カラミティ・ジェーン
Calamity Jane |
1953米アカデミー歌曲賞、ミュージカル映画音楽賞、録音賞 |
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ウィリアム・ジェイコブス(製)
ジェームズ・オハンロン(脚)
ドリス・デイ
ハワード・キール
アリン・マクレーリー
フィリップ・ケリー
ゲイル・ロビンス
ディック・ウェッソン
ポール・ハーヴェイ |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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西部の町デドウッド。ここには厄病神“カラミティ”と仇名される射撃のうまいお転婆娘マーサ=ジェーン=カナリー(デイ)がいた。今日も酒場で大騒ぎをやらかし、大風呂敷を広げてスター女優のアデレイド=アダムズを連れて来きてやると請け負ってしまう。ところがシカゴまで行って彼女が連れてきたのはアダムズの女中ケティ(マクレリー)だった…
実在の女拳銃使いカラミティ・ジェーンを題材にしたミュージカル映画。主役に抜擢されたデイはそれまで“平和な家庭”のシンボルとされ、家庭的女性を演じるのが上手いとされていたが、本作で見事にその才能を開花。一躍トップ女優へと花開いた作品。更に主題歌の“Seclet
Love”は大ヒットし、主題歌賞でオスカーを得る。
実際本作の見所の最大点はデイの存在感で、本当に楽しそうに歌い踊り、時に激しいアクションも見せつつ、しっかり女性らしい仕草も見せる。その存在感は見事だった。歌の上手さは『知りすぎていた男』(1956)で分かっていたけど、ここでは本当に陽性の明るい歌で楽しい。
男勝りで意地っ張りなため恋を逃してきた女性が本当に好きな人に振り向いて欲しいと奮闘努力するが、婉曲すぎて全然伝わらない。それがお節介な友人のお陰で女らしい仕草を身につけてもみせるし、恋も手に入れる。この設定だけでもかなり好きな人はぐっと来ると思うよ。典型的なラブコメものだな…改めて考えてみると、いくら技巧を凝らしてみても、人の描写って昔から今まであんまり変わってないんだな。と改めて感じ入る。
そういえば同時代に日本にも少年役をよくこなし、歌もアクションも出来る美空ひばりがおり、イメージは非常に近いものがあるな。
デイを観るための作品だけに、物語自体は本当に他愛なく、なんなんだろうね?と思えるような展開を見せるが、その分テンポは良いし、最後はハッピーエンドで終わるため、その世界に入り込んで楽しむ分には出来が良い。
ちなみにカラミティ・ジェーンは実在の人物だが、なぜ“カラミティ(災害)”と付くのかというと、実はつきあった男性が次々と早死にしてしまったからという。勿論それは劇中で語られることはない。あと、キール演じるヒコックもガンマンとして有名な実在の人物で、ジェーンは遺言で彼の脇に埋葬されることを願ったというが、実際には結婚したという事実はない。念のため。
そんなことはどうでも良く、とにかく陽性な楽しい作品なので、憂さ晴らしにはうってつけ。
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