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仮面ライダー剣

仮面ライダー剣事典

2004'1'25〜2005'1'23

 新シリーズとなった仮面ライダーも既に5作目。連続放映ではシリーズを通して新記録の長寿となった記念すべき作品。
 話は古代にアンデッドと呼ばれる節の生命体同士のバトル・ロワイヤル(ママ)があり、その結果勝ち残ったヒューマンアンデッドがこの地上を支配するようになった(『エヴァ』か?)。不死の生命体はカードに封印されていたが、ボード(人類基盤史研究所)により、それらのカードが発掘される。封印を解かれたアンデッド達が再びバトル・ロワイヤルを始める。と言ったところから始まる。そしてそのアンデッド達に対抗するため、そのアンデッドの力を引き出すことの出来る仮面ライダーシステムを開発。どこかで見たような設定…と言ってしまっては悪いのだろう。
 イケメンを仮面ライダーにするのは既に当たり前となっていたとは言え、今度の主人公は悪評紛々。演技が素人っぽいし、滑舌も悪い(これは古代の日本語であるオンドゥル語だとまで言われてる)。ストーリーは4人のライダーそれぞれに焦点を当てようとするあまり、話がまとまらないし、設定を深くした分、出てくるキャラが多くなりすぎて分かりづらい。1話でまとめられないのなら、2〜3話でまとめる努力はした方が良いし、一話ごとに爽快感を高める演出は絶対に必要だ。さらに平成ライダーでは定番となったパワーアップも爽快感が低い。
 正直、私が観る限りでは、これまでのライダー作品では、一番の出来の悪さと言ってしまえる…が、だからこそそのグダグダ感が愛おしいのも事実で、実は結構好きな話でもあった(これほどツッコミ甲斐がある作品も近年では珍しいし)。
 ラストもすっきりしない終わり方だったが、驚くべき事に約15年後になる「仮面ライダージオウ」にてきっちり完結させた。

主な登場人物
剣崎一真
仮面ライダーブレイド
(役)椿孝之。本作がデビュー作。特撮関係では出演は本作のみ。
 肉親はなく、天涯孤独の青年。ボード(人類基盤史研究所)にスカウトされ、ビートルアンデッド(スペードのA)のカードを用い、仮面ライダーブレイドとなった。第1話でボードが壊滅して以来、白井虎太郎の家に居候し、アンデッドが出現すると出動する。設定を見ると、「頭脳明晰、文武ともに優秀。皆に愛され、希望をふりまく善人タイプ」なのだそうだが、判断を全部栞や橘任せにして、居候先の虎太郎を小馬鹿にした発言をし、平気で自分より立場の弱いキャラをどつく姿は、到底そのように思えない。
 更に滑舌が悪く、非常に声が聞き取りにくいのもちょっと…特技としてオンドゥル語を操ることが出来る(?)
橘朔也
仮面ライダーギャレン
(役)天野浩成。のちに「仮面ライダーフォーゼ」での校長役。
 剣崎より先にボードにスカウトされ、スタッグアンデッド(ダイヤのA)のカードを用い、仮面ライダーギャレンとなった。しかし、ボード無き今、自分の戦いに疑問を覚えつつあり、そこを敵につけ込まれることもしばしば。小夜子という彼女あり。泣きわめいたり、薬中毒(?)になってみたりと、人間的魅力に溢れる人物(馬鹿のようにしか見えないという話もある)。
相川始
カリス
(役)森本亮治
 マンティスアンデッド(ハートのA)のカードで仮面ライダーカリスに変身する。夫を亡くした遥香とその娘・天音の家に下宿する。実は彼自身がアンデッドであり、人間を擬態しているだけ。暖かく迎えてくれた遥香と天音には温情を越えた感情を持つが、自分がいることで二人が危険に陥ることを恐れている。4人のライダーの中では何故か一番人間っぽいのが不思議と言えば不思議。
 イケメンだというのは理解できるのだが、常に不安そうな顔してるので、劇中の役回りとギャップがありすぎ。
上城睦月
レンゲル
(役)北条隆博
 スパイダーアンデッド(クローバーのA)のカードで仮面ライダーレンゲルに変身する。元々は平和主義者な高校生で、アンデッドに襲われたところをブレイドに助けられ、以来仮面ライダーに憧れを抱くようになった。究極のライダーを作ろうとしていた伊坂の配下により強制的に変身させられる。過去にトラウマあり。他のライダーの封印したアンデッドを解放する力を持つ。
白井虎太郎 (役)竹財輝之助
 自称ルポライター。アンデッドと戦うブレイドの姿を目撃し、剣崎を自分の家に招く。ボードが壊滅して以来、彼の家が基地化するが、家主であるにかかわらず、立場がとても弱い。正義感溢れた好人物なのだが、全員から馬鹿にされ続けると言う悲しい役回り。でも、全くめげないところが彼の強さ。正直な話を言えば、こういう人間こそヒーローとなるべきだとおもう。牛乳好き。
広瀬栞 (役)江川有未
 ボードの研究者で、アンデッドと戦う剣崎と橘をサポートしている。ボード壊滅後、剣崎に招かれ虎太郎の家に居候することになる。アンデッドの出現を剣崎や橘に告げることと、いい加減な推測をする以外何の役にも立ってない割に、常に虎太郎を馬鹿にした発言を繰り返す。
栗原遥香 (役)山口香緒里
 虎太郎の実姉。カメラマンの夫を亡くし、喫茶店ハカランダを切り盛りしながら娘の天音を育てている。始を家に下宿させ、温かく迎えるが、度々危機に見舞われる。これだけの目に遭っていながら普通に喫茶店を営業している彼女はやっぱり肝っ玉母さんなんだろうか?それとも単純に鈍いだけか?
栗原天音 (役)梶原ひかり
 遥香の娘。カメラマンの父を失い、失意の中にあるが、母の喫茶店を手伝う気丈さを持つ。下宿している始を父の代わりのように思っている節があり。明らかに設定のミスで、非常に大人じみた存在となってしまう。子供が無垢だと言うのは、彼女を見ると明らかに嘘だと分かる(笑)
話数 タイトル コメント
第1話 紫紺の戦士

  脚本:今井詔二
  監督:諸田敏
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 何者かによって封印が解かれ、アンデッドと呼ばれる謎の生命体が解放されてしまった。人間を襲い、殺戮を繰り返すアンデッドを封印するため、人類基盤史研究所(通称ボード)の烏丸は封印されたアンデッドのカードを用いたライダーシステムを開発する。そしてそのために養成された二人の青年橘と剣崎にそのシステムを託すのだった。今日もギャレンに変身した橘は襲い来るバットアンデッドを封印するが、その表情は暗かった。そして日を置かずして襲われるボード本部…
 敵はコウモリ型のバットアンデッド(ダイヤの8)とイナゴ型のローカストアンデッド(スペードの5)。最初の怪人は仮面ライダーの定番であるコウモリ男で、その辺は分かってるなあ。と思っていたが、基本はそれだけ。後は完全に視聴者を置いてけぼり。物語そのものを分からなくしているのは後の説明に譲るにしても、主人公剣崎の性格があまりにヒーローっぽくなく(特に今回出てきた虎次郎に対する態度にそれが如実に表れている。勝手に家を占拠して「住んでやってるんだ」と言わんばかりに居座る性格はなんだ?)
 「アギト」のG3システムの開発を思わせるメカニカルな雰囲気と、アンデッドの不気味さの両面を出すことで、演出に花を添えようとしたのかもしれないが、少なくともここを見る限り完全にはずしている。更にこれまで孤高なヒーローであった仮面ライダーがまるで公務員のようになってるのはちょっと寂しい。色々詰め込んだ結果、見事なくらいに訳の分からない作品に仕上がってしまった。
 ここでは橘が陰のある人物、ダークな仮面ライダーとして存在感だけはあると思われたのだが…
<ここで本作の特徴であるオンドゥル語「ダディアナザァーン(橘さん)ナズェミヅェンデス(何故見てるんです?」および「オンドゥルルラギッタンディスカー(本当に裏切ったんですか)」が登場。
 剣崎の性格が素敵すぎ。この人物はまるで犬みたいで、自分より強いもの、尊敬できると認めた人にはひたすら尻尾を振ってくっついていくが、そうでない人に対してはまるで自分の手下のようにしか思ってない節がある。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 謎のライダー

  脚本:今井詔二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 ローカストアンデッドの急襲によりあっけなく壊滅してしまったボード。ボード職員の広瀬栞はなんとか生還することが出来たが、彼女が持ち出した機材には、なぜか研究所を襲うアンデッドの他にギャレンの姿があった。それを見た剣崎は、尊敬する橘に裏切られたことにショックを受ける。そして更に現れたプラントアンデッドとの戦いの中で、突然新しい仮面ライダーの姿が…
 敵は前回に続きローカストアンデッドプラントアンデッド(ハートの7)。ローカストアンデッドは研究所を襲ったばかりで割とあっさりブレイドにスペードの5に封印されてしまう。プラントアンデッドは植物のアンデッドで、蔓を伸ばして攻撃する。物語後半になれば多分どってことのない敵なのだが、経験不足のブレイドにはまだ荷が勝っていたようで、かなりの苦戦を強いられ、結局は新しく現れたカリスによってその手柄は奪われてしまう。
 まるでボードを裏切ったかのような橘の行動とか、新しい仮面ライダーの登場とか、色々と謎が深まっていく一方の話。物語としてそれは正しい方向性なのかもしれないが、残念なことは1話目に続いて、爽快感が全然感じられないという点にある。主人公の剣崎が公務員根性丸出しで、しかも弱いのがその原因だが、謎の部分はもう少し後回しにして主人公の強さを強調した方が話のまとまりは良かったように思える。それに全般的に戦闘シーンにスマートさが無く、単なるどつきあいで終始している部分も今ひとつ。
<剣崎に続き、栞までもが虎太郎の居候に。更に使いっ走りにされてしまう虎太郎が不憫。この人の存在価値っていったい何なの?
 烏丸所長を捜す剣崎は、どうみても虎太郎に鬱憤晴らしをしてるとしか思えない発言を次々繰り出す。彼は居候の立場にあるという事が分かってるんだろうか?>
第3話 彼らの秘密…

  脚本:今井詔二
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田洋
 虎太郎の家に居候する栞はPCを使ってボードの秘密を探っていたが、突如そこには、何者かによって拘束され、意識も定かでなく横たわる烏丸所長の姿が映し出された。その映像を目の当たりにして焦る栞と剣崎。一方、横たわる当の烏丸を前に、橘は焦っていた。実は橘はライダーシステムには重大な欠陥があり、それを烏丸が隠しているのではないかと疑っていたのだ…動けない烏丸を中心に、ライダー同士の不信が高まっていく。
 敵はディアーアンデッド(スペードの6)。ヘラジカ型のアンデッドで、両手に剣を持ち、大きく伸びた二本の角から電流を発する。自分の体の不調を恐れて無意識に力を出すことが出来ないギャレンと、未だ戦い慣れしていないブレイドを追いつめるが、ブレイドの渾身の一撃で倒され、スペードの6のカードに封印される。
 は?烏丸って誰だっけ?と言うのは、私がまともに本編を観てなかったためだったが、栞は所長の行方を案じて必死に探し、橘は自分の体のことを問いつめるために、それぞれ追い求めていたらしい。ここで横たわる烏丸の映像を送りつけることで、ボードを壊滅に追いやったのは本当に橘では?と思わせる演出がなされているはずなのだが(実際は橘は烏丸を保護しているだけなのだが)、どうもその辺がぎくしゃくした感じで、妙に分かりづらい話になってしまった。
 ライダーシステムは使えば使うほど命を削っていくと言う設定がここで登場。時限爆弾を抱え込んでるみたいなもんで、それがこれからの話にどう関わっていくかと、結構期待もさせられた。
 それと橘には医者の彼女がいることがここで判明。「あなたの体のことは一番私が分かってるのよ」的な演出が使うためには良い選択だろう(そう言えば明確にライダーに恋人がいると言う設定は、実はこれが初めてでは無かろうか?)
<ライダーシステムが命を削るという設定は後にブラフと分かるが、そうでなくても話がややこしいんだから、嘘情報流して余計複雑にさせることも無かろうに。お陰で橘がどんどん情けない姿に…
 ここでも虎太郎の家を占領するわ、パソコンを勝手に使うわ、挙げ句の果てに部屋の中で大騒ぎやらかすわで、剣崎と栞の迷コンビぶりが強調されている。それを笑って受け止める虎太郎はやっぱり人格者では無かろうか?>
第4話 永遠の命の謎

  脚本:今井詔二
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 橘により、装着し続けることで魂を削っていくというライダーシステムの弱点を指摘された剣崎はショックを受ける。一方、栞も又橘と再会し、烏丸所長を拉致したことをなじるが、実は橘はアンデッドの封印を解いてしまった人物を捜すため、烏丸を保護しているだけだと主張するのだった。その頃、カリスの変身を解いた始は、やっかいになっている栗原家がアンデッドの標的になっていることを知り、なんとか自分の手で母娘を守ろうとしていた…
 敵はモスアンデッド(ハートの8)。蛾の始祖のアンデッドで、蛾らしく口吻を持つが、そこから飛び出る毒針と、背中に生えた羽からの鱗粉で攻撃する(モスラ?)。よりにもよって栗原家を標的に狙ったため、怒りに燃える始=カリスにハートの8に封印されてしまう。
 これまで3話かけて拡大させるだけ拡大させた謎がようやくほんの少しだけまとまりを見せてきて、キャラクタが考えてる事がだんだん分かってきた。しかし、分かってしまうと、あれだけ謎の行動を取っていた橘が単に怯えていただけというオチに苦笑。対比して剣崎の直情ぶりは逆にこういった精神的揺さぶりには相当強いらしい。それでこそヒーローだ!(単にな〜んも考えてないだけという意見もあるが)。一方、余計に訳が分からなくなってきたのが始で、彼がカリスであることは分かったものの、やっぱり何考えてるのか、全然分からないまま。ただし、栗原家に危害が与えられようとした時にかなり怒っていることから、感情がないのではないらしい。
 それでも謎はまだまだ残っているので、それをどう消化するか、お手並み拝見ってところだ。
<今回の敵モスアンデッドは、結局カリスの強さを演出するためだけに出てきた感じ。
 これまで剣崎のあこがれの人であった橘は、実は単なる小心者だったというオチがついてしまった。ヒーローも様変わりしたもんだな。それに対し、本当に直情的な剣崎が主人公なのは納得(単なる○×ではないのか?と言う疑問はともかく)。>
第5話 過去への挑戦

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 ついに発見した烏丸所長の身体は突然炎を発して燃え尽きてしまった。呆然と佇む栞は、彼女の父広瀬が「永遠の生命」にこだわっていたことを思い出す。一方栗原天音は、剣崎と虎太郎を伴い、死んだ人間の声が聞こえるという呼子の洞窟へと向かっていた。実は天音は父の死を未だ受け入れておらず、人目父の死を未だに受け入れることが出来ず、父と会いたいと心から思っていたのだ…
 敵はセンチビートアンデッド(ハートの10)。ムカデの始祖のアンデッド。口から毒液を吐き、それをかけられた生き物は激痛と発熱を生じ、死に至らせる。
 前回で少し話がまとまったかと思ったのだが、この話になってから又話にまとまりが出なくなった。
 整理してみると、一つがボードの秘密について。ここで栞の父のことが言及され、烏丸所長が消えてしまったと言うところ。もう一つが始=カリスの秘密と栗原家のつながり。始は天音の父となんらかの関わりを持つが、それはまだ謎。そして天音に対する執着が高い。ライダーシステムを通す事が無く何故か仮面ライダーに変身できる。などなど、いくつかの情報は与えられているが、始については今のところ何も分かっていないというのが現状もう一つがライダーシステムが本当に装着した人間の魂を削っていくのか。この三つの物語が同時並行して展開し、今のところ栞、始、橘が話の中心で、主人公の剣崎はその周辺でうろうろしてるだけ
 謎がますます増えていくのは良いが、単に訳の分からないだけの話になってしまった。日曜の朝の半分起き抜けの寝ぼけた頭にここまでの情報は、はっきり言って頭に入らない。せめて話に爽快感を与えないといけないはずなのに、それさえもやっておらず、欲求不満が高まるだけの話になってしまった。もうちょっと気持ちよく観られる作品に仕上げる努力が欲しいところ。
<存在感のない主人公は今回何の意味もなく天音と虎太郎についていくだけ。それでアンデッドにぶち当たるのだから、確率が良いと言うか、ご都合主義というか。
 ところで天音が行きたがっていた呼子の洞窟だが、こんなおおきな洞窟があるとすると、ここは相当の地方だと思うのだが、一体どこに栗原家はあるんだ?>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 カリスの正体

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 センチビートアンデッドを倒し、そこから抗体を取り出すことで天音は一命をとりとめた。一方、本来センチビートアンデッドを追いつめながら、ブレイドの邪魔でカリスに奪われてしまった橘は、怒りをあらわに剣崎に詰め寄る。その頃アンデッドを解放させたのが自分の父広瀬である事を知ってしまった栞は置き手紙を残して虎太郎の家を出てしまうのだが…
 今回は冒頭でセンチビートアンデッドが封印されただけで他に敵はなし。基本的に人間ドラマのみで展開するのだが、伊坂という謎の男が登場。
 何故自分は人間である天音に執着しているのかを悩む始。父がアンデッドを解放した張本人であることを知ってしまい、身の置き所が無くなってしまった栞。ライダーシステムの変調に悩む橘。と三者三様の悩みが描かれる話。それぞれが悩み、自分は何者かを考え続ける。でも、結局それで話は全然進んでいないし、フォロー役に回った剣崎も慰めることしかしないため、結局は何も解決しないまま。後味が悪いばかりだった。
 一応始の謎が多少は分かってきているが、何せ本人が素直じゃないので、自分から打ち明ける訳じゃなく、周りの状況によって推測することしかできないのもなんだな。
 これまで6話まで展開して、爽快感があった話は皆無。特撮の醍醐味を全て無くしてしまったヒーローものは、ただひたすらに哀しい。
 最後の最後に伊坂という謎の男が現れるのだが、いい加減ややこしい物語をますます混迷させるつもりらしい。
<剣崎はセンチビートアンデッドを封印しようとしていたギャレンに対し「あのアンデッドを倒されたら困る」と叫んでいたが、それが「何故」かは全く言ってなかった。そりゃ橘さんも怒るわな。>
第7話 囚われた2号

  脚本:今井詔二
  監督:諸田敏
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田 洋
 突然現れた謎の男伊坂の圧倒的な力の前にブレイドは屈し、謎の組織に捕らえられてしまう剣崎。更にそこに現れたギャレンをも圧倒する伊坂だが、そこに現れた始に、伊坂は親しげに話しかけ、自分自身の研究所に始を連れて行く。伊坂と始の見守る中、アンデッドとの戦いを強いられるブレイドだったが…
 敵はトリロバイトアンデッド(スペードの7)。伊坂の実験用アンデッドとして登場し、結果的にブレイド、カリス、ギャレンの三人のライダーと戦っていた。別段悪さをする訳で無し、ただ戦ってるだけのアンデッド。
 新しいキャラとして伊坂が登場。しかしこいつも謎の多いキャラクタで、そのお陰でますます話が訳分からなくなっている。
 謎はたくさん出るが、カタルシスが全然無い。何せ主人公であるブレイドが現時点で弱さしか演出できてないというのは、設定的に大問題なんじゃ?
 破滅のイメージに怖れる橘に虎太郎が素直になって生きることの良さを懇々と説くわけだが、これもおためごかしとしか思えない。彼の説得力を増そうとするなら、言葉と行動を一致させねばならない。上っ面の言葉だけでは何も面白くなし。
 それでもとりあえず引きの部分はそれなりに良かったかな?
 ライダーはスペード(ブレイド)、ダイヤ(ギャレン)、カリス(ハート)が今まで登場したわけだが、伊坂の呟いた究極の一体ってのは、間違いなくクローバーの仮面ライダーというのは、観てる側からは分かる。
<伊坂は大変強いのだが、何も律儀にブレイド、ギャレン、カリスと順番に出会うこともないだろう。ご都合主義というか、話の流れが悪いというか。
 確かバトル・ロワイヤルがあったのは一万年ほど前だと聞いていたような気がするが、三葉虫ってのはその時代どころか数千万年前に滅んでたはずだぞ。>
第8話 甦った者たち

  脚本:今井詔二
  監督:諸田敏
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田 洋
 突然乱入したカリスとギャレンを加え、四つどもえの死闘の末、なんとかトリロバイトアンデッドを封印したブレイド。だが、伊坂は遥香と天音の元に爆弾を送り込んでいた。戦いから離脱してその解除に向かう始。そして伊坂の研究所に潜入していた烏丸所長を確保した剣崎と橘。二人は烏丸から過去のアンデッドによる戦いの歴史を聞かされる。それは、種族存亡をかけた激しい歴史だった。
 前回から引き続き、敵はトリロバイトアンデッド。今回は冒頭で封印されるだけの存在。
 烏丸の口から衝撃の事実が語られる回。人類もアンデッドの一体であり、一万年前の戦いで勝利したため、地上の覇者となり得たのだそうだ。とりあえずこれでアンデッドの存在というのは説明できたと思われる。ただ、話としてはやっぱり混乱していて、ちょっと前まで意識不明の重傷だった烏丸が突然元気になっていたり、何の脈絡もなく爆弾の話が出て慌てて始が走っていったりと、とにかく話を追うだけで手一杯。更に毎回毎回mの語りの終了時点で仮面ライダー同士の戦いを持って行くのも、既に僅か8話でマンネリに陥ってるように見える。
<栗原家に爆弾が仕掛けられ、それを見てパニックに陥るかと思いきや、平然としてる天音。いったいこれまでどういう生活をしてたんだか?
 爆弾がハカランダの前であれだけ派手に爆発しておきながら、やってきた警官があっという間に去ってしまう。
 かつてのバトルロワイヤルが行われたのは1万年前だそうだ。つまりその時点までは人類も他のアンデッドも同じように暮らしていたことになる。年代的に無理じゃないか?>
第9話 戦う者の運命

  脚本:今井詔二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田 洋
 始の正体がアンデッドであることを知った剣崎はブレイドとなり、カリスに向かっていく。だが、その時再びアンデッドが現れたと栞から連絡が入ってしまい、剣崎は戦いを中止して現場に向かう。一方、ライダーシステムに対する恐怖心から本来の力を出せないと悩む橘の前に現れたのは、なんと伊坂。伊坂は橘に対し、「君の身体を癒してあげよう」と持ちかける…
 敵はゼブラアンデッド(ダイヤの6)と、伊坂の正体であるピーコックアンデッド((ダイヤのJ)。やはり伊坂はアンデッドだった。二体とも今回は無事。
 前回で暗示されたように始がアンデッドであることが発覚。そして伊坂も又同様アンデッドであった。アンデッドの中には人間に変化出来るキャラがいると言うことが分かった。
 それぞれのライダーが自分の戦いの意味を問い直す話。前回同様設定のいくつかは明かされるものの、話自体は全く進展していない。その中でベタな話が展開していく。特撮はベタな展開こそが信条だからとりあえずはこれで良しとしよう。
<前回ラストでライダー同士が戦って、オープニングで邪魔が入って痛み分け。というパターンが完全に確立した。変なパターンだ。
 ところでゼブラアンデッドの攻撃方法は蹄鉄なんだが、なんで一万年前に滅ぼされたアンデッドが蹄鉄をもってるんだ?>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 操られた戦士

  脚本:今井詔二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田 洋
 伊坂の与える薬によって元気を取り戻し、復帰を果たした橘のギャレン。自信満々の橘を見て喜ぶ剣崎だったが、当の橘は伊坂の真意が分からぬまま、ブレイドの助けを借りることなく再び現れたゼブラアンデッドをカードに封印することに成功する。だが、その時突然脳内に響く伊坂の声…一方、家を出た始はそれでも遥香と天音を忘れることが出来ず、彼を慕う仁という青年に様子を見に行かせるのだが…
 敵は前回に続きゼブラアンデッド。分身攻撃を使い、ブレイドを追いつめるが、復帰したギャレンにあっけなく封印されてしまう。
 相変わらず、橘と始の二つのストーリーが同時進行しているが、事実上ストーリーは殆ど動いていない。不満は感じられないけど、これと言って特徴も無し。2話続けて毒にも薬にもならぬ作品が続いた感じ。
 ただ、調整漕のようなものの中に入って眠ってる橘は凄いな。ヒーローたるものが敵の口車に乗ってほいほい無防備な姿を曝すのみならず、敵の温情にすがるなど…「橘さんですから」
<全編を通し、格好良いギャレンの姿が見られる数少ない話。しかしその格好良さだって要するにドーピングによるものであり、更にアンデッドである伊坂の命令に逆らうことが出来ないとは、かなりの情けなさを誇る。>
第11話 各々の居場所

  脚本:宮下隼一
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田 洋
 伊坂が変身したピーコックアンデッドにブレイドは圧倒される。しかもそこに現れたギャレンはピーコックアンデッドの意のまま、ブレイドに襲いかかってくる。一方、ストリートミュージシャンの仁と行動を共にする始は、自由に生きたいという仁の言葉をうらやましく思うのだが、仁の近くにアンデッドの臭いを感じ取っていた。
 敵はジャガーアンデッド(スペードの9)とスパイダーアンデッド(クローバーのA)。ジャガーは垂直のビルを上れるほどの素早い体術と、左手の鈎爪で戦う。最初にカリスと戦った後、橘の恋人小夜子を襲ったところをブレイドに封印される。
 この話は、ある意味でこれまでの特撮作品の中でも最大のトピックになるかもしれない。回想でもないのにここまで全く物語が進まなかった話は私が知る限りでは皆無だ。とりあえずジャガーアンデッドは倒し、スパイダーアンデッドがちらりと登場したものの、それ以外の物語は全く進まない。まるで30分遣った予告編みたいな作品になった。剣崎、橘、始の三方向で物語が進行していくわけだが、三者の物語共にストーリー性が希薄で、それが三分割されているわけだから、その薄さは推して知るべしというところ。更に小夜子や天音と言ったサブキャラの物語を挿入することによって、ますます時間が間延びしてる。
 3人の主人公のそれぞれの軌跡を追う訳だが、三分割された物語に、更に彼らに付随する人物の物語が絡み、結局5〜6分割された物語となっている。これがどれほどバランスが悪いか。スタッフももう少し考えて欲しい。ストーリーの進展がとにかく遅くていらいらする。
第12話 カテゴリーA

  脚本:宮下隼一
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田 洋
 カテゴリーAと呼ばれる特殊なアンデッド、スパイダーアンデッドと戦うギャレンとブレイド。ギャレンの耳に響く伊坂の言葉は、「カテゴリーAを捕獲せよ」。その言葉に突き動かされるようにギャレンはブレイドを邪魔者扱いしてスパイダーアンデッドを追い求める…
 敵はシェルアンデッド(ハートの5)。巻き貝の始祖のアンデッド。通常海の中に潜んでいるが、触手を伸ばして攻撃する。仁の船を発見して攻撃するが、そこに居合わせたカリスによってハートの5に封印される。そしてスパイダーアンデッド
 仮面ライダーはカテゴリーAと呼ばれるアンデッドから作られていると言うことが明らかになる。今のところスペードとダイヤ、ハートが出てるから今度のスパイダーアンデッドはクローバーってことになるな。
 それと、やや話の中心は始に移り、これまで慕っていた仁によって拒絶されることで、人間への不信を募らせるようになっていく。橘と言い、始と言い、自分探しをしてる最中。全然すっきりしたところが無く、苛々させてくれるよ。
 一応新キャラとして上城睦月という少年が登場。出し方からして、こいつが新しいライダーになるのだろう。
<ツッコミではないのだが、橘が漬かってる浴槽に多量に浮いている植物の正体が全く明らかにはされていない。せめて名前くらい言ってくれないと、正式名称が「もずく」になってしまうぞ。>
第13話 金色の糸の罠

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 伊坂に命じられるままカテゴリーAのスパイダーアンデッドを追い求める橘と、それを防ごうとする剣崎。若い男を中心に襲い始めたスパイダーアンデッドを巡り、ギャレンとカリスがついに激突する。
 敵はライオンアンデッド(スペードの3)。伊坂に操られ、スパイダーアンデッドに適合する人間を求めているらしい。右手の鈎爪と、咆吼が武器。ライオンっつーとえらく強そうなんだけど、あっという間にブレイドに封印されてしまう。
 相変わらず適当で間に合わせな設定と、迷走を続ける人間関係。何度でも戦い、何度でも痛み分けに終わるライダー同士の戦い、都合の良い時に都合の良い解釈が出て、そのころころ変わる解釈で振り回されるキャラクタ達…もうほとんど鬱展開そのもの。
 ここまでむげにされながら橘を慕う剣崎が哀れというか。それで橘にあんなに甘いのに他の人間に対してえらく冷たい態度を取るのが解せん…ま、まさか剣崎、橘のことを…(ないない)
 封印されたアンデッドはライダーの武器として使えるらしいのは前々から分かっていたが、この回からそれが前面に出されていったみたい。二枚以上のカードをラウズさせたときの演出はCGの使い方が良く、結構燃えるぞ…ストーリーは相変わらずとは言え。
<特に本作で多用されている台詞は「そう言えば」。「宇宙戦艦ヤマト」の真田さんじゃあるまいし、話の都合を強引に付けるためにだけ多用されてる気がしてならない。>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 エース封印!

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 カテゴリーAと橘を探しに渓谷へやってきた剣崎。だがそこで剣崎が見たものは、ギャレンとピーコックアンデッドにより傷つき倒れた始の姿だった。放っておくことも出来ず、始を介抱する剣崎。一方カテゴリーAを求める橘は伊坂の指示に従い、ついにスパイダーアンデッドの封印に成功するが、伊坂がそのカードを用いて新たな仮面ライダーを生み出そうとしていることを知り、伊坂に反撃する…
 今回の敵はスパイダーアンデッドピーコックアンデッド。それにギャレン(?)。今回でスパイダーアンデッドは封印され、新しいライダーが作られることになる。
 低迷を続けるストーリー展開が続いていたが、やっと少し動き始めた感じ。これまで単なるお人好しにしか見えなかった剣崎の思いが始の心を動かしていくって展開は、ベタであっても物語としては正しい方向性だ。更に新しいライダーが…と言う所で終わっているので、とりあえず物語は動き始めたって事かな?
 伊坂の与える植物によって力を回復する橘。だが、その姿は殆ど薬物中毒者。更にその薬の害を橘に知らせようとした小夜子が殺されてしまう…子供向きの、しかも朝に放映している作品でよくここまでやるよ。
<最初剣崎の先輩として華々しく登場したはずの橘はここまでにずいぶん情けなくなっていたが、それもここで極まれり。と言った感じ。しかし、これだけ情けなくなっても、誇りだけは捨ててない。まるで駄々っ子だ。>
第15話 運命の適合者

  脚本:今井詔二
  監督:諸田敏
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 遙香と天音を人質に取ったドラゴンフライアンデッドと戦うカリス。二人を救出し、二人に迷惑をかけぬよう去ろうとした始に剣崎は始の思いを知り、「2人のそばにいて守ってやれ」と言う。一方、伊坂は新しい仮面ライダーを探すべく、行動を開始していた。その伊坂に対し、小夜子を殺された怒りをぶつける橘…
 敵はドラゴンフライアンデッド(ハートの4)。トンボの始祖のアンデッド。空を飛ぶことが出来、更に多数のトンボを飛ばして攻撃する。遙香と天音を人質に取り、カリスをおびき寄せるのだが、怒りのカリスのパワーにあっけなく敗北して逃走する。それとようやく伊坂の本体であったピーコックアンデッドがギャレンによってダイヤのJに封印される。
 これまで散々ライダー達を苦しめてきた伊坂がようやくカードに封印されるのと、いよいよ新しいライダーの候補である睦月が個性を出し始めた話となっている。
 ただ、それにしてもこれだけ引っ張ってきたくせに、伊坂が死んでも全然爽快感が感じられれないのは問題あり。
<思わせぶりな言動を繰り返していた伊坂だが、一体何をしようとしていたのだろうか?カテゴリーAであるスパイダーアンデッドを自らの意志で操ろうとしていたとするなら、わざわざそんなことをしなくても、橘は完全に手の内にあった訳だから、スタッグは意のままに操れてその必要はなかったし、それならそれで橘に手駒のアンデッドをわざわざ封印させたのも謎。結局そのアンデッドの力を使って倒されてるんだから、世話がない。
 今まで消えていた烏丸所長が登場するが、この人って存在感全然無いな。最初の内にあれだけ探し回っていたはずなのに、完全に忘れ去られていたという脚本に問題があるのでは?>
第16話 レンゲルの力

  脚本:今井詔二
  監督:諸田敏
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 愛する小夜子を失ってしまった橘は、これまでの自分の行動を悔い、正気を取り戻した烏丸にギャレンのベルトを返し、戦いから身を引こうとする。烏丸は伊坂のマインドコントロールを受けていた最中に造り上げてしまったレンゲルのベルトを剣崎達の元へと持ってくるのだが、虎太郎の不注意により紛失。それはかつて剣崎に命を助けられた事のある高校生上城睦月が拾うことに…
 敵はドラゴンフライアンデッド。トンボを操ることが出来、飛翔能力もある。復讐に燃えるカリスによってハートの4に封印される。
 一応前回で話はリセットされているので、これから仕切り直しの新展開となる。それで、今回からはいよいよ4人目のライダー、レンゲルが登場することになった。
 話として決して悪いとは思わないけど、明るくなりそうな展開を無理矢理暗くしてる感じがどうしても拭えない。新展開からテコ入れが行われることを期待してたんだがな…
<カリスの誤爆で攻撃されてしまったブレイドが「あいつは人間じゃない。獣だ」なんて事を言ってる。特に始に対しては助けてみたりけなしてみたりと、色々と大忙し。>
第17話 邪悪なベルト

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 突如現れた新ライダーのレンゲルにより圧倒されるブレイドとカリス。しかもカードをラウズしようとした二人のカードをレンゲルは解放。自分のカードに封じ込めてしまう。一方レンゲルに変身したものの、変身後の記憶のない睦月は、慣れさえすればこの力を使いこなせると思おうとする…
 敵はかつて封印したセンチビートアンデッド(ハートの10)とボアアンデッド(スペードの4)。センチビートアンデッドは既に登場済みだがボアアンデッドは最初からブレイドのカードに入っていたものらしい。
 新ライダーとして登場したレンゲルだが、そのレンゲルに変身する睦月は何らかのトラウマを持つ。おそらくそのトラウマがライダーシステムと何らかの親和性を持つのだと思われるのだが…未だ邪悪性が強く、装着した睦月の精神の方を支配してしまっている。
 …話は今度はますますトラウマ性が強くなり、鬱展開全開で迫ってくる…流石井上脚本と言うだけあって別な意味で笑える作品ではあるんだが(以下ツッコミ)
<睦月に剣崎がライダーがどれだけ大変かを説くシーンがあるが、「無茶苦茶大変なんだぞ。給料は安いし、残業手当は出ないし」…ライダーっていつからサラリーマンになった?もし笑わせようとしたら大外れだが、まさか本当にこれが本心?
 途中剣崎が万引きした男に商品をポケットに突っ込まれて警察に捕まるというシーンが登場。これも笑わせようとしてるんだと思うんだけど…これ又見事な外し具合。尻のポケットに万引きされたジュースを突っ込まれて全然気付かないわ、一般市民を足蹴にするわの剣崎。いやあ、相変わらずこいつは凄い性格してるよ。
 そう言えば睦月ってこれまでバイク持ってなかったように思うのだが、レンゲルのバイクはどこから出てきたんだろう?>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 暗闇を操る魂

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 レンゲルのベルトの邪悪な意志に操られ、意識のないまま戦っていた睦月。変身が解除された時に、なんとか睦月を説き伏せ、ベルトを没収する剣崎だったが、何故かいつの間にかベルトは睦月の部屋に帰ってきているのだった。一方ギャレンのベルトを捨てた橘はかつてギャレンの候補桐生と出会うが、桐生は今や私的に犯罪者を裁く人間と化していたのだ。桐生は橘を自分の仲間へと誘うのだが…
 敵はボアアンデッド(スペードの4)を始めとして、ブレイドのカードから解放されたローカスト(スペードの5)、ディアー(スペードの6)、ジャガー(スペードの9)の3体のアンデッド。
 新ライダーの登場によるテコ入れで話が良くなってくれることを期待してたんだが、余計悪くなってるようにしか見えないのがなんとも…
 レンゲルのベルトを巡り、又一人の男が登場。桐生はそもそもギャレンの候補生だったが、それを橘に奪われたことを今でも根に持っている人物として描かれる。
<相変わらずどれほどぶっきらぼうな態度で出られても橘には下手に出て、自分より立場の弱い人間に対しては強気に出る剣崎。おおよそヒーローと言った感じからはほど遠く、どんどん性格悪くなっていくように見える。自分の好みだけで人間を選り好みするなど、到底正しいヒーロー像に見えず。
 観てる側からすると、桐生は胡散臭さ満点のキャラなのだが、そんなキャラにばかり出会う橘は不幸だ。そういうキャラを引きつけるフェロモンでも出してるんじゃ無かろうか?そのへんが「橘さんですから」と言われる所以だ。>
第19話 暗闇を征す者

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 睦月から奪ったベルトでレンゲルに変身する桐生。だが、彼は嬉々としてアンデッド達に命令を下し、他のライダーを襲い始めた。改めて会いに来た橘に対し、全てを破壊してやると豪語する桐生。一方、ベルトの魅力に取り憑かれていた睦月は、封印中のギャレンのベルトを盗み出すのだが…
 ますますシャレにならない話が展開してる。同じ仮面ライダーでありながら悪意の塊の桐生。トラウマ全開で親に食ってかかり、更には盗みまで働く睦月。それでウジウジ悩んだ挙げ句、桐生を死に至らしめる主人公達…この暗さはもはや笑うしかない展開だ。
 これまで悩み続けてきた橘が、ついにギャレンとして復活。ここで仮面ライダーはとうとう四人揃ったと言うことになる。
<剣崎と橘の目の前でレンゲルが放ったアンデッド達に殺されてしまう桐生。しかし、助けられる場所にいながらなんで放っておくか?
 ギャレンとレンゲルの戦いを見てると、お互いに本当に顔ぶん殴ってる。スーツアクターって大変なお仕事なんだな。
 最後に死ぬ際、桐生は橘に向かって「馬鹿になれ」と言い残す。これは「戦う時に迷うな」と言いたかったのだろうけど、観てる側としては、何と余計なことを。と思ってしまう。橘はもう充分に馬鹿なんだから、これ以上馬鹿にしてどうするんだ?と言いたくなる…それに桐生に「あなたのしてることは犯罪ですよ!」と言う橘も、平気で人間に向けて銃をぶっ放すような奴なのだが…「橘さんですから」。>
第20話 標的は虎太郎

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 レンゲルのベルトを探す剣崎と橘は睦月を問いただすが、開き直った睦月は橘の前でレンゲルに変身して戦いに身を投じる。だが、戦いの最中に変調を覚え、変身が解かれてしまう。「強くなりたい」という言葉を残し、橘の前を去る睦月を放置する橘だったが…
 敵は先に復活していたセンチビートアンデッド(ハートの10)。それと上級アンデッドである、カプリコーンアンデッド(スペードのQ)も登場。カプリコーンアンデッドは矢沢という男に変身することは分かる。他に虎太郎に接触する女性も出現。
 しかし、まあ、なんつーか。物語自体が馬鹿そのもの。今まであれだけ散々勝手やってた橘が復帰した途端、まるで犬のように素直に橘の言葉を信じる剣崎とか、橘に替わるように鬱状態に入ってしまう始とか。こんなのばっかだ。
 四人のライダーが揃ったのは良いんだが、レンゲルだけじゃなく、カリスまでもがギャレンに襲いかかってる。全く何て展開だ。
 更に言うなら剣崎役の椿の演技はこれまでの中でも最悪。
 …なんでこんなにむかつく作品が出来るんだろう?ここまで私にこき下ろさせないでほしい。
<子供は無邪気…なんて天音を見れば嘘だと分かる。これほど迷惑でエゴばっかのキャラクターをよくも創造出来たもんだ。
 機密のはずのPCの内容をを他人に見せる虎太郎。いくら女性に耐性がないとはいえ、ここまで情けないキャラだったのか?>
第21話 友を思う戦い

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 レンゲルの力に振り回されっ放しの睦月を見かねた橘は睦月を励まし、ライダーとしての戦い方を教授しようと申し出る。一方、虎太郎がアンデッドに狙われている事に気付いた剣崎だったが、虎太郎は初恋の相手みゆきに夢中でそんなことを知らないまま幸せな日々を送っていた…
 敵は前回に続きカプリコーンアンデッド。上級アンデッドで、色々策謀を巡らせているようだが、割とあっけなくブレイドに封印されてしまう。それとオーキッドアンデッドが登場。女性型アンデッドで、蘭の始祖アンデッドだそうだ。みゆきの正体で、虎太郎を罠にはめてアンデッドサーチャーを自分のために使おうとする。
 相変わらずの出来で、オープニングシーンはライダー同士で戦っているシーンから始まり、裏切りやらトラウマやらの描写がわんさか出てくる。これが本作の味とも言えるが、視聴者が果たしてそんなのがずーっと続くのを楽しみに待ってると思ってるんだろうか?その中で人の良い虎太郎はいつも可哀想な役割ばかりふられる。善人が馬鹿にされるような物語にだけはして欲しくないものだ(既に充分ほどなってると言われるが)。
<ここでようやく睦月のコインロッカーの夢の理由が明かされる。なんでもこどもの頃に誘拐され、コインロッカーに入れられてしまっていたらしい。なんだ、別段DVとかではなかったのか。
 睦月に「戦い方を教えてやる」と申し出る橘。お前こそ仮面ライダーの力に振り回されっぱなしだろうが!しかも敵対したとは言え、先輩の桐生を殺した張本人を相手にそんなこと言うほどオトナなのか?
 矢沢という男に変身するカプリコーンアンデッドのはQのカード。ここはみんな女性かと思ったら、例外がいたようだ。
 オーキッドアンデッドは植物。かつてのバトル・ロワイヤルでこいつが勝ってたら、地球はどんな世界になってたんだろう?>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 闇からの脱出

  脚本:會川 昇
  監督:諸田 敏
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 みゆきがアンデッドであったこと、そしてそれをよりによって始に助けられたことで落ち込む虎太郎。一方、始は女性カメラマンの令のアシスタントをすることになったが、彼の前に不思議な男が現れる。又、レンゲルの力を抑えるため、橘と睦月の特訓が続けられていたが、出現したアンデッドとの戦いの中、又してもレンゲルの暴走が始まってしまう。
 敵はモールアンデッド(クローバーの3)およびみゆきが変身したオーキッドアンデッド。珍しいアンデッド同士の戦いが見られる。
 相変わらず話があっちとんだりこっちとんだりして全然まとまりがない。4人もライダーがいて、それぞれが主人公だっての自体が問題だよ。それでも今回睦月がようやく力を抑えることができはじめたのが一つの救いになってたか?
<珍しく剣崎が「これが俺の選んだ仕事だ」と格好良いこと言ったのに、睦月に「給料安いって言ってましたよね」とあっさり返されてしまう。情けない主人公だ。
 剣崎が天音を見て言った台詞。「なんだ。ご機嫌斜め30度か」…なんだかなあ。>
第23話 お前は誰だ?

  脚本:會川 昇
  監督:諸田 敏
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 変身した姿を見られ、令になじられる始。更にイーグルアンデッドの高原によりカリスのカードを奪われてしまう。一方上級アンデッドの封印に興味を持つ睦月に近づくオーキッドアンデッドのみゆき…
 何話かに渡って登場してきたイーグルアンデッドの高原は、カリスに対する謎を語っていながら、ブレイドによって結構あっけなく封印されてしまった。
 始は最初からアンデッドであると分かっていたが、その本体はカリスではなかった。と言うことで、ますます始に対する謎が深まる。又、始はカテゴリーAであるマンティスアンデッドのみならず、他のアンデッドでも変身出来ることが分かった回。
 上級アンデッドはライザーをチャージするだけだと言う橘。武器として用いることが出来るのは下級だけということらしい。この辺も後々の伏線となっていく。
 謎の出し方とか、必要以外のキャラクターはあんまり登場しないとか、今回は悪くない。やるんだったら今回みたいに一話毎にしっかり主人公を決めてそれに付随した物語にした方がバランスは良くなるんじゃないかな?お陰でこの回はとりあえずツッコむ部分がない。
第24話 謎のハンター

  脚本:佐藤健光
  監督:諸田 敏
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 遊園地で望美とデート中の睦月の前に狼人間が現れた。レンゲルに変身し、あっさりと狼人間達を倒したものの、何故かカードに封印出来なかった。そんな睦月の前に現れたみゆきだったが、同時にどこからか戦闘服を着た集団がやってくると、オーキッドアンデッドに変身したみゆきを攻撃する。アンデッドハンターと名乗った彼らは剣崎と橘を自分たちの本部に案内し、新しいマシンであるブラックファングをお目見えする。一方、みゆきに案内され、始は大地と呼ばれる男に引き合わされる。
 敵はオーキッドアンデッドの他にウルフアンデッドエレファントアンデッド。尚、今回は誰も封印されないまま。いくら雑魚と言ってももうちょっとしっかりさせて欲しい。
 突然降ってわいたような新しいマシンの話や、複数の上級アンデッドの登場により、話は新しい展開を見せる。今回も四人のライダーそれぞれが話に引っ張られた感じはあるけど、さほど文句はない作品に仕上がってる。演出が比較的テンポ良かったのが幸いしていた。
<狼人間はほとんどアトラク用の着ぐるみにしか見えず、最初、何かの冗談かと思ったほど。こんないい加減な造形するなよ。>
第25話 裏切りの疾走

  監督:諸田 敏
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 研究所を襲ったウルフアンデッドはブラックファングを強奪。ブレイドとギャレンを圧倒し、逃げ去ってしまう。一方、自分がアンデッドの覇者となるため、ライダーと上級アンデッドを戦わせて漁夫の利を得ようとするオーキッドアンデッドとエレファントアンデッドは、お互いを認め合うことが出来ずに戦いを始めるが、そこにカリスが現れる…
 敵はウルフアンデッド。封印したのはブレイドだが、既にスペードのJは出ているので、WJという特殊な封印となる。他にオーキッドアンデッドとエレファントアンデッド。オーキッドアンデッドはここでカリスによって封印される。
 前回突然登場し、橘もころっと騙されていたアンデッドハンターを率いていた新名こそが実はウルフアンデッドであり、ブラックファングを完成させるために剣崎や橘に接触していたことが分かる…この作品はこんなんばっかだな。
<突然レース場に現れてバイクレースを始めてしまうウルフアンデッドとブレイド達。確か次の鈴鹿サーキットでブレイドチームなるものが登場するための宣伝だろうと思うのだが、何の起伏もないレース風景を延々と流してるだけ。この位馬鹿なテコ入れは必要なんだろう。たとえそれが東京から一瞬の後、三重県にある鈴鹿サーキットに行ったとしても。
 橘の言う「スリップストリーム」はその通りなんだが、特撮で常識的なことを言われてもなんか興醒めって言うか…>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 俺を動かす力

  脚本:今井詔二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 エレファントアンデッドに向かっていったブレイドとギャレンだったが、あまりの強さにまるで歯が立たなかった。何とか逃げおおせた剣崎と橘は、栞と虎太郎を含めて作戦会議を開く。そんな時に嶋昇という不思議な男が現れ、虎太郎の家に居候を決め込んでしまう。一方、睦月は再びスパイダーアンデッドの力に支配されかかるが、ここにも嶋が現れ、今アンデッドの力を引き離そうとすると、心が壊れてしまうと助言する…
 敵はエレファントアンデッド。圧倒的なパワーを誇るが、ブレイドが初変身したジャックフォームにより封印されてしまう。
 ブレイドがジャックフォームに変身し、エレファントアンデッドを封印する。前回のウルフアンデッドと同様、WJという封印。
 邪悪に取り込まれていく睦月。謎の男嶋の登場。始の正体。そしてブレイドのジャックフォームと大変盛りだくさんの内容。相変わらず話があっちいったりこっちいったり。本作は話が盛りだくさんになればなるほどどうしようもなくなるのがこれまでのパターンだったが、この話に限ってはそれが上手く働いた。テンポがよく、剣崎の強さに溜飲も下がる。やれば出来るじゃないか。
 そう言えば最初にブレイドのマスクが壊れ、剣崎の顔がちょっと見えるシーンがあったが、これって戦隊シリーズならともかく、仮面ライダーシリーズでは初めての表現だな。
<常に「戦わない」を口癖にしてるエレファントアンデッドこと大地だが、自分から戦ってるのを見てると、言ってることとやってることは全く逆に思える。
 圧倒的な力を保つエレファントアンデッドに向かっていくブレイド。「どうしても敵わないのか」とか台詞を吐いてるけど、これはあかん…それで自分の力でなく、カードによって強くなるんだから、全部他力本願。>
第27話 揺れ動く心…

  監督:長石多可男
  脚本:今井詔二
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 新形態のジャックフォームの力を得、エレファントアンデッドを封印することに成功したブレイド。そんな彼らに嶋は自らがタランチュラアンデッドであることを明かし、この戦いを早く終わらせるために協力を申し出るのだった。一方、再びカテゴリーAの力に支配されかけた睦月は、嶋の存在に我慢がならなく、レンゲルに変身して襲いかかる。ますます力を増していくスパイダーアンデッドの力を抑えるために、嶋が取った行動は…
 敵はバッファローアンデッド(スペードの8)。下級アンデッドだが、ブレイドとギャレンの連係攻撃にもびくともしない。そして嶋が変身したタランチュラアンデッド(クローバーのK)。スパイダーアンデッドと同じくクモのアンデッドだが、嶋の優しさに対応するかのようにあくまで戦いは攻撃を避けるだけ。
 ブレイドのパワーアップが完了し、話は睦月を中心としたものへと変化していく。特に橘と嶋が睦月に関わっていくのだが、その対応は見事に違っていて、まるで北風と太陽の話を見ているようで、妙に微笑ましい。
 多分、本作の最大の失敗は、嶋のような超然としたキャラクタがこれまでどこにもいなかったからでは?と思わせられる。実際嶋が出てきた途端、話に締まりが出てきた。
 ちなみに嶋を演じるのは相澤一成。「超光戦士シャンゼリオン」の速水克彦。
<いわば正義の味方として登場したタランチュラアンデッドだが、その姿はどう見たって悪役そのもの。造型にも問題あり。
 暴走する睦月に対し「俺に任せろ」と言う橘…これまで散々味方を攻撃し、麻薬に走った実績を持つこいつがそんなことを言っても説得力まるでなし。事実睦月の暴走を止めることが出来なかった訳だし…本当にこいつって、なんの役にも立ってない。完全に弄ばれるだけのキャラだ。>
第28話 危険な賭け!?

  監督:諸田 敏
  脚本:今井詔二
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 レンゲルに封印されてスパイダーアンデッドの力を抑えこもうとする嶋=タランチュラアンデッド。しかし、その嶋の意図を知った剣崎はジャックフォームに変身。レンゲルの変身を解除させてしまった。
 敵はベッカーアンデッド(ダイヤの4)。都合良く望美を襲い、嶋に利用される…あら?。ギャレンにより散々痛めつけられた後、カリスによりダイヤの4に封印される。
 睦月=レンゲルを中心とした話で、バランスとしては結構良し。ただ、その分他のキャラは割を食い、特にブレイドなんかは殆ど存在価値無し。まあ、物語上、これはこれで良いんだろう。結果的に自ら封印させることによってレンゲルのカードとなった嶋も、今のところ単なる犬死に。
 ここ何話か嶋が入ってきてから急に話に締まりが出てきたが、本作もそういう意味では大変バランスが取れた話。思うのだが、この作品には、これまで誰一人“大人”と呼べる人がいなかったのが最大の問題点だったのではないだろうか?歳食った人間は何人か出てくるものの、それが物語を引き締めるどころか混乱させているばかり。仮に最初から嶋のような超然とした、話をコントロールできる人間が一人いるだけで、多分本作はここまで酷くならなかっただろう(前作「555」がどうしても好きになれなかったのはそれも理由か?)やはり始を「ジョーカー」と呼びかける嶋。始の正体が徐々に分かってきた。
<レンゲルの力を抑えられるのは嶋がレンゲルに取り込まれるしかないというのに、それを拒否する剣崎。ちょっとした優しさが話をややこしくする良い例。
 ペッカーアンデッドは嶋のリクエストに応じるかのように、実に都合良く出てきてる。実は嶋の仲間だったりして…と言うか、以降の話には下級アンデッドはみんなこういう都合の良い出し方だけだ。>
第29話 2人のカリス

  監督:諸田 敏
  脚本:井上敏樹
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 タランチュラアンデッドをクローバーのKとして封印したレンゲルだが、何も変わることなく剣崎らの前から姿を消した。一方、現れたサーペントアンデッドとトータスアンデッドと戦った始は記憶をなくしてしまい、町をさまようのだが、その始が町中でたこ焼きを焼く了という自分そっくりの男を見かける。浮気な了は恋人の未知から逃げるため始に身代わりを頼むのだった。
 敵はサーペントアンデッドトータスアンデッド。トータスアンデッドはサーペントの配下らしい。今回は顔見せのみ。
 オープニング部分まではハードな展開だったのに、本編に入ったらいきなりギャグに走ってる。一話くらいそう言うのがあっても良いんだろうけど、しゃべり方がみんな下手くそだから、軽快なテンポからはほど遠く、見ていて寒すぎでいたたまれなくなるだけ。よくもこんなの作ったもんだ。一種の名人芸と言っても良い…と思ったら、やっぱり脚本は井上敏樹か
 しかも相変わらず天音というガキのおませぶりといやらしさぶりは群を抜き、こんな可愛くないガキを出すこと自体、失敗じゃないのか?
 なんというか、ツッコミを入れる気力さえなくしてしまうほどの素晴らしい話だ。
VOL.8
<A> <楽>
第30話 失われた記憶

  監督:諸田 敏
  脚本:井上敏樹
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 そっくりさんの了と身柄を交換した始。了は性格の軽い良い奴として受け入れられるが、アンデッドを前に怯えるばかり。一方の始は了の替わりにたこ焼き屋の屋台を始めてしまう。
 敵は前回に続き、サーペントアンデッドトータスアンデッド。サーペントアンデッドはカリスによって封印されるが、何故かダイヤのQに変化する。それとトータスアンデッドはジャックフォームに変身したギャレンによりダイヤの7に封印される。
 ギャグもの第2弾。この外しっぷりはいっそ見事と言うべきで、カテゴリーQという上級アンデッドとの戦いまでギャグになってしまってる。鯛焼きの鉄板で殴られて、「熱い熱い」って…笑えねえ。
 多分「ジョーカー」と呼ばれた始の決意を語る話だったんだろうが、なんだったんだろう?この外しまくった展開ぶりは。
 とりあえず始役の森本亮二がこんな明るい顔も出来ると言うことが分かったくらいか?
<たこ焼きやから鯛焼きやに華麗な(?)転身を遂げた了が自らの力を示すために着込んだスーツ。どーでもいいが、ここまで見事に滑ったことをやらせると、ツッコミも入れたくなくなる。
 ここはこんな話ではなく、どうせトランプの話だ。いっそビッグワンを出せば良かったんだ。>
第31話 53番目の存在

  監督:長石多可男
  脚本:會川 昇
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 カテゴリーAに乗っ取られ、街を徘徊する睦月の前に不思議な少年が現れ、レンゲルとなって暴れる睦月の姿を写真に撮り、それをホームページにアップロードするのだった。仮面ライダーが悪者にされてしまっているそのサイトを見つけた栞と虎太郎は、そのサイトを突き止め、少年を問いつめるのだが、そこに少年の配下のスカラベアンデッドが現れ…
 敵は正体を現さない少年と、スカラベアンデッド(スペードの10)。スカラベアンデッドは時を止める力を持つらしい。そして最後に登場する改造実験体トライアルD。カードを吸収する能力を持つ。ここではお目見え程度。
 話は又しても睦月に戻り、更に始の正体へと話は展開していく。
 話自体はまとまっているので悪くない。現れた少年は始のことをジョーカーと呼び、自らをこのバトルを陰から見守る残酷な殺し屋と称する。
<とりあえずツッコミ部分はないんだが、やっぱり物語自体が暗すぎる。朝に放映する内容じゃないよ。>
第32話 破壊者の秘密

  監督:長石多可男
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 封印することが出来ない新たな敵トライアルDを前に戸惑うブレイド。ギャレンを目にしたそれは「お前ではない」との言葉を残し、溶け去ってしまった。一方、謎の少年に拉致された始は、散々スカラベアンデッドによっていたぶられ、ジョーカーとしての本性を現すように強要されることになる。ジョーカーとは?そして始の持つさらなる秘密とは…
 登場するのは前回に続きスカラベアンデッドトライアルD。スカラベアンデッドは時を止めるという大技を使えるアンデッドだが、その影響を受けない特殊な物体がある(原理は不明)ため、それを利用してブレイドが封印に成功する。更にここでヒューマンアンデッドなるもの(ハートの2)の存在が明らかになる。実はジョーカーであった始はこのアンデッドを最初に封印したため、その力を用いることで人間の姿になる事が出来ると言うことが分かる。
 謎の一端が分かってきたため、話に弾みはついてきた感じ。バトルファイトにおけるジョーカーの役割とか、何故ジョーカーである始が人の姿を取っているのかとか、ここでようやくその説明がきちんと入ってきたってところか?まだまだ謎はあるようだが、ここまで引っ張った分、始の正体はかなり深刻なものになってきた。
 それと、栞の父親広瀬が登場。久々に春日純一が特撮に帰ってきた!って感じで、結構嬉しいけど、格好良い役じゃないのがちょっと寂しいか。これからの活躍に期待。
 ほったらかしにあってる睦月が放っておかれるのはともかく(笑)
<執念をもってトライアルシリーズを作り上げてる広瀬の描写は、普段物静かなのに、まるで取り憑かれたような目を時々して、すぐにキレる。まんま典型的なオタクっぽくないか?
 本作の特徴としてライダー同士が延々と戦うってのがあるが、今回久々にブレイドとギャレンが激突。橘は世を拗ねた格好してる割に人の言うことを信じやすく、剣崎を助けるためという理由を付けてブレイドを攻撃する。こいつ無茶苦茶アブねえ。しかも今回はお互いがジャックフォームとなっての戦いになってるので、攻撃力も半端じゃないし。>
第33話 狙われた剣崎

  監督:息邦夫
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 広瀬から始がバトルファイトにおける最も危険なジョーカーであることを告げられた橘=ギャレンはジャックフォームとなって始を襲う。一方、その始を守ろうとする剣崎=ブレイドもジャックフォームに変身。ギャレンを圧倒してしまう。同じ力を持つはずなのに、何故ブレイドの力は圧倒的なのか、その真実を橘は広瀬によって告げられる。一方、キングという少年によってカードを失った始は、ジョーカーに戻ろうとする自らの体をなんとか押さえ続けていたのだが…
 敵はコーカサスビートルアンデッド。31話から登場していたキングという少年がカテゴリーKとなった姿。そう言えばクローバーのカテゴリーAがスパイダーで、Kがタランチュラだったが、カテゴリーAとKは相関関係にあるのか?それと復活したトライアルDが再登場。
 話の方向性としては、始と橘が独自の物語を展開し、剣崎が二人のストーリーを橋渡しをしつつアンデッドと戦い、睦月は単にうろついてるだけ。と言う構図ができあがったが、始、橘の物語は共に大変重要なものとなっているので、この二つの話が並行して行われていくと、中心点が見えなくなっていく。更にここに来て全員の演技の下手さが表面化してしまい、お陰で大変気が削がれる。物語はどっちか一方に的を絞ってじっくり見せた方が良かったんじゃないか?話自体は悪くないんだから、もっと単純化すべきだったと思う。構成の問題だが、勿体ない話だ。
<トライアルDはアンデッド反応を持たないため、アンデッドサーチャーに引っかからず、栞と虎太郎は近くにトライアルDがいても気が付かない。しかし、探査機が家にあって、目視で発見しようと思えばすぐ近くでうろついているのだから、「いない」ことにこだわる理由がない。
 …それと、ジャックフォームになっても弱いギャレンは可哀想と言えばやっぱり可哀想な…>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 カテゴリーK

  監督:息邦夫
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 トライアルDにしつこく追いかけられる剣崎に、橘は周囲を巻き込まないために変身をするなと警告する。虎太朗と栞を巻き込まぬ為、二人にわざと冷たい態度を取り、剣崎は一人、旅に出る。一方始の前に睦月が現れ、ジョーカーを封印したいので、ジョーカーの本性を現すように強い、襲いかかってくるのだった。
 敵はコーカサスビートルアンデッドで、今回キングフォームに変身したブレイドによりようやくスペードのKに封印できた。
 最後の最後、最強のキングフォームに変身したブレイド。金色になるのは大体は最強の敵と決まってたが、今はヒーローが金色になるんだな。
 ここの所そこそこ物語は良かったと思ったのだが、妙にヘタレの物語が展開していく。ほとんど素人丸出しのしゃべり方と言い、演技の下手さと言い、ストーリー展開のいい加減さと言い、もはやスタッフのやる気そのものを疑うほどだ。
<人に優しい剣崎は、すぐに分かるぺらぺらの嘘をついてみんなから離れるし、人を信じやすい橘は広瀬パパの言ったことは全部信じて仲間を窮地に陥らせることを何とも思ってないし(それで自分勝手に自分が責任取ろうとするのも相変わらず)、睦月は冷静さがまるで似合ってないし、始は韜晦しっぱなし。なんというか、これってモロ鬱展開じゃないのか?
 金色に輝くキングフォームに変身するブレイドのモチベーションは剣崎の怒り。だがそれにしてもなんであの程度の怒りであんな力が出る?>
第35話 危険な変身!?

  監督:諸田敏
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 キングフォームへと変身したブレイドは見事トライアルDを倒した。モニターでそれを見ていた広瀬は13体のアンデッド全てと融合できる人間はおらず、剣崎はやがて人間を捨てジョーカーへと変化してしまうと橘に指摘する。やがて橘の戦闘能力を搭載されたトライアルEが完成する。一方、キングフォームへの変身への負荷から気を失ってしまった剣崎は羽美という少女に介抱されていた。しかし、身勝手な羽美に振り回されっぱなしの剣崎。一方、カリスのカードを解放し、ジョーカーと戦わせようとする睦月…
 敵はジェリーフィッシュアンデッド。水に同化して神出鬼没な登場するが、あっけなくレンゲルにクローバーの7に封印されてしまう。
 剣崎、橘、睦月、始(ついでに言うと栞も)共々に物語が展開し、内容も盛りだくさん。しかし、このシリーズは内容が盛りだくさんになればなるほどどうしようもなくなるのもいつものこと。もう何もかも中途半端に尽きる。でも、ようやくそれが本作の味だと思えるようになってきたかな?
<ここで羽美という少女が出てくる訳だが、とにかく振り回されっぱなしの剣崎。ここに来て個性の無さが浮き彫りになってしまった。>
第36話 最強フォーム

  監督:長石多可男
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 広瀬により更にパワーアップしたトライアルEに大苦戦するブレイド。ジャックフォームまでも破られてしまうが、羽美をかばいつつ、なんとか戦線離脱する。一方、なんとかカリスのカードを封印した始だったが、睦月の解放した多くのアンデッドに襲われることに。
 敵はトライアルEタイガーアンデッド。トライアルEはブレイドのジャックフォームを圧倒する力を持つが、キングフォームによって倒される。タイガーアンデッドの方は睦月にちょっかいかけるばかりで直接何にもしてないけど。
 話は羽美を庇う剣崎が主軸となっているが、とにかく我が儘な羽美に振り回されっぱなしの剣崎の言動がとにかく恥ずかしい。よくこんな物語を作ろうと思ったもんだ。
「俺が人間を一人残らず守るって決めたんだ」と豪語する剣崎。おお、格好良い台詞だ。さすがこれまでに何人もの人間を目の前で殺されてきただけのことはある…あれ?更に散々騙されていたのに、怒ることもなく、つきあおうとする剣崎には頭が下がるよ。バカとしか思えないと言う意味で。
 関係ないけど、これまで散々「虎太郎虎太郎」とバカにしてきた栞が「白井君」になってるのも何か変。
 タイガーアンデッドはこれまで「バトルロワイヤル」と言われていたのを「バトルファイト」に言い直してるけど、別にどっちでも構わないのかな?>
第37話 新たな運命へ

  監督:長石多可男
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 カードを失ったことにより人間の心を失い暴走するジョーカー。キングフォームへ変身したブレイドはやむなくジョーカーとの戦いを始めてしまうが、そこに割って入ったタイガーアンデッドにより痛み分け。しかし光と言う女性の姿になったタイガーアンデッドは始がジョーカーの本性を現し始めたのは剣崎のキングフォームのためだと言う。烏丸から連絡を受けた栞から始にジョーカーの力を押さえさせるためには13枚のカードを揃える事が重要である事を聞かされ、カードを持つ睦月に会いに行くのだが…
 敵はタイガーアンデッドトライアルF。タイガーアンデッドはアドヴァイスをするだけだが、トライアルFは広瀬がハートのKを用いて作ったブレイド捕獲用の実験体。
 始を人間に戻すための戦いが描かれる。そのために剣崎は睦月にラウズアブゾーバーを手渡し、橘に広瀬の元に行くことを約束する。始を完全に中心にしたお陰で展開がストレートな話になってたから、話としては充分面白い。外れ続きの本作にしては珍しい。
 現時点では広瀬は橘やトライアルシリーズに剣崎を捕獲させようとしてるのかが分からないが、あんなお人好しなんだから、一言「ちょっと話があるのだが」と言えばついてくると思うのだが。
 それと始が13枚のカードを揃え、ワイルドカリスへと変身した。
<結構まともに仕上がった話だったが、相変わらず何の役にも立たないどころか迷惑ばかりかけてる橘。彼の存在はどんどん可哀想になっていく。>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 運命を掴む者

  監督:長石多可男
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 始は剣崎の持ってきたカードとKのカードを用いることにより、ワイルドカリスへと変身することが出来た。凄まじい力を発揮し、トライアルFを撃破するカリス。だが、それをカリスが剣崎を襲おうとしていると勘違いした橘はギャレンに変身。カリスに銃弾を浴びせて剣崎を保護する。そして橘は、キングフォームに変身し続けると新たなるジョーカーになってしまうと剣崎に告げる。
 今回は敵が出てこず、ライダー同士の戦いばかりが描かれる(冒頭の回想シーンでこれまで出てきたアンデッドが大挙して出てくるが)。
 キングフォームとなったブレイドがついに暴走。「うはははは」と笑いながら他のライダーに攻撃を加える姿は笑えるぞ。これで…しかし、最後で正気付かせるとは脚本家は分かっちゃいないな。ここでブレイドの暴走ぶりをもっと長く描いて、最強のヘタレヒーローにすべきだったのに。
<これで剣崎も立派な完全発狂した珍しいヒーローの仲間入りとなった(私が知る限りレインボーマンとサンダーマスクくらいしかいない)。
 それにしても凄いのは橘のヘタレぶり。間違った情報を鵜呑みにして、結果的に全員を危機に陥れてしまう。どうせ馬鹿な話だからと思うなら、この橘という男、実に味があるぞ。「橘さんですから」
 天王路役はなんと森次晃嗣。かつてのゴーグルブラックとウルトラセブンの競演だ。ただし、二人とも悪役として(笑)>
第39話 再会…父と娘

  監督:石田秀範
  脚本:宮下隼一
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 広瀬の前に現れた天王寺は広瀬に対し「トライアルB」と呼びかけ、広瀬は自分の身に起こっていることに愕然とする。広瀬の暴走を娘である栞には隠し通そうとする剣崎と橘だったが…
 敵は広瀬が変身したトライアルB。実は広瀬本人で、トライアルシリーズでは初期ヴァージョンのはずなのに、レンゲルと戦った際は完全に圧倒。えらい強い。
 ジョーカーの力を押さえ込む事に成功した始は天音に振り回され、橘は相変わらず全然使えず、どう見ても誰も成長してるように見えないのが本作の味噌。
<ブレイドとギャレンがトライアルBに向かってどつきまくりながら、そいつが広瀬だと分かった途端、その話を理解しようとするヘタレさが橘の売りだ。ヒーローにあるまじき姿だな。まあどうせ「橘さんですから」
第40話 過去との決別

  監督:石田秀範
  脚本:宮下隼一
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 ブレイドとギャレンに加え、レンゲルの攻撃を受けて撤退するトライアルB。トライアルBは栞が保存していた記憶映像を利用して、父になりすましていたらしい事が分かり、ショックを抑えられない栞。一方天王路は独自にレンゲルの能力を付加したトライアルGを開発。自分自身のことを知ったトライアルBにぶつけるのだった…
 敵はトライアルG。レンゲルのコピーで、これまでのトライアルシリーズの中では最も強い。結局四人ライダー全員の攻撃を喰って死亡する。
 話そのものはさほど破綻してないし、親子の情を前面に出した話として、悪くはない。ただ、設定的にいくつか難がある。
 それにしても父親の姿をしてるのをあそこまで栞に拒否させるのはどう見ても演出過剰。観てる子供にトラウマを残すだろう。ますます性格の悪くなっていく天音にもげんなり。
<栞のもっていた記憶のデータは広瀬本人のものだったが、何故か広瀬本人が映っている。
 トライアルBは他のトライアルシリーズとは違い、爆発せずに消滅する。
 ライダーの中では最弱のレンゲルをコピーしたトライアルGが強すぎるとか、これまで散々暴走に苦しんでいたキングフォームにブレイドがあっさり変身する。>
第41話 強くなりたい

  監督:鈴村展弘
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 タイガーアンデッドこと光は1万年前のバトルロワイヤルの過去の記憶に引きずられていた。そんな時、彼女の前にカテゴリーKのギラファアンデッドが現れる。手を組めと申し出るギラファに対して光は果敢に戦いを挑んでいく。一方、残ったカードが4枚となり、これからの事を話し合う剣崎らだったが、話題はどうしても睦月とジョーカーである始のことだった…
 敵はギラファアンデッド。ギラファノコギリクワガタの始祖だそうだが、そんなマイナーな昆虫を出すとは(カテゴリーKはAに準じたものである必要があるからだろうけど)。極端に強い。
 オープニングから一万年前のバトルロワイヤル(バトルファイト)の光景が映し出される。全アンデッドが戦っている姿はなかなか壮観。
 おお、珍しくギャレンがアンデッドと戦ってるじゃないか。珍しいものを見せてもらった(笑)。で、タイガーアンデッドにあっけなく負けて、結局いつものように他のライダーを攻撃する。流石「橘さんですから」
 ん?今回妙に文句言う事がないぞ。物語が悪くないからか。
VOL.11
<A> <楽>
第42話 レンゲル復活

  監督:鈴村展弘
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 天王路がタイガーアンデッド光の前に出したもの。それはバトルファイトのマスターと言われる封印の石だった。そもそもアンデッドがアンデッドを倒せば、その石が敗者を封印することになっていたものだったのだが、何故それがここにあるのか。一方、天王路の放ったティターンの毒をくらった睦月は身体の中のスパイダーアンデッドの力が増大し、その暴走を抑えきれずにいた。
 今回はティターンタイガーアンデッドスパイダーアンデッドギラファアンデッド、タランチュラアンデッドと随分良く出てくるけど、具体的に敵と言えるのがあるかどうか?結果的に睦月がスパイダーアンデッドを再度封印することで決着。ここでやっとレンゲルは本当のライダーになったと言うことらしい。それにしても話自体は長々と続いた割にレンゲルの存在意義が軽すぎる気がする。
<「ライダーにアンデッドを封印させ、その後ライダーに同士討ちをさせる。お前の目的はなんだ?」と叫ぶ光。え?違うだろ?アンデッドを封印する前に同士討ちを散々やってきてただろ?
 コテコテの展開だが物語自身悪くない。最終回近くになってようやくまともになったか?とはいえ、朝っぱらから「くたばれ」とか叫ばせないでほしい。>
第43話 敵か味方か?

  監督:長石多可男
  脚本:井上敏樹
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 レンゲルが仮面ライダーとして覚醒し、残りのアンデッドも三体となった。だが、天王路が作られたティターンが暗躍していた。ギラファアンデッドと戦ったティターンはブレイドとギャレンに襲いかかってくる。その触手の攻撃を受けた剣崎は様子がおかしくなるのだが…
 敵は前回に続きティターンギラファアンデッド。ティターンは触手で捕らえた人間に変身できるらしい。
 ようやく睦月が覚醒して、ようやく四人のライダーが揃った。ここで話は新展開に移る。それはなんと、ライダー同士の戦いが描かれる…って何にも変わってないんじゃないか?
<剣崎や橘が狂い出させてライダー同士を疑心暗鬼に陥らせるのだが、今まで散々やっていてはまっているため、違和感が全然無い。これも本シリーズの実力だ。
 ライダー同士の内輪もめを画策すれば、必ずその手に乗って戦ってしまう。この作品の特徴なんだな。結局最初から最後までライダーが戦ってしまうわけか。>
第44話 フォーカード

  監督:長石多可男
  脚本:井上敏樹
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 剣崎と橘がアンデッドに支配されていると思いこんだ始めと睦月は仮面ライダーに変身し、二人に襲いかかる。変身しながらも無抵抗のブレイドとギャレンにいぶかった始は二人を監視下に置くことを提案する。しかし、剣崎は始から逃れ、直後に剣崎が始を襲う…
 敵は前回に続きティターン。これは天王路がスコーピオンアンデッドとカメレオンアンデッドの二体のアンデッドを合成して作り上げた合成アンデッドであることが分かる。自在に姿を変えることが出来る。
 仲間割れを誘うティターンと、それを知って逆にティターンを罠にはめる四人のライダーの姿が描かれる話。
 それにしてもギャレンの銃がアンデッドを撃つより他のライダーを撃つ割合の方が遙かに高いってのは問題あるんじゃないか?とはいえ、やっぱり「橘さんですから」としか言えないか。メリケンサックをはめて剣崎を襲うニセ始の笑顔が完全にイッチまってて、なかなかよろしい。
<カリスの攻撃を受け、無抵抗で変身を解除する剣崎と、攻撃されたら“とりあえず”相手を撃ってしまう橘。二人の性格の違いがよく分かる。
 おお、橘が初めて自分自身の弱さを認める発言をした…「情けないよ。俺は」…うん。よく分かってる。でも、これって自分が本物だと主張するためだから、逆に怪しいんだけど…>
第45話 新たなカード

  監督:諸田敏
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 アンデッドも残り一体となった。だが、天王路はモノリスに5枚目のエースのカードを投げつけ、新しいアンデッドであるケルベロスの誕生を宣言する。ケルベロスは手始めに始の前に現れ、変身したカリスを圧倒。すべてのカードを奪ってしまう。そしてすべてのカードを奪われ、ジョーカーに戻ってしまった始に呼応し、剣崎までもが苦しみ始めるのだった。
 敵はケルベロス。天王路が全てのアンデッドの細胞を融合して造り上げた究極のアンデッドで、極端な力を有するのみならず、アンデッドを封印窮する能力を持つ。
 いよいよラストに向けて疾走するストーリー。あれ?意外に面白いぞ(笑)
 そもそも剣崎達の上司だったはずだが、天王路がふてぶてしく悪役になりきってるのが良い。流石モロボシ・ダン…(違う!)
 そう言えば剣崎役の椿孝之は随分滑舌が良くなったね。
<ボードが潰れても相変わらず給料は剣崎と橘に振り込まれていたことが分かる。ボードに上部組織があることがここで発覚するが、そうすると、天王路がこれまで剣崎達の給料払ってたってことになるんだな。
 ところであれだけ一生懸命働き、家賃まで踏み倒してる(?)剣崎って、全然金遣う暇なさそうなのに預金の残額が全然残ってないってのはどういう事だ?>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 支配者の封印

  監督:諸田敏
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 ケルベロスを粉砕しカリスのカードを取り戻した四人のライダーの前に姿を現した天王路。彼はケルベロスをカードに変え、自らそのカードを取り込んでケルベロスIIへと変身。ケルベロスのカードを奪いに来たギラファアンデッドを圧倒する。
 敵はケルベロスII。ケルベロスとは異なり、天王路が変身する。ケルベロスよりも攻撃力は増しているらしく、両肩の狼の口から炎が出せるようになった。
 天王路の真の目的がここではっきりする。ボードを作ったのも、広瀬にアンデッドを開放させたのも、全ては自らがバトルファイトの勝利者となり、全人類を消し去って、新しい人類を創成するためだったという。いいのか?ウルトラセブン…(だから違う!)
 ケルベロスIIはレンゲル、ブレイド、カリスの連続攻撃を喰って撃破されるが、ギャレンだけは何にもしてない…かわいそうな橘さんだが、次回に見所が待ってるから良しか。
<ケルベロスIIは胸から天王路の顔が覗いている。まるで森次晃嗣のデスマスクみたいで、これが恐ろしく不気味だ。
 そう言えば前回で随分滑舌が良くなったと思ったのだが、今回又オンドゥル語に戻ってるよ。>
第47話 ギャレン消滅

  監督:諸田敏
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 天王路を倒したライダー達。残りのアンデッドは始のジョーカーと、金居のギラファアンデッドのみ。始は天音との今の生活を続けたいと、現れた金居に対してこのまま戦いを止めることを提案する。だが、ケルベロスのカードを手に入れたことでジョーカーを封印できるようになった金居はいよいよ自分自身がバトルファイトでの商社となるべく、カリスとの対決を強いるのだった。
 敵はギラファアンデッド。アンデッドの中では一番真実に近づいていたため、ここまでは完全静観。ここで通常のバトルファイトに変わったことを確信して本性を現す。
 すべての元凶である天王路を倒して終わり。とはいかなかったようだ。これからジョーカーの存在意義が語られるようになる。バトルファイトでジョーカーが生き残ったら否応もなく人類は全滅すると言うことで、始はギラファと戦えなくなってしまった。
<ヒューマンアンデッドを解放した上でジョーカーを封印しようと提案する橘。それは実際一番理性的な方法には違いない。だが、ちょっと考えてみると、二体以上のアンデッドがいれば現状維持で、更に解放することが可能というのなら、これまで封印したアンデッドの中から人間に対し友好な、例えばクローバーのKの嶋あたりを解放してやれば済んでしまうような気もする。つーか、ここでそんなちゃぶ台ひっくり返しのような設定を出すな。
 仮面が剥がれ、人間の顔を覗かせるギャレン。前にも確かやったんだけど、戦隊ものじゃなくて仮面ライダーであったら、それはやってほしくなかった。>
第48話 滅びへの序章

  監督:鈴村展弘
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 ジョーカーがバトルファイトの勝利者となったため、全人類の抹殺が決定されてしまった。人類を滅亡させるために生まれ、次々と現れるダークローチを倒し続けるブレードとレンゲル。しかしジョーカーがいる限り、ダークローチは次々と現れ続けるのだ。それを知った睦月は猛然と発見されたジョーカーに向かっていくが、どうしてもそれが出来ない剣崎は…
 ラス前。ジョーカー以外全てのアンデッドを封印したはずのライダー達の前に全てを滅ぼすべくダークローチが現れる話で、消えること無いダークローチの出現をいかに消し去るべきか、その知恵が描かれる話。
 さすがにラストストーリーだけあって盛り上がってくる。ダークローチ一体一体は弱いけど、数が多すぎるため、残った二人のライダーは絶望的な戦いを強いられることになる。
 盛り上がり方はなかなか。さほどツッコむべき部分も多くはない。しかし、そんなことは枝葉末節。最後の盛り上がりを楽しむことが重要だ。
<ダークローチは「全ての生物を殺す」と言いつつ、人間しか狙ってないようだけど。>
第49話 永遠の切り札

  監督:長石多可男
  脚本:會川昇
  アクション監督:宮崎剛
  特撮監督:佛田洋
 戦いに傷ついた睦月は入院。残った剣崎はまるで取り憑かれたようにダークローチと戦い続けていた。一方の始は、ジョーカーの力の暴走を起こし、ダークローチを次々に生み出していたが、自分を封印してくれるのは剣崎だけだと、ひたすら待ち続ける。そしてついに対峙するブレイドキングフォームとワイルドカリス…
 敵はダークローチ。本当にゴキブリのようにわらわらと出てくるこいつらと延々戦い続ける。
 散々悪口を言い続けてきたが(笑)、これで最終回。世界を救いたいが、始を封印したくないという剣崎と、逆に世界を救うために自ら封印されようとする始との戦いが描かれる。
 アンデッドが二体いる限り、バトルファイトは終わらない。最終的に剣崎が選んだのは、自分自身がもう一体のジョーカーとなる事で、バトルファイトを続け、その結果として世界を救うとするもの。最後はこれからのバトルファイトを続けぬため、剣崎は一人去っていく。
<最終回だけに久々に烏丸所長が登場。チベットに行ってたそうだが、そこで何をしていたのか、結局何も分からず、ただ剣崎が何をしようとしているのかの説明のためだけに出てきたようだ。又、橘も復活したが、だったら何のためにギラファと相打ちのような演出をしたのか?結局変身もしないまま終わってしまうし。>
 …と、最後くらいは文句言わないつもりだったんだが…