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精霊の守り人

精霊の守り人事典
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 2016'3'19〜4'9(1期)
2017'1'21〜3'25(2期)
2017'11'25〜2018'1'27(3期)

 児童文学にして和製ファンタジーの草分けとなる「守り人」シリーズの実写ドラマ化。これまでにマンガ化、アニメ化、ラジオドラマ化と数々のメディアに翻訳されてきたが、NHKにより満を持して投入された。三期にわたり丸二年以上の歳月をかけて映像化。

主な登場人物
バルサ (役)綾瀬はるか。
 短槍使いの女傭兵。チャグムの母から、水妖に取り憑かれた息子チャグムを守るよう依頼される。
チャグム (役)小林颯(少年期)、板垣瑞生(青年期)。
 新ヨゴ皇国第二皇太子。幼少時に水妖に取り憑かれたため、皇帝からは疎んじられていた。彼を救うために母の第二王妃はバルサを雇った。後に第一皇太子となったが、皇帝からは疎んじられたままで、危険な外交任務に付けられる。
タンダ (役)東出昌大。
 新ヨゴ国国境近くの山奥に住むバルサの古くからの知り合いの薬師。お互いに憎からず思っているが、バルサは恋愛よりも復讐の方を優先しているため、それを見守っている状態。
トロガイ (役)高島礼子。
 新ヨゴ皇国に住む呪術師で、意識をナユグに飛ばして様々な場所に霊体を飛ばすことが出来る。
シュガ (役)林遣都。
 新ヨゴ国の星読博士。将来の聖導師と目されているが、密かにヤクーの呪術なども学んでいる。
(役)藤原竜也。
 新ヨゴ皇国の皇帝。名前は不明。二ノ妃の子チャグムが水妖に取り憑かれたことからチャングムを殺す事を命じる。その後、チャグムを正式に跡継ぎに認めるのだが、非情な任務を次々に命じる。
ジグロ (役)吉川晃司。特撮関係だと「仮面ライダーW」の鳴海荘吉役。
 幼少のバルサを育てたカンバルの剣士。元は王を警護する“王の槍”の一番手だったが、バルサを救うために国も恋人も捨てた。バルサを槍使いとして育て上げたが、病で客死した。
アスラ (役)鈴木梨央。
 タルの民の兄妹の妹。神を降ろす力を持つ巫女。ただし、神が降りると暴走し、何も考えられなくなり、周囲をすべて破壊してしまう。
チキサ (役)福山康平。
 アスラの兄。神降ろしの出来る妹を常にかばって生きてきた。
ラウル (役)高良健吾。
 タルシュ国王子。武闘派で、先頭に立って戦争を行い、タルシュ国を巨大にした。王から新ヨゴ国討伐を命じられ、チャグムと知り合う。
ログサム (役)中村獅童。
 現カンバル王。過去兄王ナグルを謀殺して王になった。カンバル国を豊かにするため、山の王を倒して自由貿易をすることを目的としていたのだが、闇の守り手によって殺されてしまう。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 女用心棒バルサ

  演出:片岡敬司
  脚本:大森寿美男
 旅をしていた女傭兵のバルサは、落馬して青弓川に落ちた少年を救う。それは新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムだった。見てはならないものを見てしまったことから、危うく殺されるところだったが、チャグムの母である第二妃から、実はチャグムには水妖が取り憑いており、それを忌み嫌った父皇帝から命を狙われていることを聞かされる。死刑を免れる代わりチャグムの命を救うことを依頼されたバルサは、チャグムを連れて旅に出ることになる。
 冒頭部分から、これだけ金をかけ、時間をかけた特撮は滅多にないものだと分かり、特にアクションシーンの力の入り方は素晴らしく実に見応えのある作品だと分かる。又、一つ一つの小物が凝っていて、繰り返し観ても新しい発見があるような、実に骨太な描写となってもいる。
 ただ一方、冒頭からの展開で、チャグムを守る今と、故郷を捨てた幼少時代のバルサの現在と過去が交錯する作りにしたため、それがどうにもせわしない印象はある。一話目から盛りすぎ。
 主演の綾瀬はるかは熱演し、周りを固めるヴェテラン俳優も良い演技を見せる。綾瀬はるかの顔が綺麗すぎるのが違和感あるのと、活きるために必死という感じがないのが気になるっちゃ気になる。
 今回は1時間15分という長さを使って、国を出るまで。

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第2話 王子に宿りしもの

  演出:片岡敬司
  脚本:大森寿美男
 チャグムを守るために追っ手の狩人と戦うバルサ。そんな中、チャグムの中にいる水妖が覚醒する。
 今回も現在のチャグムを守るバルサと、少女時代に大人達の裏切りの中で生きてきたバルサの光景をザッピングして話は展開。二つの時代で、こどもを生かすために大人が知恵を授けるというパターン。
 その一方で、星読みのシュガは呪術師トロガイによってこの世界についての説明を聞いているのだが、その説明によれば、この国は元々ヤクーと呼ばれる人々が住んでいたが、そこに新しいヨゴの民がやってきて建国したということになる。その際、水妖ニュンガロイムとの関わりを持ったとのことだが、その関わり方については現時点では不明だが、建国神話に関わるものであり、それがこの物語の主題となるようでもある。
 相変わらずもの凄く演出が良く、特に殺陣は本当のつばぜり合いもしていて、どれだけ力が入っているのかが分かる。
<タンダはバルサとチャグムを芸人と紹介しているが、なんでそんなばれやすい嘘を?>
第3話 冬ごもりの誓い

  演出:片岡敬司
  脚本:大森寿美男
 帝からのみならず、悪霊ラルンガからも命を狙われている精霊の守り人であるチャグム。事情を知るトロガイから招かれ、安全な洞窟へとやってきたチャグムとバルサ。
 チャグムが精霊の守り人になったのは偶然ではなく、ニュンガロイムから選ばれた存在であるらしい事が分かる。それと、これまで単なるお荷物キャラとしか描かれてなかったチャグムの心に踏み込み、自分の父親に殺されそうになっている心情も描かれ、そこから一歩踏み出そうとしていくのがこの話の骨子となる。心に整理が付くまでは反発して暴力に訴え、だだをこねる。そこで一歩踏み出すために必要なのは、まずは“怒り”。ネガティブでも生きる活力を得るから始めねばならんのだな。
 そんなチャグムに自らの過去を話すチャグム。これまでザッピングで過去が途切れ途切れに描かれていたが、ようやくここでまとまった物語が分かるようになった。幼少のバルサを守り続けていたジグロは病で死んだとのこと。
 聖導師によれば、チャグム皇子に宿った精霊こそがこの国を救う力を持った存在。しかし帝はそのことを知っていながらチャグムを殺そうとしている。その理由は分からないが、自分よりも神に近い存在がいると言うことが我慢できないのではないか?と言うのが聖導師の推測。
<バルサがチャグムを抱きかかえて寝るシーンがある。うらやま…いやいや。>
第4話 決戦のとき

  演出:片岡敬司
  脚本:大森寿美男
 チャグムは自らの身体に産み付けられたニュンガロイムの卵を孵すため、青池へと向かった。だが先にそれを知った帝の刺客達がそこで待ち受けており、更に卵を狙い、ラルンガに襲われてしまう。ニュンガロイムの意思によって動かされ、バルサの前からいなくなってしまう。
 第一部最終話。精霊の守り人であるチャグムが無事ニュンガロイムの卵を産む。そのために様々な勢力がチャグムを追う。それは人間ではなく精霊達も含まれる。そしてニュンガロイム卵が生まれても、それを正しい儀式に従わないと本当に孵ったことにはならない。誰も知らないその儀式をどう行うか?と言うのが本話の肝。
 新ヨゴ国は、元々ニュンガロイムの卵を孵した呪術師が一人の人間を皇に立てて作られたもの。やがてそれが曲がって伝えられ、ニュンガロイムを対峙したと言う事になったらしい。どうやらこの国は、先住民族と新しい民族の対立の上に現政権が作られているらしい。なるほど複雑なお家事情だ。
 水妖であるニュンガロイムに強いのがラルンガ。そのラルンガに強いのが火であると推測するタンダ。いわゆる三すくみだが、中国の思想ではここに風が入る。やはりこれはオリジナルの設定だな。

 最終的に、ニュンガロイムの卵が無くなったチャグムは、バルサと共に旅を続ける事にしたのだが、その決意をした途端に王宮から呼び戻されるという皮肉な話になってしまった。
<自分の命も省みず、知的好奇心を満足させることを優先するシュガの姿が実に素晴らしい。
 しかしまあ、男の子が卵を産むという設定は、なんというか…>
第5話 災いの子

  演出:加藤拓
  脚本:大森寿美男
 カンバル国王の暗殺を謀ったバルサだが、失敗に終わり、逃亡を余儀なくされてしまっていた。それから四年後。バルサはタンダに会う為にやってきたロタ国で二人の兄妹を目にする。人身売買されそうになった二人を助けるバルサだが…
 一年ぶりの第二部開始の話。新しい国で、やっぱり子どもに関わるトラブルに巻き込まれてしまった。今回の物語では、神を降ろすことができる巫女の女の子。第一部のチャグムの時と似ているが、ただし、その神というのが破壊神であり、周囲を破壊し尽くしてしまう。少女本人はそれを「神」と呼び、
 あれから四年が経過したとなってるけど、姿はあんまり変わってない。
 一方、新ヨゴ国ではチャグムが立派な青年になっていた。前作から全く離れた物語ではなく、色々複雑に絡み合ってるような感じだ。現在タルシュ帝国の侵略にさらされているとのことで、戦争直前。否応なしにチャグムも巻き込まれていく。
 ここではあくまでオープニングと言った風情で、何が起こっているのか把握しにくいが、アクションシーンも満載で、決して飽きさせない出来にはなってる。
 それにしても俳優が豪華すぎるな。特撮とか言うレベルの話じゃない。
DVD2
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Blu-ray
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第6話

  演出:中島由貴
  脚本:大森寿美男
 チキサとアスラの兄妹を守ることに決めたバルサ。だがタンダの師匠スファルは、この兄妹はあまりにも危険すぎると忠告する。それでもアスラを守ろうと心に決めるバルサだが…
 忌み嫌われる子どもを守っての道中。ここまではチャグムと同じ。違いはアスラはその力を自分の意思で破壊に用いていると言う点。無邪気に人殺しをする分始末が悪いが、それをどう扱うかがこれからの物語の展開となるだろう。
 この神というのはチャグムの時と同じく破壊神のような存在。現時点ではチャグムとアスラの宿す神の違いは不明。チャグムの時は誤解だったことが分かったが、今回はどうなるやら。
 アクションシーンはふんだんに用いられているが、跳んだりはねたりでは無く、地に足の付いた活劇と言った風情。軽くなく、一撃一撃が重い。
 一方、たった一隻の船しか与えられずにタルシュとの戦争へと赴くチャグムだが、父王の言いつけに背き、同盟を打診する為ロタ王国へと進路を向ける。こちらは純粋に政治的な駆け引きが展開。立派に皇太子やってるんだな。
第7話 光の力

  演出:西村武五郎
  脚本:大森寿美男
 次々にやってくる刺客からアスラを守りつつ、その力の源を探るバルサ。
 バルサ編はアスラを守り続け、戦い続ける。行く先々で災厄をもたらしてしまい、結局逃げ回るというパターンはまさしく「子連れ狼」パターン。
 アスラの中に居る神はタル・ハマヤと言い、タル人の巫女に代々受け継がれた血に飢えた怒りの神だとか。その力と恐怖を用いてかつてタルはこの地方を支配していたらしい。
 一方、南の強国タルシュの侵攻によって、北部の様々な国で混乱が起こっている。その中で、息子のチャグムが行方不明となった新ヨゴ国の帝はあくまで自分から動かないと宣言。見捨てられた形となったチャグムは捕らえられ、その中で何をすべきか迷いつつも、真の王としての覚悟を持ち始めている。
<年端もいかない女の子の諸肌を出して湯浴みのシーンまで入れる。なかなか攻めた演出だな。>
第8話 笑う魔物

  演出:西村武五郎
  脚本:大森寿美男
 父である帝から再び命を狙われている事を知ったチャグムだが、チャグムを慕う部下たちと共にサンガルから脱出しようとする。一方、チキサとタンダを人質に取られ、罠と分かっていながら首都へ向かわねばならなくなったバルサとアスラ。
 バルサもチャグムも危機に見舞われている。
 チャグムの場合、その死が国をまとめる力になると判断された父の帝から再び殺されそうになっているが、前回とは異なり皇太子としてそれなりに人望があるので、彼の為に命を捨てる部下が結構いると言うこと。一旦は脱走に失敗したものの、何故か敵対しているタルシュの
 そしてバルサの方だが、単純にアスラは命を狙われているだけでは無く、その力を利用しようと考える人もおり、かなり複雑な状況に置かれているようだ。
 そしてアスラの中にいる破壊神タル・ハマヤは力を解放したがっている。その衝動にアスラの性格も影響されているようでもあり。かつてバルサ自身、殺戮を楽しみかけていたという過去がある為、アスラを人ごととは思えなくなってるようだ。
<大変力の入った作品だが、やはり動物をCGで演出するのは現時点ではまだ無理があり。作り物よりはまだましって言う程度。>
第9話 聖なる場所へ

  演出:加藤拓
  脚本:大森寿美男
 アスラを守りつつ、ロタの国の奥へと入っていくバルダ。度々使われるアスラの神降ろしの力に当てられて過去の自分と直面することに。一方、タルシュの国内で匿われているチャグムは…
 バルサの方はいよいよロタの国深く入ってきたが、そこで新しい出会いやトラブルにも見舞われている。そんな中、かつて自分の中にあった殺意のことを思い出していくバルサ。そして同じ道を歩まぬようアスラに伝えていく。
 ただ、仲間のタル人に誘われるまま進んでいくと、そこにはスファルの娘シハナがいた。どうやら完全に騙されているよう。そしてアスラと離ればなれになったバルサはタンダとスファル、トロガイと再会。時空を超えて再会してる巻がするな。
 一方、サンガル国の旧ヨゴ国領内に身を潜めるチャグムだが、現時点ではタルシュへ向かうのは決定事項らしい。
<最後に登場したタルシュの親衛隊には金塗りした半裸の男たちがいる。かつての土方巽を思わせるな。>
第10話 帝国の牙

  演出:中島由貴
  脚本:大森寿美男
 タンダとトロガイに再会したバルサだが、そこでチャグムが今タルシュ帝国に捕らわれていることを聞かされ、更にアスラは神官たちによって引き取られてしまい、無力さをかみしめる。一方、タルシュ帝国の奥深く帝都ラハーンに連れてこられたチャグムは…
 今回はチャグムの単独回。政治的駆け引きに巻き込まれつつ、自分に何が出来るのかを必死に考えるチャグムの決断が見所になる。
 チャグムは人質として捉えられ、首都に連れて行かれたが、そこで腹をくくり、死を覚悟してタルシュ王子ラウルと会うことにした。そこでラウルはチャグムを人質にして新ヨゴ国を攻めると言い放つが、どうやらそれでもチャグムのことは気に入った様子で、傀儡ではあっても新ヨゴ国の新しい帝にしてやると言っている。だがチャグムはそれを拒否する。ここまでないがしろにされてもまだ父の帝をかばっているのだが、色々手を変え品を変え、言う事を聞かせようとするラウルに屈することとなる。
 そしてそれを利用しようとする帝は、カンバル王と会見。勿論帝はチャグムは既に死んだものとして考えているが、チャグムとラウルが何らかの密約をかわすことによって事態はもう少し複雑になってきている。
 そしてチャグムの結論は、国に帰らない。ということ。船から突き落とされたことにして、一人で泳いで単独でロタ国入りする。
<踊り手やら拷問やらで全般的に今回は男の裸が出っぱなし。別段見たくない。>
第11話 神の守り人

  演出:加藤拓
  脚本:大森寿美男
 ロタ王国では建国の儀が近づいていた。アスラを確保したシハナがこの国に混乱をもたらそうとしていることを知ったバルサたちは、それを止める為に聖なる地へと向かう。そしてそこにはサーダ・タル・ハマヤへと変貌しようとしていたアスラの姿が。
 シハナはタル・ハマヤを解放してこの国を統一しようとしているが、そのことは王弟のイーハンには告げている。イーハンは黒幕という訳ではなく、兄の死をどう乗り越えるかを考えているのだが、そこにつけ込んだ形となる。
 そして正義の為にタル・ハマヤを復活させようとする国と、アスラという一人の少女を守る為だけにその儀式を邪魔しようとするバルサ。この関係はかなりリアルなもの。
 一方、兄である国王の死を隠していたことから、ロタの中で反乱が起きかけており、建国の儀のただ中で争いが起こってしまい、その渦中に置かれたアスラはタル・ハマヤを覚醒させてしまう。
 これまでバルサが常にアスラに言っていた、自分を抑えることはここでひっくりかえってしまったことになるが、最後の最後でアスラは自我を取り戻す。
 そしてアスラを巡り、バルサとシハナの戦いとなるが、綾瀬はるかと真木よう子のガチバトルをやるとは、ほぼ映画並の豪華さだ。
 これだけの騒ぎを起こして誰も死ななかったというのはちょっと無理がある気はするが、それでもちゃんと話は落ち着くべきところに着地したから、これで良いのかな?
 これで大団円かと思われたのだが…
<バルサがアスラを空中で受け止めて地面にたたきつけられるシーンがあるが、普通であればこれって背骨折れてるよな。>
第12話 王子の足跡

  演出:西村武五郎
  脚本:大森寿美男
 新ヨゴ国への帰還中に行方を断ったチャグムは死んだものとして、改めてタルシュと戦う事を宣言する帝。一方、ロタでチャグムの死を知らされたバルサ。
 バルサとチャグムの運命が交錯する話。皇太子が死んだことによって新ヨゴ国の混乱状況。そしてお互いロタ王国にいて、そのことを知ったバルサとチャグムのすれ違いがメインとなる。第一期に続き、再びバルサとチャグム中心の話となっていく。
 チャグムが生きていることを知り、その行方を捜すバルサの前に、前にチャグムと接触を持ったセナという女性と出会う。偶然ではあるものの、話を進める為にはこう言うのも大切か。そしてその情報によれば、チャグムはロタに入ったようだが、随分交渉上手になってた。これもご都合主義っぽいけど、良い具合だ。
 前回でアスラを人間に留めることに成功したが、神との接触を持ってしまった為か、今度は口が利けなくなってしまった。
<バルサの身体検査をする用心棒の姿がある。流石にテレビではセクハラまがいのことは出来ないか…綾瀬はるかにそんなことやったら、視聴者からは大批判だろうけど。>
第13話 呼びあう魂

  演出:中島由貴
  脚本:大森寿美男
 改めて新ヨゴ国の第二王妃からチャグムの護衛を依頼されたバルサは、再びロタ王国へと向かうが、そこでカシャルによって襲撃を受ける。それを逆手に取ってチャグムについて訊ねるが、チャグム自身はロタ王国の重鎮スーアンの館に捕らえられていた。
 不思議な運命によってバルサとチャグムの運命が再び交差する。そして又してもシハナがバルサの前に立ちふさがる。何かと関わりの出るキャラだ。
 それでシハナの手引きでロタ王イーハンと会見することになるのだが、シハナはチャグムを交渉の道具にしようとし、チャグムもそのことを知っていながら敢えてイーハンに新ヨゴ国を救ってくれるように訴える。その際、カンバル国と同盟を成功させてみせると宣言した。
 カンバル国はバルサの故郷であり、国王はバルサの家族の仇。そんなカンバル王に助力を求めるというチャグム。人間関係は更に複雑になっている。
 そしてそんなチャグムの絶体絶命の危機を救うべく、颯爽と現れるバルサ。見せるねえ。これで再び同じ道行きを歩むこととなるのだが、これからの旅は第三期へと持ち越し。
 拉致された館から脱出する際に色仕掛けを使うとか、チャグムも着実に成長しているようだ。
第14話 バルサ、故郷へ

  演出:片岡敬司
  脚本:大森寿美男
 合流したバルサとチャグムは、同盟を求めるためにカンバル王国王のもとへと向かう。そこはバルサの故郷であり、同時に憎き仇の治める地でもあった。その中でバルサはチャグムに自らとジグロの旅について語る。
 最終章の始まり。これまで別々に活動してきたバルサとチャグムが再び合流してバルサの故郷に向かうという話。
 前半はチャグムの師匠ジグロの兄で今は王の槍をしているカグロに会いに行く話。
 そして後半はこれまでバルサと関わってきた人々をザッピングしながらこの大陸に多くの災厄がやってくることが暗示される。これから大戦が始まる予兆。
DVD3
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Blu-ray
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第15話 カンバルの闇

  演出:片岡敬司
  脚本:大森寿美男
 既にカンバル国はタルシュ帝国と密かに同盟を結んでいたことを知ったバルサとチャグム。そんな中、ジグロの兄カグロとの語り合いで、ジグロが何故自分を連れて逃げたのかを聞かされるバルサ。
 バルサが何故カンバル国を出なければならなくなったかという事実が語られる回。バルサの父カルナは宮廷の薬師だったが、現国王のログサムによる兄王のナグルに対するクーデターに巻き込まれてしまい、その事をカルナから打ち明けられたジグロがバルサを連れて逃げたというのが真相となる。
 貧しい国が立ちゆくためにはなにを犠牲にして何を選択すべきかそのギリギリのドラマが展開。兄殺しをしてまで王になったが、それはこの国を思えばこそという意味合いもあり。
 親友の娘を守るため、全てを捨てたジグロの苦悩もあり。
 そんな内部事情を分からないまま殺し合いの旅につきあわされてしまったバルサ。
<今回の話は男ばかりだが、ちょっと関係が行きすぎてるような気もせんではない。>
第16話 ルイシャ贈り

  演出:一色隆司
  脚本:大森寿美男
 カンバル王ログサムの追っ手から逃れ、バルサとチャグムはバルサの叔母ユーカの元に向かった。
 カンバル王国での展開が続く。バルサとチャグムがやってきたことから起こる混乱だけでなく、カンバル王ログサムはこの国の守護神である山の神を打ち倒そうとしていることから、二つのアプローチで物語は展開していく。
 前回に続き、ジグロの過去の話も同時展開。何故ジグロが滞在人とされたのかも語られる。全てを捨てただけでなく、罪人とまでなってしまったジグロのことを思うバルサの心情。そしてチャグムを逃がして敢えて捕まえられるバルサはついにカンバル王と対面。
 一方、弟の代わりに戦場に向かおうとするタンダはバルサに対する自分の気持ちに気付かされている。
第17話 ログサムの野望

  演出:一色隆司
  脚本:大森寿美男
 敢えて捕らえられ、カンバル王ログサムの前に引き出されたバルサ。これから山の王へと向かおうとするログサムはバルサに槍勝負を挑む。
 カンバル国での物語の続き。ログサムは宝石を得るため山の王を倒そうと考えているが、
 一方、タルシュ国のラウル王子の周りにも不穏な動きが出ている。力を付けすぎたラウルをタルシュ王は嫌っており、最早ラウルは国に戻ることが出来そうも無い。そこでヒュウゴの発案によって北の大陸に自分の帝国を建てようと考えているらしい。
 そして新ヨゴ国でも王に対して反乱が起こった。この国を憂う聖導師が王を殺そうと画策している。
第18話 槍舞い

  演出:一色隆司
  脚本:大森寿美男
 カンバル王ログサムの前でジグロの兄カグロと戦い、勝利を収めたバルサはログサムによって王の槍の位を授けられた。折しも十数年ぶりという山の王との対面の儀式が間近に迫り、バルサも又王に従い山の中に分け入るが、そこで見たものは…
 カンバル編はまだ続く。バルサとチャグムがカンバル国に入ったところで山の王との対面の儀式という偶然を、偶然ではなく必然であったと捕らえ、正面から戦いを挑むバルサの姿が描かれる。戦いの最後に残ったバルサは、闇の守り人になっていたジグロと対戦することに。激しく動揺し、戦えないというバルサだが、最終的には槍を交える。
 ジグロの魂を救うために槍を交えるが、その際、ジグロが本当に憎んでいたのは自分であったと思っていた、その感情をぶつける。
 ただし、この戦いとは、祖先と戦う事で、祖先を殺すのではなく、祖先の魂を迎え入れることこそが儀式の本当の意味となる。
 最終的に心の戦いを経てジグロを受け入れることで山が開く。そこで山の王を倒そうとするログサムだが、闇の守り人たちに行く手を阻まれ、殺されてしまう。ログサムではなく皇太子の方が山の王に認められ、おおきな宝石と共に新たな王が誕生する。
第19話 戦下の別れ

  演出:片岡敬司
      樋口真嗣
  脚本:大森寿美男
 山の王との対面が終わり、カンバル国は新しい王を抱くこととなり、新ヨゴ国との同盟もなった。その成果を報告に帰国の途につくチャグム。一方契約を果たしたバルサは、心と体の傷を癒すためタンダの下へと向かうのだが…
 チャグムの冒険は終わり、話はタルシュ帝国と北方連合国の全面戦争へと話は移る。そのキーパーソンとなるのがタンダで、無理矢理戦に駆り出されたタンダが負傷し、それを救うためにバルサは最前線へと向かう。
 戦いのシーンがかなり凄い迫力。しかも一兵士の目から見た光景のため、非常に迫力というか、戦の恐ろしさが嫌と言うほど出ている。
 チャグムはロタ王国に行っているが、ここも混乱中で、連合国に入るかタルシュに降伏するかで内乱が起きかけている。
第20話 神なき世界

  演出:樋口真嗣
  脚本:大森寿美男
 大怪我を負ったタンダはある村に匿われていた。そのタンダを探すため、新ヨゴ国に入ったバルサは、そこで旧友のマーサと、アスラと出会っていた。彼女達を守り、一度はカンバルへと戻ることになるが…
 タルシュ帝国の侵攻により命運は風前の灯火となった新ヨゴ国。前話に続き、合戦の光景はとても見応えがあって、テレビでやるには勿体ないレベル。だがあきらかに新ヨゴ国側は劣勢。ナユグの動きを見ているトロガイによれば、「もうすぐこの国はなくなる」そうだ。
 一方、タンダを探しに来たはずなのに、逆にカンバルに戻ることになってしまったバルサと、怪我のために身動きの取れないタンダをザッピングしながら物語は展開していく。今回はすれ違いで終わるかと思われたのだが、たまたま同じ方向に逃げていたため、偶然に出会ってしまう。そのためかなり都合の良い展開となっていた。
第21話 旅立ち  新ヨゴ国帝がカンバルとロタの助力を拒否してしまった。このままでは到底勝ち目がないと踏んだチャグムは国の生き残る道を探る。一方、ナユグの乱れは新ヨゴ国を水没させてしまうことを知ったタンダは、全ての民に危機を伝えようとする。
 最終回でいきなり急展開。これまで戦い続けてきた敵が唐突に滅び、更に洪水で何もかも流されてしまうという。ご都合主義というより無茶。デウス・エクス・マキナなんてものではない。正直これは急展開過ぎて、ちょっとついていけない。
 戦渦に巻き込まれた新ヨゴ国だが、それより先に精霊の動きによって国は滅びてしまうと言う。それを告げられた帝は、実はこの国自体がナユグによる汚れから生まれたものであることを悟る。帝が帝であり続けたのは、最後の汚れの洪水から民を救うためだけだった。
 一方、タルシュ帝国側では、冷や飯食いで、半ば追放の意味を含めて戦を続けてきたラウル王子。そんなラウルを王として抱こうとする反乱軍が国を乗っ取ってしまった。それによって国は滅びるが、ラウル王を頂点に抱いた、より民を大切にする国を作ろうと言う事。ヒュウゴがこれまで裏でやってきたことはそれだったという。
 タルシュの陣営に捕らえられてしまったバルサとチャグムの運命が又しても交わる。
 今回は合戦場面はないが、これまで以上のアクションと、国の滅びの演出はなかなかのもの。その意味でも見所は多い話になった。
 最終的なことを言えば、大団円ではあるのだが、これで本当に良いのか?という気持ちもそこはかと。