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ケヴィン・ロドニー・サリヴァン
Kevin Rodney Sullivan

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鑑賞本数 1 合計点 3 平均点 3.00
書籍
 
2005 ゲス・フー 招かれざる恋人 監督
2004 バーバーショップ2グッド! 監督
2002 スラム・ジャスティス 監督
1998 ステラが恋に落ちて 監督
1996 栄光のスタジアム 監督
ドリームス・オブ・アメリカ 監督
1958 8'3 誕生

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ゲス・フー 招かれざる恋人

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バーニー・マック
アシュトン・カッチャー
ゾーイ・サルダナ
ジュディス・スコット
ハル・ウィリアムズ
ケリー・スチュワート
ロバート・カーティス=ブラウン
フィル・リーヴス
シェリー・シェパード
ニコール・サリヴァン
ジョネル・ケネディ
リチャード・ローソン
J・ケネス・キャンベル
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 アフリカ系家族のジョーンズ一家は大きなイベントを控えていた。一つにはパーシー(マック)と妻のマリリン(スコット)の結婚25周年のパーティが間近なこと。そしてもう一つは一人娘のテレサ(サルダナ)が恋人を連れてくること。ところがテレサが連れてきたのは白人男性のサイモン=グリーン(カッチャー)であり、しかもやり手の証券会社の社員のはずが、その朝に理不尽な上司から首を言い渡されていたと言うこと…
 人種差別問題を主題とし、軽快なシニカルコメディに仕上げた往年の傑作
『招かれざる客』(1967)のリメイク。ただし時代の移り変わりを見せるかのように、パートナーの人種が入れ替わっていることと、シニカルさの薄れた純然たるコメディに仕上げられているのが本作の特徴といえよう。
 コメディの質として考えると、いかにも現代風のコメディで、差別問題よりも人格問題の方が主軸となり、隠し事のある主人公が、なんとかばれないように立ち回る、やや痛々しさを感じる作品。その痛々しい描写は、私にはどうしても笑えない。どっちかというと
身につまされて萎縮してしまうし。ただ、このタイプのコメディって特に最近多いような気がするよ。

 オリジナルと本作のどっちが良い悪いではなく、これは単純に「この時代に作られたらこうなる」作品として両作を楽しめばいい。
 しかしながら本作は『招かれざる客』を観た後で観ると味わいが変わってくる作品とはいえるだろう。1967年に公開されたあの作品は、人種を越えた結婚問題は
「これから始まる」という予感に彩られているが、本作の場合、「始まってしまった」問題として捕らえているということ。建前上もはや人種の区別は無いし、実際本作の場合においては結婚する側のサイモンは社会的立場から見ても貫禄からしても、どうしても見劣る。時代的には能力あるアフリカ系アメリカ人の方が裕福な場合も多いのだ。その逆転劇を楽しむには、やはり前作を知ってこそ…さもないと本作は社会的問題と言うより、単なるコメディにしかならないという欠点がどうしても出てしまう。(作り手の方もそれで良いと割り切ってる感じがするが)
 私はアメリカ人ではないのでその辺は疎いが、たまたま昔何かで読んだことがあるのだが、
アメリカで使われている英語は人種によって用法が異なる言葉が結構あるそうで、その辺の使い方を知らないと酷い目に遭うことがあるそうだ。白人が何気なく使っている言葉がアフリカ系の人達にとっては、大変な侮辱の言葉になることもあり、たまたま軽く使ったジョークが激昂を引き起こすこともままあるのだとか。本作を観て「ああ、こういう事か」と感じ入った次第(ひょっとしたら私が読んだのもこの作品について解説した奴だったかも知れない)。後は、劇中ラジオ番組を取り合うシーンもあるが、これも又、人種の違いで聴くジャンルが全く異なるから。これも人種間のコメディとして使われている。
 だから本作を楽しむためには事前にいくつか頭に入れておくと味わいが変わってくるとは言えるだろう。私の場合はたまたま雑学が役に立ったが、多分それでも本当の楽しみ方にはほど遠いのだろう。なにせアメリカ人じゃないからね

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