Home
Book

梶島正樹

(検索) <amazon> <楽天>
ソフト関係 映画・OVA
TV
シリーズ
天地無用!GXP

天地無用!GXP

04'10'05 天地無用!GXP1
 ひょんなことから宇宙へ放り出されてしまった岡山県在住の一人の少年山田西南が、幼なじみのお姉さん霧子や天音といった面々に囲まれ、冒険を行っていくテレビシリーズのノベライズ版。

 このテレビシリーズ、私は大変楽しんだものだが、何よりこの奥深い設定が大好きな上に、監督のワタナベシンイチの暴走ぶりが目立ち、とにかくサービス満点だった。そのノベライズ版である本作は、そこに登場する人物の微妙な表情と内面を主題とし、「あれはこういう意味があったか」などと、いろいろと考えさせられ、大変楽しい作品となった。文体は決してこなれているとは言えないまでも、充分読める。
 …しかし、これを読むと、今のOVAシリーズの出来の悪さのことをどうしても考えてしまうなあ。
<A> <楽>
05'12'22 天地無用!GXP2
 いくつものトラブルの末、何とか無事アカデミーにたどり着いた山田西南。寮の同室の二人とも仲良くなったが、彼の不運は勿論それで終わった訳ではなかった。むしろその能力はますます拡大。彼一人の行動がアカデミーはおろか星一つを巻き込む狂乱の一夜を描く。

 アニメ版の第5話たった一話のみの話で、アニメ版では単に西南の周囲だけのおちゃらけた行動だけが描かれていたものだが、その背後にはシャレにならない出来事が起こっていたということが示される。思い切りノッて描かれているのがよく分かる作品だった…若いて言えば、もっとスピードアップして描いて欲しいもんだけどね…(なんせアニメ版は4年前だ)
<A> <楽>
07'01'18 天地無用!GXP3
 ギャラクシーポリス入学前に数々の武勲を立て、すっかり有名になってしまった山田西南。そしてついに念願のGP入学の日がやってきた。だが、災難を呼ぶ体質を持つ西南だけに、当然一筋縄には行かず…

 随分待たされた気がするが、1巻と2巻の間よりは短かったらしい。それにしてもやっぱり妙に体質に合うというか、凄く楽しめた。TV版の背後に起こった物語が展開する訳だが、新キャラも多数。数百年なんてあっという間のキャラばかりだから、その設定が面白い。霧恋の母親なんて霧恋本人よりも若いし…「デュアル」からの客演まであり。知識の蓄積も楽しめる。
<A> <楽>
08'07'13 天地無用!GXP4
 生体強化を受けた西南は、その体に慣れるため雨音、霧恋、エルマとの共同生活に入ることに。しかしそれは更なる大騒ぎへと展開していく。メイドとしてやってきた珀蓮、玉蓮、火煉、翠簾の四人に、アイリや学校の先輩である美希までもが続々と西南の元へとやってくるのだった。そんな西南のどたばた日常を描く第四弾。

 前巻が出てから早一年。設定とか忘れているところが結構あったが、相変わらず伏線とネタ晴らしがそこらかしこに出てくるため、読んでいて大変楽しい。実質的にはアニメ版の7話と8話だけの話なのだが、アニメの後半になって登場したキャラも多数登場。更にオリジナルキャラまでが登場。という事で、アニメとは大分毛色が異なった印象を受ける。まあ、これを未だに楽しみに待ってる人間なんてそうはおらんだろうけど。
<A> <楽>
09'02'26 天地無用!GXP5
 GXPアカデミーに入学し手ほど無い西南ではあったが、その海賊遭遇率のあまりの高さにGXP上層部は早くも彼を囮部隊として実践投入を決定する。二転三転する運命に翻弄される西南だが、それは西南を心配し、周囲に集まった人間の運命をも大きく変えるものとなっていった…
 アニメの9話と10話に当たる話。もちろん多くの脚色もあるし、登場人物に至っては一気に倍増してしまい、伏線らしきものも多量に投入されているため一々考えながら読まねばならない。まあその作業すら楽しいのは確かなんだが。
<A> <楽>
12'01'07 天地無用!GXP6
 新造艦“守蛇化”のテスト艦長に抜擢された山田西南は囮部隊として目覚ましい成果を上げる。そんな西南の初給料日にお世話になっている面々へのプレゼントを買うためにマーケットへとやってくるのだが…
 エルマの正体が明かされる話。これ自体はアニメではかなり大きな盛り上がりを演出したものだが、小説版では至極あっさりしたものになっていて、その代わりとして山ほどの伏線を張ることに紙面が費やされている。これはこれで楽しいのだが、前巻を読んでから随分経つため、伏線を忘れてしまってることも多々。小説としてはまだこなれてない感じもあり。
<A> <楽>
12'05'24 天地無用!GPX7
 海賊タラントに狙われた積み荷を無事樹雷まで送り届けるという命令を受けた西南の守蛇化は海賊の攻撃から逃げ回っていた。その中で徐々に大人としての責任を身につけつつある西南。そしてその姿は彼を取り巻く女性達にも変化を与えていく…

 既にキャラはオーバーフローを起こしているというのにますますキャラを増やし続ける本作。最早風呂敷を畳むとか言うレベルではなくなってきた気がするのだが、まだアニメ版の半分にたどり着いたところ。まだまだ続きは長い。
<A> <楽>
13'03'31 天地無用!GXP8
 新任艦長となった西南に新しく与えられたのは伝説の哲学士白眉鷲羽が作り上げた新造艦だった。先のテスト艦と同じ守蛇化と名付けたその船でネージュという少女を護衛する任務を受けた西南達。しかしその船はまだ未完成品で、海賊の襲撃を受けてピンチに陥る。そんな中でコントロールユニットが目を覚ます…

 魎皇鬼の妹とも言える福の誕生とその成長がメイン。アニメ版の14話〜15話で、順調に話は進んでいるようだ。やっぱり前巻からの期間が空いてしまったため、頭の中で人間関係を整理するのに時間がかかるのはいつものこと。
<A> <楽>
13'06'11 天地無用!GXP9
 新造艦守蛇化の新米艦長として忙しい日々を送っている西南だが、突然休暇が与えられ、クルーの面々を引き連れて地球へと帰ることになった。だが、故郷に帰った西南が見たものは、驚くことばかり。そして幼なじみである天地の家では、衝撃の事実を知らされることに…

 テレビアニメの16話、17話の話だが、アニメで出てきた部分を表とするならば、本作は主にその裏を描いた話となっている。天地が出てきたと言うことは、そのまま第三期の続きでもあり、天地の体に一体何が起きていたのかも語られていく。
 それらは一応“裏の表”の話で、実は更に“裏の裏”の話もあったりするが、この設定ばらしが凄い。とりあえずアニメ版には一切登場しない人物が、実は…という事が本当にさらりと書かれていて、一瞬唖然として、その後見事にこれも伏線が張られていたことを知らされる結果となった(具体的には、瀬戸が何故ノイケを養女にしたのかが推測出来るようになってる)。設定マニアには至福の時間を与えてくれるこの作品は貴重だ。
<A> <楽>
15'04'29 天地無用!GXP10
 海賊退治の功績を認められた山田西南以下守蛇化クルーは、バカンス星であるイムイムでの2週間の休暇をもらった。リゾート地での生活に、西南との関係の進展をもくろむ女性陣だが、そこに瀬戸、美守、林檎まで加わり…

 ほとんど丸一冊リゾート地での物語が描かれる話だが、当然の如く誰とも男女の仲の進展はなし。そういう意味ではややストレスのたまる作品ではあった。実は瀬戸は二人いたという前巻の設定も当たり前として描かれるようになってるけど、それが物語に絡むようでもない。まあ、むしろこの作品は設定の奥深さを読むためだけの作品だからそれで良いのか。
<A> <楽>
15'08'06 天地無用GXP11
 ついに完成した海賊船“幸運艦隊部隊”。静竜率いる幸運艦の前には西南の守蛇化すら全く太刀打ちできなかった。西南の不運の力すら上回る幸運の力を重く見た瀬戸は、霧子に一つの提案をしてくるのだった。

 アニメ版19話と20話のノベライズで、幸運艦の名称と、霧子の樹選びがメインとなるはずだが、著者らしく枝葉が広く伸びすぎて、結果として枝葉の方が長くなってしまった。
 美星の曾々祖父(鷲羽の息子)が亡くなったというのが新しい設定の開示となってるが、これによって変化した歴史がどう西南へと結びつくのかはまだ何も言及なし。これも伏線なのか、それともただ書いてみただけなのか。相変わらず著者の引き出しの広さには楽しませてもらえてる。
<A> <楽>
16'05'03 天地無用!GXP12
 ダ・ルマーギルドの擁する幸運艦“運呼”は西南の守蛇化と接触することも無く、ギャラクシーポリスの監視する船を強奪し続けていく。幸運艦に対抗できるのは守蛇化だけだと判断した瀬戸により、霧恋は樹雷の第二世代を与えられた。その樹“瑞輝”と守蛇化との合体が行われる事になった。

 アニメ版の21話と22話のノベライズで「ダ・ルマー編」の決着。メインストーリーは至極あっさりしたもので、枝葉の方が多くなっているのが本作らしさでもあり。もう終盤のはずだが、新しい伏線が次々と出てくる。どうやらアニメ版の最終回のその後がまだ控えているらしい。
<A> <楽>
17'01'04 天地無用!GXP13
 何者かによって連れ去られてしまった福を後先考えずに単独で追ってしまった西南は見事に宿敵タラントの罠にはまってしまい、その本拠地である未開の惑星へと共生不時着させられてしまう。それでも追跡を振り切り、福を探しに向かったところ、偶然現住のワウ族を海賊から救うことに。そこで突然救世主扱いを受けてしまうのだが…

 いよいよクライマックス近く。後書きを読む限り、これはあくまで第一部の終わりに過ぎないらしいが、テレビ版のクライマックスに直結はしている。ただテレビ版と較べてみても明らかに「DUEL!」成分が高い。テレビに出てきた何体もの福の複製体がそれぞれ「Duel!」の登場人物に対応するなど、妙な癒着を感じさせる。
<A> <楽>
17'04'12 天地無用!GXP14
 海賊勢力を一掃し、残ったタラント一派も超古代兵器ZINVを手に入れることで壊滅させられた。任務を終えて再びアカデミーの学生に戻った西南だが、卒業と同時にサプライズが待っていた…

 アニメ版の最終話までを収録。10年くらいかかったが、無事これで終わり…と思ったら、実はこれでようやく前半の終わりなのだとか。確かにこれまでいくつも張ってきた伏線で全く回収されてなかったものもあるし、むしろアニメから離れたこれからが本来の作品展開となるのだろう。
 ただ、ZINV出現と共に「デュエル」の設定が多量に流入し、すごく話にまとまりがなくなった印象はある。これを読んでる人間が「デュエル」を全話観てることが前提だからねえ。著者のファン以外はついていけんぞこれは。
<A> <楽>
17'10'31 天地無用!GXP14
 廉座星系に拉致されてしまったような形で連れてこられた西南たち守蛇化クルー。仲間達とは引き離され、失われた神機ZINVパイロットとして海賊掃討と権力者の駒として使われようとした西南は、今自分に出来る最大限の事をなすべく考えを巡らせていた。

 テレビシリーズの後の話の廉座編の始まり。一からの始まりとなるが、設定がまるで異なるため、これまでのような設定ばらしの快感が一切無くなってしまい、魅力の大半は消えてしまった。残念ながら現時点では小説としても並以下の出来。これからの展開次第なので、当然買い続ける予定だが。
<A> <楽>
19'06'01 天地無用!GXP16
 ZINVと共に簾座連合の辺境惑星に不時着した西南は、本来あるはずのない体内の魔法回路が開いてしまい、肉体変化に伴って身動きが取れなくなってしまう。一方、一刻も早く西南捜索に出たい守蛇化クルーだが、簾座の高官達に難癖をつけられてしまい、外に出たければ機甲騎を用いた決闘を強いられてしまう。戸惑う霧子に送りつけられた荷物を紐解いたところ、そこには鷲羽特製の霧子用の機甲騎が入っていた。

 前半は魔法世界の説明がほとんどで、既存のファンタジー世界、いわゆる転生ものの基本設定を延々説明するだけ。あらかじめ基本を抑えておかねば話の展開について行けないという著者の思いやりなのかもしれないが、全く面白くない。一方、霧子らを中心にした話は展開方法が過去と同じなので楽しく読ませてもらえた。
 細かいところだとDr.クレーと宇宙海賊のクイス・パンタの会話が楽しい。クレー自身は知らないことだが、クイスが過去アカデミーでやりあってた朱螺凪耶だったという事実を知ってる身としては読んでいてとても楽しい。
<A> <楽>
20'06'20 天地無用!GXP17
 自分自身の内に目覚めた魔素をコントロールしようとする西南。生体改造時に鷲羽から体に埋め込まれた賢者の石が西南をサポートするのだが、賢者の石と魔素が化学変化を起こしてしまい、西南は宇宙開闢以来誰も到達できなかった魔素の源となる意識体とアクセスしてしまう。そのお陰で魔法のポテンシャルが上限を超え続けて上がり続けてしまうようになってしまう。
 一方、半軟禁状態ながら機甲騎には幼生固定された樹雷の皇家の樹が使われていることを掴んだ霧子らは、その真実を探るべく動き始める。

 主に西南を中心に展開していく話。魔法が使えるようになっただけでなく、それが超絶レベルになってしまうと言うのはこれまでの通り。力のインフレが止まらなすぎで、ちょっとやり過ぎっぽい気もする。
<A> <楽>
 

 

  

その他