だが、本作品では実は結構珍しい。強大な力を持つイグアナとの戦いは魔術対ヨガの秘術という構図で、緊迫感が溢れている。単純に戦うのではなく、互いの能力を存分に使って戦わせるサービス精神が嬉しいところだ。
 コメディリリーフとして登場していた鉄がイグアナに犬にされてしまったり、イグアナの鼻が突然伸びて隠れたレインボーマンを探したりと言った、妙な描写があるのも今回の特徴か。
 今回のレインボーマンはダッシュ5から始まり、ダッシュ4、ダッシュ6に変化。最後の最後でようやくダッシュ7に変化する。追いつめられ、初めて太陽の剣を使う。
第26話 秘密基地大爆発!!

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 ついに魔女イグアナを下したレインボーマンは死ね死ね団の秘密基地を急襲する。
 敵は魔女イグアナ。死闘の末、ヨガの眠りに入ったレインボーマンを倒そうと近づくが、太陽の光を浴びて絶命。壮絶な最後だった。
 M作戦編もこれで終了。御多福会の全滅と、偽札によるインフレを止め、最後に死ね死ね団基地殲滅と、大変な活躍ぶりを見せてくれたが、そこで払った犠牲も決して小さくはなかった。最後の最後に父一郎までもが…正義を行うには、犠牲がつきものだが、その当たり前の事を最近の特撮は忘れているっぽいと再認識。決して派手な話ではないが、沁みる話だ。
 今回レインボーマンはダッシュ5に変身。襲いくる死ね死ね団の戦闘機を次々に打ち倒す。
<無用なツッコミだが、前に恋人の淑江が毒を吸った時の解毒方法はダッシュ1に変化して長々と人工呼吸をすることだったが、父の場合はダッシュ7で「とぉ〜」と気合いを入れるだけで済んでしまった…いや、勿論そんなシーンを観たいわけではない(笑)>
第27話 甦った死ね死ね団

  監督:長野 卓
  脚本:田村多津夫
 御多福会および死ね死ね団極東基地の破壊により、日本には束の間の平和がやってきた。だが父を失ったヤマト家は未だ悲しみの中にある。そんな時、日本では不法入国者の増加と彼らによる破壊工作と要人テロが続発していた。不穏な空気を嗅ぎ取ったタケシはパトロールを開始するが…
 ここから第3クールに入り、物語もモグラート編へと変わる。束の間の平和と、押し寄せる不穏な空気。繋ぎとしては良い作り方だ。
 ミスターKは生き残っていた。「レインボーマンなど取るに足りない」とか発言してるが、その左手は前回の基地爆発の際失われており、その恨みを募らせていたようだ。
 今回レインボーマンは謎の敵の残した手がかりを求め、ダッシュ5に変身して空からのパトロールを、ダッシュ6に変身して地中を探る。
<タケシは旧友の吉岡と偶然出会うのだが、吉岡は未だ学生服姿。タケシがインドで修行していた時間とか、日本で活躍していた時間とか、一体どのくらいだったんだろう?それに確か一話に登場した時は片山という名前じゃなかったか?>

VOL.3
第28話 地底戦車モグラートを探せ!

  監督:長野 卓
  脚本:田村多津夫
 相次ぐオイルランド要人の殺人に疑問を持ったタケシはダッシュ6となり、地下を見張るが、そこで死ね死ね団の誇る地底戦車モグラートに遭遇する。術が効かないモグラートにたたきのめされ、更にヨガの眠りに入ってしまう。ミスターKは生き残っていることを確信したタケシは、怒りを新たにする。
 タケシの通っていた高校のレスリング部の合宿と一緒になり、かつてのライバル吉岡とレスリングをすることでふっきれる描写あり。スポーツで悩みを吹っ切るというのは健全だな。この健全さが本来必要なんだよなあ。
 オイルランド駐日大使に変装したミスターKを、勿論それとは分からずに談笑するタケシの姿があり。それで「私は日本人だが、四十年ぶりに帰国した」と言ってるけど、これはひょっとしたらミスターKの本当の過去なのかも知れない。駐日大使の娘としてオルガという女性が登場したり、DACの初登場があったりと、怪人こそ出てこないが結構盛り沢山の内容となった。
 今回レインボーマンはダッシュ6で地下を探り(2回変化する)、モグラートと遭遇してダッシュ2に変化。火炎の術を使うがモグラートには全く通用せず。
第29話 悪魔の戦隊DAC
  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 レインボーマン暗殺のために送り込まれてきた悪魔武装戦隊DACの科学力の前に、レインボーマンの術のことごとくが破れてしまう。辛くもDACの猛攻から逃れたタケシは、これからの戦いに備え、一日だけ束の間の平和な一日を送ることにするが…
 新しく死ね死ね団の対レインボーマン部隊のDACが登場。レインボーマンを研究し尽くしているため、ヨガの秘術をことごとくかわす。
 これからの新たな戦いに備え、戦士の休息が描かれる。こういうのは結構珍しい。母と妹に家族サービスと、あくまで人対人のレスリングだった。
 今回レインボーマンはダッシュ2に変化。火炎の術をDACに使うが、耐火服を着ていたDACには全く通用せず。本当に使えない化身だ。
第30話 モグラート大破壊作戦

  監督:山田 健
  脚本:伊東恒久
 モグラートによる天然ガス貯蔵庫が破壊され、世界中に日本は危険な国であるというイメージが植え付けられつつあった。日本を世界から孤立させようと言うミスターKの作戦は着々と進んでいたのだ。
 精神的な揺さぶりをかけると言う意味では、死ね死ね団がやっていることは一貫しているが、今度は日本ではなく世界に対するアピールとなってるのが特徴。
 今回はなんと変装したミスターKと同じ風呂に入って談笑するシーンがあり。更にミスターKは左手の義手を振り回してレインボーマンを襲うのみならず、しっかり立ち回りもこなしている。
 今回オイルランドの次にアイアン共和国と言うのが出てくる。ネーミングセンスはかなりいい加減な感じだ。
 今回レインボーマンはDAC戦闘機から逃れるため、ダッシュ5に変化するが、撃墜されてしまい、海に落ちてダッシュ3に変化。その後モグラートを追跡するためダッシュ6に変化する。
第31話 恐怖の連続爆破

  監督:六鹿英雄
  脚本:加瀬高之
 モグラート製造工場を爆破したレインボーマン。だがモグラート1号は生き残っており、更に第3工場では新兵器ダッカーの製造が始まっていた。オイルランドのタンカー爆破を目の当たりにしたタケシはこれがモグラートの仕業と思い、独自に調査を開始するのだが…
 具体的な怪人は登場せず、ひたすらモグラートを探すレインボーマンの姿が描かれる。結局見つけ出せず、苛ついて人間関係までギクシャクしてる。だが、最後は命を救ったオイルランド第二大使に直訴したりしてる。
 今回レインボーマンはダッシュ6となり、地中でモグラートを探し、ダッシュ3となり、海中でのタンカー爆破を防ごうとする。この際タケシはダッシュ7を介せずに直接ダッシュ6や3に変化しているのが特徴。
<珍しく淑江とのデートが描かれるのだが、最初のデートではレンタカーを借りていた。あれ?タケシって一応高校生だろ?いつ免許取ったんだ?>
第32話 改造人間パゴラ

  監督:六鹿英雄
  脚本:加瀬高之
 DAC襲撃部隊によっても倒すことが出来なかったレインボーマンを倒すため、アフリカ支部より女殺し屋ロリータと改造人間パゴラが派遣されてきた。折しもようやく国交を回復したアルパニアの友好使節ナルカスが来日し、ロリータはナルカスをパゴラに複写しようとするが失敗。しかし強靱な改造人間となったパゴラがレインボーマンに迫る。
 敵はロリータパゴラ。ロリータはこれからメインとして登場するが、パゴラの方は人間複写装置にかかったところ、停電のため転送は失敗。体中から獣毛が生えた凶悪な改造人間となってしまう。ダッシュ5のレインボーフラッシュもダッシュ2の火炎放射も全く通用せず、レインボーマンを追いつめるが、弱点の目を攻撃されて死亡。
 ミスターKの狙いは日本を世界から孤立させること。そのために日本の友好国を片端から狙っているらしい。実に効果的な作戦だが、子供には難しい内容のような気もする…
 ここでキャシーとロリータの確執が描かれる。死ね死ね団幹部と言っても内実は結構ドロドロしてるみたい。
 今回レインボーマンはダッシュ5とダッシュ2に変化。パゴラにレインボーフラッシュおよび火炎の術で対抗するが、まるで効かず。
第33話 ダッカー飛行隊出撃せよ!

  監督:砂原博泰
  脚本:伊東恒久
 死ね死ね団が新たに対レインボーマン用に開発した小型飛行機ダッカーに襲われるレインボーマン。ダッシュ5となって空中戦を挑むも、複数のダッカーに圧倒されてしまい、逃げざるを得なくなる。更に執拗にレインボーマンをつけねらうダッカーを前にレインボーマンは…
 高性能飛行機ダッカーが登場。宇宙ロケットのスピードにヘリコプターの旋回能力、高性能爆弾を装備する。
 ここでレインボーマンの新技太陽フラッシュが登場する。それだけ圧倒的なダッカーの力と言うことになるのだが、次々に新技を開発する最近の特撮と較べると、新技登場も重みがあるな。一方、物語は前回のM作戦に続き、外国からの輸入停止によって日本の物資窮乏と、更に大津波によって東京を水没させようとする死ね死ね団の活躍が見られる。色々な意味で見所の多い話だった。更にラストには昔懐かしいパニックに陥る東京都民の姿が。オート三輪車や大八車を引いて逃げる都民の姿が。これも一種の特撮の醍醐味ではある。
<前回キャシーとロリータがやり合ったことが描かれていたが、ここではキャシーとダイアナがお互い嫌味を言い合うシーンがあり。死ね死ね団の中も大変のようだな。>
第34話 真空竜巻の術

  監督:砂原博泰
  脚本:田村多津夫
 モグラートにより引き起こされた大津波が東京を襲う。レインボーマンは持てる全ての力を使って真空竜巻の術により、大津波を防ぐのだった。しかし、死ね死ね団の作戦は続き、諸外国に日本を危険と思わせる作戦は着々と進行していた。来日した委員会のダリンジャーに死ね死ね団の凶刃が迫る…
 冒頭から大技。バランスとしてはモグラート編の最終話にやって然りだと思うのだが、案の定、あんまり派手な演出にはならなかったようだ。無邪気なこどもの何気ない一言が幾度もレインボーマンの危機を招くって言うのは、なんか懐かしい演出だ(演出そのものがちょっと現実離れしてるけど、それも味って事にしておこう)
 最初の大技以外は見るべき部分がちょっと少ない感じだったかな?勿体ないな。
第35話 姿なき黒い手

  監督:山田健
  脚本:田村多津夫
 突如起こった火薬庫の爆破事件。タケシはこれがモグラートによるものと推測し、ダッシュ6となり地中を探索するのだが、その行方を探ることが出来ずにいた。そんな時、カタギとなった鉄から、自分そっくりな人間が悪の一員として町を闊歩していると言うことを聞かされるのだった。死ね死ね団による恐るべき人間鉄砲玉作戦が開始されたのだ。
 一旦本筋から離れ、一話完結の物語が展開。今回の主人公はタケシよりも鉄。カタギに戻ったはずなのに、人間複写機で自分そっくりとなったDAC隊員に怒りを燃やす姿だった。この人はあんまり目立たないものの、ピンポイントで面白い役をやってくれる。
 ここでは一般生活と戦いの生活との間で悩むタケシの姿が描かれる話。淑江とのデートをあれだけ固く約束したのに、日本の平和のためすっぽかしてしまい、それをなじられるその姿は、妙にしょぼくれてしまってる。
 そうそう。タケシが踊る姿が描かれるのもこの話。
第36話 恋人は暗殺者

  監督:山田健
  脚本:加瀬高之
 度重なる失敗により処刑寸前のオルガに最後のチャンスが与えられた。人間複写機により、淑江の姿を取ったオルガは油断しているタケシに近づくが…
 フェミニストのミスターKが、ついに女幹部オルガに対してまで処刑の手を伸ばす。その処刑に賛成するダイアナと反対するロリータ。死ね死ね団内も色々と事情は複雑のようだ。
 そして淑江に化けたオルガによって又しても毒を飲まされてしまうタケシ。ここまで簡単に毒を飲まされるヒーローは多分二度と現れないだろう。
 各国政府の旅客機とダッカー、ダッシュ5の息詰まる空中戦が描かれる。さすがに今見ると
 今回レインボーマンはダッシュ5とダッシュ6に変身する。空と地中の移動で使ったのが主な目的。
第37話 Xゾーン破壊命令!!

  監督:六鹿英雄
  脚本:伊東恒久
 調査団の乗る二機の旅客機をダッカーに撃ち落とされたものの、最後の一機を守り抜いたレインボーマン。だが死ね死ね団は次なる手を既に用意していた。Xゾーン作戦を敢行するため、その材料となる苛性ソーダと石灰の確保に当たるダイアナとキャシー。その作戦を知りつつもオルガとロリータの執拗な攻撃を受け続けるレインボーマンだったが…
 四人の女幹部全員と戦うことになったレインボーマンだが、誰にでも化けられるDACの存在はタケシの精神をすり減らしていく。こういう弱さを演出するのが本作のおもしろさだろう。それにしてもそう言う状態で、更に試練が与えられるのも痛々しい。
 今回レインボーマンはダッシュ5とダッシュ6に変身する。大体この二体が多いな。
<苛性ソーダを手に入れるため、石鹸とかまで奪っていく死ね死ね団。しかも幹部までそれに駆り出されるってのもなんだな。>
第38話 A.B.C.Dライン大爆発

  監督:砂原博泰
  脚本:田村多津夫
 死ね死ね団はXゾーン作戦を実行に移す。モグラートによって都内4箇所に設置されたスーパーニトロンが爆発した時、東京は壊滅する。その事を知ったレインボーマンは必死にスーパーニトロンの在処を探すのだが…
 これまで名前のみで内容が明かされなかったXゾーン作戦の詳細が明らかとなる。都内四箇所にスーパーニトロンを設置することで連鎖爆発を引き起こし、東京そのものを壊滅させてしまおうというものだった。
 淑江の保育園の子供が死んでしまうと言う、かなりとんでもない話が描かれた回でもある。しかもこれまで何度も登場していて、祖父が命を賭けて守った子というのがなんとも…ほんと、容赦なくやってくれる。
 今回レインボーマンはダッシュ4に変身し、スーパーニトロンの爆風に木の葉のように抵抗せずになんとか過ごす。又地下を探るためにダッシュ6に変身する。
第39話 首都東京最後の日

  監督:山田健
  脚本:伊東恒久
 スーパーニトロンの起爆装置を発見するも、オルガとロリータの共同攻撃によって眼を潰されてしまうレインボーマン。ミスターKはレインボーマンががヨガの眠りに入っていると仮定し、その間にXゾーン作戦を敢行しようとする。東京の破壊を前に、大臣に直訴するレインボーマンだったが…
 モグラート編の最終話。ここではほぼ絶望と思われた無茶な作戦を敢えて行い、苦労の末にそれらを成功させるレインボーマンの姿が描かれる。ようやくここで日本政府の協力が得られるようになってきたのも特徴か。シリーズとしての物語が進む内、日本という国全体が危機意識を強く持つようになってきたことの証だ。
 ここも主人公の目が潰されたりとか、なかなか普通では出来ないような描写が特徴。相変わらず「犬も歩けば棒に当たる」方式で情報を仕入れてくる鉄とか、久々に登場した大臣とか、シリーズを通して観ているならば楽しめる話。
 今回はダッシュ6のみに変身。
第40話 ダイヤモンド略奪作戦

  監督:六鹿英雄
  脚本:田村多津夫
 死ね死ね団のXゾーン作戦は失敗に終わった。束の間の平和を満喫する日本だったが、ミスターKは次なる作戦を指令していた。いよいよ日本征服の開始だった。手始めに資金調達のため、日本が多量に輸入したダイヤモンド強奪を企てる。
 本作の最終章の始まりとなるサイボーグ作戦が開始。それに伴い、ドクター・ボーグが登場し、死ね死ね団の女幹部を次々に人間サイボーグへと改造していく。今回はサイボーグとなったキャシーが圧倒的な力でレインボーマンを苦しめる描写があり。又、亡き我が子魔女イグアナを復活させるためにゴッドイグアナが登場する。特にゴッドイグアナはイグアナ役の塩沢ときと較べても、はまり具合が凄い。やっぱり曽我町子は偉大だ。
 ここは流石に新展開だけに、死ね死ね団の圧倒的な力を見せつけることで終わった感じ。
 レインボーマンが太陽の剣を普通に使うようになったが、死ね死ね団員を次々刺し殺す描写は、今ではコードに引っかかるかも。

VOL.4
第41話 サイボーグ1号との戦い

  監督:六鹿英雄
  脚本:伊東恒久
 サイボーグとなったキャシーの執拗な攻撃からレインボーマンを救ったのは、自らの手でレインボーマンを倒すべくこの世にやってきたゴッドイグアナだった。魔法ゾーンに連れ込まれ、今度はゴッドイグアナの攻撃を受けるレインボーマン。
 ゴッドイグアナの力が存分に発揮させられる。魔法ゾーンに引きずり込まれ、徹底的に痛めつけられるレインボーマンの姿が見られる。
 ゴッドイグアナの魔法と死ね死ね団の科学の両面攻撃に曝されるレインボーマンの姿が描かれる。急展開で凄い話になってるが、これまでとは違い、これから戦いがメインとなることがここからも分かる。ゴッドイグアナは魔女イグアナ同様太陽の光に弱く、苦し紛れにレインボーマンが出したサンランプの光で白髪化。撃退には成功する。一方のキャシーはレインボーマンに傷つけられるが、ロケットにより連れ去られてしまう。
 レインボーマンを倒すためとはいえ、人間を捨てた死ね死ね団の女幹部達。特にキャシーはどこかでその事を悔やんでいるらしく、なんとオイルの涙を流す。
第42話 追跡1000キロ!

  監督:山田健
  脚本:田村多津夫
 又してもゴッドイグアナによって瀕死の重傷を負わせられるレインボーマンだったが、彼には休む間も与えられなかった。死ね死ね団のサイボーグ工場の存在を伝え聞き、一路九州に向かう。
 戦いは更に厳しさを増す。ゴッドイグアナとの戦いで手を傷つけられ、更に九州に向かうフェリーの中でもサイボーグ化したダイアナとロリータに襲われる。
 九州企画第一弾。戦いは厳しいが、どうしても船に乗ると話が間延びしてしまうのが欠点か。
 今回はダッシュ6に変身するが、ゴッドイグアナに手を傷つけられてしまい、術が使えないようになってしまった。
第43話 太陽とみどりに誓う!

  監督:山田健
  脚本:田村多津夫
 霧島の地下に設置したサイボーグ工場でドクター・ボーグにある秘密の研究を急がせていた。一方タケシはその工場を見つけられないのみならず、手に負った傷のために術も使えなくなってしまい、一人焦る。やがてタケシは鹿児島に住む祖父久蔵から心を見抜かれ、雑念を捨て去るために一人修行を開始するのだった。
 九州シリーズ第二弾。今度の舞台は鹿児島。ここで初心に戻ることを祖父の指導で思い出すことになる。良い展開だ…居合いで背後から迫ったロリータの攻撃を受け流している。ところで無心になるとヨガの眠りと同じになるんだが、それだったら眠りにはいるたびに修行をしてることになりそうでもある。
 ミスターK、ホテルから霧島の山並みを見渡しながら「日本は美しい」と感慨深く語っている。ミスターKにとって日本を恨むというのは、日本という国土ではなく日本人が対象であることがよく分かるショットだ。
 ヤマトタケシ役水谷邦久の歌声が聴ける。意外にノッて歌っているところが笑えるというか何というか。
 今回はダッシュ5に変身。ロリータに対し初めて落雷の術を使用するが、サイボーグと化したロリータには通用しなかった。
第44話 レインボー合体の術

  監督:六鹿英雄
  脚本:伊東恒久
 ロリータを退けた後、サイボーグ化されたダイアナにまで襲われるレインボーマンだったが、二人の出現により、ここに死ね死ね団の工場があることを確信した。しかし死ね死ね団もダイアナとキャシーによる連携作戦に出るのだった。二人の息のあった攻撃に、防御で手一杯のレインボーマンだが…
 敵はサイボーグ化されたダイアナキャシー。一人でもほぼ互角だったが、二人出てくると防御で手一杯と言ったところ。
 強力な敵に対し、レインボーマンもパワー・アップ。師ダイバ・ダッタによって二つの能力をダッシュ7に付加するレインボー合体の術を会得することになる。
 主に修行が描かれる話だが、これは川内作品での特徴といえるだろう。
 今回レインボークロスによりダッシュ2とダッシュ5が合体。レインボーフラッシュと火炎の術を同時に出し、ダイアナを燃やす(まだ殺してないけど)。
第45話 ドクター・ボーグの執念

  監督:六鹿英雄
  脚本:伊東恒久
      田村多津夫
 黒こげになったダイアナを抱えて逃げるキャシーを追ったレインボーマンだったが、死ね死ね団の罠にかかってしまい、閉じこめられてしまう。辛くも危機を脱し、サイボーグ工場を発見するが、既にドクター・ボーグが開発したボーグ・アルファは既にミスターKに手渡された後だった。そしてドクター・ボーグと対峙したレインボーマンは彼の怨念の深さを思い知ることになる。
 前回火炎の術で黒こげとなったダイアナは実は死んでなかった…いくらサイボーグだからって、これって無理じゃないか?ただ、ダイアナを助けたキャシーの方がダッシュ2とダッシュ5のレインボークロスを行ったレインボーマンに倒されてしまう。
 そして死ね死ね団の新しい、恐るべき作戦が明らかに。ドクター・ボーグの作り出した、ものの数分で人間をサイボーグにしてしまうと言うボーグ・アルファだった。それより怖いのがドクター・ボーグ自身。どれだけ日本人が憎いか、暗闇でミスターKと共に語り合う姿は凄まじいほどの迫力。
 死ね死ね団に属する人間達の執念が描かれた話で、息詰まるような凄い迫力で全編展開している。レインボークロスをものにしたレインボーマンのアクションもますます冴え渡り、良質の話となっている。
 今回はレインボークロスでダッシュ4とダッシュ6が合体。岩や木に姿を変え、身を隠す。又、ダッシュ3とダッシュ5のレインボークロスでキャシーを倒す。他にダッシュ5に変身し、天地稲妻落としを連発してサイボーグ工場をいぶり出す。
第46話 サイボーグ奴隷部隊

  監督:山田健
  脚本:田村多津夫
 阿蘇の地下にあったサイボーグ工場はレインボーマンの活躍で破壊した。だがドクター・ボーグの作り上げたボーグ・アルファは既に死ね死ね団の手に渡っていたのだ。この銃弾を撃ち込まれた者は短時間の間極端に身体能力が増し、更に命令を何でも聞くようになる。元は人間のため、攻撃できないレインボーマンだったが、そんな彼を助けた者がいた…
 サイボーグ部隊が敵となる。サイボーグとなっている時間は短時間だとしても、元は人間だから、いくらでも作ることが可能。そして今回サイボーグ・ダイアナが再登場。あれだけ黒こげにされていながら復活するとは、何という生命力か。サイボーグ部隊を使っての襲撃しに失敗してから、自らの身体を炎に包み、レインボーマンに突進してくるが、太陽の剣を投げつけられて爆発。そしてレインボーマンを執拗に狙うゴッドイグアナは、結果的にサイボーグ部隊からレインボーマンを助けることになる。
 どんな人間であれ、ボーグ・アルファを撃ち込まれればサイボーグになってしまうと言う問題が描かれるが、前の人間爆弾の時と言い、一般人が敵になると言う描写が多いのが本作の魅力か?
 今回はレインボークロスでダッシュ3とダッシュ6の合体。ゴッドイグアナの作り出した魔法空間から脱出するために用いられる。
<ボーグ・アルファは人間をサイボーグ化できると言うのだが、これはサイボーグと言えるのか?
 ボーグ・アルファの効力が切れた人たちを見て怒りを新たにするタケシ。しかし、それを助けようとしてるように見えない。見殺しか?>
第47話 黒い星は呪いのマーク

  監督:山田健
  脚本:伊東恒久
 自らの魔法空間にレインボーマンを引き込むことに成功したものの、サンランプを受けて動けなくなってしまったゴッドイグアナは自らの血からバッドシスターを呼び出す。サンランプも通じないバッドシスターから苦心辛々逃げ出すことが出来たレインボーマンだったが、一方サイボーグロリータはタケシの友人岡崎にボーグ・アルファを撃ち込み、レインボーマンを襲わせるのだった。
 敵はバッドシスターサイボーグ・ロリータ。バッドシスターはゴッドイグアナの血から生まれた分身で、目が見えないためサンランプも通じないが、超音波攻撃に弱く、レインボーマンの木霊叩きに苦しめられ、更に土中に引きずり込まれそうになったところを自ら脚を切って脱出する。その後、サイボーグ・ロリータをレインボーマンの味方と勘違いして襲う。そしてここでロリータの最後が描かれる。レインボーマンではなく、なんとゴッドイグアナによって矢を撃ち込まれて爆発してしまう。
 今回はレインボークロスでダッシュ4とダッシュ6の合体。超音波を発し、バッドシスターを退けるために用いる。ダッシュ7の姿のまま疾風土煙火の術を用いた。
<レインボーマンが休息を必要としていることを察したDAC。待ってれば勝手に眠ったものを、わざわざレインボーマンの前に出るから逃げられてしまった。
 ボーグ・アルファはレインボーマンの解毒の術によって治ることが分かったのだが、サイボーグの定義が誤ってるのでは?>
第48話 鬼面の決斗

  監督:砂原博泰
  脚本:田村多津夫
 ボーグ・アルファによる人間サイボーグ作戦に頭を痛めるタケシの前にゴッドイグアナの放った新たなる刺客ミイラシスターが現れる。命を持たぬミイラシスターの攻撃に苦戦するレインボーマンだったが、同時に仲間を殺され怒りに燃えるキャシーによるサイボーグ作戦が着々と進行中だった。サイボーグと化したライダー部隊に、攻撃に徹することが出来ないレインボーマンだが…
 敵はミイラシスター。ゴッドイグアナが作り出した2番目の分身で、文字通り包帯でぐるぐる巻にされている。最初はピエロの仮面をかぶってタケシの前に姿を現す。本性を現すと、魂が無いので不死身に近く、レインボーマン最大の技だった真空竜巻の術で身体を吹き飛ばされる。そして死ね死ね団の最後の女幹部オルガがレインボーマンに挑戦してくる。サイボーグライダー部隊がレインボーマンに敗北した後、自らの身体にボーグ・アルファを撃ち込み、自ら鬼面のサイボーグと化してレインボーマンに挑戦する。目から光線を出すのは同じでも、加速装置まで使ってくる。
 女の執念が描かれる話。ゴッドイグアナと言い、オルガと言い、その執念は凄まじいものだった。
 今回はレインボークロスでダッシュ3とダッシュ6の合体。新技“闇時雨の術”を用いてライダー部隊を退ける。
<サイボーグと化したライダー部隊と戦うレインボーマンは、容赦なくライダー部隊を抹殺。前回の吉岡の時とは偉い違いだ。
 鬼面のサイボーグとなったオルガを見たタケシは「仮面を取れ」とか「化け物」とか、言いたい放題だ。>
第49話 燃えろ! 大勝負

  監督:砂原博泰
  脚本:伊東恒久
 幹部全員が倒され、怒りに燃えるミスターKは自らレインボーマン抹殺に乗り出した。死ね死ね団の総攻撃により、囚われの身になってしまったレインボーマンだったが、その窮地からレインボーマンを助けたのは、自分の手でレインボーマンを倒そうとするゴッドイグアナだった…
 ミスターKが陣頭指揮を執ったり、ゴッドイグアナとの敵対関係が明らかになったりと、結構見所は多い話。レインボーマンと直接戦うのではないが、ドクロマンというのも登場し、ゴッドイグアナと渡り合う。
 今回のレインボーマンは久々にダッシュ5に変化。レインボーフラッシュで仮面のミスターKと渡り合う。
<ゴッドイグアナを称して「ババア」だの「メス狸」だの、えらい言われ方。尤も曽我さんはそれを楽しんでる節あるけど。>
第50話 狂った銃弾!

  監督:児玉 進
  脚本:田村多津夫
 ミスターKはレインボーマンを倒すため、無差別にボーグ・アルファを使い始める。その結果偶然生まれたサイボーグ怪人カマキリ男を配下に加え、更にゴッドイグアナとも手を組んだミスターKはレインボーマンをおびき出すのだった。知り合いの竜二までもがサイボーグにされてしまい、なんとかそれを助けようとするレインボーマンだったが…
 冒頭のDACとの戦いからドクロマンゴッドイグアナの戦い、そしてレインボーマンとドクロマンとの戦い、カマキリ男との戦いと、戦闘シーンが目白押し。ドクロマンはゴッドイグアナと互角に戦っていたが、その被害を恐れたレインボーマンに戦いを邪魔され、レインボーマンに襲いかかるが、雷光の剣に一刀両断される。それとサイボーグのカマキリ男が登場。たまたま首筋にカマキリがとまっていた男にボーグ・アルファが撃ち込まれ、カマキリと人間が融合してしまったのだが、その原理は不明。
 今回はレインボークロスでダッシュ2とダッシュ6の合体。DAC部隊を退ける。
<ボーグ・アルファによってサイボーグ化したライダーが暴走しているのを見て、タケシの知り合いの竜二がそれを止めようとするが、その方法はなんと油を道にまく(水にしか見えないけど)。殺す気か?
 ボーグ・アルファを受けて緑色のサイボーグが誕生したとき、ミスターKは「素晴らしいサイボーグだ」とか叫ぶのだが、緑色のタイツに鎌を持った普通のおっさんっぽくしか見えない。そのセンスはちょっとおかしくないか?次々に幹部を倒されたので、錯乱してたか?>
第51話 使命の十字架

  監督:六鹿英雄
  脚本:伊東恒久
 死ね死ね団による最終作戦が発動。都内各地に無差別にミサイルが降り注いだ。更にミスターKはテレビをジャックし、処刑のためにレインボーマンを国際競技場に誘い出すのだった…
 ラス前と言うことで、凄まじい光景が展開される。東京の町中で死人がごろごろし、それを無表情に見ている子供とか、東京を逃げ出そうと、人を押しのけて我先に逃げようとするエゴ丸出しの姿とか。ここまでの展開がこのためにあったとすると、これまでのレインボーマンの活躍は一体なんだったんだろう?とまで思わせてしまう展開は流石川内康範!
 そして淑江に対し、初めて自分がレインボーマンであることを明かす。ミスターKを追いつめながらも、ミサイルの標的にされた日本人のために自ら進んで十字架につくなど、感動的なシーンもある。
 今回レインボーマンはゴッドイグアナカマキリ男の連係攻撃をダッシュ1の蛇変化の術およびダッシュ6の疾風土煙火の術でしのぐ。それとレインボークロスでダッシュ1とダッシュ5の合体。座禅を組んで天地稲妻落としの技をかけるが、ダッシュ1単独の技と較べ、格段に威力が増しているようで、ミスターKの潜む国際競技場をほぼ壊滅状態にしてしまう。
<ボーグ・アルファの効力はそう長くないはずだが、カマキリ男はどれだけ時間が経ってもカマキリ男のようだ。
 レインボーマンは初めて出会ったはずのカマキリ男を見て、「カマキリ男!」と叫んでる。どこでこの名前を知ったんだ?
 ゴッドイグアナはミスターKの軍門に降ったふりをしていただけのはずなんだが、結果的にミスターKの命令を忠実に聞いてるだけのような…>
第52話 虹に翔ける愛の戦士

  監督:山田健
  脚本:田村多津夫
 淑江の心配の通り、死ね死ね団の罠にはまり、処刑の時が刻一刻と迫るレインボーマン。いよいよ処刑の時刻、その時そこに現れたのは…
 強化されたサイボーグ軍団との戦いを経て、ゴッドイグアナとの最終決戦が描かれる。これまでの戦いで弱っていたためか、ほぼ相打ちだったが、そこでレインボーマンの血を採ろうとしたゴッドイグアナは、太陽の剣に刺し貫かれて絶命。
 いよいよ本話で最終回となる。これまでの激しい戦いの過程を振り返りつつ、静かにレインボーマンが処刑されそうになる、その過程が見事。作品には緩急というのが必要だが、端的に本話はそれをよく表していた。ただ、こう簡単に助かってしまうのはちょっとご都合主義っぽいけど。
 しかし最終回というのに肝心のミスターKは本部にはおらず、ただ日本人抹殺を命令するテープが回り続ける…こんな終わり方とは…いや、レインボーマンの戦いは終わらないのだ。悪は滅びない。だからこそ正義の使者が日本には必要なのだ。とそれを主張したかったのかもしれない…そしてその正義の使者とは、果たして一人のヒーローなのか?と言う含みを持たせていたのか?
 今回レインボーマンは地雷原を抜けるためにダッシュ6に変化する。
<走る人間の至近距離で爆発する地雷の嵐…これ本当に死人出なかったか?ちょっと心配になった。
 そういえば最後の最後にみゆきが脚の手術のために外国に行くと言っていたが、これまで彼女の脚が悪いという設定は忘れ去られてたな。>

 

書籍
70’s川内康範ヒーローの世界
<A>
レインボーマン 1
<A> <楽> 小島利明
レインボーマン 2
<A> <楽> 小島利明
レインボーマン 3
<楽> 小島利明