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2009 | ||
2007 | 黒い家 監督 | |
1973 | 誕生 |
黒い家 2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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保険会社に入社したばかりのジュノ(ファン・ジョンミン)は、保険金を家族に残すために自殺したいという女性の電話を受ける。マニュアルを無視し、親身になって彼女の言葉を聞き、自分の弟が自殺したことまで話してしまう。その後、ジュノは特に彼をと言う使命を受け、初めての顧客(カン・シニル)の家を訪れるのだが… 貴志祐介の「黒い家」の二度目の映画化(オリジナルは大竹しのぶ主演の邦画『黒い家』(1999))。 最初にオリジナル版の『黒い家』を観て、なんて気持ちの悪い作品だと思いつつ、ふらふらと原作まで読んでしまった。その後リメイク版の本作を観て、三作品ともそれぞれに怖さが違うということに気が付いた。 元々の原作は小説なだけに、ビジュアルとしての怖さがないが、その分描写に容赦がなく、濃密な怖さがあった。行間にある闇なんてものまで感じさせる、なかなか素晴らしい作品だった。 一方、映画のオリジナル版では、何といっても大竹しのぶの怪演ぶりが印象に残る。基本無表情でいながら、場面場面で変わる表情が、徐々に恐ろしくなっていくという過程が上手い。邦画のサイコホラー作品としては出色の出来と言えよう。 対していわゆる韓流ホラーと呼ばれるジャンルの本作は、別種の怖さがあった。 その怖さってのは、一言で言ってしまうと、誤解を受けそうな言い方だが、“汚さの描写”と言えるかもしれない。 邦画におけるサイコホラーは基本的に脳を主題にし、出来るだけクリーンに描こうとする特徴があるが、韓国の場合は、主題が心というか、内臓をぶちまける方向へと行くのが特徴だ。それは誰しも綺麗な体の中にドロドロしたものを持っていて、外面を取り外して、誰にも観せたくない部分をさらけ出す事が怖さの描写につながると言う特徴を持つからだろう。 だから外面的には血よりも濃い液体や物体を体から流すし、言葉としては観たくもないし聞きたくもない告白が次々と飛び出す。 その嫌悪感が恐怖の演出に一役買ってるわけだ。日本では演出出来なかった部分の演出に力がこもっていることで、実に立派なホラーになってる。 この三つの作品を較べてみると、どれも精神的に嫌なものを見せつけられるところが不快であり、その不快感が作品の味になっているが、闇の深さという意味では韓国版の本作が一番凄かったかも知れない。少なくとももう観たいと思えないレベルで。 |