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エットレ・スコーラ
Ettore Scola

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鑑賞本数 2 合計点 7.5 平均点 2.75
書籍
2016 1'19 死去
2008
2007
2006 マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶 出演
2005
2004
2003
2002
2001
2000 星降る夜のリストランテ 監督・脚本
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989 スプレンドール 監督・原案・脚本
1988
1987 ラ・ファミリア 監督・脚本
1986
1985 マカロニ 監督・脚本
1984 ル・バル 監督・脚本
1983
1982
1981
1980 パッション・ダモーレ 監督・脚本
1979
1978
1977 特別な一日 監督・脚本
1976 醜い奴、汚い奴、悪い奴 監督
1975
1974 あんなに愛しあったのに 監督・原作・脚本
1973
1972
1971
1970 ジェラシー 監督
1969 空爆大作戦 脚本
1968
1967 セックス・パニック/愛欲のイタリア女族物語 脚本
1966
1965 私は彼女をよく知っていた 脚本
おとぼけ紳士録 脚本
1964 もしお許し願えれば女について話しましょう 監督・脚本
気ままな情事 脚本
1963 追い越し野郎 脚本
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953 三月生れ 脚本
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943
1942
1941
1940
1939
1938
1937
1936
1935
1934
1933
1932
1931 トレヴィーコで誕生

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タイトル

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物語 人物 演出 設定 思い入れ

 

スプレンドール 1989
1989カンヌ国際映画祭パルム・ドール

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エットレ・スコーラ(脚)
マルチェロ・マストロヤンニ
マリナ・ヴラディ
マッシモ・トロイージ
パオロ・パネッリ
パメラ・ヴィロレッジ
ジャコモ・ピッパーノ
マウロ・バスコー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
特別な一日 1977
1977米アカデミー主演男優賞(マストロヤンニ)、外国語映画賞
1977カンヌ国際映画祭 パルム・ドール(スコーラ)
1977ゴールデン・グローブ外国映画賞
<A> <楽>
エットレ・スコーラ
ルッジェロ・マッカリ
マウリツィオ・コンスタンツォ(脚)
マルチェロ・マストロヤンニ
ソフィア・ローレン
ジョン・ヴァーノン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1938年のローマ。ドイツの独裁者ヒトラーがやって来てムッソリーニと会談するという記念すべき日。多くの市民がヒトラーを一目見ようと広場へと向かっていた。そんな中、アントニエッタ(ローレン)は、六人の子供と夫エマヌエレ(ヴァーノン)を送り出し、一人山のような仕事を片づけていた。そんな時に飼っていた九官鳥が逃げてしまい、隣人のガブリエレ(マストロヤンニ)に助けを求める。これまで交流がなかったが、陽気なガブリエレは彼女を踊りに誘う。毎日毎日が変わらない日常の中、ちょっとしたアバンチュールに胸をときめかせるアントニエッタだったが、うわさ話でガブリエレが実は共産主義者であることを知ってしまう…
 戦前のイタリアを舞台にした、イタリア映画界を代表するマストロヤンニとローレンのラブストーリー。
 はっきり言って私は
メロドラマが嫌いである。特に不倫ものを扱った昼メロっぽい作品は大嫌いと言えるのだが、何故か本作は結構気に入ってる
 何ででだろう?と考えてみよう。
 本作は単なる不倫もののメロドラマとしてではなく、政治的な意味合いが強く、それに二人の惹き合い方が男と女の関係と言うよりは、疲れ切った二人が互いにいたわり合って結びついた。と言う辺りが気に入っているのかも知れない。ローレン演じるアントニエッタは生活に疲れているし、マストロヤンニ演じるガブリエレはこれまでの政治活動や、同性愛者というレッテルに苦しめられて疲れ切っている。こんな二人が惹かれ合うというのだ。悲しみの中で、ほんの少し与えられた、理解し合える相手を見つけ、そしてあっけなく離れてしまう。二人にとって、この出会いは本当に
“特別な一日”であった訳である。
 そしてタイトルは同時にこの日ヒトラーがローマにやって来るという、歴史上における
“特別な一日”に引っかけたのだろう。こういうケレン味があって初めてメロドラマにも張りが出てくるってものだ…逆を言えば、それだけケレン味が無ければ惹かれることが無いという私自身の好みの問題もある訳だけど。
 それにこの作品、キャラクタが実に良い。イタリア人気質を発揮し、激しすぎる性格を強調しやすいローレンが、ここでは生気を失って本当に疲れ切った表情をしていたけど、それが見事に上手くはまっていたし、プレイボーイ役ばかり演じていたマストロヤンニがここでは老境にさしかかる役をやはり上手く演じきっていた。実際二人のそれまでのフィルモグラフィとは全く異なる役を演じているのに、それがぴたりとはまっていた。
 演出も良い。音楽を廃し、ラジオの声と多くの人間の出す声を雑音としてのみ捉え、その中で静かに静かに二人の会話が紡ぎ出されていく。その演出が心憎い所。
 二人は愛情によって結びついたと言うよりは、互いに慰め合う存在として互いを見いだしたのだ。
 ああ、
これでやっと本作を気に入ってた理由が分かったよ。すっきりした。

 ところで本作は日本では未公開作品で
(当時ヨーロッパ映画はなかなか日本に入ってこないという現状はあるのだが)、1979年に『リベンジャー』のアピールのために来日したローレンはその事を聞いて怒り出したのだとか。彼女にとっても本作は思い入れの強い作品だったのだろう。

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