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ウォッチメン(1st)

ウォッチメン(1st)事典
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主な登場人物
アンジェラ・エイバー
シスター・ナイト
(役)レジーナ・キング。映画とテレビで多くのバイプレイヤーとして活躍。
 元タルサ警察官で現在は自分の店を町に出店しようとしているパン職人。実は警察の秘密組織の一員で、シスター・ナイトの名でマスクをかけてレイシストと戦っている。夫にカルヴィン、二人の子どもの名前はエマとロージー。
ウィル
フーデッド・ジャスティス
(役)ルイス・ゴセット・ジュニア。ヴェテラン俳優。軍人役が多い。代表作は『愛と青春の旅立ち』のフォーリー軍曹。
 ウィル・リーヴス。アンジェラの前に現れた下半身の不自由な老人。1921年のタルサ事件の被害者で、後に最初のマスクヒーローであるフーデッド・ジャスティスとなった。フーデッド・ジャスティス時代に追っていたサイクロプスという組織を今も追い続けている。
ウェイド
ルッキンググラス
(役)ティム・ブレイク・ネルソン。個性派俳優で、様々な映画に出演している。監督業も行っている。
 ウェイド・ティルマン。タルサ警察の一員で、マスク姿の際はルッキングラスと呼ばれている。過去第一次のイカの襲撃を生き残り、それがPTSDになっているため、人間関係が上手くいかず、強迫観念に苛まれている。鏡面のように反射するマスクをつけている。
ローリー・ブレイク
シルクスペクター(2代目)
(役)ジーン・スマート。
 元ウォッチメンの一員で、かつてドクター・マンハッタンの恋人だった。現在はFBIの対自警団部隊に属している。タルサ事件の調査に向かう。
カルヴィン・エイバー
ドクター・マンハッタン
(役)ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世。『アクアマン』の敵役デイヴィッド・ケイン=ブラックマンタ。
 カルヴィン・エイバー。アンジェラの夫。前に事故に遭って記憶を全て失っているが、実は本人は2009年に死んでおり、ドクター・マンハッタンが姿を変えたものだった。元々の名前はカルヴィン・ジェラーニ。
エイドリアン・ヴェイト
オジマンディアス
(役)ジェレミー・アイアンズ。
 木星衛星のエウロパの居住可能地域でドクター・マンハッタンが作り出した新人類と共に住んでいる。ここでの生活に退屈しきっており、地球に戻ろうと常に画策している。
レディ・トリュー (役)ホン・チャウ。
 1年前にタルサに移住したヴェトナム人の億万長者。実はエイドリアン・ヴェイトの遺伝子から生まれた遺伝的な娘で、その知性とエイドリアンの残した研究を引き継いで一気に世界的企業を作り上げた。エイドリアンを地球に呼び戻すことに協力するが、それらは全て目的あってのこと。
フィリップス
クルックシャンクス
(役)トム・マイソン、サラ・ヴィッカーズ
 老いたオジマンディアスの秘書のような立場の人物。実はオジマンディアスがドクター・マンハッタンから受け継いだクローン人間で、赤ん坊状態で多数のストックが存在する。死んだら次のクローンが同じ名前に就任する。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 今は夏 氷が尽きそうだ
"It's Summer and We're Running Out of Ice"

  監督:ニコール・カッセル
  脚本:デイモン・リンデロフ
 1921年。オクラホマ州タルサで起こった大規模な黒人襲撃事件。そこで生き延びた一人の少年と女の子の赤ん坊。それから98年後。そのタルサでは覆面警察が治安を守っていた。その一員アンジェラ・ナイバーはシスター・ナイトという名で白人至上主義と対峙していた。

 映画ウォッチメンから34年後の世界。原作(および映画)のラストでは地球の終わりが迫っていることを暗示していたが、未だ世界は終わっていなかった。しかしオジマンディアスが望んでいたような一致した世界にもなっておらず、特にアメリカは貧富の差と人種差別で分断された悲惨な状況にある。
 こんな中、かつてアメリカを守っていた覆面ヒーローは法律で禁止されているが、覆面をして正体が分からないようにした警察が町を守っている。一方、黒人が多い警察に対して白人至上主義の集団第7騎兵隊がちょっかいを出してる状況。
 もう一つ分かったのは、本作は映画版ではなく原作版のラストからの続きだということ。原作と映画ではラストにちょっとだけ違いがあり、映画ではドクター・マンハッタンが世界を攻撃していたが、原作版ではオジマンディアスが作り出した軟体動物の群れが地上を襲っていた。この作品が原作版準拠なのは空中に軟体動物が棲息しており、時折地上に落ちてくることから推測される。
 オリジナル版から続いて登場するのは(恐らく)オジマンディアスとドクター・マンハッタン。オジマンディアスは田舎に引っ込んで少ない使用人と共に大きな屋敷で引きこもりのような生活をしている。一方ドクター・マンハッタンは現在火星で人類に変わる知的生命体を育てているようだ。ナイトオウルは登場してないが、彼が作った空飛ぶ乗り物オウルシップ・アーチーに似た乗り物が出てくる。
 本編の主人公は覆面警察官の一人で、黒人の女性。ヒーローのようなパワーは持たないが、警察の中でもかなり特殊な立ち位置にあるようで、彼女の正体を知っているのは警察でもごく一部。署長の指令で単独行動で犯罪者を狩っている。レイシストに対しては全く情け容赦なく、拷問も辞さない過激さあり。一方、第7騎兵隊の方も警察向かってマシンガンをぶっ放すとか、完全にテロリスト化してる。
 警察が着けているマスクはそれぞれだが、その内の一つは顔全体を覆うマスクは色が様々に変化している。かつてのロールシャッハのマスクに似ているが、一方第7騎兵隊のメンバーもお手製のロールシャッハっぽい覆面をかぶっている。
BOX
<A> <楽>
第2話 コマンチ族の乗馬術による軍功
"Martial Feats of Comanche Horsemanship"

  監督:ニコール・カッセル
  脚本:デイモン・リンデロフ
      ニック・キューズ
 何者かの連絡で現場に向かったアンジェラはそこで警察署長のジャッドが殺されて木に吊されているのを発見する。その下にいた車椅子の老人から話を聞くべく隠れ家に連れて行く。そこでその老人ウィルが語ったのは、ジャッドの裏の顔についてだった。そこで第7騎兵隊は警察組織にも手を伸ばしていることが知らされる。

 前回一緒に第7騎兵隊と戦っていた警察署長のジャッドが連れ去られてしまったが、彼が殺されたところから話が始まる。ジャッドの裏の顔とかが見えてくるが、スーパーヒーロー作品と言うより人種差別問題を扱ったアクション作品のようだ。特にレイシズムを扱った物語は観ていてきつい。アメリカの人種差別問題は分かっているようで分かってないところも多いので、かなり参考にはなる。
 署長を殺された警察がやってることはレイシストの住む場所に出かけて暴力に訴える。ほとんど暴力団と変わらないな。
 ヒーロー的な要素が全くない訳ではなく、この話では過去のミニットマン時代の描写が出ており、フーデッド・ジャスティスが登場してる。アンジェラにとっての伝説のヒーローらしい。
 最初に出てきた車椅子の老人はやけに馴れ馴れしくアンジェラに話しかけているが、実はアンジェラの祖父である事が分かった。それ以上は何も分かっていない。

 引きこもり状態のオジマンディアスは使用人達にドクター・マンハッタン誕生劇をやらせているが、そこで使用人を本当に殺してしまってる。だが実は使用人は全員クローン人間で、同じ顔をした人たちが次々に現れている。
<ドクター・マンハッタン誕生劇ではヌードのマンハッタンの股間が見えているんだが、テレビ的にこれはOKなんだろうか?>
第3話 彼女は宇宙ゴミに殺された"
"She Was Killed by Space Junk"

  監督:スティーヴン・ウィリアムズ
  脚本:デイモン・リンデロフ
      リラ・バイオック
 過去2代目シルク・スペクターとして活躍し、今は対自警団部隊に属するローリー・ブレイクはFBIからの依頼でタルサ事件の調査に向かう。そこでアンジェラと死んだ警察署長のジャッドについて話し合う。

 原作に登場したシルク・スペクターが登場。もう既に老人と言って良い年齢だが、現在も活動中。この時代では原作と同じくマスクヒーローは非合法化されており、彼らを捕らえることを仕事にしている。現在まで生き残っているヒーローはオジマンディアスに続いて二人目になる。彼女がこの30年間何をしてきたかは不明だが、劇中でナイトオウルとドクター・マンハッタンについて言及している。会って間もないFBI職員と寝ているシーンがあるが、この30年の間にナイトオウルとの間に何があったか不明。
 そんなローリーがアンジェラと出会って、警察署長のジャッドについて調べるが、その間にも第7騎兵隊の襲撃があったりして話はうやむや。
 ジャッドの葬式の際、自爆テロに現れた第7騎兵隊の男をローリーは簡単に撃ち殺し、みんなを助けるためにジャッドの棺で爆弾をふさいだ。結果として棺は爆破され、ジャッドの死体は…よくやるわ。
 ジャッドの葬式に出たアンジェラは弔辞としてレイシストと戦うジャッドについて語るが、そんなアンジェラに対してローリーは彼の部屋で何を見たのかしつこく問いただしている。
 1話から出演してる邸宅の主はエイドリアン・ヴェイトという名前である事が分かった。つまりやっぱりオジマンディアスだった。暇に飽かせて適当な発明をしたり戯曲を書いたりしてるだけの老人かと思いきや、ここには捕らわれているらしいことを漏らしている。。
 ラストシーン。前回のラストでアンジェラの祖父ウィリアムを連れて空高く昇った車が今度はローリーの眼前に落下。ローリーはそれをドクター・マンハッタンからのメッセージのように受け取っているように見受けられる。
<ローリーがドクター・マンハッタンについて話をした時、「全身青くておちんちんをブラブラさせてた」と言っていた…間違ってない。
 ローリーがホテルに持ち込んだのはドクター・マンハッタンサイズの張り型。男の腕くらいあるけど…>
第4話 私の物語が不満なら自分で書け
"If You Don't Like My Story, Write Your Own"

  監督:アンドリー・バレーク
  脚本:デイモン・リンデロフ
      クリスタル・ヘンリー
 タルサに住むクラークス夫妻の元を億万長者のレディ・トリューが訪れ、この土地を買い取る代わり、彼らのDNAから作り出したという赤ん坊を与える。そして彼らの土地に何かが落下した。一方、アンジェラの祖父ウィルを乗せて飛び立ったアンジェラの車が市街地に突然現れる。

 話がよく分からないところに来ている。アンジェラのルーツはやはりウィルだと分かったが、血縁は他にもいるらしいことが分かる。そしてアンジェラは何者かにつけられている。
 何かとアンジェラにちょっかいをかけるローリーは警察に入り込んでアンジェラの上司気取り。
 ここで新しく登場したのがレディ・トリュー。エイドリアン・ヴェイトの会社の後継者のヴェトナム人の億万長者で、アンジェラの車を奪ったのは彼女らしい。宇宙から何かを受け取っているようだが、そうなるとオジマンディアスとドクター・マンハッタンのどちらからも何かの関係を持つようだ。もう一つの事実として、アンジェラもヴェトナムの出身と分かった。

 そのオジマンディアスだが、クローン人間を作っているのオジマンディアス本人で、元となる人間の胚は湖から回収していた。

 全般的にこの話は何が何だか全く分からない。とにかくタルサに蔓延るレイシズムと死んだ警察署長の関係というメインストーリーからぶれないように見守っていこう。
第5話 落雷へのささやかな恐怖
"Little Fear of Lightning"

  監督:ステフ・グリーン
  脚本:デイモン・リンデロフ
      カーリー・レイ
 タルサ警察を掌握したローリーは署員に第7騎兵隊のアジトを特定するよう指令する。そして行動がおかしいアンジェラとウェイドに盗聴器を仕掛けて監視する。そんな中、ウェイドは第7騎兵隊の真実へと近づいていく。

 タルサ警察の一員であるウェイドが中心となる話。ウェイドというのは鏡面のようなマスクをかぶったキャラ。1985年にウェイドは終末時計の予言を携えた伝道団の一員としてニュージャージーを訪れ、そこでイカの襲撃に出くわす。偶然が幸いして生き残ったが、それがトラウマとなっていた。他の人と違うマスクをかぶっていたのも、実はこれがアルミ製だからという(いわゆるティンホイル・ハット(wiki)というやつ)、アンジェラが祖父のウィルの持っていた薬を手に入れ、その分析をウェイドに頼んでいたことで、ローリーの不信を招いてしまう。
 そしてウェイドは罠にはめられて第7騎兵隊の本拠地に招き入れられ、そこでジョン・キーンJr.と出会って、異世界から来たとされるイカが実は大富豪のエイドリアン・ヴェイト=オジマンディアスが遺伝子操作によって生み出したモンスターである事を教えられる。
 更に、タルサの真実が明らかになる。レイシスト集団である第7騎兵隊と警察のぶつかり合いは全部慎重に計算された茶番だった。殺された署長もそれに関わっていたとのこと。そのリーダーこそがジョン・キーンなのだが、そういえばこの名前はマスクヒーローの行動を制限したキーン条例の名前と同じだな。
 1992年にスピルバーグが『ペイルホース』なる映画を作ったという。それは1985年のイカの襲来をモティーフにした映画らしいが、白黒映画で赤い服を着た女の子だけがカラーの作品だそうだ。シンドラーのリスト(1993)を監督する代わりだな。

 オジマンディアスがいる場所は、実はなんと地球ではなく木星の衛星エウロパだった。ここのある空間を湖水地方のような土地に変えて、そこで小規模な共同体を作っていたらしい。
<若き日のウェイドはコートを着て伝道に出かけるが、そのコートの中はパンツ一丁だった。そういう教義なんだろうか?
 ルッキングラスのマスクはオリジナル版のロールシャッハのものとよく似ているが、口のところだけたくし上げて缶詰のビーンズ食ってるシーンは実際にロールシャッハがやっていたシーンと全く同じ。
 しこたま酔ったウェイドはそのまま車を運転していた。警察が飲酒運転か。>
第6話 この尋常ならざる存在
"This Extraordinary Being"

  監督:スティーヴン・ウィリアムズ
  脚本:デイモン・リンデロフ
       コード・ジェファーソン
 ローリーによって逮捕されそうになったアンジェラは祖父ウィルの残した薬ノスタルジアを飲み下す。その洗浄を行う行っている間、アンジェラの意識は1930年代のアメリカへと飛んでいた。それはニューヨーク初の黒人警官となったウィルが見たミニッツメンの一人、フーデッド・ジャスティスの取り調べ風景だった。

 アンジェラが祖父ウィルの記憶を追体験する話。1921年のタルサ虐殺事件から、ウィルが関わったウォッチメンの前身であるミニッツメンの話となり、その中でメンバーの一人フーデッド・ジャスティスの正体が明らかになる。原作では格好とちょっとしたエピソードだけの登場だったが、それを相当に掘り下げた。記憶の中でウィルが突然アンジェラに変わったりするのが面白い。
 オープニングでフーデッド・ジャスティスの本物の顔が登場。仮面の下から現れたのはマッチョな白人だった。
 …と思ったら、実はウィルこそがフーデッド・ジャスティス本人。マスクヒーローの孫がやはりマスクヒーローをやってるという皮肉。フーデッド・ジャスティスがあんな格好をしているのは、仲間の警官連中からの制裁で縛り首の真似事をされたことが元だという。
 正体を隠して活動するフーデッド・ジャスティスに同じく仮面ヒーローであるキャプテン・メトロポリスが目をつけてチームに誘った。実は実はオープニングに登場したフーデッド・ジャスティスの中身こそがキャプテン・メトロポリスの中身であるネルソン・ガードナーだった。
 フーデッド・ジャスティスが本当に追っていたのはサイクロプスという謎の組織。KKKと関わりがあり、洗脳によって黒人に対する憎しみを演出した組織。実は2019年タルサの警察署長のジャッドこそがその一員だった。これに関してはミニッツメンもノータッチで、それがフーデッド・ジャスティスがミニッツメンのメンバーと距離を取った理由とされる。
 1930年当時の黒人の扱いが酷く、観ていて気分悪くなるが、それがこの話の肝だろう。警官であるウィルは仮面をかぶることで法の遵守者ではなく、犯罪に対する超法規の執行者となった。
 ところでウィルは1話でタルサ事件で生き残った少年だと分かるが、その時に一緒に連れてきた少女がどうやらウィルの妻になったらしいことも分かった。
<元々のフーデッド・ジャスティスがやってたのは積極的平和主義そのもの。これは原作にあったロールシャッハと同じ事をやってるのだが、これは狙ってのことだろうな。>
第7話 ほとんど宗教的な畏怖
"An Almost Religious Awe"

  監督:デヴィッド・セメル
  脚本:ステイシー・オセイ=クッファー &
      クレア・キーチェル
 レディ・トリューの研究室でノスタルジアの治療を受けるアンジェラは、その研究室がドクター・マンハッタンとつながっており、しかもドクター・マンハッタンが地球にいることを告げられる。一方、捜査員の一人ウェイドの失踪を知ったローリーは、彼の失踪に第7騎兵隊が関わったと推測し、亡くなった警察署長のジャッドの家を訪れる。

 祖父の記憶を封じたノスタルジアの影響で過去の自分を追体験するアンジェラは、かつて51番目の州となったヴェトナムでテロに巻き込まれて両親を失ったことを思い出した。それはとても辛い記憶だが、徐々に自分を取り戻していく。
 今回ついにドクター・マンハッタンがどこにいるのかが明かされた。今まで火星で新しい人類を作っていたと思われていたのだが、人間に姿を変えて地球にいるのだとか。それはなんとアンジェラの夫カルだった。
 実はアンジェラ自身自分の夫がドクター・マンハッタンという事を知っていた。カルは過去事故で死亡しており、同じ姿を取ったドクター・マンハッタンを夫として受け止めた。カル自身は記憶を消して自分がドクター・マンハッタンであることは忘れているが、この事態となってドクター・マンハッタンの知恵を借りるため、アンジェラが無理矢理その記憶を引き出した。
 一方、前々回主役を張ったウェイドだが、第7騎兵隊に襲われた後、姿を消している。その際自宅で第7騎兵隊を迎え撃ち、相当な数の死傷者を出している。
 そしてローリーはジャッドの妻ジェーンを訪ね、ジャッドがサイクロプスという組織の一員であるかと尋ねたが、その直後に捕らえられてしまう。そこでサイクロプスの本当の目的はドクター・マンハッタンを捕らえてその力を自分たちのものにすることだという。具体的にどうするのかは不明だが、少なくともこのタルサにドクター・マンハッタンがいることは認識していたようで、何らかの方法があるのかもしれない。

 前回は出てこなかったが、エウロパではオジマンディアスの裁判が行われている。それは1985年のウォッチメン事件で大量虐殺をしたこと、エウロパに幽閉中にクローン人間を作り続けては殺し続けたことについて。この茶番はずっと続いているらしい。
<アンジェラがカルの頭をハンマーでぶったたくシーンがあるが、ハンマーを頭から引き抜くシーンが生々しい。>
第8話 1軒の酒場に入る神
"A God Walks into Abar"

  監督:ニコール・カッセル
  脚本:ジェフ・ジェンセン
       デイモン・リンデロフ
 2009年。ヴェトナムで警察官をしていたアンジェラの前に現れた男は自分がドクター・マンハッタンと名乗り、やがて彼女を愛するようになると告白される。突然愛の言葉を語られたアンジェラは戸惑いながら、冗談として受け入れる。そして2019年。アンジェラと夫のカルは第7騎兵隊の襲撃を受けていた。

 これまであったいくつかの謎が明らかになり、驚くべき事実も明かされる。前回でカルの正体がドクター・マンハッタンだったと分かったが、実はカルという人物そのものが存在しなかった。マンハッタンが自分の記憶を封じて死んだ人間の姿を借りてカルという人物になったとのこと。そして火星で生命創造していたはずのマンハッタンは火星ではなくエウロパで生命を作っていたという。
 そのエウロパは今オジマンディアスが閉じ込められている世界。そこにいる多数のクローン、フィリップスとクルックシャンクスの二人こそマンハッタンが作った新しい生命体だった。
 世界にイカの雨が降っているのは、オジマンディアスが世界に恐怖を与えるためで、定期的にオジマンディアスが手動で転送装置を用いて降らせていたという。エウロパに行った後は自動で行ってるようだ。
 オジマンディアスはマンハッタンの求めに応じて記憶を封じる装置を与え、その代わりエウロパで余生を過ごせるようにしてもらったのだという。それでカルはマンハッタンの記憶を持たない、アンジェラの夫としての記憶しか持っていない。
 マンハッタンは2009年にアンジェラと出会って恋に落ちたと言うのだが、マンハッタン自身が未来と同時に今を体験しているために、未来のことが分かっているから。そして2019年。マンハッタンは力を取り戻し、アンジェラに恋をする。だが次の瞬間、第7騎兵隊によって捕らえられてしまった。

 第1話でウィルがタルサに現れ、ジャッドを殺害したのは、過去マンハッタンがフーデッド・ジャスティスを訪ねた際、2019年のアンジェラの質問をウィルに尋ねた際に、アンジェラが口を滑らしてしまったから。ここでタイムパラドックスが起こっている。
<カルの姿をしたドクター・マンハッタンはフルヌードだが、股間にぼかし入ってない。こう言っちゃ何だが、凄く大きい。>
第9話 彼らが飛ぶのをご覧よ
"See How They Fly"

  監督:フレデリック・E・O・トーイ
  脚本:ニック・キューズ
      デイモン・リンデロフ
 ドクター・マンハッタンを捉えた第7騎兵隊はサイクロプスの本性を現し、マンハッタンのパワーを奪おうとする。だがあらかじめそれを予期していたレディ・トリューは自分がマンハッタンのパワーを奪おうとしていた。

 これまでサブストーリーだったオジマンディアス=エイドリアン・ヴェイトの物語が本編と結びついた。
 冒頭、レディ・トリューがエイドリアン・ヴェイトの娘だと分かった。 これまで描かれてきたエウロパでの出来事が過去のことだったと分かる。この世界はエイドリアン以外にはフィリップスとクルックシャンクスのコピーしか存在せず、エイドリアンを敵視していた男性も実はそういう役割を与えられていたフィリップスだった。8年間の退屈さを紛らわすためにエイドリアンにその役割を担わせたとのこと。
 そして5話でエイドリアンが助けを求めたのはトリューで、そのメッセージを見たトリューは既にエイドリアンを地球に戻していた。前にアンジェラが見た金色のオジマンディアスの像が実は本人だったというオチ。
 至近距離からうたれた銃弾を素手で止めるなど、老人になってもオジマンディアスの力は今も健在。
 レディ・トリューの娘の名前は祖母と同じ名前のビアン。実は母親のクローンだった。

 一方でサイクロプスはリーダーであるジョー・キーンJr.にドクター・マンハッタンの力を宿すことを目的としていた。だがこれらはあらかじめレディ・トリューによって計画されたことで、装置のスイッチを押したらジョーは確実に死ぬ。そしてマンハッタンの力はトリューが奪うことになっていた。
 マンハッタンはこれで死んでしまうのだが転送中に凍ったイカの雨が降ってきてトリューまで死亡。
 マンハッタンのパワーは宙に浮いているが、次の2期はそのパワーが一体どこにあるのかが問題となるようだ。マンハッタンはこの事態を予測して、あらかじめアンジェラにパワーを手渡したことが臭わされている。
 アンジェラがそれを試そうとしたところで話は突然切れてしまう。
<元恋人だったマンハッタンとローリーが出会っているが、マンハッタンは何の反応もしない。実は精神が1985年にあるからだとか。
 マンハッタンの股間がむき出しになってるシーンはいくつかある。基本的には何かで遮蔽しているのだが、時々ほんとにむき出しのまま。いいのか?>