モンティ・パイソン アンド・ナウ 1971 |
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テリー・ギリアム(共)
グレアム・チャップマン
ジョン・クリーズ
テリー・ギリアム
テリー・ジョーンズ
エリック・アイドル
マイケル・パリン(脚)
グレアム・チャップマン
ジョン・クリーズ
テリー・ギリアム
エリック・アイドル
マイケル・パリン |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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イギリスの大人気テレビシリーズ「空飛ぶモンティ・パイソン」(Monty Python
Flying Circus)からスピン・オフしたモンティ・パイソンの第1期および第2期のスケッチ42編を映画用に再録し、それぞれ有機的につなげた作品。
今や押しも押されもしないイギリスの伝説的ギャグ・メーカー、モンティ・パイソンの劇場用第1作。
どぎついギャグで有名になった「空飛ぶモンティ・パイソン」だが、そこに収録されているのは全て一回きりのスケッチ。テレビシリーズでは頑なにそれを守っていたのだが、それはあくまでイギリス国内に止まっていた(実際はドイツや日本では大いに受けていたのだが)。それで製作者の方が今度はアメリカ市場を狙って投入されたのが本作。アメリカ資本を受け、絶対に受けるという勝算はあったらしいが、蓋を開けてみた所、大コケ。結局本作が受けたのはイギリスだった。結局この当時ではパイソンズのどぎついギャグがアメリカでは理解されなかったと言うことになるだろう(80年代になってブレイクする事になるのだが)。
改めて本作を観ると、質の高いギャグは何度やっても面白い事が分かるのだが、実はこの事実こそが、パイソンズの解散につながったという事実も忘れてはならない。アメリカで受けなかったと言う事実もあるのだが、それよりも、パイソンズの中ではメインとなっていたジョン=クリーズがやる気を失ってしまったと言うのが大きい。パイソンズの中でもメイン・ライターだったクリーズはこれまで徹底して同じスケッチにならないよう気をつけながら、一回性のギャグを作り続けてきたのだが(有名になった“シリー・ウォーク”(馬鹿な歩き方)も一回だけしかやらないように気をつけていた)、特にイギリスの視聴者は別段新しいスケッチを求めていない。と言う事実に思い至ってしまったと言うこと。これがクリーズのパイソンズ離れを起こしてしまったのだ。だから3期はライターとしては参加せず、4期を前に脱会してしまった。
私は本作を観るまで何本かは観ていたが、知らないスケッチも多く、かなり楽しめた(今では全部「空飛ぶモンティ・パイソン」を観ることが出来たため、全てのスケッチが分かってるけど)。特に本作のDVDは貴重な日本語吹き替えがあるのが嬉しい所。かの有名な広川太一によるアイドルの「ちょんちょん」がちゃんと聞けるだけで貴重(「空飛ぶモンティ・パイソン」のDVDでは字幕のみ)。
ちなみに、本作がテリー=ギリアムの初監督作でもある。しかしデビュー時から、相当に製作者とは揉めたそうで、“嫌われ者ギリアム”伝説の始まりとなった。
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