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永野護

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書籍

_(書籍)

_(書籍)
2012 花の詩女 ゴティックメード 監督・原作・脚本・絵コンテ・原画・レイアウト
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
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2002
2001
2000
1999
1998 ブレンパワード<TV> デザイン
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989 ファイブスター物語 原作
1988
1987
1986 重戦機エルガイム<OVA> キャラクターデザイン
デルパワーX 爆発みらくる元気!! キャラクターデザイン
1985 機動戦士Zガンダム<TV> デザインワークス
1984 巨神〈ジャイアント〉ゴーグ<TV> メカニカルデザイン
重戦機エルガイム
<A> <楽> キャラクターデザイン
wiki
1983
銀河漂流バイファム
<A> <楽> メカニカルデザイン
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960 1'21 京都で誕生

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花の詩女 ゴティックメード 2012
<A> <楽>
井上伸一郎
榎本郁子
富樫真
堀裕治(製)
永野護(脚)
川村万梨阿
佐々木望
折笠愛
大谷育江
大塚明夫
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 小さな惑星カーマイン・プラネットには、代々の記憶を継承し、予言を与える詩女という女性が存在した。その後継者として選ばれた少女ベリン。そして聖都“ハ・リ”へと旅立つのだが、彼女を守るため軍事大国“ドナウ帝国”の第3皇子トリハロンが姿を現わす。詩女の就任阻止を企む勢力によるベリン暗殺の動きを警戒した惑星評議会の命を受け、警護のために旅に同行するというのだったが…
 カルト的人気を得た永野護。その代表作である「ファイブ・スター・ストーリーズ」は始まったのがもう四半世紀も前。中断が多い作品としても結構有名で、大体1〜2年くらい連載して、それから1年くらいはお休みするのがいつものことだった。その度ごとにファンは待たされ、小出しにされる設定集やら永野本人が語ったことなどを元に、次の展開の想像をたくましくするくらいしかなかった。それでも漫画は10巻を越え、これからまだまだ続いていくはずだった。
 その矢先、突然著者本人によって「アニメ映画を作る」という宣言が出された。
 まあ、この人のこと。当時は「これで漫画が少なくても2年くらいは先送りか」と諦めに似た気持ちにさせられたのだが…
 しかし、映画の完成は遅れに遅れ、それに伴い漫画も一切新作が読めないまま5年という年月が流れてしまった。
 3年をすぎたあたりになると、「本当に映画できるのか?」とか、いっそ映画諦めて漫画に帰ってこいよ。という思いにもさせられた訳だが、やっとこの度完成してくれた。
 一応ファンとしては観ておかねばならんだろ。という重いによって拝見。

 まずちょっと驚いたのは、客層。少なくとも公開後一月以上は経過していたのに、小さな劇場は満杯。上映1時間前にチケットを買いにいったら、もう一番前の席くらいしか空いてなかったという状況。永野ファンってこんなに多かったか?そして劇場の中は、ほとんどみんな私と同年齢くらいの人ばっか。「こんなおっさんになってもアニメなんか観てんじゃねえよ」と、自分を棚において呟いてしまった。みんな私と同じで、「ファイブ・スター」を待ちに待ち、それで集まってきた奴らばかりなんだろうな。出来そのものより、これで著者がけじめを付けて、再び漫画に帰ってきてくれることを願っている奴らばかりだろう。劇場の中には一種の怨念というか、別な意味での期待感に満ちていたような気がする…あくまでも個人の感想だが。

 そして出来に関しては…
 これ、本当に5年もかけて作る意味のあった作品なんだろうか?という気持ちがそこはかと感じるような。仮にこれ漫画でやってたら、せいぜい二回分程度。コミック一巻にも満たない位の薄い内容で、せいぜいその中にあったケレン味を感じてニヤニヤできるくらいか。
 この作品にあったケレン味は、「結局これファイブ・スターか」というもので、全く新しい作品ではなく、いわば「ファイブ・スター」の前史にあたるものということを確認したこと。
 設定的に広がったファイブ・スターはこれまで三つの時代を描いてきた。
 しその一つであり、メインとなっているのは著者があらかじめ用意した年表に沿った物語。これが漫画の大部分を占めている。
 二つ目が年表には書かれていない遠い未来の話。時にその未来からキャラが年表の中にやってくる場合もあったりして、遠い未来でありながら、リアルタイムの出来事にも関わってきたりするのでなかなか侮れない。
 そして三つ目が、一応年表には書かれている年代には入るが、現在のキャラの先祖が登場する作品。顔とか性格とかが同じで、違った時代に生まれて、その時代の波にもまれつつ、現在に至る王族を作っていった人たちの話。

 この映画はそのうちの三つ目に位置する。登場するキャラも、年表内に登場するフィルモア皇帝やハスハのアトールの巫女、ドラゴンの幼生などが共通するキャラとして登場し、それらがこういう絡まりを持って、現在の物語を作っていったということを知ることができるようになっている。
 でも、それはつまり視聴者にとっては、既に分かっていることをなぞっているだけというだけになる。物語はとても単純なものになり、「ファイブ・スター」知らない人がこれ観ても分からないままだろう。知っている人にとってはそれなりに興奮はできるものの、物語自体の薄さを目の当たりにすることになった。

 こんなものを見せられて、一応のファンとしての思いとしては、「これで5年かよ」というもの。この期間、こんなものを作ってもらうよりは、漫画を読んでいたかった。というのが正直な感想。
 でも一方では、「これでほっとした」というものもある。これで著者もやりたいことやって満足だろう。これで漫画に帰ってきてくれる。そんな思いにさせられる。

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