読書日誌
2025’7〜9月

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25'09'28 結物語 物語シリーズ22
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 阿良々木暦23歳。大学を卒業し、警察のキャリア組の幹部候補生として故郷の直江津警察に研修にやってきた。ここに新設された。、人ならぬ者達が署員となる“風説課”で研修を受けることになるのだが、実は暦こそ、この課の要だった。人魚、ゴーレム、人狼という怪異の署員と共に風説に基づいた事件を探ることになった。

 時代が少し飛んで暦が大学を卒業した後の話になった。これまでの人間関係にも色々決着がついてきたが、同時に新しい人間関係もできつつある。
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25'09'24 ROCA
いしいひさいち (検索) <amazon> <楽天>
 少々柄の悪い人たちの多い港町で、ポルトガルの国民歌謡“ファド”に魅了され、歌い始めた高校生少女吉川ロカ。彼女の歌声はやがてスカウトの目にとまり、プロ歌手として台頭していくことになる。だが素のロカは気が小さく、友人の柴島がいないと何もできないほどだった。

 前にネットで「泣ける漫画」と書かれていて、あのいしいひさいちが泣ける作品を?と思ってネットで少し読んでいったら、是非欲しくなって購入した。文字通り、本当に泣けた。こんな作品まで書いていたんだね。
<A> <楽>
25'09'20 プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
アンディ・ウィアー (検索) <amazon> <楽天>
 “ぼく”が冷凍睡眠から目覚めたとき、そこが宇宙船の中で、しかも太陽系とは違う恒星の近くに居ることが分かった。低温ダメージが抜け、徐々に記憶が蘇ってくるうちに、自分が何者で何のためにここに居るのかが徐々に思い出せてくる。それは太陽系を救うための方法を探りに来たと言うことだった。だが、そもそも雲を掴むような無謀な賭である事も思い出してしまう。

 映画オデッセイ(2015)原作でもある「火星の人」の著者が挑んだ壮大なSF大作。滅亡に際している太陽系を救うためのプロジェクトでもあり、ファーストコンタクトでもある。かなり壮大かつ詰め込んだ内容で、読んでいてもとても面白い。改めて思うが、書き方が上手い。
<A> <楽>
25'09'16 パタリロ!55
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラや海外で次々と起こる事件に巻き込まれるパタリロ。人の(主にタマネギの)迷惑考えずに首を突っ込み混乱を引き起こしながら解決していく。

 いつものパターンだが、今巻は不思議な館を設定し、そのギミックを暴くみたいな話が多い。多分この当時著者は綾辻行人とかの新本格にはまっていたのだろうとは推測できる。
<A> <楽>
25'09'11 弧月殺人事件
柴田哲孝 (検索) <amazon> <楽天>
 画商の徳本という男が殺害された。死体検分にやってきた新米刑事の有田夢二は、祖父が古物商で、本人も絵画に造詣が深かったお陰でこの家の絵画が一枚盗まれていることに真っ先に気がついた。上司の許可を得、祖父の荘助の助けを借りて事件の調査を始める。

 バディが祖父という面白い構造を持つ作品で、名画をミステリーとして仕上げる形式も上手い。このままシリーズにしても面白そうな感じだった。かなり質が高かった。
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25'09'07 僕のヒーローアカデミア16
堀越耕平 (検索) <amazon> <楽天>
 ヤクザ組織の八斎會がアンチヒーロー能力を持つ女の子を使って反社会的な攻撃を準備していることを察知した警察とヒーロー界は共同して事務所に踏み込む。だがそこは地下に張り巡らされた迷宮のような通路を辿らねばならず、更に地形を変える能力者が配置された厄介極まりないダンジョンだった。事務所のインターンとして雄英の一年生も数人参加する作戦で、出久もその中にいるが。

 今回主人公の出久はほとんど出番なし。上級生で食べたものの能力をコピーできる天喰環と、同級生で肉体硬化能力を持つ切島鋭次郎の二人が中心。アクションの連続ではあるがストーリー自体は停滞している。
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25'09'03 舞台裏
池田久輝 (検索) <amazon> <楽天>
 京都府警の警官佐原は大学の学友村河に呼び出されて、二人と同じ大学の演劇部澤菜々子が殺されたことを伝えられる。管轄外であることを承知の上でこの捜査をお前にやって欲しいという村河の熱意に押され、個人的に聞き込みなどを行ってみるのだが…

 相棒というテーマの作品の中で、警察外の人物が相棒というのがちょっと変わっている。ネタがだいぶ古いのが難点。
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25'09'01 金剛寺さんは面倒臭い2
とよ田みのる (検索) <amazon> <楽天>
 互いの気持ちを打ち明け合って恋人同士となった金剛寺さんと樺山くん。だが何事も四角四面にとらえる金剛寺さんは決して自分のペースを崩そうとせず、常に樺山くんをやきもきさせていた。それでも周囲の後押しもあって、初デートにこぎ着ける二人だったが…

 一巻を読んだ時点で、出オチだけで突っ切る作風と分かり、これを続けるのは大変だと思ったんだが、意外にしっかり続いている。伏線なのかなんなのか分からないが、これまでちょい役のように登場した人物が複雑に絡み合いながら展開していく物語は意外に大きなものになりそう。
<A> <楽>
25'08'28 真夜中の相棒
柴田よしき (検索) <amazon> <楽天>
 都内であまり売れてない小説家が殺害された。容疑者はすぐに挙がったものの、そのアリバイは崩せなかった。担当となった刑事安藤は、何事にも細かすぎることで嫌われている麻生刑事と組まされて捜査を進めていく。聞きしに勝る麻生の細かさに閉口することになるが…

 短編小説ながら、必要な要素を色々と詰め込んでバランス良く仕上げられた作品。バランス良すぎて印象が薄いのが難点。
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25'08'24 アオイホノオ29
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 「炎の転校生」の連載も進み、アシスタントのマウント武士と共に快進撃を続けるホノオ。そんな彼の元に少年サンデーからいくつかの申し込みが入ってくる。その内の一つが、ホノオの憧れの人、ゴーグルピンクの大川めぐみとの対談があった。

 「少年サンデー」の連載も始まって絶好調のホノオは、全く痛々しさがなくなってしまったけど、久々に本当に痛々しい話が出てきた。憧れの人を前に、自分のデザインした忍者衣装を機転ポーズを決めねばならない。想像するだに痛い。主観がホノオではなくマウント武士の側に移ることもあって、彼女の目から見た、痛さも更に強調されている。
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25'08'20 恐怖への招待
楳図かずお (検索) <amazon> <楽天>
 1996年のインタビューで、著者が自らの半生を振り返り、デビューからこれまで描いてきた作品について著者自身が振り返って語るエッセイ。

 だいぶ降る一時台のエッセイだが、文庫で出ていたので読んでみた。当時の世相も思い出したし、何よりバリバリ漫画描いていた時代の著者の元気さが眩しい。
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25'08'16 紅殻のパンドラ4
士郎正宗 (検索) <amazon> <楽天>
六道神士 (検索) <amazon> <楽天>
 新しく建てられた百貨店にやってきたネネとクラリオンは、たまたまエレベーターでセナンクル島議会議長のジェイナスと乗り合わせるのだが、そこで火事が起こってしまい…

 今回も基本的にはクラリオンの力を用いた人助け。助けた相手は蒲腐…ならぬ島の議長ジェイナスだったことから、また新しいつながりが作られた。島の重要人物とつながっていくことで、これからの話がつながっていくのだろう。
 相変わらず最後の士郎正宗による開設が一番読み応えあり。
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25'08'12 裏世界ピクニック9 第四種たちの夏休み
宮澤伊織 (検索) <amazon> <楽天>
 「獅子の卦」かつて二人が行った裏世界の日本家屋へと向かった“私”空魚と鳥子。そこは既に廃屋となっており、そこに住んでいた外と犬のハナも消えていたのだが、廃墟の奥まったところから気配があった。
 「カイダンクラフト」裏世界のポータル作りをしている“私”たちが目撃したものは。
 「第四種たちの夏休み」DS研から訓練に付き合ってほしいという依頼を受け“私”たち二人と潤巳るな。るなについて警戒を解かない“私”ではあったが、るなの性格もだいぶ変わっていた。

 一気にラストに向かうかと思っていたが、話は全然進展していない。るなに保護者がついて精神が安定していることが一番のメインになるか。
<A> <楽>
25'08'07 BEASTARS9
板垣巴留 (検索) <amazon> <楽天>
 裏市での用心棒をしながら学校に通うレゴシは二重生活の中でついに食殺犯人を突き止めた。だがそれはハイイロオオカミのレゴシよりも遙かに強いヒグマのリズだった。あっさり犯行を認めたリズだが、レゴシは命の危機を迎えることになる。一方、シシ組の組長として裏社会に君臨するルイはまるで自らを追い込むように犯罪行為を繰り返していく。

 いよいよ話も佳境。1巻からの課題であった食殺犯人はあっけなく分かってしまったが、食物連鎖の頂点であり、現時点ではレゴシでも全く敵わない実力者だった。
<A> <楽>
25'08'03 マルドゥック・アノニマス4
冲方丁 (検索) <amazon> <楽天>
 処刑寸前のウフコックの前に現れたのはバロットだった。だがここはクインテッドの本拠地で、二人は底から脱出しなければならなかった。次々に現れるエンハンサーを次々に倒していく。その中でバロットはここまで来るまでの苦労を思い出していた。

 3巻読んでから結構時間が掛かってしまったが(買ったはずの本がどこにも見当たらず、探していたから)、ちゃんと前の話は覚えている。振り返りと現在のアクションを織り交ぜた作品だが、文体の美しさというか、読みやすさが格段に高い。いくつものラノベを読んでいると、この人の文章の巧さは群を抜いてることが分かる。
<A> <楽>
25'07'30 悪役令嬢転生おじさん7
上山道郎 (検索) <amazon> <楽天>
 優秀な成績で学年主席を得る事になった憲三郎=グレイスとアンナ。そんな二人に、学校は成績優秀者しかチャレンジできない星誕の儀への挑戦権を得た。二人で共同して先生方の出す試練をクリアするのだが…

 話としてはいつも通り。ゲーム感覚で試練をクリアするのは長く少年誌で書いていた著者の手すさびっぽい。一応ラストでこれからの展開のヒントらしいものが提示されたが。
<A> <楽>
25'07'25 続 窓ぎわのトットちゃん
黒柳徹子 (検索) <amazon> <楽天>
 トモエ学園が焼けてしまい父も戦争に取られてしまった。残されたお母さんとトットちゃんをはじめとする家族は青森へと疎開し、そこでトットちゃんには友達もできた。そんな時に戦争も終わり…

 「窓ぎわのトットちゃん」と「トットチャンネル」の間を埋める物語。トモエ学園が無くなった後でどんな生活を送ってきたのかが分かる。後半は「トットチャンネル」後の今に至るまでが語られているので、それも興味深いところ。
<A> <楽>
25'07'21 パタリロ!54
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラに次々起こる怪奇事件をパタリロが科学と自らの変態パワーで解決する話。

 50巻も過ぎてこんなことを言うのも何だが、マンネリもだいぶ進んできて、お化けの話とか超能力とか、あり得ない推理劇とか、だいぶ見慣れたものになってしまったので、この巻はあまり新しさを感じることがない。
 ただ、マライヒの息子フィガロが少し成長していて、少々変わった能力を使えるようになってきた。これは後の伏線となりそう。
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25'07'17 蜘蛛ですが、なにか?12
馬場翁 (検索) <amazon> <楽天>
 人類に対して魔族が大攻勢をかけてきた。犠牲を顧みない特攻に近い魔族の攻撃に数多くの犠牲を出しつつ、唯一の希望とも言える勇者ユリウスを魔族の本拠地に向かって繰り出してきた。だがそれも魔王の計算の内だった。

 新しく勇者となるシュンサイドの最初の頃の話で、勇者である兄が殺されるところまで。歴史的には悪の側にある魔族の本当の目的はこの世界を救うためのエネルギーを得るためであり、そのために協力する“私”の側の方が中心というややこしい設定になってる。
<A> <楽>
25'07'13 俺物語!!13
河原和音 (検索) <amazon> <楽天>
アルコ (検索) <amazon> <楽天>
 家の都合で一年間スペインに引っ越すという大和。別れがたい猛男だが、それでも同じ大学に行くことを約束して大和を送り出す。それから一年の時が過ぎようとしていた。

 駆け足っぽい展開だが、終わるべくして終わった感じ。最後まで気持ちよく読めたので、それだけで充分だろう。きっちり終わっているが、実はこれは最終巻ではなくその後の二人を描いた外伝的な最終巻が残っている。
<A> <楽>
25'07'10 張込み
西村健 (検索) <amazon> <楽天>
 性格の全く合わない所轄コンビの居月と尾角は、事件の犯人が会いに来る可能性のある女性のアパートを見張っていた。お互いなんとか会話を続けようとするのだが、全く話が合わず、互いに苛々が募っていく。

 張り込み側の暇な時間についての物語。短編だからできる何気ない話だが、これはこれで面白い。張り込み場所が三ノ輪だが、ここもよく行ったところ。
<A> <楽>
25'07'07 紅殻のパンドラ3
士郎正宗 (検索) <amazon> <楽天>
六道神士 (検索) <amazon> <楽天>
 セナンクル島でタクミの家に厄介になるネネは、何をしても良いと言われながら、何をして良いのか迷いながら、クラリオンと共に出かけては様々な知識をダウンロードして色々挑戦していた。そんな時に事故を目撃して…

 知識のみならず経験までダウンロードできてしまうこの世界にあって、生きる実感はどこにあるのかを模索するという話。見た目は軽いけど、かなり哲学的内容となってる。何でもできるならば、出来ない事を探すうち、現時点の結論は人助けということに落ち着いたようだ。
<A> <楽>
25'07'03 戦国自衛隊
半村良 (検索) <amazon> <楽天>
 北陸で行われた大々的な自衛隊演習で新潟に集まった自衛隊輸送分隊。ところが演習が始まる前に彼らは突然戦国時代にタイムスリップしてしまう。現実に戸惑う隊員をまとめる伊庭は、そこで知り合った武将長尾景虎を助けることに決める。近代兵器で武装した彼らは圧倒的な戦力で近隣武将を平定していくが、それは歴史を大きく変える結果となっていく。

 昔から読もう読もうと思っていたのにようやく読めた。思った以上に面白いが、何より話がほとんどダイジェストで終わっているところがすごい。内容的にいくらでも書けそうなので、10倍くらいに水増しできてしまう。そのイメージがあるからこそ、本作は名作と呼ばれるのだろう。
<A> <楽>