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仮面ライダーBLACKSUN事典 | |
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書籍 |
主な登場人物 | |
話数 | タイトル | コメント | DVD | ||||
第1話 | 第1話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
過去怪奇日蝕の日に二人の少年南光太郎と秋月信彦という少年の体に聖なる石が埋め込まれた。それから数十年。世界には怪人と呼ばれるようになったミュータントが生まれるようになり、それら怪人を排除しようとする勢力と怪人のと共存を望む勢力とで争いが起こっていた。そんな時、差別を無くそうと主張する少女和泉葵が現れ、国連でスピーチを行った。 敵はクモ怪人。三神官から派遣され、和泉葵を拉致するために現れた。先に葵に接触していた南光太郎によってバラバラにされてしまう。 「仮面ライダーBLACK」から35年。リメイクとして作られた本作は、大きく様相を変え、社会的な問題を浮き彫りにする作品として作られることになった。 この社会では人間に擬態できる怪人が差別の対象となってる社会で、怪人をミュータントと考えるなら設定自体は「X-MEN」の世界観に似ている。この世界では怪人を排除しようとする勢力と、怪人と共存しようとする勢力が存在するが、更にその裏には怪人を優性人種として世界に君臨する勢力が要ることが分かり、日本の首相はそれらの勢力を上手く渡り歩いて自分の勢力を作り上げている。 そんな中であまり褒められない何でも屋として生きてきた主人公の南光太郎が和泉葵という少女と出会ったことで話は始まっていく。彼女との出会いが何を意味するのかは不明だが、彼女を狙ってやってきた怪人を圧倒的な力で倒して見せた。 そして一方、同じ聖なる石を埋め込まれた秋月信彦は、ずっと長い間囚われの身のまま過ごしていたが、光太郎の目覚めと共にその力を取り戻し、その縄目を解き放って外界へ出て行き、光太郎の前に姿を現す。 日本首相としてルー大柴が起用されているが、その立ち居振る舞いはどこかで見た首相の姿に重なっている。表向き人間と怪人の共生を謳ってはいるが、その背後で怪人の始祖である創世王を徹底的に利用しようとしていた。 監督が白石和彌だけに残酷描写も多々。なんか表現自体は「真・仮面ライダー」っぽさもあり。怪人の内臓を引きずり出すとかの描写は、ちょっと勘弁して欲しい。 |
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第2話 | 第2話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
成り行きで葵を自分の家であるトレーラーハウスに保護した光太郎。お互い胡散臭いものを感じながらもどうしようもなく惹かれ合う二人。一方ゴルゴムから逃げ出した明彦は50年前の思い出が詰まった怪獣解放活動のアジトにやってきて、一人で活動を開始していた。 敵はアネモネ怪人。和泉葵を拉致するために派遣された怪人だが、結界を張ってBLACKSUNの変身を防いだ。人質を無視して突っ込む明彦のSHADOWMOONにあっけなく両断された。 現在の出来事では、光太郎が葵を気に掛けてつかず離れずで見守っているが、そんな光太郎を信彦が見張っていて、敵が現れると二人が別々に変身して戦ってる。信彦の目的は創世王を倒すことだとのことだが、創世王とは1話に登場した骸のような存在だったが、それが垂れ流すエキスは怪人にとっては麻薬に、人間にとっては人間を好きな怪人に改造できる変身薬にもなる。今更倒して何の意味があるのかという気もするが、それがこの物語の一つの焦点か。 そんな創世王のエキスを使ってぼろ儲けしながら、怪人差別を糾弾する首相もおり、小悪人っぷりを見せつけてる。ルー大柴はぴったりだ。 そして今から50年前に起こった出来事が描かれる。光太郎と信彦は双方自分が怪人である事を自覚しており、そこで怪人解放のための運動に引きずり込まれてしまう。 1972年。実際の時代では浅間山荘事件が起こった時の並行世界で、ここでも学生運動が華やか。と言っても実際には差別を受ける怪人に人権をという運動になってるけど。ガリ版切ったり火炎瓶作ったりゲバ文字で立て看作ったりと、まあこの時代知ってる人にはにやりとする描写が満載。白石監督はこの時代に結構思い入れあるようなので、結構描写がねちっこい。ちなみに1972年は「仮面ライダー」が放映された年でもある。 |
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第3話 | 第3話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
何者かに命を狙われている葵を守ることになった光太郎。だが葵は人間と怪人の共生という自分の主張を曲げようとはせず、積極的にデモ隊に参加し、命を狙われ続ける。そんな中、突然怪人の味方として自分を主張する秋月信彦。そして1972年では、総理の孫を誘拐した五流護六党が総理と交渉を始め、怪人による政党を作ることとなった。 敵はクジラ怪人。光太郎とは旧知の仲の怪人で五流護六の一員。光太郎がキングストーンを持つ事を知った三神官から、キングストーンを奪うよう命じられてやってくるが、殴り合ってる内に葵の仲裁を受けて去って行く。 2022年と1972年の二つの時代で並行して物語は展開中。現代では葵を狙う何者かから葵を守る光太郎と、何かを心に秘めつつ光太郎を見守っている信彦の構図。ただ信彦は怪人の権利主張のために戦う事をアピールし始めた。 1972年では過激派組織として立ち上がった五流護六が現首相に丸め込まれてしまい、過激派と現状維持派の二つに分裂することが描かれていた。 クジラ怪人役は濱田岳だが、光太郎の西島秀俊と殴り合いをしてる。人間体でやってるとなかなか豪華なシーンだ。 <国会で総理と幹事長との会話は、数年前の国会で良く見た姿だった。間違いなく意識してる。> |
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第4話 | 第4話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
かつての五流護六の再建を志す信彦は創世王復活の鍵となるキングストーンを求めていた。葵がキングストーンを持っていると知り、光太郎の元を訪れた。そんな時、父が帰国したと聞き、急いで父の元へ向かう葵だが… 敵はカニ怪人。拉致された葵の父英夫がヘブンを与えられて怪人化した姿。洗脳を受けて葵をおそう。 2022年と1972年の双方で物語は展開していく。2022年のものは、葵が聖なる石を持っていると推測して彼女を狙う五流護六と秋月信彦。そして彼らから彼女を守ろうとする光太郎の姿がメイン。 1972年では、ダロム達によって変質してしまった五流護六から離れた信彦と光太郎が、本来の怪人を守る組織を作ろうとする話となる。これは1968年を境に左派が分裂したことを念頭に描かれたものだろう。1972年の山中の訓練の様子は連合赤軍の手記にあるものとよく似ている。確実にその影響あるだろうけど。 創世王を復活させるためには二つの聖なる石が必要だが、信彦のものは奪われてしまってないらしい。ただし、ダロム達も信彦の聖なる石がどこにあるのかは知らない。ではもう一つを光太郎が持っている事を把握してないのかどうか。ただ光太郎と信彦を放置している理由はよく分からないが、創世王を復活させる気がないようにも見える。 話があんまり展開せず間延びしてため、観てて苛々するところもあり。もうちょっとソリッドに展開してほしいものだ。 <葵の父が怪人だと気づいたのは、洗濯物に泡が付いていたことからだった。いつそんなもの付けた?そもそもその時点で分かるんじゃないのか? 葵の父は改造手術を受けてカニ怪人になってしまったのだが、カニを示すためにがに股で移動してる。流石にそれはないだろう。 カニ怪人は倒された際、泡になって消えてしまったが、腕だけは残った。なんで残る?メカニズムが分からない。> |
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第5話 | 第5話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
光太郎の元から葵が姿を消した。そこに現れた信彦から、葵の母莉乃の居場所が分かり、そこに向かっていると聞かされ、さらにそこは光太郎と信彦にキングストーンが埋め込まれた場所だと知らされる。二人でそこに向かったところ、そこにはビルゲニアによって怪人にされそうになっている葵の姿だった。 敵はカマキリ怪人。創世王のエキスを注入された葵が変身させられた怪人。そしてビルゲニア。ブラックサンの怒りの攻撃で腕を切り落とされた。 これまで関わりを持たなかったビルゲニアとの戦いが展開する。1972年の描写では、ビルゲニアは、三神官によって変質してしまった五流護六から創世王を保護するために光太郎と信彦と共に山中に籠もるが、光太郎が創世王を殺そうとしていることを知って堂波と手を組んだ。五流護六とは一度袂を分かったはずが、その後五流護六とは違った形で堂波首相の私兵として働くようになった。 ただ心から堂波にしたがっているわけではなく、独自の活動も行っていた。創世王のエキスを使って人間を怪人化させることくらいだったようだが、その活動を通して聖なる石を自分のものにしようとしていた。罠を張って葵をおびき寄せ、聖なる石を奪ことに成功してる。それらも全て堂波の手のひらの上だったようだが。 光太郎と信彦が持っていた聖なる石がどうなったかというと、1972年時点で二人はそれを体から取りだして手元に持っていたが、それを五流護六の同志新城ゆかりに渡している。その内の一つがどういう理由か葵の手元にあった。 葵が怪人化させられたことで激しい怒りを覚えた光太郎は、自らの肉体をパワーアップさせ、これまでのバッタ怪人からもう一歩進めて仮面ライダーBLACKSUNへと進化する。 <光太郎の家というかトレーラーハウスで寝泊まりしている葵がいなくなったのを全く気づかず、あまつさえ遠く離れた場所に行くことも知らなかったという光太郎。感知能力弱すぎだろ。もうちょっと説得力持たせろよ。> |
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第6話 | 第6話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
五流護六に聖なる石が二つ揃ったことで、三神官がそれぞれ次期創世王になろうとするのだが、石に拒絶されてしまい、誰も次期創世王とはなれなかった。その聖なる石を取り戻すべく、信彦の配下の怪人達は五流護六への襲撃を行う。それに乗じて光太郎も五流護六に捕らわれている葵を救いにくる。 敵はダロムとビシュム。 前回で聖なる石が二つとも五流護六のものとなったが、三神官の力を持ってしても誰も創世王にはなれなかった。次期創世王となれるのはBLACKSUNとSHADOWMOONしかいないと結論づけられた。そこでダロムは光太郎に創世王となってくれるよう頭を下げる。 本来怪人を守るために権力と結んだダロムの苦悩も描かれる。怪人を守ることが、いつの間にか人身御供として政府に怪人を差し出すようになってしまい、それを止める事が出来なくなっている。五流護六の変質を一番知っているのがダロム。しかし光太郎からそれを指摘されても、自分は変わってないと言い張るダロムの姿は、まさに政治家そのものだ。 一方、カマキリ怪人にされてしまった葵は、光太郎の導きで脱出し、友だちの小松の元へと向かうが、これまでのような対話とデモではなく、より過激に差別主義者を排除する方向へと向かっていく。 <葵が変身するカマキリ怪人だが、腕の描写がどうも不自然で邪魔っ気だ。同じくビシュムの羽根も不自然。もう少し描写を丁寧にして欲しいもんだ。> |
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第7話 | 第7話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
創世王を滅ぼすべく、その骸の前に立つ光太郎。それは1972年に一度失敗したことのやり直しで、創世王の心臓を奪い取ったが、自身も瀕死の重傷を負ってしまう。 創世王の前に立つ光太郎。回想を観る限り、これは三度目となるようだ。最初は何も知らない子どもの時代に信彦と一緒に。二度目は1972年に五流護六の主張に違和感を覚えた時に創世王を殺して全てを精算するため。そして今回はそのやり直しで、ついに創世王を殺す事に成功した。 堂波によって、怪人とは元々人間によって作られた個体である事が明かされた。しかしなんかそれは設定そのものがおかしい。あと、1972年で創世王を殺す事を主張して、ビルゲニアによって殺された新城ゆかりは、政府のスパイだったことも語られている。 葵とスズメ怪人の俊介は五流護六の基地から逃げ出すことは出来たが、俊介は反怪人同盟に見つかってリンチを受けて殺されてしまった。そして葵は怪人を虐げる者すべてを殺すと息巻いている。 創世王は心臓を奪われて死んだはずだが、五流護六の連中はそれにあまりショックを受けてるように見えない。さてどうなるやら。 <聖なる石がないと創世王を殺せないとか言ってた気がするが、誰も彼も聖なる石なしで創世王に挑んでいるのは何故? 光太郎と信彦、葵と三人が全く別々に五流護六から逃げ出してるんだが、連携するでもなく、互いの混乱があるわけでもなく、全員独自に脱出してる。一緒にいる必要全く無いな。> |
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第8話 | 第8話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
日本政府に忠誠を尽くすダロムのやり方を否定し、怪人は闘争へと向かうべきと言う信彦の言葉に五流護六の怪人達も賛同し、新生五流護六の立ち上げを宣言する。そのため、創世王と作り出すために光太郎の持つ聖なる石を奪おうとする。現在の石の持ち主である葵はそれに激しく反発する。 これまで自らの去就を中途半端にしていた信彦がついに五流護六の頭主となり、怪人側に立って人類との戦いを決意した。信彦が五流護六を掌握する際、信彦に従うビシュムはダロムとバラオムを排除し、ビルゲニアを放逐している。 信彦の考えでは、光太郎を創世王にして自分はその力を利用して戦おうとするのだが、光太郎がそれを拒否したため、今度は葵を創世王にしようと考えている。いずれにせよこれで光太郎と信彦は完全に敵同士となった。 すったもんだがあったが、光太郎と信彦で聖なる石を一つずつ持つ事になり、この石を巡って争うことになった。光太郎の方は先の戦いで瀕死の重傷を負っており、今回のシャドームーンとの戦いで瀕死状態になった。それでクジラ怪人によって海に連れて行かれている。この展開は「仮面ライダーBLACK」のものと同じだ。 |
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第9話 | 第9話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
五流護六を手中に入れた信彦は堂波総理を呼び出した上で日本は怪人に服従するよう脅迫する。一方、瀕死の重傷を負った光太郎は献身的なクジラ怪人と葵によって見事復活を果たす。 光太郎のパワーアップした復活と、信彦との決着に向かうまで。仮面ライダーシリーズではパワーアップは定番。しかしこのパワーアップって命を削ることでもあった。 信彦は五流護六のトップとなり、日本政府とは袂を分かつことを決定する。彼の決意とは、これまでのように怪人が細々と生き残ることではなく、滅ぶことを前提に、人間に対して最後の戦いを始めようとしてるらしい。 葵は現時点では目的が同じなため、宿敵であるビルゲニアと行動を共にしており、秋月博士から怪人と創世王の真実を聞き及んでいた。 信彦の父である秋月博士によって創世王の真実が語られる。第二次大戦中に生体兵器開発中に突然現れた創世王は、全く自分の意思を持たずにヒートヘブンのエキスを出すだけの存在だが、そこに意思があったのかどうかが分からないと言う。そこで意思を持つ創世王となると信彦は宣言していた。そしてそんな信彦を止めるために光太郎は決戦を挑むことになる。 そしてラスト。光太郎の決意を知った葵は自身も命を賭けて世界に怪人の真実を伝えようとし、そんな葵を殺そうと派遣された政府の実働部隊とビルゲニアが戦い、最後はビルゲニアも死を迎えた。 <部屋の外で総理のSPを惨殺するビシュムの光景があるが、吹き飛ぶちぎれた腕とかほとんどコメディの描写だった。> |
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第10話 | 最終話 脚本:高橋泉 監督:白石和彌 |
人類に対して宣戦布告した信彦を止めるために光太郎は一時的にパワーアップした自らの肉体を武器に五流護六本部へ乗り込む。創世王を巡って二人の後継者の戦いが始まる。 最終回。ブラックサンとシャドームーンの決着が描かれ、戦いの果てに二つのキングストーンは光太郎が手にすることになった。 ただし資格のあるものがキングストーンを二つ持つと言うことは、光太郎がそのまま創世王に変わっていくということだった。 そしてあらかじめ光太郎のアイコンタクトを理解していた葵は創世王を滅ぼすために活躍する。創世王は基本的に不死身で、それを殺すために必要なサタンサーベルを手にし、光太郎の元へと向かっていく。その際葵も変身ポーズを使って変身していた。 一方、前回国連で葵が明かしたように、日本政府が改人を作り出してきたということが明るみに出たことで堂波総理は窮地へと追い込まれる。そこで与党の重鎮は堂波を怪人に差し出して殺させてけじめをつけさせた。 そして新しくなった世界は、やはり怪人が蔑まれたままだが、葵を中心に少しずつ時代は変わっていくだろう事を予見させて物語は閉じられる。 オープニングが完全に「仮面ライダーBLACK」の構図のままだった。それで燃えるかどうかはともかくリスペクトは感じられる。「こうやったら受けますよ」というスタッフのサービスかもしれんが。 <根本的な問題としてサタンサーベルとはなんであるのかがあまりに急に説明されすぎ。もうちょっと伏線を張っていて欲しかったもんだ。> |
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