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グッバイ、レーニン(書籍) _(書籍) |
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2003 | グッバイ、レーニン! 監督・脚本 | |
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1954 | 6'22 ウェストファリアで誕生 |
グッバイ、レーニン! 2003 | |||||||||||||||||||||||||||||
2003英アカデミー外国語映画賞 2003ベルリン国際映画祭ヨーロピアン・フィルム賞(ベッカー) 2003ロンドン映画批評家外国映画賞 2003ゴールデン・グローブ外国映画賞(ベッカー) 2003ヨーロッパ映画作品賞、男優賞(ブリュール)、脚本賞、監督賞(ベッカー)、女優賞(ザース) 2003セザールEU作品賞(ベッカー) |
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1989年の東ベルリンでテレビ修理店に勤める青年アレックス(ブリュール)は、愛国的な母親クリスティアーネ(ザース)に反発を覚えて成長していた。そんなアレックスが参加した反社会主義デモで警察と衝突してしまう。そのシーンを偶然見てしまったクリスティアーネにはショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。その間にベルリンの壁が崩壊、統一ドイツは資本主義国家となる。やがて8ヶ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒する。母にショックを与えたくないアレックスは、今も東ドイツが健在であると母を騙そうと決心する… 本作は一応コメディと言うことになるだろうが、とても骨太な内容を持っている。歴史を背景としたドイツ人による自己批判、社会がどんなに変わろうと、家族愛は変わらないという主張、そして人間が生きるためには何が必要かと言うことを模索した、本当に様々なものを詰め込んだ好作と言えるだろう。 コメディとしては、母に真実を悟られぬよう「ここまでやるのか!」と言う位に徹底して嘘をつき続ける主人公アレックスの涙ぐましい努力を笑うことになる。ここで描かれる主人公の描写がなかなか凄く、理系的な思考を持ち、何事も完璧にやらねば気が済まないというか、余計な事を考えすぎて事をどんどん大きくしてしまう、頭の固いタイプのドイツ人として描かれているところだろう。 この姿は、ネットに良く落ちているドイツ人気質とは、まさしく彼のことを言っているようなものだ。ステロタイプなこの姿は、そのままドイツ人の自己批判にもなっている点が面白い。むしろこの作品で笑いを取っているのは、「これがドイツ人の姿ですよ」と暗にほのめかしているところなのかも知れない。 そして“自由”を手に入れた代わりに何を失ってしまうのかと言うところも鋭く指摘し、時に「昔は良かった」という描写にも、ユーモアを感じさせてくれるものだ。決して画一的に「自由こそが何より大切だ」。と言うメッセージにはなっていない。そして激動の時代の中にあって、変わってしまうもの、変わらないものは何かを作品を通して模索していこうとする姿勢も素晴らしい。 そして最後に分かる、母親のあの全てを知っていながら敢えてその事を黙っている優しさと、満足そうな顔。 良質なコメディは笑いながら泣ける。 なぜならそこに自分自身を見るから。自分が何をして何をしてこなかったのか。たとえそれがどれだけ離れていようと、時代が変わろうと、決して変わらない愚かな人間の営みを通して、自分自身の愚かさを思わされるから。 本作はまさしくそう言った自分自身を画面の中で見いださせる上手く作られた作品と言えるだろうか。 あと、これだけは書いておかねばならないが、東ドイツ産ピクルスは本当においしい。効率主義ではないため手作りの、貧しい食べ物だが、得てしてこういう食べ物が何よりもおいしいってのも、重要なところなのかも。 |