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2011 | 12'20 死去 | |
2010 | 武士の家計簿 監督 | |
これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫 出演 | ||
2009 | わたし出すわ 監督・脚本 | |
誰も守れない 出演 | ||
SOUL RED 松田優作 出演 | ||
2008 | ||
2007 | 椿三十郎 監督 | |
サウスバウンド 監督・脚本 | ||
2006 | 間宮兄弟 監督・脚本 | |
2005 | ||
2004 | 海猫 監督 | |
世界の中心で、愛をさけぶ 出演 | ||
2003 | 阿修羅のごとく 監督 | |
2002 | 模倣犯 監督・脚本 | |
2001 | ||
2000 | カラフル 脚本 | |
1999 | 黒い家 監督 | |
39 刑法第三十九条 監督 | ||
1998 | キリコの風景 脚本 | |
不夜城 SLEEPLESS TOWN 出演 | ||
1997 | 失楽園 監督 | |
東京日和 出演 | ||
1996 | (ハル) 監督・脚本 | |
1995 | ||
1994 | バカヤロー!V2 「私、問題です」 脚本 | |
バカヤロー!V エッチで悪いか 脚本 | ||
免許がない! 脚本 | ||
1993 | ||
1992 | 未来の想い出 Last Christmas 監督・脚本 | |
1991 | おいしい結婚 監督・脚本 | |
バカヤロー!4 YOU!お前のことだよ 製作総指揮・脚本 | ||
1990 | バカヤロー!3 へんな奴ら 製作総指揮・脚本 | |
1989 | キッチン 監督・脚本 | |
愛と平成の色男 監督・脚本 | ||
バカヤロー!2 幸せになりたい 製作総指揮・脚本 | ||
1988 | 悲しい色やねん 監督・脚本 | |
バカヤロー! 私、怒ってます 製作総指揮・脚本 | ||
1987 | ||
1986 | そろばんずく 監督 | |
ウホッホ探険隊 脚本 | ||
1985 | それから 監督 | |
1984 | メイン・テーマ 監督 | |
ときめきに死す 監督・脚本 | ||
1983 | 家族ゲーム 監督 | |
ピンクカット 太く愛して深く愛して 監督・脚本 | ||
1982 | (本)噂のストリッパー 監督・脚本 | |
シブがき隊 ボーイズ&ガールズ 監督・脚本 | ||
1981 | の・ようなもの 監督・企画・脚本 | |
1978 | ライブイン・茅ヶ崎 監督・脚本 | |
1950 | 1'25 神奈川県で誕生 |
武士の家計簿 2010 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2010日本映画批評家大賞助演女優賞(松阪慶子)、審査員特別演技賞(大八木凱斗)、脚本賞(柏田道夫) 2011日本アカデミー主演男優賞(堺雅人)、美術賞 2011報知映画主演男優賞(堺雅人) |
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わたし出すわ 2009 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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椿三十郎 2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007HIHOはくさい映画生涯功労賞(角川春樹) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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藩上層部の不正を訴えようとした正義感溢れる井坂(松山ケンイチ)ら9人の若侍達は首謀者である大目付菊井(西岡徳馬)の策にはまり危機に陥るが、たまたま居合わせた素浪人の機転で救われる。椿三十郎(織田裕二)と名乗るその男は、若侍達の頼りなさを心配して共に行動することにした。事態を治めるには井坂の伯父である城代家老(藤田まこと)の力が必要だったが、大目付は城代を捕えており、さらに彼の元には切れ者の家臣・室戸(豊川悦司)がいるためうかつに手は出せない。そこで三十郎は室戸に近づき、雇われ侍のふりをして城代家老救出を企むのだが… かつて黒澤&三船の黄金コンビで作られた『椿三十郎』(1962)の完全リメイク。「完全」は伊達ではなく、キャラが異なり、色が付いた他はほとんど全く同じ。オリジナル版で笑えた部分では全部笑えたし、丁々発止のやりとりも同じ。これはけなしているのでも褒めているのでもないが、森田監督はきっちりと自分の割り当てられた役割を果たしたと言うことだけは言える。原作付きの物語をきっちりと仕上げる森田監督らしい作品とも言えるだろう。 それでも良いところを挙げるならば、キャラが全体的に薄くなったため、三十郎一人にスポットが当たることなく、若侍達にもちゃんと個性が感じられたことと(何せオリジナルではあの加山雄三ですら三船の強烈さに当てられて個性無くしていたし)、オリジナルよりは笑いの要素が強く作られていたと言うこと。 でもこれは裏返せば、どれだけオリジナル版は三船敏郎(および仲代達矢)という個性に依存した物語だったのかと言うことを浮き彫りにした。あれだけ完璧と思った作品でも、脚本ではなく役者の個性にどれだけ依存していたか。と言うことを知る事が出来たのは一つの成果だろう。 ここでの三十郎は強烈な個性はないが、飄々としてすべき事をきっちりと行っているし、無理に役柄を超えた個性を見せようとしていないので好感は持てる。織田が引いたため、若侍達の個性もしっかり見えているし、松山ケンイチなどはむしろ出しにくい役所で上手く個性出していたと思える。一方中村玉緒の雰囲気が実に良く、オリジナルの入江たか子に負けない個性を出してくれた。あのスローなしゃべり方が見事にはまってる。豊川悦司は…多分現代で最もはまったキャラではあろうけど、織田の個性の弱さに引きずられて個性があんまり見えなかった。 一方、演出の弱さは痛い。カラーにして余計スケールが小さく感じたし、最後のあの世界に衝撃を与えた決闘シーンがああなってしまっては…撮影技術はオリジナル当時より上がっているはずなのに、逆に演出がオリジナルよりも古くさく感じさせてはいかんだろ。 ただ、プロデューサである角川春樹は、これをどんな気持ちでリメイクしたのだろうか?森田芳光監督を選んだ時点で、こういう作品になることは目に見えていた訳だが、そこまでリスクを回避したかったんだろうか?外れを覚悟でもうちょっと個性ある監督を選ぶとかして欲しかったなあ。やったらやったで無茶苦茶言われるだろうけど、例えば三池崇史監督辺りにやらせたら、最後にとんでもないことをやるんじゃないか?と思わせてちょっとわくわく出来たんだけど。 |
サウスバウンド 2007 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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東京浅草に住む小学6年生の上原二郎(田辺修斗)の父一郎(豊川悦司)は、全共闘時代の価値観をそのままに、理不尽な体制に向かっては公然と「ナンセンス」を連発する。しかしそんな父親は年頃の二郎にとっては恥ずかしいばかりだった。が母親のさくら(天海祐希)は、そんな一郎に不平を言うどころか、今も尊敬を抱いているばかりで、二郎の言葉は一切届かなかった。やがて一郎の発案で沖縄の西表島に引っ越すことになる。島での一郎は、打って変わったようにせっせと働き、二郎もそんな一郎に頼もしさを感じ始めるのだったが… 奥田英朗の同名小説の映画化作。映画にすると、70年代の極めてとんがった映画の主人公がそのまま抜け出て2000年代を舞台に暴れ回るという感じの作品。 この作品の面白さは、それをよく理解していて物語構成をしていると言う事だろう。主人公は敢えてこども目線から観させる事によって、その痛々しさと、「自由とは一体何か?」という事まで含めて描いて見せている。実際このような人達が大勢いた時代がある。そして彼らと共にいたはずの人達が、体制に呑まれて今の日本を動かしているという事をしっかり伝えようとしている。 近年稀に見る主義主張のはっきりした作品とは言える。 …ただし、である。 この作品に関しては、実は私は普通には楽しめなかった。 実は私の業界には、ここに出てくる一郎のような人が多く、そう言う人達とつきあうことに疲れていた時代にこの作品を観てしまったから。 そう言う人達はある意味とても正論を吐く。いや、理想主義を語る。そしてそう言う人達が集まると酒を飲みながら、怒鳴り合うようにこの日本にとって大切なのは何かを論じ、ほんの些細なことで、時には殴り合いまでやらかす。こういう人達と会議をすると、最早収拾つかず。平気で個人攻撃はするわ、過去をほじくり出して総括を求めるわ、挙げ句の果てに「司会進行が悪い」と議事進行の方に文句を言うわ、会議まとめてるこっちの身にもなってみろってんだ! …と、まあ、そう言う世界にちょっと前まで身を置いていたこともあって、豊川悦司演じる上原一郎の姿は私にとっては結構身近だった。更に言うなら、最後に一郎がしたように、人里離れたところに本当に住んでしまった人というのを私の知り合いには二人ほどいたりする。 この作品観た時は、既にその世界からは離れて新しい任地に着いていたが、観てる内に心がざわざわして平静に観る事が出来ず。 これが小説だったら、多分のたうち回りながら楽しんで読めたと思うんだが、映画だと単に痛々しさだけしか感じられなかった。 でも、映画で心を抉られるという貴重な体験を味合わせてくれた、それだけでも充分か。 |
間宮兄弟 2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||
2006日本アカデミー話題賞(塚地武雅) 2006ブルーリボン新人賞(塚地武雅) 2006日本映画プロフェッショナル大賞第10位 |
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ビール会社の研究員の兄、間宮昭信(佐々木蔵之介)と小学校の校務員の弟、間宮徹信(塚地武雅)は都内で二人暮らしをしている。子供がそのまま大人になったような二人はいつも仲良く楽しく過ごしていたが、その中に恋人がいれば素敵と考えた二人は、一念発起し、徹信の勤める小学校の教師である葛原依子(常盤貴子)と常連になっているレンタルビデオ店員の本間直美(沢尻エリカ)を招き、自宅でカレーパーティを開く。四人は楽しく過ごすことが出来たが、親密になるまでにはどうしても至らず…そんな兄弟の日常を描く。 本作を観るのはかなり躊躇があった。いくつかの理由を挙げると、オタクを題材にした作品はかなり痛々しい感じのものが多く、そう言うのがどうにも苦手なこと。それに森田芳光監督作品はこれまではずれが多すぎたこと。いくつか好みの面白いのもあるけど、それ以上に叩きつけたくなるような作品見せられることもしばしば。 しかし、なんだか妙に評価が高いし…という世間の評判を頼りに劇場に。 少なくとも、良い意味では裏切られた。間宮兄弟の描写は全然痛々しくない。二人はオタクと言うよりは、永遠の子供という意味合いの天真爛漫さを見せてくれたし、それを取り巻く、時として残酷な冷徹な現実との折り合いもちゃんとついてる。彼らはそう言う外界をシャットアウトするのではなく、そう言う現実と共存する知恵をちゃんと持っているのだ。これまで江國香織原作をなかなか表現できた映画はなかったが、これは初めて上手く江國テイストを再現できた作品では無かろうか?(原作そのものは未読なんだが)。 そんな二人の生活と、彼らを取り巻く大人のドロドロした関係とが上手く対比された日常が描かれる。ある意味普通の人の普通の生活が描かれるわけだが、それは不思議と心地よい。どんなに普通の人であっても、人と交流している限りそこには必ずドラマが現れる。そう、彼らは現実から逃げていないからこそ、ドラマが成り立つのだ。ドラマ部分は彼らが直接関係するものもあるが、多くは彼らとは無関係に起こる出来事で、彼らはその影響を受ける形を取り続けている。その影響で悩んだり、苦しい思いをしたりするのだが、それを独自の暖かいタッチですらっと描いているのが面白い。 その何気ないドラマを面白くさせているのが演出の巧さ。何気ない仕草の一つ一つ、表情の一つ一つが間宮兄弟を愛すべき存在とさせている。愛すべきとっちゃんぼうや達。彼らがオタクとは言い難いが、少なくとも、オタク達がなり得る一つの理想型なのかもしれない。 ただ、それだけで見せるのに二時間はちょっと長すぎた。あと10〜20分詰められたら、もうちょっとすっきりとした気分になれるのだが、中だるみというか、後半はかなりだれてしまったのが残念。色々工夫はあっても、基本的にほんわかした雰囲気が信条なので、それで1時間半以上はきつかった。所々で良いから、もうちょっとスピーディにしてもらえば良かったんだけどね。 あ、後一つ。劇中違和感を感じ続けていたが、ようやく分かったのが一つある。私が何故間宮兄弟を「マニア」あるいは「オタク」と呼びたくないかと言えば、部屋が整いすぎてると言う点だった。そこら中に資料やアイテムをぶっちらかしてあったり、雑然と積んであるところがどこにもない。それにあれだけの本があって、一切雑誌類が見えなかったのもあった。我ながら細かいけど、大抵この手の人間は古い雑誌を捨てられずに置いておく事が多い。特に新幹線マニアだったら、当然その手の雑誌はたくさん置いてあって然りだ。 |
海猫 2004 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2004日本アカデミー新人俳優賞(伊東美咲) 2004文春きいちご賞第3位 |
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模倣犯 2002 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2002日本アカデミー助演男優賞(山崎努)、音楽賞、録音賞 2002ブルーリボン助演男優賞(津田寛治) 2002毎日映画コンクール日本映画ファン賞 2002オンライン・ムービー・アワード第11位 2002日本のヒット作第8位 |
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東京下町の公園でバッグと切断された女性の右腕が見つかった。バッグから、それは10か月前に行方不明となった鞠子という女性のものと思われたが、その後犯人を名乗る男がメディアに電話出演しそれを否定。後日、犯人の出したヒントから別の場所で鞠子の遺体が発見される。不可解な行動の犯人に、警察もメディアも踊らされる一方だったが、そんな時、ある事故車から犯人と思しきふたりの男・栗橋浩美と高井和明の遺体が発見される… 宮部みゆきのベストセラーの映画化。 本作はテレビで放映されていたのをビデオで録っていたのだが、たまたまその時は積ん読の中に文庫版の一巻があったので、どうせなら読んでから観てやろう、と、まずは小説の方を読んでみた。 小説の方はおもしろかった。推理小説としてはかなり量があったが、先行する事件と、その検証、その後に起こったこと、ちゃんと項目に分かれていて全体的に質が良く、そのまま一気読み。内容も著者らしさがよく表れていて、理不尽な事件に遭遇した家族のあり方や、それをいかに消化していくかが丁寧に描かれており、社会派作品としても読めるなかなか良い感じ。 で、これで用意ができた、と、ビデオの方を観た訳だが… いやはや、まさかこんなもん観せられるとは。ここまで換骨脱胎させられると、呆れを通り越して笑うしかない。 そりゃ原作があれだけ厚いし、あれを2時間でまとめるのは無理があったとは思うけど、まとめきれなかったのは良いとしても、原作では目立たなかったアラ部分を逆に強調してどうする? 一応原作は途中1/4くらいまでは推理小説の体裁を取っていたので、映画化するに当たり、その部分を強調しているのだが、それで残りの3/4、つまり小説では最も重要な部分を完全にないがしろにしてしまったのが一番の問題。本来の主題を無視し、枝葉の部分にだけ焦点を当てた結果、話の魅力を全く失ってしまった。更に、きちんとした勧善懲悪になっていた原作に対し、犯人をあたかも善人のように描いてしまった構成は、あたかも原作に対し恨みがあるんじゃないのか?と思えてしまうほど。 そしてラストのアレは… 未だにあのシーンをなぜ付けたのか分からない。 強いて考えるならば、ピースがやりたかったことは、自殺によってメディアをあざ笑いたかったのか?とも思えるが、しかし、そうなると、「悪は必ず裁かれなければならない」と言う着地点を用意した原作を完全に無視してしまうことになるし、仮に作り手がそれを考えていたならば、変えたなら変えたなり、きちんとその決着を付け、なぜこのシーンが必要なのかをきちんと描くべき。 あのシーンは意味不明と言うより、もうなんでも良いから、終わらせようって感じ。ただ、インパクト”だけ”はあったので、結果としてそのシーンだけは思い出せる。 結果として、本作は見事な原作レイプの作品であるということだけだろうか? …さすがに原作者、これに怒っただろう?と思ったら、本当にそうで、わざわざ映画とは全くつながらない続編を書いて、それを映画化の答えにしたのだとか。 |
黒い家 1999 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1999日本アカデミー助演男優賞(西村雅彦) 1999毎日映画コンクール女優主演賞(大竹しのぶ) 1999ヨコハマ映画祭撮影賞、主演女優賞(大竹しのぶ)、第7位 |
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保険会社の社員若槻慎二(内野聖陽)は保険金の説明に訪れた家で息子の首吊り死体に遭遇してしまった。警察により自殺と判断されたため、保険金も支払われることになった。しかし、その両親の態度に不審なものを感じた若槻は心理学者の恋人の助けも借り、その夫婦の心理状態を探っていくのだが… 前知識無しにホラー作品だと思って観たら、実はサイコスリラー作品だった。ここには超常現象は起きないし、モンスターも出てこない。 だけど、この作品が怖くないか。と言うとさに非ず。怖かった…いや、正確なことを言うなら、「凄く気持ち悪かった」。ここに登場する大竹しのぶの怪演は鬼気迫るものがあったし、兎に角苛つかせる描写も連続する。よくぞこんなもん作ったもんだ(決して褒めてるんじゃなけど、森田監督ってこんな実力あったとはそれまで知らなかった)。 後に原作も読んでみたけど、最近の作品の傾向か、様々な蘊蓄と心理学的描写に溢れ、これまた気持ち悪い作品に仕上がっていた。 様々な蓄積により人の精神状態をどう撮れば人に不快感を与えられるか。邦画は非常に進歩してきたと思う。その蓄積をフルに活用すれば、ここまで気持ち悪いものが作れるって事を証明できただけで良しとしよう。 これを観たときは、丁度精神的に参っていた時期に当たっており、観終えて激しく後悔した。精神状態を見事に最悪にしてくれた作品として記憶しておくべき作品。これ観るのは、自分の精神状態に気をつけるべき。 |
39 刑法第三十九条 1999 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1999日本アカデミー主演女優賞(鈴木京香)、脚本賞、録音賞 1999ブルーリボン主演女優賞(鈴木京香) |
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失楽園 1997 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1997日本アカデミー主演女優賞(黒木瞳)、新人俳優賞受賞(高瀬比呂志、木村佳乃)、助演男優賞(寺尾聡)、助演女優賞(星野知子)、監督賞(森田芳光)、脚本賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞 1997毎日映画コンクール美術賞、音楽賞 1997報知映画主演男優賞(役所広司)、主演女優賞(黒木瞳) |
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久木(役所広司)は中年にさしかかって仕事も家庭も上手くいかず、人生の目的を失いかけていた。だがある時カルチャースクールの書道講師を務めていた倫子(黒木瞳)と知り合い、その愛は燃え上がっていく。お互い家庭を持つ身でありながら、どうしても離れられぬ二人は… 渡辺淳一原作で、公開当時大ヒットした作品。 著者の作品は何作か読んでいるが、この人の作品は二つに分かれる。元医者だけに医療に関わる社会問題に真摯に取り組んだ作品と、本作に代表される不倫作品。面白いのは圧倒的に前者なのだが、何故かそっちよりも不倫ものの方が受けが良い。これが日本の風潮というものか… それで原作もそうだけど(何故かしっかり読んでる自分…)、出来自体がかなり酷い。要するにドロドロの不倫で愛情を確かめ合うのにセックスしか持たない二人の身勝手さと、それに振り回される周りだけ…何でこれがこんなに受けるんだ? それでも敢えて考えてみると、自分だけの世界をそこに観させてくれるから。なんだろうか?他の何ものもない、自分だけの。この二人は相手のことを何も見てない。自分の内面だけを見ている。それで自分は幸せと思いこみ、その幸せを壊したくないから死んでしまう。主人公は二人いるが、二人とも一人の世界に閉じこもっている。心の中にシェルターを作ってしまってる。これこそ当時の時代性と言っても良いかもしれない。 不倫ものだからとか、ポルノじみた濡れ場があるとか言っても、実はそれが一番の受ける要素だったのかもね。 私は嫌い。 |
(ハル) 1996 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
1996日本アカデミー新人俳優賞(内田聖陽)、主演女優賞(深津絵里)、脚本賞 1996キネマ旬報日本映画第4位 1996報知映画監督賞 1996ヨコハマ映画祭脚本賞、主演女優賞(深津絵里)、第4位 |
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キッチン 1989 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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悲しい色やねん 1988 | |||||||||||||||||||||||||||
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そろばんずく 1986 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1986ヨコハマ映画祭脚本賞、主演女優賞(安田成美)、助演男優賞(小林薫)、第10位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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広告代理店に勤める春日野八千男(石橋貴明)と時津風わたる(木梨憲武)は、実力本位の自由な気風に溢れたト社でのびのび仕事をしていた。梅づくしのり子(安田成美)と組んで三人でプロジェクトを開始するのだが、業界第一位の広告代理店ラ社の横やりが入り、プロジェクトが次々横取りされてしまう。その事実を知った三人の怒りが爆発する… 邦画は長い低迷期に入っていた。1970年代に既存の価値観をぶちこわしまくった日本映画界(決してそれが悪い訳ではない)が、1980年代に入り、新しい価値観を求めていた。 その中でいくつかの方向性が模索されたが、大きな方向性はいくつかに分かれる。古くから邦画を支えてきた監督達は耽美方向に向かい、新しい監督はインディペンデント系で監督の感性を前面に押し出すパターンと、メジャー系でのキャラクタ重点主義へと向かうパターンに分かれた。とにかく有名人を放り込むことによって、客足を伸ばそうという試みである。その結果、アイドル映画が頻発したのだが、本作もその系統で見ることができるだろう。当時大流行のとんねるずを起用することで、単なるアイドル系の作品に終わることなく、監督の感性を最大限に発揮することが出来たので、ある意味本作は80年代を代表する作品と言うことも出来る。 ただし、監督の感性を大切にすると言うことは、当然ながらそれに合う人と合わない人がいると言うこと。 それで私は見事なほどに合わなかった。シュールな展開もどこぞのメーカーのフィーチャーにしか見えないし、物語の展開だって行き当たりばったりが重なっただけ。本当に脚本があったのか?と思えるほど。 根本的にキャラに全く魅力を感じられないってのが致命的だろう。主人公の三人は遊んでるようにしか見えず、ライバル社も悪辣さが全然ないので、最後までお遊びのまま、なんとなくハッピーエンド。もの凄く居心地が悪い作品だった。 監督の森田芳光は既にベテランと言っても良いキャリアを持ってたはずなのに、なんでこんなに毒されたんだ? よくこんなの最後まで観たなあ。 |
それから | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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メイン・テーマ 1984 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1984日本アカデミー新人俳優賞(野村宏伸) 1984ヨコハマ映画祭技術賞 |
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1984年邦画興行成績2位 |
ときめきに死す 1984 | |||||||||||||||||||||||||||
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家族ゲーム 1983 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1983日本アカデミー新人俳優賞(宮川一朗太) 1983ブルーリボン監督賞(森田芳光) 1983毎日映画コンクール脚本賞 1983報知映画作品賞、主演男優賞(松田優作)、助演男優賞(伊丹十三) 1983ヨコハマ映画祭作品賞、監督賞、脚本賞、技術賞、主演男優賞(松田優作)、助演男優賞(伊丹十三) |
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沼田家の家長孝助(伊丹十三)は問題をかかえて成績が全然良くならない中学三年の茂之(宮川一朗太)に新しい家庭教師を連れてきた。茂之はこれまで何度も家庭教師を付けても、全員匙を投げてしまうほどの問題児だったが、今回やってきた吉本(松田優作)はこれまでと全然違っていた。三流大学の七年生という吉本は、端から見ても極めつきの変人だったが、決して諦める事をせず、勉強のみならず喧嘩まで教えていく。そんな弟を冷ややかに見つめる優等生の兄慎一(土田順一)… 本間洋平の同名小説の映画化作。私にとって「家族ゲーム」というのは何かと印象に残っている作品。たまたま親父がこの小説を持っていて、親父の書斎から持ってきて読んだのが最初だが、その後長渕剛主演によるTVシリーズも始まり、そちらの方も見始める。映画の方はその後になってから。 正直小説の方は良く分からなかった。優等生の兄の目で見た家族について書かれているのだが、とぼけた吉本のお陰でどんどん成績が良くなる劣等生の弟と、徐々におかしくなっていく自分自身について書かれていたというのは記憶にあるのだが(なんせ読んだのが中学生の時だったし…でもこれだけ印象に残ってたんだな)。その後のTVシリーズの方は明快なコメディ調で楽しかった(今調べて分かったのだが、あのクソガキ、松田洋治だったんだね)。 それで映画版だが…テレビ版とも原作とも又変わった作品で、とても実験的な作品に仕上がっている。特にカメラアングルの凝り方は偏狭的とも言えるほどで、おおよそ現実とも、これまでの映画の手法とも完全に異なったアングルの取り方は大変面白い。四人家族が食事をとるのに、テーブルを囲むのではなく、一列に並んで食事を取ったり、ヘッドフォンで音楽を聴いているシーンではレコードジャケットを見せるだけで音を流さないなど、そう言った演出が多用。ラストシーンでまっ赤な夕焼けの中、シルエットだけでぽつりぽつりと話す会話シーンも印象に残る。ちょっと目がちかちかするような所もあったが、こういう実験は大好きだ。 キャスティングも面白い。特に松田優作はこの作品に限っては、はっきり言って「むさくるしい」と言うレベルだし、全くなんの脈絡もなくキレるし、おおよそ教師に最も似つかわしくない存在なのだが、そう言う型破りな役を演じる事によって逆に松田優作はこの作品を自分の作品にしてしまった感じがする。周囲のキャストの抑え気味な演技がますますその存在感を際だたせていた。 ただ物語自体は小説版に沿ってる癖に主人公のウェイトが明らかに松田優作の方を向いているため、ちょっとちぐはぐな感じになってきた事は否めず。今になって考えるとバランスが無茶苦茶。一種のカルトムービーなんだろうな。 後にどんどん安定度を増していく森田監督にもこんな時代があったんだね…あるいは、だけど、森田監督の暴走とも言える演出は松田優作という人物に引きずられたためだったのかも? ちなみに本作の助監督に金子修介の名が挙がっているが、それまでピンク映画ばかり助監督していた金子にとっては、本作が初めての一般作の関わりとなる。 |
の・ようなもの 1981 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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森田監督の商業作品第一作。独特な映像感覚が話題を呼ぶ 主人公が深夜の街を歩き続けるシーンで有名になる |