MOVIETOP

ルイス・ブニュエル
Luis Bunuel

評価 年代 レビュー 書籍
ルイス・ブニュエル
Wikipediaより
<A> <楽>
allcinema
検索
IMDb
WikipediaJ
WikipediaE
本名ルイス ブニュエル ポルトレス。フランス、メキシコ、スペインで活躍したスペインの映画製作者。史上最も偉大で影響力のある映画製作者の 1 人であると広く見なされる。ブニュエルが 83 歳で亡くなったとき、ニューヨーク タイムズの死亡記事は、彼を「偶像破壊者、モラリスト、革命家であり、若い頃は前衛的な シュルレアリスムのリーダーであり、半世紀後には国際的な映画監督となった」と呼んだ。作家のオクタビオ・パスは、ブニュエルの作品を「映画のイメージと詩的なイメージの融合、新しい現実の創造…スキャンダラスで破壊的」と呼んだ。映画製作者のジョン・ヒューストンは、ジャンルに関係なく、ブニュエル映画はすぐに認識できるほど特徴的であると語り、イングマール・ベルイマンは「ブニュエルはほとんど常にブニュエル映画を作った」と語る。画家のサルバドール・ダリや詩人のフェデリコ・ガルシア・ロルカなど、レジデンシア・デ・エストゥディアンテスに住む他の重要なスペインの創造的芸術家と非常に親密な関係を築き、3人の友人がスペインのシュルレアリスム・アバンギャルドの核を形成する。
Wikipediaより引用
経歴
1900'2'22 アラゴン州カランダで誕生
1917 マドリッド大学に入学し、最初に農学を学び、次に生産工学を学び、最終的に哲学に転向する
1925 パリに移り、国際知的協力協会で秘書として働く
1928 『アンダルシアの犬』で監督デビューする
1930 ダリと共に『黄金時代』を撮るが、右翼がスクリーンに向って爆弾を投げつける事件が起こる。
1932 スペインに戻ってドキュメンタリー映画『糧なき土地』を撮影するが、ファシスト達の反発で公開禁止となる
フランシスコ・フランコ政権下で指名手配までされることになる。
1936 スペイン内戦が勃発し、共和国側のフランス大使のスタッフとして活動する
1939 内戦終了間際にスペインを脱出してアメリカに行き、ニューヨーク近代美術館で反ファシズム映画を集める
1949 メキシコに行き、映画製作を再開。『のんき大将』を監督する
1951 『忘れられた人々』カンヌ国際映画祭監督賞、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞受賞。
1952 『昇天峠』カンヌ国際映画祭FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞受賞
1960 スペインに招かれて『ビリディアナ』を撮影。フランコ政権健在の中での帰国で世界的にも非難を浴びたが、
出来た作品は猥褻さによりスペインとイタリアで上映禁止。
1963 フランスに招かれ、主に耽美系映画を製作する。
1983'7'29 死去
5+
アンダルシアの犬
4+
昼顔
皆殺しの天使
3+
砂漠のシモン
ビリディアナ
2+
個人的感想
1983 7'29 死去
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967 昼顔 監督・脚本
1966
1965 砂漠のシモン 監督・脚本
1964
1963 小間使の日記 監督・脚本
1962 皆殺しの天使 監督・脚本
1961
1960 ビリディアナ 監督・脚本
若い娘 監督
1959 熱狂はエル・パオに達す 監督
1958 ナサリン 監督・脚本
1957
1956 この庭に死す 監督・脚本
それを暁と呼ぶ 監督・脚本
1955 アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生 監督・脚本
1954 河と死 監督・脚本
ロビンソン漂流記 監督・脚本
1953 幻影は市電に乗って旅をする 監督・脚本
嵐が丘 監督・脚本
1952 乱暴者 監督・脚本
エル 監督・脚本
1951 賭博師の娘 監督
昇天峠 監督・脚本
愛なき女 監督
1950 忘れられた人々 監督・脚本
スサーナ 監督・脚本
1949 のんき大将 監督
1948
1947
1946 グラン・カジノ 監督
1945
1944
1943
1942
1941
1940
1939
1938
1937
1936
1935
1934
1933
1932 糧なき土地 監督・脚本
1931
1930 黄金時代 監督・脚本
1929
1928 アンダルシアの犬 監督・脚本
1927
1926
1925
1924
1923
1922
1921
1920
1919
1918
1917
1916
1915
1914
1913
1912
1911
1910
1909
1908
1907
1906
1905
1904
1903
1902
1901
1900 2'22 アラゴン州カランダで誕生

ページトップへ

レビュー

 

昼顔
Belle de jour
1967ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞、イタリア批評家賞、国際評論家賞
1968英アカデミー主演女優賞(ドヌーヴ)
<A> <楽>
allcinema
検索
IMDb
WikipediaJ
WikipediaE
ジャン=クロード・カリエール
ルイス・ブニュエル(脚)
カトリーヌ・ドヌーヴ
ジャン・ソレル
ジュヌヴィエーヴ・パージュ
ミシェル・ピッコリ
フランソワーズ・ファビアン
マーシャ・メリル
ピエール・クレマンティ
クロード・セルヴァル
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 「ゲイシャ・ハウス」の会員証を使おうとする日本人登場
 ブニュエル作品では最も分かりやすい作品とされ、幅広い客層に受け入れられる。ドヌーブは本作によって、女優として目覚めたと言われる。不条理劇は夢の中だけに限られる
 60年代最後の官能ドラマと言われる。欲求不満の主婦をドヌーヴが好演し、現実と夢が曖昧になった領域を演出している

製作年 1967
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
ジョセフ・ケッセル (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
砂漠のシモン
Simón del desierto
<A> <楽>
allcinema
検索
IMDb
WikipediaJ
WikipediaE
グスタヴォ・アラトリステ(製)
ルイス・ブニュエル
フリオ・アレハンドロ(脚)
クラウディオ・ブルック
シルヴィア・ピナル
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1965
製作会社 STPC
ジャンル キリスト教(宗教)
売り上げ $1,843
原作
歴史地域
関連
キーワード
皆殺しの天使
El ángel exterminador
<A> <楽>
allcinema
検索
IMDb
WikipediaJ
WikipediaE
ルイス・ブニュエル(脚)
シルヴィア・ピナル
エンリケ・ランバル
ルシー・カジャルド
エンリケ・G・アルバレス
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1962
製作会社 グスタボ・アラトリステ
ジャンル 群像劇
シュール
売り上げ
原作
歴史地域
関連
allcinema Walker 検索 IMDb CinemaScape
WikipediaJ キネ旬 eiga.com WikipediaE みんシネ
ビリディアナ
Viridiana
<A> <楽>
allcinema
検索
IMDb
WikipediaJ
WikipediaE
ルイス・ブニュエル
フリオ・アレハンドロ(脚)
シルヴィア・ピナル
フェルナンド・レイ
フランシスコ・ラバル
マルガリータ・ロサーノ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 浮浪者達の宴会風景の構図がダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の構図にそっくり。キリストの位置にはブニュエル自身が座る。女性が自分のスカートをめくる部分がスペイン政府の逆鱗に触れ、反宗教映画としてフィルムは回収されてしまう
監督の初めての自国制作作品。しかし内容の過激さのため、スペインでは即座に上映禁止となる
 ラストシーンで最後の晩餐のような構図で物乞い達を撮ったため政府を激怒させた
製作年 1960
製作会社 UNINCI
グスタボ・アラトリステ
ジャンル 女の一生(人生)
宗教(キリスト教)
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
キーワード
アンダルシアの犬
Un chien andalou
<A> <楽>
allcinema
検索
IMDb
WikipediaJ
WikipediaE
ルイス・ブニュエル
サルバドール・ダリ(脚)
ピエール・バチェフ
シモーヌ・マルイユ
ハイメ・ミラビエス
サルバドール・ダリ
ルイス・ブニュエル
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 親交を続けているダリとブニュエルがある日夢の話をしていて、そこから企画が持ち上がったという不思議な話。ブニュエルの初監督作ながら、本作により、その知名度は一気に上がったという。一種のシュールレアリズム作品。

 映画が誕生して既に100年が経過しており、これからもおそらくはエンターテインメントの旗手として君臨し続けるだろう。
 そして映画というのは時節に合わせ、あるいは自らその流行を作り出しつつも、着実に変化していった(敢えて「進化」とは言いたくない)。各国で作られたそれぞれの国の映画は他の国々の影響を受けつつも、その時代のその国でしか作れないような作品を作っていくもの。ドイツの表現主義からイタリアのネオ・リアリスモ、アメリカのニュー・シネマ、日本における静を基調とした小津作品群や、黒澤のダイナミックも当然入ってくる。その国独自の手法ばかりだ
 その中で、最も実験的かつ挑戦的な作品を作り続けていたのがフランス映画だった。いわゆるヌーヴェル・ヴァーグが映画史に与えた影響は世界的に見ても大きいが、もう一つ実験的な作品を、映画の黎明期から第二次世界大戦前後に至るまで出している。
 それは受け手を想定せず、あくまで作り手側を主体とした作品群であり、その芸術的意味を理解できる人間だけを相手にしようと言う試みだった。その代表といえるのがブニュエルであり、コクトーだった(恥ずかしながらコクトー大好きな私がブニュエルを観たのはほんの最近。しかし、これを最初に観たのは大正解だったと思う)
 そもそも映画の作り手側のモチベーションは、金儲け主義とは一線を画し、自分自身の主張を作品に込めようとするところにある(と信じたい)が、それは時として無意識界にまで入り込んでいく。その結果出来るものは、私小説よりも絵画よりも遙かに人間の内面を映し出す作品となる。映画は純粋な意味での芸術を造り上げることも可能なのだ。私が大学で映画研究会に入っていた時(80年代最後)、自主製作映画を結構な数観たが、雑誌などで褒められている作品は、全然訳分からないものばかり。なんかそれが格好良いと思ってしまい、自分自身も変なシナリオを書いた覚えがある。自主製作ならそれも可能だ。
 ただし、このタイプの映画がほとんど作られないのは、一つには映画の製作には膨大な時間がかかるという点がある。時間が経つに従い、イメージは風化していくものだし、複数の人間が制作に立ち会うため、どうしても鮮烈さは消えてしまいがち。そして商業ベースの映画には莫大な金がかかると言う問題もある。制作者にとっては自分の思いであったとしても、製作者としては、もうけなければならないのだから。
 その辺シャレが分かるのが(いや、エスプリとして捉えることが出来るのが)フランスというものだ。
 ただし、それには作り手側が本当に実力持ってない限り、全てをコントロールするのは不可能。結果的に、実際にそういう意味で芸術作品として作られたのは希有だ。以降の映像作家は物語性を付加していき、やがて物語の方に芸術性は飲み込まれていく。その意味で本作は極めて珍しい本当の芸術映画と言える。
 本作に表されているのは全てイメージ。頭の中にあるものを映像化しているのだが、これはブニュエルとダリという二人が組んで初めて可能となった所行だろう。現実にはあり得ないものも含め、頭にあるものを瞬間的に切り取って映像化できるとは、大変な才能だとは言える(それを可能にしたのは、本作はシナリオを僅か一週間で書き上げたというのもあるのだろう)。

 人間の頭の中を覗くことが出来ない以上、本作は説明するべきものではない。ただ受け入れるか拒絶するかだけだと思うのだが、私にとっては良いに付け悪いに付け、衝撃を受けた作品というのは確か。
 本作を観て分かったことが一つある。私は悪夢を題材とした映画が大好きだが(皮肉なことに私自身はほとんど夢を見ない)、これはひょっとして、私は人の中にある負の感情を知りたい。と言う欲望があるからなのか?そう思えた。人間の上っ面の感情ではなく、頭の奥にある無茶苦茶カオスの部分。そこに惹かれるのかもしれない。
 誰しもそういう負の部分は頭の中に入ってるのだろう。ただし、それを映像化できる存在は希有だ。だからこそ本作が好きなんだろう。

 それにしても長々と愚にも付かないこと書いてる気がしてならない。私にはまだ荷が重い作品だったのか?

 本作でブニュエルとダリは決別してしまう。
製作年 1928
製作会社 グランド・フィルム・クラシック
ジャンル シュール
売り上げ
原作
歴史地域
関連

ページトップへ

書籍
著作 評伝
ルイス・ブニュエル著作集成(2006) <A> <楽>
ルイス ブニュエル
ブニュエル,ロルカ,ダリ: 果てしなき謎(1998) <A> <楽>
アグスティン・サンチェス ビダル
ルイス・ブニュエル(2013) <A> <楽>
四方田犬彦