04'01'30 |
死人の鏡
名探偵エルキュール・ポワロが手がけた事件を描く短編集。「厩舎街の殺人」「謎の盗難事件」「死人の鏡」「砂にかかれた三角形」の四編を収録する。
著者の作品は長編も良いけど、よりミステリーに重点が置かれている短編が面白い。犯人は大体想像が付く場合が多いのだが、トリックが解けない。これが私の限界って所か? |
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03'06'02 |
ヒッコリー・ロードの殺人
ロンドンのヒッコリー・ロードにある学生寮で盗難事件が頻発した。それらは全て他愛のないものだったが、ちょうどその寮監をしていたのが秘書のミス・レモンの姉だったこともあり、ポアロが興味を持って寮に顔を出した。そこで何か大きな事件がこの背後に潜んでいることを直感するポアロだったが、実際に彼が帰った後に寮で殺人事件が起きてしまう…
原題は「Hickory Dickory Dock」。この題はマザー・グースの歌の一編で、作品内でポアロが口ずさんでいるが、一応それと関連した殺人事件。著者はこういったお遊びが好きなようで(他にも「そして誰もいなくなった」もマザー・グースの歌)、著者の遊び心が見て取れる。尤も、それだけで犯人を推測するまでは出来ないけど。この作品だとちょっと伏線が弱かったし、終わり近くになって話が大きくなり過ぎ。犯人も終わり近くでは大体目星がついて、そのまま決定…推理ものとしては中程度かな?ドラマとしては面白かったけどね。 |
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02'12'06 |
招かれざる客
霧の深い夜、高名な狩猟家ではあるが、半身不随となり、粗暴で知られるようになった一人の男が撃ち殺された。彼の家族と、そこにたまたま居合わせた男とが容疑者として挙げられるが、家族それぞれの思いこみにより、捜査は難航していく。果たして真犯人は…
私は結構様々な分野の本を読むようにしているが、その中では比較的推理小説の占める割合は低い。別段理由はあまりなく、特別に買おうと思わないだけ。それに特に日本の推理作家の書く小説はどうも私に合わないのが多いので(横溝正史とか江戸川乱歩とかは別な意味で面白いけど)。
それでも推理小説の中で最も良く読んでいるのはやはりクリスティだろう。著者の描く舞台は様々な伏線と人間ドラマに満ち、最後もあっと思わせる仕掛けが置いてあったりするから、時々不意に読みたくなったりする。
本作も質は高く、楽しめた作品。特にラストは面白い。だけどこれは実際には“謎解き”はされてないんだよね。そう言う人を食った終わり方というのも楽しい。 |
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03'07'15 |
パーカー・パイン登場
他人の人生の空虚さを埋めることを趣味を兼ねた仕事としている人物パーカー・パイン。彼の元を訪れる、今の人生に決して満足していない者達や、あるいは彼を逆に利用してやろうと罠をかけてくる者達…そんな人たちにまつわる事件を描く。
かつて英語の授業でこの短編のいくつかは原文で読まされた経験がある(他にもシェイクスピアの「マクベス」もテキストで使われてた)。その時は訳文を読むのはちょっと卑怯かな?と思って手を出さず、大分後になって購入。それからずいぶんな年月が経過して初めて全部読むことが出来た。記憶は所々薄れているが、確かに読んだと記憶している作品もある(英語で読んだはずなんだけど、その記憶は曖昧で、日本語で覚えているのがなんだが)。ポアロやミス・マープルに代表される著者の探偵ものの作品に近いとは言え、ちょっと違っていて、それが楽しい(著者作品では探偵もの以外も質は高いし)。なんにせよ、やっと読むことが出来た、と言う充実感があるな。 |
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03'05'02 |
ミス・マープルと13の謎
イギリスの片田舎の村に一人住むミス・マープルの家に集まった面々。彼らは自分が結末を知っている怪事件の話をしあい、その推理をし合おうと言うゲームを始めた。合計13の謎を揺り椅子で編み物をするミス・マープルが見事に推理するシリーズ。
著者作品の中でもポワロと双璧をなすミス・マープル作品。しかしこれが又面白い。こういった短編は謎解きそのものが話の目的のため、考えながら読むには丁度良いし、自分の推理が当たるかどうか、と言うのも短いからこそ楽しめる。ちなみにこれが本書では二度目になるのだが、前に読んだ時は今から10年以上も前で、今も尚新鮮な気分で読めた(ちなみに一度ちゃんと読んでいるにも拘わらず、犯人が分からなかったのが何作かあったりして…)。 |
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