金星ロケット発進す
Der schweigende Stern |
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スランスラフ・スカルスキー
フーベルト・ドラペラ
ヤツエック・ウェイロフ(脚)
谷洋子
オルドリッチ・ルークス
イグナーチ・マホフスキー
ミハイル・ボストニコフ
ルチーナ・ウィンニッカ |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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1970年。ゴビ砂漠で隕石が発見された。調査した国際惑星調査連盟は、この隕石が金星からきたものであり、そしてその中には磁気コイルが組み込まれている事を発見するのだった。科学者会議で金星訪問が決定し、国際的な調査隊が組織された。コスモクラトール号に乗り込んだ8人の調査隊が派遣されるが…
スナニスワフ・レムの原作「金星応答せず」をポーランドと東ドイツが合作したという異色作で、出演者もソ連を初めとし、ポーランド、アメリカ、ドイツ、インド、中国、ケニア、日本(谷洋子)と多彩なメンバーを誇る、SFとしては超大作にして異色作。
レムのSF作品は全般的にペシミスティックな内容が特徴だが、映画化した本作も作り方は設定は大変面白い。科学によって統一された地球を舞台とし、国際協調による科学万能主義の内容の要に前半部分で思わせておいて…というどんでん返しがなかなか心地良い。金星文明の崩壊を前にして、見かけの国際協調が実はとんでもなく儚いものであることまで浮き彫りにしており、SFの体裁を取っていながら、当時の国際社会の現実に即した皮肉な内容になってるのが特徴。適当にひねりが利いているので、かなり楽しめる。
物語も、危機の連続を知恵と勇気で乗り越えていくという、ウェルメイドな物語とはいえ、科学的な見地から考えられているのでそれが嬉しいし、今から観るとちょっと安っぽいとは言え、特撮の力の入り具合も嬉しくなってくる作品。特撮とか科学的考証に時間割かれてしまい、演出がちょっとたるいが、それもご愛敬って所だろう。
…そう言えば、考えてみると、この作品の大まかなストーリーフローは金星に行って何にもしないで帰ってくるだけ…とは言っちゃ行けないか? |
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