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ウィリアム・フリードキン
William Friedkin

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鑑賞本数 合計点 平均点
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003 ハンテッド 監督
2002
2001
2000 英雄の条件 監督
1999
1998
1997 12人の怒れる男 評決の行方 監督
1996
1995 ジェイド 監督
1994 ハード・チェック 監督
ゲッタウェイ!エンジェル 監督
1993
1992 新ハリウッド・ナイトメア(3) 監督
1991
1990 ガーディアン/森は泣いている 監督・脚本
1989
1988 C.A.T.スクワッド2/国際テロ“パイソン・ウルフ”の挑戦状 監督
ランページ/裁かれた狂気 監督・脚本
1987
1986 C.A.T.スクワッド/対ゲリラ特別襲撃班 監督・製作総指揮
新トワイライト・ゾーン(2nd)
<A> <楽> 監督
wiki
1985 L.A.大捜査線/狼たちの街 監督・脚本
1984
1983 世紀の取り引き 監督
1982
1981
1980
1979 クルージング 監督・脚本
1978 ブリンクス 監督
1977 恐怖の報酬 監督・製作
1976
1975
1974
1973 エクソシスト 監督
1972
1971 フレンチ・コネクション 監督
1970 真夜中のパーティー 監督
1969 誕生パーティー 監督
1968
1967 ソニーとシェールの グッド・タイムス 監督
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943
1942
1941
1940
1939
1938
1937
1936
1935 8'29 イリノイ州シカゴで誕生

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ハンテッド 2003
<A> <楽>
ジェームズ・ジャックス
リカルド・メストレス
ショーン・ダニエル
デヴィッド・グリフィス
ピーター・グリフィス
マーカス・ヴィシディ(製)
デヴィッド・グリフィス
ピーター・グリフィス
アート・モンテラステリ(脚)
トミー・リー・ジョーンズ
ベニチオ・デル・トロ
コニー・ニールセン
レスリー・ステファンソン
ジョン・フィン
ホセ・ズニーガ
ロン・カナダ
マーク・ペルグリノ
ロニー・チャップマン
レックス・リン
エディ・ヴェレツ
ジェナ・ボイド
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1999年のコソヴォ紛争でセルビア人指揮官を暗殺することに成功した特殊部隊員のハラム(デル・トロ)は帰国後、心を病み、オレゴンの森で連続殺人事件を起こしてしまう。戦闘機械として育てられた彼の危険性を知ったFBIは伝説のトラッカーにしてハラムに殺人術をたたき込んだL.T.(ジョーンズ)を送り込むのだった…
 
トラッカーと呼ばれる追跡者を題材とした作品で、ここに登場するLTというのは実在の人物がモデルなのだそうだ。単なるプロ同士の戦いではなく、それらのデータに裏付けされていただけに、リアリティに裏打ちされた緊張感があり、なかなか魅せてくれる。本作のメインはかつての師と弟子との戦いにあるが、何より面白いのはその課程にある。僅かな痕跡から様々なデータを読み取るトラッカーの活躍の課程を丹念に描くことで、物語に緊張感を上手く演出していた。それに人を殺す訓練のリアリティは凄い。訓練とは言え、あれだけ克明に人殺しの方法をしっかりやるため、ぞっとした。
 キャラクタも良し。ほとんど男二人しか出てこない分、それなりに描写力が必要だが、デル・トロとジョーンズの存在感は充分に画面に映えた。特に静かに狂気をはらんだデル・トロの存在感は見事。こういう役をやらせるとほんと上手い。ヴェテランのジョーンズも勿論負けちゃいない。自分の作り出した最高の芸術品を自らの手で殺さねばならない男の複雑な心境がかいま見え
(最後のシーンは巧みな引きだ)、やるせなさだけを最後に残す。
 難点はやっぱり
ストーリーの単純さだな。結局やってる事って一人の男が犯人を追跡して殺す。それだけだから。更に折角出した女刑事が足を引っ張るだけで何の役にも立たないままいなくなってしまう。多少華やいだところは必要だったんじゃないかな?
 華やいだって言えば、音楽だけは派手すぎるほど派手だったが、
果たして雰囲気にあってたか?
 
玄人好みと言えばそう言えるかも?

 

12人の怒れる男 評決の行方 1997
<A> <楽>
テレンス・A・ドネリー(製)
レジナルド・ローズ(脚)
ジャック・レモン
ジョージ・C・スコット
エドワード・ジェームズ・オルモス
コートニー・B・ヴァンス
オシー・デイヴィス
アーミン・ミューラー=スタール
ドリアン・ヘアウッド
ジェームズ・ガンドルフィーニ
トニー・ダンザ
ヒューム・クローニン
ウィリアム・L・ピーターセン
メアリー・マクドネル
ダグラス・スペイン
ミケルティ・ウィリアムソン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
恐怖の報酬 1977
<A> <楽>
ウィリアム・フリードキン(製)
ウォロン・グリーン(脚)
ロイ・シャイダー
ブルーノ・クレメル
フランシスコ・ラバル
アミドウ
ラモン・ビエリ コー
ピーター・カペル
カール・ジョン
フレデリック・フォン・レデブール
ジョー・スピネル
ジェラード・マーフィ ド
チコ・マルティネス
ジャン=リュック・ビドー
フランク・ジオ
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
エクソシスト 1973
1973米アカデミー脚色賞、音響賞、作品賞、主演女優賞(バースティン)、助演男優賞(ミラー)、助演女優賞(ブレア)、監督賞(フリードキン)、撮影賞、美術監督・装置賞、編集賞
1973ゴールデン・グローブ作品賞、助演女優賞(ブレア)、監督賞(フリードキン)、脚本賞
2010アメリカ国立フィルム登録簿登録
<A> <楽>
ウィリアム・ピーター・ブラッティ
ノエル・マーシャル(製)

ウィリアム・ピーター・ブラッティ(脚)
エレン・バースティン
マックス・フォン・シドー
リー・J・コッブ
ジェイソン・ミラー
リンダ・ブレア
キティ・ウィン
ジャック・マッゴーラン
ウィリアム・オマリー
ルドルフ・シュントラー
バートン・ヘイマン
ピーター・マスターソン
マーセデス・マッケンブリッジ
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
原作:ウィリアム・ピーター・ブラッティ
 イタリアに住む女優のクリス(バースティン)。忙しく働く彼女の、13才の誕生日を迎える娘リーガン(ブレア)に取り憑いた悪霊。二人の神父メリン(シドー)とカラス(ミラー)がエクソシスト(悪魔払い)として呼ばれたが、カラス神父は母の死に責任を感じており、心の中ではその葛藤があった…悪霊とカラスの戦いの行方は…
 13歳の少年の体に悪霊が取り憑いたという新聞記事に触発されたウィリアム・ピーター=ブラッティの書いた小説を元にした作品で
1974年全米興行成績2位に輝く作品。『フレンチ・コネクション』(1971)で刑事物映画に一石を投じたフリードキン監督が次に選んだのは、なんとこれまでB級作品としてしか見られていなかったホラー。しかも本作を紛れもない傑作に作り上げたお陰でフリードキンは映画史に二つもの功績を残すことになったという曰く付きの作品。オスカーでも10部門にノミネートされたが、この年『スティング』があったため、受賞は2部門のみに終わっている。
 本作は私にとってはかなり思い出深い作品で、レンタルでビデオを借り、LDを買い、完全版の公開時は劇場まで観に行った。かなり好きな作品だ。
 ただ、特に最近の残酷シーンのオンパレードと言ったホラーを観馴れてる人には、ちょっと不満があるかも知れない。だが、それは
ホラー映画というものを誤解している。ホラー映画というと、当然だが、“怖さ”というのが第一に来るわけだが、怖さの演出はなにもショックシーンだけではない。むしろ本作は“哀しさ”という点に特徴があるのではないかと思う。悪霊に娘が取り憑かれてしまい、全てを投げ打って娘を助けようとするバースティン演じるクリス。母の死に責任を感じ、信仰が揺らぎ常に内に重みを抱えつつ、必死に少女を助けようとするカラス神父。その対比が実に素晴らしい。ホラー映画として怖さを追求するのみならず、ドラマとしてもしっかり見応えを作った本作の出来は素晴らしい。そう。人間の内面描写を丁寧に描いたからこそ、本作はホラーの名作になり得たのだ。
 怖さの演出も良く、悪霊に取り憑かれても最初は普通の少女だったリーガンが、進行が進むに連れて怖く変質してしまう描写。光と闇の対比を描写する映像的技術。そして極端に温度が低下した部屋の中での神父と悪霊の息詰まる対決風景。本当に見事な描写だった。更にこれが完全版になるとスパイダー・ウォークは見せてくれるわ、暗闇の中に悪霊の顔が浮かぶわのサービスが追加され、描写の巧さも際だっていた。
 それまでホラーと言えば、低予算で安っぽくしか作られてなかったの
(決して嫌いじゃないけど)を一気にメジャーに押し上げた功績も買うべきだろう(制作費で1,000万ドルを用い、ビッグ・バジェット・ホラー(金のかかったホラー)と呼ばれた)。アカデミー各賞ノミネートの数を見ても、その功績が分かろうというもの。
 キリスト教の話にメソポタミアの悪神パズスが登場する理由がないと言う欠点はあるにせよ、映画としての完成度は非常に高い。

 本作がこれだけ評価されたのはヴェトナム戦争後のアメリカの世情というものが色濃く反映されたからという意見もある。リーガンが悪霊に取り憑かれるシーンは、ホラーと言うよりも、少女が思春期を迎え、子供から女に変わっていくことの恐怖を母親の側から見ている視点だからとも言われる。親にとって子供というのは一種のモンスターには違いない。しかもこれまでなんとか抑えてきた怪物性が思春期を迎え、外に飛び出してくる。
一見平穏に見える実生活もやっぱりホラー的なのだ。仮にこれをオカルト性を抜きにした病気と見たとしても(リーガンの症状は脳炎に似ているという指摘もある)、これらの症状を呈するのは、まさに親にとっては恐怖であり、それを共感できるように作られたのが本作の素晴らしさを示す所だろう。親にとって、子供がモンスターのような存在になる時期があるというのは、社会的にも同じで、この時代のアメリカは「古き良きアメリカ」がヒッピーの若者によってどんどん変えられてきたのだ。この時代性も特筆すべきだろう。実際オープニング映像は学生達によるピケの所から始まるのも象徴的な描かれ方だ。
 そして本作は明らかに映画ではっきりとキリスト教の限界を示した。と言う点も特記すべきだろう。これまでの作品は、全能の神が口にでも出てきた時点で全てが終わってしまった。それがアメリカのピューリタニズムと言う奴なのだが、本作ではなんとその代弁者とも言える神父二人をもって、悪霊を押しとどめることが出来なかったのだ。結果的にカトリックでは認められていない自殺までしなければ、悪霊を抑えることは出来なかった。これも、かつての古き良き時代から離れようとしているアメリカの実態を示していたとも言える。

 ところで本作は、本編だけでなく、それに付随する様々な話題に事欠かなかった事でも有名である。
 映画制作が開始されると、リンダ=ブレアの祖父とマックス=フォン=シドーの兄弟が立て続けに死亡し、ジェイソン=ミラーの息子がバイクにはねられて重傷。悪霊パズスの像がイラクロケのために輸送中に行方不明(後に香港で発見)。家のセットが原因不明の出火により全焼。と、トラブル続きで制作に2年もの時間がかかった。お陰で当初の
制作費300万ドルが一気に3倍に跳ね上がった(興行成績で軽くペイできたそうだが)
 それと、興行成績に満足した製作会社のワーナーは本作にオスカーを取らせるべく会社を挙げて大々的なキャンペーンを張り、
「露骨に金の力でアカデミーを取らせようとしている」との悪評も受けた。特にリンダ=ブレアに対する助演賞への執念は凄まじく、見事ノミネートまで持っていく事に成功したのだが、彼女の演技で最も評価を受けた「声の演技」が実は吹き替えであった事が発覚し(あの声を当てたのは、俳優のみならずラジオのパーソナリティとしても有名なマーセデス=マッケンブリッジで、あの声を出すにはとんでもない努力をしたそうだが、彼女の名前はクレジットされておらず、それに怒ったマッケンブリッジが全部事実をぶちまけてしまった)、それでアカデミーの評価は一気に落ちてしまった。アカデミー10部門にノミネートされたに関わらず、蓋を開けると受賞は脚色賞と音響賞のみで、更に監督のフリードキンも、助演のブレアも以降作品に恵まれなくなってしまった。
 様々な意味で映画史に残る、罪作りな作品だったわけだ。
フレンチ・コネクション 1971
1971アカデミー作品賞、主演男優賞(ハックマン)、監督賞(フリードキン)、脚色賞(アーネスト=タイディマン)、編集賞、助演男優賞(シャイダー)、撮影賞、音響賞
1971NY批評家協会男優賞(ハックマン)
1971ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(ハックマン)、監督賞(フリードキン)
<A> <楽>
フィリップ・ダントニ(製)
アーネスト・タイディマン(脚)
ジーン・ハックマン
ロイ・シャイダー
フェルナンド・レイ
トニー・ロー・ビアンコ
マルセル・ボズフィ
フレデリック・ド・パスカル
エディ・イーガン
ソニー・グロッソ
ビル・ヒックマン
アン・レボット
ハロルド・ゲイリー
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
フレンチ・コネクション(書籍)ロビン・ムーア
 マルセイユから密輸される麻薬の販売ルートの壊滅を狙うポパイことジミー=ドイル刑事(ハックマン)と相棒のラソー刑事(シャイダー)は、妙に羽振りが良いサル(ビアンコ)の糸をたぐり、フランス人実業家のシャルニエ(レイ)にたどり着く。しかし捜査の手が自分たちに伸びてきた事を察知したシャルニエたちはなかなか尻尾をださず、逆にドイルは生命を狙われる。
 愛すべきタフ・ガイ、ポパイの活躍を描く一作目。
ちなみに「フレンチコネクション」とはマルセイユと合衆国を結ぶ大麻薬密輸組織の事で、この作品も実際に1962年に起きた事件からインスパイアされた作品である。
 
ハリウッド映画は刑事物がとにかく好きだ。現在でも数多く作られているアクション映画の半分位は刑事が主人公じゃないか、と思えるくらい、沢山の刑事が出てくる(日本のテレビでも似たようなものだが)。これは刑事という職業が“正義の執行者”として描きやすいからじゃないかと思える。
 だが、逆にこれだけ出ているからこそ、その書き分けが難しい。
ドキュメント・タッチを強調しすぎると地味になりがちなので、主人公をスーパー・マン願望の強い男に仕立ててみたり(ハリウッドの刑事物の主人公はどっちかというと警察より病院に入れるべき性格のキャラクターばっかりだ)、場合によっては本物のスーパー・マンにしてしまったり…リアリティとの兼ね合いがとても難しい。実際に刑事がやってる事なんて、地道な調査と書類作成ばっかりだから、そんなところでリアリティを出しても何にも面白いことはない。ここでは高級レストランの前で、中で料理に舌鼓うってる人間達に隠れるように冷えたピザをコーヒーで流し込んでるような、妙に迫るという、そういうリアリティもあり。
 それで本作は珍しくリアリティに溢れていつつも、紛れもない傑作に仕上がった希有な例だと言えるだろう。まあ、確かにポパイはちょっとイカれたところがあったりもするが、冬の寒い中、ひたすら張り込みで立ち続け、立ち食いでピザを食べたり、不味そうにコーヒーを飲んだりしている、地道な捜査をしっかり行う人物であることがよく分かるし、充分な捜査が進んだら、単独で犯人を追いつめようとする事もなく、最後は任せるべき所はちゃんと警察に任せている。そしてラスト部分で誤射によって警官を撃ち殺してしまったシーンは、彼の格好良さが最高潮に溢れていた。全てを内に閉じこめ、あくまで犯人を追いつめようとする職人気質。その辺、やっぱりジーン=ハックマンの巧さだろうな。一見くたびれた中年男に見える彼がいつの間にか等身大のヒーローに見える演出が実に見事。
 本作の特徴の一つとして、警察とFBIは仲が悪いと言うことを初めて明確にうちだした点が挙げられよう。これまでとは違いFBIと警察が協力し合うどころか敵意をむき出しにして最後まで押し通してしまうと言う作りは以降の
警察対FBIという構図の先鞭を付けることにもなった。だからこそ最後のポパイの苦しみが映える。
 ああ言うラストは珍しいんじゃないかな?それが又、特徴づけられてて良かった。あれは決して続編を意識してじゃない。と思いたいんだけど…
 それにしても疑問なのは同年に『ダーティハリー』(1971)が公開されていて、そちらの方が全然評価されずに本作がそれらの評価を全部取ってしまった形になったこと。何が違ったんだろう?
 尚、これを観たマイケル=リッチー監督は本作を称し、
「ジミー=ドイルは普通の男じゃない。彼は欲求不満と不正に満ちた世界で、普通の男がこうありたいと望む理想の人物だ」と言っている。
 アメリカン・ニュー・シネマのカテゴリーに入れられる本作ではあるが、アカデミーでは好評を博した。普段保守的な作品が推されるはずだが、この年に関しては珍しいことが起こったと言える。主演男優賞を得たハックマンは受賞スピーチの席上、
「たぶんこの賞は私の車に与えられたものだろう」と言ったとか。このカーチェイスは映画史に残る名シーンの一つだが、当時のスタッフは『ブリット』(1968)を超えてやろうという意気込みがあったことと、カースタントをハックマン自らが買って出たことからの緊張感が良い具合に働いたためだろう(ついでに言えば、あのカーチェイスシーンは一般車両の進入制限をしておらず、警察用のサイレンを鳴らして車を走らせたとか。本当に命がけだったらしい)。

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